ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

「第七班と、橋」・・・その3.神無毘橋とカカシ

「第七班と、橋」・・・その3.神無毘橋とカカシ

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「第七班と橋」シリーズその3、本当は「終末の谷とナルト」を予定していたんですが;
485話「近く...遠く...」でナルトとサスケが終末の谷の再現のように螺旋丸と千鳥をぶつける展開となり、感想記事でも先日の「今日のお題」でも、終末の谷話題を既に書いてしまいましたw

 ・・・ということで、同じネタ続きはしつこいのでw 来週取り上げるつもりだった「神無毘橋とカカシ」を先に繰り上げることにしましたw

は さておき・・・

『神無毘橋』・・・

それは草隠れの里にあった橋で、カカシにとって 辛い辛い記憶の橋。
第3次忍界大戦末期、ミナト班「カカシ隊」に与えられた「神無毘橋爆破・極秘任務」。12~3歳の少年達には重すぎる任務。そして、あの戦いでカカシの親友オビトは帰らぬ人になってしまった。

カカシにとって、神無毘橋は「時がせき止められた橋」。あの時からカカシの時計の針は止まっている。自分のせいで親友が犠牲となってしまった・・・悔やんでも悔やみきれないあの日。そしてあの日から、カカシはオビトの眼となって オビトの代わりに生きている。

上の絵は、「カカシ外伝」一番最後の見開きの絵です。
オビトが戦死したあと、「爆破工作」を無事完了したミナト班は これから帰路につくところなのだと思います。
ミナト先生とリンは、既に帰る準備をしてカカシを待っている。
でもカカシだけはその場を去り難いのか、川面をじっとみつめたまま動けずにいる。

破壊された橋の残骸で堰き止められた川。この場所だけ時間の流れが止まってしまったかのようだ。

《極秘任務を完了したら即撤収》というのがルールなのだろうが、カカシはオビトを思って立ち去ることが出来ない。おおらかなミナト先生のことだから、カカシの気持ちを考えて何も言わずに待っていてくれたのかもしれない。
それまでのカカシなら、ルール通りに「任務完了したらすぐに移動」するはずだし人を待たせることもなかったはず。
この時はじめて、カカシは人を待たせたり 感情を優先させた行動をしたのではないだろうか。あれからというもの、カカシは「神無毘橋」を想うたびにタイムスリップしてしまい「神無毘橋で崖の下を見つめていた、あの時」に戻されてしまうのかもしれない。時がフリーズしたあの世界に。

そして、カカシは時が止まった世界でいつまでも自分を責め・・・
遅刻する。

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↑の絵は「あの時」のカカシですが、横顔から深い悲しみが伝わってきます(顔は見えないけど)
オビトの名前が刻まれた慰霊碑の前に佇むたびに カカシはこれと似た表情を見せる。

たとえば第2巻、カカシが第3演習場の傍らにある「英雄の慰霊碑」を前にして、ナルト達にはじめて「カカシらしい言葉」を言う。この横顔は、神無毘橋に佇むカカシの絵と似ている。

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「忍者の世界でルールや掟を破る奴は クズ呼ばわりされる
・・・・けどな! 仲間を大切にしない奴は それ以上のクズだ 」

そしてもう1つ、16巻139話。三代目の葬儀の時、慰霊碑の前にいるカカシに 暗部の後輩・夕顔(美人さんw)が「遅刻の言い訳を考えるくらいなら、もっと早く来てあげればいいのに」と話しかけ、カカシが答える・・

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「来てるよ朝早くに・・・ただここに来ると昔のバカだった自分を
いつまでも いましめたくなる」

この横顔も、神無毘橋での横顔を思い起こさせる。やはりあの時を思い出してしまうのだろうか。

どうやら慰霊碑には「朝早くに来ている」らしいが、それでも遅刻するのはタイムスリップして、時が止まった世界からなかなか抜け出せずにいるんだろうか。
カカシの遅刻癖はもはや常習化しているけれど、重要な仕事に対しては誰よりも迅速に対応しているし超真面目だ。ただし、英雄の慰霊碑にお参りした後だけは必ずと言っていいほど遅刻する。

神無毘橋を思い出す時、カカシは岩がのしかかってくるような重さを感じているのだろうか? 閉塞的な世界、痛みさえ忘れるような鈍い重い感覚・・・・
川のせせらぎも何も聞こえない、空気も流れない世界を。
そして時が流れる感覚も失っていく・・。

もう20年近く経っているのに、なぜまだ「時が止まっている」世界から自分を解放できないのだろう?


 カカシ遅刻癖の理由の「本当の原因」

カカシがずっと後悔していること・・・それは仲間を守れなかったこと、仲間を見捨てようとしたこと。そしてオビトとの約束「リンを守る」ことができなかったこと。
そして、彼が無意識的に一番悔やんでいることは『オビトを木ノ葉に連れ帰れなかったこと」ではないだろうか?

カカシ外伝での描写を見る限り、オビトは崩れた岩に埋もれたままになっているはずで、遺体は里に持ち帰られてはいない。だからカカシは、神無毘橋で立ち尽くし じっと下を眺めていたのだ。そしていまだに気持ちに区切りをつけられずにいる。

重くて暗い閉ざされた闇に、親友を置き去りにしなければならなかったこと・・・
それはどれだけ後ろ髪をひかれる思いだったことか、想像に余りある。
神無毘橋を思う時、カカシはオビトが感じているはずの「音も光も無い、永久に時間が止まった閉塞的な空間」を感じているのではないだろうか。
友が耐えている苦しみを、自分にも科そうとしているのではないだろうか・・。あの「神無毘橋」の重さから解放されない限り、カカシは遅刻し続けるのかもしれない。

あれから長い時が過ぎ、崩壊した橋は新しく生まれ変わったかもしれないけれど・・・

カカシにとって、神無毘橋は永遠に「無残に崩壊した」姿のままなのです。