ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

砂隠れの里・チヨ・・・チヨの「諦めない」選択 (NARUTO登場人物雑考)

砂隠れの里・チヨの「諦めない」選択(10月15日チヨばあ誕生日)


イメージ 1

          (若き日のチヨばあ。想像図ですw)

五影会談での我愛羅、一番若いのに一番冷静で、しっかりしてますよね!

古い世代は過去の経験が邪魔をして不信が邪推を呼び、冷静な判断を出来なくさせているのかも? かつてのチヨもそんな1人でした。

彼女の過去経歴については、データブックにも詳しく書かれていませんが推測できることは・・彼女は若い頃から、砂を背負ってたつほどの天才くのいちだったということ。その才能は傀儡の術、体術、忍術、医療忍術と実に幅広い。年老いても身のこなしは鮮やかで、ナルトが「このババア出来る!」と言うほど!

彼女、孫のサソリと年齢差が38くらいしかないんですよね。
38歳でサソリのおばあちゃん…(はやっ!息子を出産したのも多分18歳くらい?)
チヨは才能にも恵まれ、かわいい孫にも恵まれ…彼女の人生は順調だったんでしょうね。

しかし彼女にとって苦難の時期がやってきます、彼女が40歳~50歳くらいの頃。この間(第二次忍界大戦中?)にチヨは最愛の息子を失います…息子を倒したのは、木ノ葉の白い牙つまりカカシの父・はたけサクモ。

サクモは三忍を凌ぐ強さだったようなので、当時木ノ葉最強の忍だったことは間違いないでしょう。最近あの世で出現したサクモさんを見ていると穏やかで優しそうで、最強の忍って顔に見えないのだけど・・まぁカカシ同様普段とのギャップが激しいのかもしれません。
先日の火の国大名の発言「(カカシのことを)ほほう あの白い牙の息子かえ」なんてのがありました。よっぽどサクモは有名な人だったんですね。
生きていたら4代目火影はサクモだったかな?

チヨの息子も、当たった相手が悪かった・・。

戦乱の世に生きてきたチヨ。自ら天才傀儡師として一線で活躍し戦争に貢献してきた彼女にとって、死も日常的なことだったでしょう・・息子の死ですら、これも忍の運命と諦めることは出来たと思います。親を失った幼いサソリを見るのは辛かっただろうな・・。(この時サソリはまだ小さかった(12歳未満・・サクモの没年から考えて)

あんなつぶらな瞳で「父さんはどこ?」なんて聞かれたら、答えに詰まっちゃう。しかも、息子の面影がある・・。

お仕事には厳しいチヨですが、サソリに対しては大甘になっていたのでは?

砂の上役として忍達を戦争に駆り立てる側にあったチヨ。
自分が息子を死に追いやってサソリを一人にしてしまったという気持ちがあったのだと思います。だからつい、サソリには甘くなった・・
でも、それを認めたくないから「木ノ葉の白い牙」への恨みを募らせることで、自分の中に沸いてくる「私(ワシ?)がサソリから父を奪った」という気持ちを打ち消していたのかな、と思います。

本当はチヨもわかっていたはず。戦争が起こした悲劇であることを。
だから白い牙は憎いけど、チヨはその息子カカシに対して憎しみを向けたりはしない。

彼女はサソリに傀儡の術を教え、サソリは「両親」の傀儡を作り人形の中で時を過ごすようになります。やがてチヨは、サソリのために人形に命を吹き込む術まで考えるようになります。せめてもの償いとして。

サソリは両親の死に正面から向き合うことなく現実から目を背けるようになり、それはやがて人を人と思わない考え方に偏っていきます・・・
チヨがサソリのためを思って甘くしてきたことが、サソリを1人きりの世界に閉じ込める結果 へ。。
サソリが現実逃避するようになっていたことを、チヨはわかっていたでしょうが・・あえてそれに眼を瞑ってきたのかな?という気がします。

やがてサソリは人傀儡まで作るようになり、抜け忍に・・・

この時に、サソリは三代目風影を暗殺して里を抜けたのだと思われます。
しかし 砂では三代目風影の失踪は「他国の仕業」との疑いが起こり、それが第3次忍界大戦の引き金ともなったようです(30巻のチヨの話から)

あの時にもチヨの頭の中には「もしかしたらサソリが?」という疑いが少しはあったかもしれません。サソリがより強い人傀儡を求めていた事を知っているのはチヨなのですから。
後日サソリが三代目風影の人形を出してきた時、チヨは驚いてはいましたが、(やはりそうだったのか)と怖れていた最悪な現実を目の当たりにしたのではないでしょうか。

最愛の孫の里抜けはチヨにとって辛かったでしょうが、人の道から外れていくサソリを見ているのも辛かった(そしてそれを止められなかったのも辛かった)のでは?

サソリが里を出たことで、かわいいサソリが別人へ変わっていく辛い現実を 近くで見ずに済んだことは、チヨにとって救いになっていたかもしれません。

チヨにとってサソリは、いつまでも幼いサソリだった・・
(風影奪還任務中、仮眠するナルトの無垢な寝顔を見て、サソリと重ねるチヨ・・サソリがチヨの元を去ったのも15,6歳の頃だったんだと思います(今から20年位前・・第3次忍界大戦始まる頃)ナルトとほぼ同じくらいの背丈、体つき・・。)

第3次忍界大戦も終わり、一時の平和が訪れた頃から砂は木ノ葉の教育カリキュラムも取り入れはじめます。

木ノ葉忍術アカデミーの教えは「個性を重んじ、自由な環境の下それぞれの忍
道を模索させる」(兵の書より)
木ノ葉のような自由な教育は、チヨには甘いと思えたに違いない。忍は感情をおさえ、戦いに徹しなければならない・・この考え方は、ダンゾウ、雷影、土影ら古い世代に共通します。

他国を信用していなかった風影やチヨらは、密かに対策を練り・・新しい「生きた兵器・我愛羅」・・人柱力の作成に取り組みます。

そして同盟国を信じなかった彼らは、いとも簡単に大蛇丸の陰謀にはまり、木ノ葉崩しに加担するのです。

他里を信じない気持ちは、その後もずっと続き・・我愛羅が暁に連れ去られたときも木ノ葉への不信をあらわにしていましたっけ。
「大体わしはあのナメクジ娘が好かん!」

チヨは他国を信じられず、サソリも他人を信じられず(生身の人間を信じら
れず)、現実を見据えることから逃げていたんですよね。

今週号(467話)で水影さまがゴマカシの世界に逃げることを「そんなものの中に何があるって言うの!希望も夢も無い!ただ逃げてるだけよ!」とおっしゃいましたが・・・
霧隠れの里においても、血霧時代の恥を隠そうとする古い世代(青もその1人)と、オープンに事実を認めてしまう新しい世代の水影さまにはギャップがありました。

砂隠れでは、現実から逃げずに正面から立ち向かった我愛羅・・

彼も独りきりの世界に閉じこもり母と会話をするなどサソリに似た幼少時代を過ごしました。しかし彼はうずまきナルトによって目を覚ます…

「努力し自ら切り拓くしかないんだ 一人きりの孤独な道に逃げずに・・」(我愛羅

そして我愛羅ら砂の三姉弟は、ナルト達のピンチを救いました(サスケ奪還任務) これに関しては世代的には旧世代に属する綱手が 増援を他国に依頼したというのも画期的なことだったのではないでしょうか。
綱手の「火影として一番優れている点」は、「信じる力」だと思います。
綱手は自里の忍を信じるだけでなく、他里の若い忍も信頼した。これこそ平和への鍵。

チヨに新しい希望をもたらしたのは、皮肉にも仇敵・木ノ葉の忍達。綱手の弟子と、白い牙の息子、そして九尾の人柱力ナルト。里や国という概念を超えた、人間同士のつながり。

「木ノ葉だとか砂だとか あいつにとってはそんなことどうもでもいいんでしょう」(29巻ナルトについて、カカシがチヨに説明した言葉)
そういうカカシもナルトに変えられた一人です。
カカシは戦争の悲惨さを体験していますし、過去にはこんな発言もありました「ま、同盟条約なんてのは口約束と同じレベルだよ・・かつての忍界大戦がそうだったように」(11巻)

隠居してからのチヨは、釣りをして死を待つだけ。
このまま現実を見据えないまま、自分をごまかして生き続けるしかないと諦めの毎日・・
しかし、ナルトの里を越えた想いが、チヨの考え方を変えた・・。
チヨは 今まで目を背けてきた現実と対峙することを決心する。諦めずに孫、サソリの現実を直視し、決着をつけること。

そして、自分の手で我愛羅という一人の少年の人生を狂わせ、孤独へ追いやってしまった後悔にも決着をつけること。
自らの命とひきかえに、我愛羅に命を与えること。我愛羅に新しい人生を与え我愛羅を信じて託すことがチヨに希望の光にもなりました。

諦めていたチヨが、人生の最終幕において「諦めない」選択をしたことで彼女の人生も救われることになったのですね。

チヨに命と希望を託され、自分の力で闇から這い上がった我愛羅の言葉には重みがあります。チヨのように、希望を諦めず古い世代が新しい世代に耳を傾けてくれた時・・・世界は大きく動き出すのでしょうか。

「物語は最後の結びの出来できまる」・・自来也の言葉のように、チヨの最期の結びは実にあっぱれなものだったのでした。