今週のお題「好きな漫画」・・《NARUTO-ナルト-》の王道的魅力とマニアックな魅力を語る。
はてなブログでは、「今週のお題」というテーマが毎週出されているのですが、今回のテーマは《好きな漫画》。 こりゃ書くしかないな!ということで・・書いてみることに。
《私の好きな漫画》・・そりゃもちろん、
です!
NARUTO-ナルト-と言えば超有名漫画ですから、漫画を読まない人でも「ナルト」の名前は聞いたことがあるだろうし、ナルトの口癖「だってばよ」はどこかで聞いたことがあるはず‥と言うぐらい国民的漫画、いや世界的漫画。
なにしろ、今回はてなブログ(公式)に書かれていたお題にも・・
《「漫画の秋」だってばよ 今週のお題は「好きな漫画」です。》
・・と書いてあったぐらいですから🍥 こりゃ書くしかあるまい。
人気の理由は、主人公ナルトの「諦めないド根性」だとか「繰り広げられる忍者アクション、多彩な術」だったり、ま・・・様々ですが、ここは私なりの「ナルト好きブログ!」ならではの理由を語ろうと思います。 「誰でも納得してもらえる(と思う)王道な理由」と、それと「少しマニアックな理由」の二本立てで行こうと思いますが・・
まずは王道かつ納得、「絶対」の理由からいくってばよ・・!
・キャラクターが凄まじく魅力的。
とにかく主人公ナルトの強烈な個性と人間的魅力、それに超大勢の登場人物達それぞれの魅力が半端ないのです。
NARUTO-ナルト-に登場する人物は(本当のちょい役まで含めると)その数およそ400人!
ナルトのごく近い仲間たち以外に、里の先輩、師匠、親世代、年配世代、他里の忍達に数多くの敵、さらに過去の人物等々、実に多くの人物が出てくるのですが・・その一人一人のキャラ付けがしっかりしており、こんなにいても個性が被らないのが凄い。
特に「脇役たち」の存在感・・これがNARUTO-ナルト-では光っています。 主人公の近くにいる「強くてかっこいいキャラクター達」の魅力だけじゃなく、周囲で補佐的に支える渋い脇役たちがいい。
たとえば頭脳派で忠実で、自分の立ち位置をしっかりわきまえた奈良シカク、二代目火影・扉間、カンクロウ、ダルイとか・・ 「いかにも忍」で仕事一筋、感情をおさえ任務に徹しながらも人間として悩む姿が描かれる鬼鮫、再不斬、青、チヨや・・
目立つほどのトップエリートじゃないけどそこそこ中堅なエリートで、「プロフェッショナル」に徹しているゲンマ、ライドウ、アオバ、エビス、ドダイなど・・・「渋い脇役陣」の魅力も語りだすと尽きない。
そして登場人物のほとんどは「忍者」ですが、違う環境にいて違う思想をもっていても、同じ忍者として殆どが《同じ悩み、痛みを抱えて生きている》・・・その一人一人の懸命な姿に読者は惹かれ、心を重ねていく。
それは敵役にも言えることで、NARUTO-ナルト-に登場する「敵」は実に人間的で魅力的なのです。 戦闘的には強くても、人間的にはもろさを抱えて迷い悩んだり、それぞれの立場で真剣に平和を願い、忍世界の闇を何とかしたいと願っていたり・・・様々な個性と人間臭さを持つキャラクター達の生き様・死に様は真面目過ぎるほど真面目で、不器用過ぎるほど不器用。 どのキャラクターにも愛おしさを感じずにはいられない・・・
そして大切なポイント・・・これだけ魅力的で個性的な大勢のキャラクターが揃う中で、それでも主人公ナルトの存在は決して埋もれてない・・主人公が「負けてない」。 主人公の強烈にして超然とした個性があればこそ、NARUTO-ナルト-は成り立っています。
ナルトはとにかく「まっすぐ」。 少年漫画の王道的な主人公で、ひたすら真っ直ぐなんです。 そして人生の曲がり角にぶつかった時、誰もが「なぜ?」と思いながらも「それが人生」と諦めたり逃げたり、受け入れるのが大人になる事だと言い聞かせるような時・・・ナルトは純粋に「そんなのヤダ!」とNOが言える。 そして「オレはオレの道を行く!」と諦めない。
その純粋な生き方は「忘れたものを思い出させてくれる」ような・・ そして実際、ナルトに出会った大人達は「本当は自分が大切にしていたモノ」を取り戻していくのです。
闇の中でもナルトは這い上がり、突き抜け、ぶち破っていく。 その個性は際立ち、目からうろこ的な「意外性」発想で、物語を牽引していく。
私が好きなナルトの「術」がありまして・・それはナルトの代表的な術の1つでもあるのですが、それが・・《おいろけの術》。
これは元々「いたずら」として使っていた術で、《ボンキュッボンの美女》に化けることで、大人たちは皆、ほぼ100%の確率で鼻血ブーになってダウンしてしまう。。
かつてナルトをいじめてきた冷たい大人達への「復讐」として使ってきた術なのですが、それは次第に「強い奴ほど効く」事も分かって来て、何とナルトはラスボスであるカグヤという最強の敵にさえ、この術をかますのです。
そこにあるのは、もはや「復讐」という想いではなく、「人間はみな同じ穴の狢=どんなに強くたって皆同じスケベ」という発想・・・そんなナルトだからこそ、誰とでも仲良くなれる。 忍達の「本心」を引きずり出せるのです。 そんな、ナルトが・・そして全てのキャラクター達が・・愛おしくてたまらない。
そして・・ここからは、ナルト好きブログ!ならではの (ちょっとだけ)マニアックな「NARUTO-ナルト-の魅力」を・・・ いくってばよ!!
・物語の構成力・・・《対》やら《対比》を使った演出が凄い。
NARUTOの魅力・・岸本漫画の力を見せつけられるのが、当然ながら「画力」「シナリオ力」「言葉の力」・・・画力については「見て頂けば」分かりますのでここではあえて申し上げませんが、私が強調したいのはシナリオの構成力と言葉の力です。
72巻にも及ぶ超大作ながらテーマが一貫しており、物語全体の構成がしっかりした設計図のもとに構築されていて、明確な「起承転結」があります。 そして物語にメリハリをつけリズムを付けているのが《対》や《対比》の描写。
「ナルトとサスケ」という中心的人物が常に対比的に描かれ、さらに第1話冒頭のプロローグと第700話ラストのエピローグが「対」になっているなど、物語の随所に「対や対比」の手法が使われています。 そしてそれが、時に心がきゅんとなるほど切なく、美しく、つつましやかな感動を生み出すのです・・
今回は、たくさんの「対」描写の中から、3つほど「私が特に好きな」例をご紹介しましょう(いずれも過去記事※下記参照:などで取り上げている例ですけど) 本当にこれ、岸本先生って凄ェ・・と思えるような見事な演出ですぞ!
まずは「音」による見事な対比描写をご紹介します。コレも実に「感動的な場面」の1つですが、ここで「音の対比」が果たす役割が実に細やかで美しい・・
・コミックス61巻、584話~586話の「ポチャンとピチャン」の演出
これは、薬師カブトの「過去回想」と、「いま現在」が交差して描かれていく場面なのですが・・ カブトには辛い過去があって「自分は誰なのか」見失ってしまいます。 そこにつけこんだ大蛇丸が、自分を探したいなら「理想的な自分を作っていけばいい」と教え、カブトは他人の能力・成分を体内に取り込んでいきます。そしてゴチャゴチャになり、強くはなったが自分ではなくなってしまった・・・
過去に「他人の成分を取り込んでいく」過程が、「血液のような液体が漏斗を伝わって瓶の底に溜まっていく」・・・《ポチャン》の音と絵で描かれていきます。 《ポチャン》と沈む、やや重たく濁って澱んでいく音・・ 一滴落ちるたびに、どんどんカブトは「違う自分」になっていく・・
それと対になるように、自分を取り戻していく過程が《ピチャン》の音で描かれていきます。
他人要素を少しずつ取り除き、本来の自分の姿に戻っていく過程は・・・カブトの肩に落ちる、洞窟の清らかな水滴《ピチャン》の音で描かれていきます。 洗い流してくれるような、澄んだ清らかな優しい「ピチャン」の音が響き渡る・・・
カブトが「自分」に戻っていく感動的なお話が、 過去の「ポチャン」と現在の「ピチャン」の音と絵で、効果的に演出されているのです。 これ、あまり目立たなくてさりげない演出過ぎちゃって、ざっと読んでいると多分スルーしてしまう描写なんです。 でも、そういう目立たないところまで手を抜いてない「岸本演出」が凄いのです。
さらに、こちらも「目立たないけど実はすごい」例の1つなのですが・・・これまた切ない場面を「さらに切なく」している対比描写なんです。
・27巻243話から244話の《ガガガ・・ドドド・・ズズン!》と、62巻594話から63巻600話の《ゴゴゴゴ・・・》
27巻「カカシ外伝」で、カカシの仲間であるオビトが、崩落する岩に沈められ埋もれていく音が《ガガガ・・ドドド・・ズズン!》。 こうしてオビトは岩の中に埋もれてしまい、過去の中の人となってしまったのですが・・
しかし時がたち、オビトはナルト達の敵である「謎の仮面男」として立ちはだかることになります。 62巻あたりから、少しずつ「仮面男の正体」が明らかになっていくのですが、この時「ヒント」として出されていたのが《ゴゴゴ・・》の音と絵でした。
かつて《ガガガ・・ドドド・・ズズン!》と崩落する岩に埋もれ、岩で封印されてしまったオビト。 しかし仮面男がオビトであると分かっていく過程で、過去の封印の扉が開けられるかのように・・地面の岩が空中に《ゴゴゴ・・》という音と共に舞い上がり始めます。
直接的には、その音は巨大な魔像が動き出す音と振動によるものなのですが、「オビトが岩で埋もれていく過程の逆再生」にもなっており、この音と絵の対比は重苦しい空気と悲しい予感、壮絶な再会が近づく予告をしているのです。 これも実にさりげなく描かれているのですが・・ぜひ一度、そこを意識して読んでみてください。切なさ倍増します。
最後にもう1つだけ、やはり目立たないけど凄い「対」の演出がコレ・・
・25巻、218話サスケの「よう・・ウスラトンカチ」と57巻538話ナルトの「来やがれウスラトンカチ!!」
時系列的にはこれ、実は逆でして・・538話のナルトの「来やがれウスラトンカチ!」のほうが先でして、忍術学校(アカデミー)時代にナルトがサスケを挑発するように言ったのです。 二人の闘いの物語は、この時のナルトの「ウスラトンカチ!」で始まっていたんですね。 そしてこの時は「サスケがナルトを押し倒して、拳をあげて」終わっています。
それからは、サスケのほうがナルトに何かと「ウスラトンカチ」というようになり、サスケと言えばナルトに「ウスラトンカチ」と言うのが定番になっていく。
そして218話では、里を抜けてナルト達と別れようとするサスケが、終末の谷でナルトを「よう・・ウスラトンカチ」と出迎え、その直後に「ナルトがサスケを押し倒して、拳をあげて」います。 つまり・・アカデミー時代最初の出会いの時と「逆パターン」になっているんですね。
サスケは、二人の「始まりの日」の逆パターン再生をすることで、ナルトに「別れ」を告げていた・・のです。 それだけ、サスケはナルトとの出会いを大切にしており、繋がりを本当は「断ち切りがたかった」・・そんなサスケの秘めたる想いが、こんなちょっとした対比の描写に隠されているのです。 それに気づくと、なんともまた切なくやるせなくなります・・
以上、ご紹介した3つは ほんの一例ですが、このように「さりげないちょっとした描写」に、登場人物の想い、心情が描かれていまして、それがストーリーをより劇的に美しく切なく彩っているのです。 NARUTOにはそういう演出がホントあちこちにありましてね・・・小さなところにまで手を抜かない、細やかな演出や隠された伏線が随所に散りばめられています。 まさに宝石箱・・・
こういった小さな「隠れ演出」を見つけ出すのも、NARUTO-ナルト-を読む、読み返す大きな楽しみ、魅力の1つなのです。そして・・これは本当に面白い。 そして、飽きることが無い。 読み返すほど味が出てくる・・
72巻と超大作で長いけど・・・「読書の秋」だからこそ、いま一度手に取って読んでいただきたい、おススメの漫画・・それがNARUTO-ナルト-です!
☆長駄文、読んでくださって感謝・・・
(意外と、こう真正面から《NARUTO-ナルト-を好きな理由》って語った事は今まであまりなかったかもしれない・・)
《NARUTO-ナルト-とは、週刊少年ジャンプにて平成11年から26年までの15年間連載された、忍者の少年ナルトを主人公とする大人気漫画。 アニメ、劇場版化もされ、世界中に今も多くのファンを持つ。作者:岸本斉史》
文中関連の参考過去記事です。
(ナルト好きブログ! 2019/11/03)