ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~
観てまいりました!・・っっても先週なんですけど;
場所は東京・天王洲の銀河劇場。初めて行ったのですが、客席が舞台を包み込むような・・役者さんとの距離感もちょうどいい感じの 素敵な劇場でした。 役者さんのファンが多そうなので、客層(年齢層)は実に幅広い(ちょっと安心する)。
ただし・・お客さんのほとんどは女性(笑)
で・・今回の作品は2017年の再演でして、最初の2015年、2016年の「ライブ・スペクタクルNARUTO-ナルト-」(これは少年編)の続編にあたります。
2作目の今回は、物語的には第二部前半、ナルト達の「天地橋任務」と、サスケの“蛇”結成と、イタチとの闘い(そしてイタチの真実)までのストーリー。
そして今回は音楽メインの「ライブスペクタクル」・・(ミュージカルとも違う位置づけらしい)、オリジナルの歌も多いのですが、全キャラがそれぞれの「目的」を重ねるようにして歌い上げていく冒頭シーンは、迫力がありましたよ!
で、和太鼓と二胡の生演奏がありましてね・・これがまた素晴らしいのです。
和太鼓の 会場を揺らす迫力の音も、二胡のしなやかで伸びやかな音と その奏でるメロディ―の切ない美しさがね・・・忍達の生き様のような、まさにNARUTOそのものなんです。
歌についても、音楽担当の和田俊輔氏の話によれば、セリフの心情優先で「あえて歌っぽくなく作った」のだとか。
(あ、一昨年にくらべて主演の松岡広大君の歌が上手くなっていたような。 大蛇丸役の悠未ひろさん、ヤマト役の藤田玲さんの美声は 言うまでも無しに圧巻の素晴らしさ)
ま、一部原作ファンには2.5次元というと「原作のイメージがぶっ壊れるんじゃないか」という心配もあると思うけど、個人的な感想を言えば・・そんな心配はご無用!(だと思う)。 逆に、この部分を切り取るとこう感じるんだなぁ~とか、改めてあの場面はええのぉ~とか、読んだりアニメで観るのとも違う「新たな視点」からの感動をもらえたりいたします(歌舞伎もそうだった)。NARUTO世界の奥深さと言いますか・・
そして・・ひしひしとNARUTOの世界に浸る「なんとも贅沢で濃い」時間を過ごしてまいりました。 連載終わって5年・・それが今こうして「生」でNARUTOの世界を感じる事が出来るのだから、実にありがたい!
で・・ストーリーですが、 前半は「天地橋任務」が中心になってます(残念ながらサソリVSサクラ、我愛羅は出てこない。時間的にしかたあるまい・・)。つまり《九尾チャクラのコントロールに苦しみながら、サスケを諦めないナルト》がメインで描かれていくいんですね。
この頃のナルトって・・改めて「苦しかったんだろうなぁ・・」と思ってしまった。 全てが思うようにいかず、ちょっとしたスランプ期間というか・・ なのに務めて明るく振る舞おうと頑張ってた。 でも先が見えないし、本当はすごく不安だったはずで・・
そんな時に突然現れた サスケにちょっと似た「サイ」の存在が、ナルトに希望を見せてくれたんですよね。 サイの「絵本場面」は、感動ものの演出でした。
そして後半はサスケが中心に進むので(サスケの話は ほぼ原作通りに進む)、“暁”に関してもイタチとサスケと関わるメンバーだけに一応絞られています(ペインは今回初登場!)。だから・・このメンバーになっている・・
デイダラとサスケの闘いは出てくる! 舞台の端で、さりげなくデイダラとトビがじゃれ合っていたりするのが面白い。
そして、“蛇”のメンバーと大蛇丸・・
衣装もメイクも舞台演出も,工夫が素晴らしくて美しかった。大蛇丸がサスケを取り込もうとした「大蛇丸の空間」の演出など実に妖艶だった。。
で・・グッズ売り場にも寄ってみたのですが、予算の都合上パンフレットだけになっちゃったんですが; パンフレットを読んで「役者さんたちの役への思い入れ」にじわ~んと感動いたしました。
NARUTO世界を忠実に、そしてさらに幅を広げて表現しようという意気込みが伝わってくる。。 ちょっと例として、ほんの一部だけ引用させていただきますと・・
サクラ役の伊藤優衣さんは《サクラちゃんの人を信じる強さや、自分より相手を優先する姿勢、内面の強さ》を語っていて、うん・・伝わってきましたよ、サクラちゃんのひたむきな想いと「内面の強さ」が。
サイ役の定本楓馬さんは、サイが繋がりを見つけようと変わっていく姿が《愛おしく思えて来て、救ってあげたい》と思うようになったと・・ そうなんです、この舞台では「サイ」がとってもいい役割を果たしてくれているんです。
そして“暁”の鬼鮫役・林野健志さんが、これまた いい事をおっしゃっていまして・・《表に出てこないイタチの感情は、傍にいる鬼鮫を観ていたら拾えるんじゃないかな》って。 確かにそうなんですよね、鬼鮫とイタチのやり取り・・鬼鮫の表情を見ていると・・なんとなくイタチの想いも伝わってくるような。 さらに《鬼鮫の孤独は色々なことを経験し過ぎたが故の孤独で、あえて人との距離をとっている》と・・・ホント納得しちゃう、鬼鮫のこういうところが、いいんですよねぇ・・
で、トビ役の片山浩憲さんは《2面3面ある人格を面を着けた状態で変化していくのは難しい、ナルトと似た部分があることが自分の中にある事で伝われば》と・・ 今回の話でトビは「トビとマダラ」としての2面を見せていますが、「3面目の人格」はまだ出てこない。でも「ナルトと似てる」って事は、役者さんは「オビト」の部分まで意識されて演じてるって事で・・難しそうだなぁと;
そしてイタチ役の良知真次さんは《イタチは全てを見ている人》と・・イタチは全てを見て動いているんだと意識しながら舞台を見ていると(あるいは原作を読んでいると)、また違ったイタチ像が見えてくるってもんですよね。
どれも「うん、うん、」と思わず頷いてしまう・・・役者さんがそれぞれの役になりきって想いを伝えているんだと思うと、これだけで熱い・・泣けてくる。といいますか、今回の話はとにかく「瀑涙モノ」なのです。 何と言ってもラストが《イタチとサスケの闘い、そしてイタチの真実》ですから・・・当然、会場のあっちこっちですすり泣きやズズッと鼻をすする音やら・・でしてね;
ラストにはイタチとサスケがそれぞれの想いを重ねながら歌い上げる、これがたまらなく切なかったりします。
(イタチとサスケのバトルも、極めて原作を忠実に再現してて・・その動きはリアルで躍動ありで、原作ファンも手応えあり!)。
厳密には最後は44巻の冒頭、イタチがナルトに「力」を渡す場面まで出てきます・・一緒に行った友人に「イタチがナルトに渡したあの力って、この先何かあるの?」と聞かれたんで、あるよ~と・・思わずニシシ(笑)してしまった。。。
ここまでやってるんだから、ぜひとも「完結編」までやっていただきたいところ!!
公演は12月1日まで。
そして・・千秋楽は全国でライブビューイングが決定しています!!
間に合うか・・・? 興味ある方は、ぜひ!
(ナルト好きブログ! 2019/11/26)