さて、巷にはいろんなランキングがありますよね。 NARUTOでも、人気ランキングや強さランキング、術ランキング、血液型ランキングなど色々とございます。 中でも公式と言えるのはジャンプ誌上で行われたファン投票かと思いますが、最後のほうで行われた投票では トップ争いを続けた《ナルト、サスケ、カカシ》の三つ巴に続いて我愛羅、デイダラ、イタチ、四代目火影ミナト、サソリ、シカマル、ヒナタ・・とまぁ納得といいますか、なかなか多彩なメンバーが揃っています。
では、もしこの人気ランキングを《NARUTOキャラどうしで》投票させたら 結果はどう変わってくるんだろう・・? いわば《プロの忍が選ぶプロの忍ランキング》、プロ目線でのカッコいい忍ってやつです。
もちろんこれは全く個人的な偏見ですが、以下勝手にランキングを想像してみました。 その結果は・・・・・!
(※11位以降は 二代目火影・扉間、各里の歴代影、奈良シカマルなど)
いや、お偉いさんばっかりといいますか・・ 意外性の無い 色や華に欠けるランキングになっちゃった;
ナルトはぶっちぎりの1位だと思うんです(ファン投票以上にね)。 ま、NARUTO-ナルト-ってのは《ナルトが最終的には世界中の忍から認められていく話》なわけですから、当然かもしれません。
それに「五影ばっかり」なのは、いざ投票で迷ったら《とりあえず自里の影》とか忖度で影とか、そういう票が集まると思ったから。
そもそも忍世界の人気投票で高得票になる為には、どうしたって《知名度》がモノを言う。 読者はマイナーキャラに至るまで知っていますけど、忍達は「有名忍」か「身近な忍」しか知らないですからね・・ あとは他里の忍からも「忍の神」と崇められる、柱間のような「ザ・伝説の忍」とか。
(※ちなみにカカシも物語終了時で六代目火影になるし、自来也は火影ではないけど有名で誰からも慕われる人格であることから10位に。 さらにシカマルを次点に入れたのは、他里の忍や敵からも何かと評価される場面が多かったから。 あ、二代目火影扉間がなぜ10位以内にランクインしてないかについては、次回記事で・・)。
ちなみにデイダラやサソリといった「敵キャラ」は、ここには入れておりません(忍達にとってはただの敵ですから)。 それにイタチ、サスケも699話時点では 忍達に良い印象は無い・・ので入らない。 「忍による忍ファン投票」では《味方であること》は大前提。 そこはファン投票とは大きく違っちゃいます。・・・うん、ランキングに意外性を求めるなら、読者ファン投票のほうがずっと面白いかもしれない;
でも、忍だって なかには“あの人カッコいいから” “あの子可愛いから”いう理由だけで投票する人だって絶対いる・・と思う。 しかし、NARUTO-ナルト-には いわゆる“アイドル的”忍は出てこない。 見当たらないんです。
強くもないし実績も無いけどアイドル的な人気を誇り、追っかけがいるような有名忍ってのは出てこない・・(少なくとも原作では)。 それなりに美男美女各種揃っているのに。
(アカデミー時代のサスケはモテモテだったから、あのまま里に居て活躍してたら女子票が集まりそうだったけど)
それでも、綱手をかなり上位に入れたのは「(物語終結まで)現役火影だから」という理由に加えて、中高年ファン票が多いんじゃないかと思ったからです。 奈良シカクさんが言ってたみたいに《あの人ぁこの世で一番強く美しい女だぜ》ってな感じで、特に中高年の忍にファンが多いんじゃないかと。 血筋も申し分なく「三忍」の一人だし、それになにせ106センチ・・;
水影メイさんも《美しくて強い忍》だけど、うーーん・・なぜか彼女は同世代の異性からは あまりモテるような気はしないんですよね(男日照り続いてるらしいし)。
綺麗で女性らしい外見なのに意外と男っぽい性格にも思えるし、結婚願望が強すぎて引かれてしまうのか・・(現実でも こんな綺麗な人がなぜ?という事はあるけれど)。 あ、でもメイさんは お爺ちゃんや うんと若い忍からはモテそうな気はする・・
それと、我愛羅を2位にしたのは「他里の影からも一目置かれる実力」と「カリスマ性」を持つうえに、砂隠れの女子から絶大な人気がありそうだから・・という理由。
ただし、当然ながら彼ら五影は「五影だから人気がある」のではなくて「人気があるから五影になった」わけでして。 上位に入った彼らのどういうところが《プロから見てスゴイ》のか。 どういうところが《人気の理由》なのか。
まずは《圧倒的な強さ》、これは必要ですよね。 でも《すげー強い》っていう それだけでもダメでして、《人柄が信用できる》ってのも重要になってくる。 それは第1回忍によるファン投票ともいえる《第1回火影選挙=柱間VSマダラ》の結果を見れば、一目瞭然です。
結果はご存知の通り、千手柱間の圧勝(圧勝とまで書いてないけど、うちは一族の一部も柱間に入れたというし、その後のマダラのスネっぷりからして柱間圧勝だったのではないかと)。
柱間とマダラ、どちらも実力的には申し分ないのですが、どうして差がついたかといえば《人望の差》。 マダラだって本来は愛情深いチャーミングな性格だけど、他人の前でそれを見せませんでしたからねぇ。 対して柱間は、明るくて前向き、おおらかでオープンな性格。 だから誰からも好かれ信頼されるし、人たらし能力高し。
で、よく言うところの「人たらし」ですが、世の中で言われているのを まとめてみると、だいたいこんなイメージかなと。
- 人懐こい
- いつも明るく笑顔でポジティブ
- 親身になれる
- 挨拶ができる
- 誰にもありがとうをちゃんと言えて感謝できる
- 素直で自分の失敗や間違い、弱点を認める
- 他人に上手く頼って任せる
- 裏表がない
- 自慢をしない、他人を認めることができる
- 嘘をつかず、誠意を持って行動する
うん・・シンプルだけど、これを全部実行するのは なかなか難しい。
でもナルトはほとんど該当しており、さりげな~く普通にやってのけちゃっています。 そして柱間もこれ、ほとんど出来てます。
NARUTOキャラにも「知名度、実力」それに「素晴らしい人柄」ともに揃っている人は結構いるんです。 誠実で真面目で、優しく親身になってくれて、挨拶もちゃんとできるとか、人懐こいキャラの人もそれなりにいる。
だけど、忍という仕事柄のせいか「自分の失敗や間違い・弱点を認める、他人に上手く頼って任せる」のが苦手な人も多い。 やたら責任感が強くて一人でやろうとしたり、自分の弱点は隠そうとする(致命的にもなりますから)・・・ 自分の「弱さ」を隠す、頼り下手な人が多いんですよね(そういうところに読者は惹かれたりするんだけど)。
その点、ナルトは自分のダメなところを隠してない。 時々思いっきり抜けるし、「知らない」事も隠さないし、いつでもフルオープン。 「おバカ」として呆れられる場面も多々。 だからこそ周りが放っておかず、寄ってきて助けてくれる。 それについては、ナルトを熟知する九喇嘛が こんな事を言っている・・
「アハハ・・バカは親近感も抱かれやすい」って。
物語終盤のナルトってば もう神レベルの強さになってしまって、他の忍達はその足下にさえ及ばない・・・圧倒的な差と距離があったんです。 実力的には近寄りがたい存在と言いますか、だけど意外とおバカなところがあるから 人々は「親近感を抱く」。 あるいは「優越感さえ抱く」。 これがポイントかと。
忍達は皆 同じ職業についてるわけですから、ようするに皆がライバルなんですよね。嫌というほど実力、才能、血統の差を思い知らされる職業でもあります。 競争心や嫉妬もあるし、強い忍の前では自分がみじめに見えてくる。 距離も感じてしまう。 でもナルトだったら・・・その点「親近感」を持ってもらえる。
ナルトが持つ人たらし能力の《素直で自分の失敗や間違い、弱点を認めるところ、他人に上手く頼って任せるところ》・・特にこの部分が、忍の中では際立っているのかも。
「忍の神」柱間も、意外と抜けてダメなところもあるし、それを「隠そうとしてない」。 他人の前で弟に叱られちゃったり、ず~~んと落ち込んでますもんね。 他の五影たちを見ても、その多くは「ダメっぷり」をあまり隠してないんです。
雷影エーも 見た目こそ強面で筋肉筋肉で、ゴツくておっかない感じなんだけど・・
愛情深くて真っ直ぐすぎて、短気で突っ走っちゃう。 お構いなしに壁や窓をぶっ壊して飛んでいっちゃうから、部下達は謝ったり そのフォローにも忙しい。 でも、あの熱い涙を見たら 彼が「部下から愛される理由」もわかる気がする・・・
それと、ここではランクインこそしてませんが、二代目水影・鬼灯幻月。 彼は自分のことを「カリスマ性がある」ようにおっしゃっていましたが、確かに「蜃(おおはまぐり)」という幻術や「蒸危暴威」という凄い術を持った「カリスマ的に強い忍」だった。 しかし、この方の“本当のカリスマ的魅力”はたぶんそこじゃない・・
《眉無しにゃカリスマってもんが面に出ちまうんだこれがよ!おっとそういやオレも眉無しだったぜ!》
《オレ・・やっぱ・・強すぎちゃうのかな?》
《オレだって元五影の一人だぁん・・実力でオレに勝てなきゃ死んだオレ以下ってことだろうが!ボケ!そんなんで敵のボスに勝てるかァ!!》
・・とまぁ語りが独特でして。
カリスマ性というより個性的というか、すごい強い方なのに失礼ながらそんな強そうには見えないというか・・
だけど《やっぱお前金のたまごだ!!》とニィと笑うところなんて、すご〜く優しそうで人懐こい。
彼が里で「カリスマ的人気」を誇っていたとしたら、それは「圧倒的な強さ」とか「カリスマ的な見た目」とか以上に、きっと「あの間抜けな話し方と人懐っこさ」や「抜けた感じの見た目」じゃないかと思う。 そういうところが「親近感」を抱かせ、本来感じてしまう距離を縮めてくれる。
綱手だって、賭け事好きで負けてばかりとか お酒好きなのに弱かったり、ミナトも日頃は超天然で母ちゃんの尻に敷かれてる感があったし・・でも、そういう姿を隠していなかった。 彼らは《自分の失敗や間違い、弱点を認める》ことが出来るし、《他人に上手く頼って任せる》事も出来る人達だった。 それって「弱点をさらしても大丈夫」なぐらいの周囲への信頼と「自信」もあるからなんですね、きっと。 その堂々とした貫禄と余裕に、ほとんどの忍は惚れこんでしまう・・
だからこそ、彼らはイザという時は怯まず、堂々と先頭に立って守ってくれる。 誰もが躊躇するような「決断」も出来る。
三代目火影ヒルゼンは、当初こそ御隠居おじいちゃんのイメージで、ナルト達も(この人ホントに強いのか?)と疑っていたみたいですが、木ノ葉崩しの時には立派な火影らしい姿を見せてくれたし、さらに物語終盤では「全ての性質変化を使う」という超離れ業を披露して驚かせてくれた・・・ヒルゼン、ホントにスゴイ人だった。
でも、三代目の「本当の凄さ」については、この人の「評」が印象に残っています。
《三代目はああ言っているが いざとなれば木ノ葉を守るため動く・・
奴はそういう男だ》
(ダンゾウ)
日ごろはヒルゼンを批判してばっかりだったけど、珍しくこの時ダンゾウは本音を言ったのかなと。 ヒルゼンは《いざとなれば》誰よりも行動できる人、決断できる人だとダンゾウは知っていた。
ダンゾウってのは、なんでもワシワシって自分アピールが凄かったけれど、それでいて心の中では ちゃんと他の忍を冷静に評価する人でもありました。 なんていうのかな・・・この人や大蛇丸、それに(彼らと一緒にしちゃ悪いけど)九喇嘛みたいな「ちょっと離れた独立した立場から見てる人」って、意外と鋭く忖度私的感情抜きに、冷静な評価をしてるんですね。
ダンゾウや大蛇丸に投票させたら「このワシ」「この私」とでも書きそうだけど・・・ 本当の本音で《ホントは誰が凄いと思いますか?》って聞いたら、他の「ある忍」に投票するんじゃないかと想像しています(ま、その辺りも次の記事にて)。
《有名、強い、人柄が信頼できる》・・・それに加えて《自分の弱さを隠さず周囲に頼れて》そして《親近感を抱かせる》。 それが忍における「人たらし」であり、「プロが認めるプロの忍」ではないのかな・・・。
☆長駄文、読んでくださって感謝。
(2021/01/15 ナルト好きブログ!)