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我愛羅・・・ 我愛羅が言った、「言葉の持つ意味」とは (NARUTO登場人物雑考)

51巻雑考その3. 我愛羅が言った、「言葉の持つ意味」・・・とは

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51巻474~475話、ジャンプ感想のほうではトビの能力中心に書いてしまったので、ちょっと省略気味だった我愛羅のことをちょっと。
 
 我愛羅の「・・・・」、2連発 
 
会談の報告をしに、宿八に来た我愛羅一行。テマリが報告を終えた後、我愛羅がナルトに助言する・・・・
 
「サスケはお前を見ようとはしていない 自ら闇を求めている」
「影の名を背負う覚悟を決めたなら サスケの友として お前が本当にやるべき事をやれ」
 (51巻74話)
 
そういって、我愛羅はナルトの肩にポン!と手を置いて励ますんですが・・・
我愛羅ってけっこうスキンシップ好み? 前もナルトに握手を求めて、ナルトのほうが照れてしまったことがあった) ナルトのほうは、我愛羅の激励にどう反応していいのかわからず・・・・中途半端に手を持ち上げて、迷っているような仕草を見せる。(475話で)
 
我愛羅の肩に手を置き返して「わかったってばよ!」と答えられる気分でもないし、前みたいに照れて赤くなるわけでもない・・。 この「中途半端さ」は、ナルトらしくなかった。
 
我愛羅はナルトが相当なショックを受けていることを察知して、再び「パシ!」とナルトの肩を軽く叩いてから手を離す。
 《無理に答えなくていいんだよ》、とでもいうように。(優しいなぁ~我愛羅
・・・・それでも、ナルトは我愛羅から目を逸らしてしまう。
 
用件を話し終えてサッサと帰ろうとするテマリ姉さんに従って、いったん帰ろうとする一行なんですが(テマリって合理主義でテキパキしてますよねw 補佐役には最適ですが)
我愛羅はナルトの様子が気になったようで、「・・・・・・」の2連発。 
(しつこいですが;キッシーは「・・・・」を効果的に使う天才ですね、ほんと。)
我愛羅は、何を思っていたんだろうか?
「・・・・・」(ナルトは何を一番ショックに思って落ち込んでいるのか?)
「・・・・・」(ナルトに何を言ってやるべきなのか?)
そんな事を考えていたんだろうか。

ナルトが一番ショックだったのは、「サスケはお前を見ようとはしていない 自ら闇を求めている」っていう部分だったかもしれない。 その現実は、なんとなくナルトも気付いてはいたのだろうけど・・・・それは信じたくない、見たくない「現実」。 
 サスケがナルトを友とは思っていないのなら、ナルトも「友」としてサスケに何も出来ないのではないか?
 
かつて終末の谷で。 すっかり変わってしまったサスケを見て、ナルトは悲しそうに心の中で呟いた・・・・
 
「勝手に友達だと思っていたのは、オレの方だけかもしんねェ・・・」
(26巻 227話)
 
あの時の引き裂かれるような思い(そして一方的で、届くことのない片思いのような気持ち)が、再びナルトを襲っていたかもしれない・・。 そして我愛羅は、ナルトが考えていることを見抜いていたように思う。
 
「オレはお前を友だと思っている・・」

「かつてのオレにとって 友とはただの言葉・・それ以上でもそれ以下でもなかった
だが お前と会って気づかされた 大切なのは言葉の持つ意味だと」

「その意味する事が何なのか  お前はサスケのために何をしてやれるのか よく考えろ」
 

なぜ我愛羅はナルトの気持ちを理解できたのだろうか。そして、なぜ我愛羅「言葉の持つ意味」なんてことを言ったのだろうか? 
・・・それは、我愛羅の 幼い時の辛い記憶と関わっている気がします。
 
我愛羅が「言葉の持つ意味」を 捨ててしまった、過去
 
サイが「仲間」という言葉をただの文字でしかないと思っていたように、かつての我愛羅にとっても「友」とはただの言葉でしかありませんでした。「かつて」とは、ナルトと出会う前の我愛羅のことです。 その頃の我愛羅にとって、兄弟や仲間とのつながりといった言葉も・・・すべてただの「文字」でしかなかった・・。
中忍試験のとき、我愛羅カンクロウ兄ちゃんに向かってこんなことまで言ってました・・ 
「お前らを兄弟と思ったことはない」(7巻の59話)
 
はぁ~、バッサリ、あっさり。 
でも我愛羅ははじめから、こんなだったわけではない。 幼かった頃の我愛羅は、人とのつながりを必死に求めていた。 たとえ、人柱力として忌み嫌われようとも・・・・ それでも、健気に言葉の持つ意味を理解することで 他人の気持ちを知ろうと一生懸命だった。 人柱力としての過酷な運命に必死に抗おうとして、そして自分を見失うまいとして小さな我愛羅は それはそれは懸命だったのです・・・。
 
「・・・痛いって何なの?」

「あいじょう・・・・?」」
 
大好きだった夜叉丸に質問しては、意味を理解しようと必死だった。そして夜叉丸は自分に愛情を注いでくれる人だと、信じていた・・。 
でも時折、暴走する守鶴の意志・・・・尾獣をコントロールできなかった我愛羅は、周囲から受け入れてはもらえなかった。 そしてついに、父風影が夜叉丸を使って我愛羅を処分しようとする事件が起きてしまう・・・。
 
我愛羅が「愛情」だと信じていた、夜叉丸や父風影との関係も・・・、すべては我愛羅の一方的な思い。夜叉丸も、父風影も我愛羅を「愛情の対象」としてはみていなかった。 
そして我愛羅は「愛情」という言葉の持つ意味が、再びわからなくなってしまった。それは幼い我愛羅には、あまりにも辛く受け入れ難い現実だった。
 
言葉の意味を知っていればこそ、それに裏切られて傷つくこともある。・・・だから、言葉なんて意味がない ただの「文字」だと割り切ってしまえばいい。そうすれば、これ以上傷つくこともない。
そうやって、我愛羅は「言葉の持つ意味」を忘れる選択をし、孤独の道を選んでしまったのだ・・・。
 
そして、再び「言葉の持つ本当の意味」を我愛羅に思い出させてくれたのはナルトだった。
 
「努力し自ら切り拓くしかないんだ 一人きりの孤独な道に逃げずに・・・」
「そうすれば いつか あいつのように・・・・」
「他者とのつながり・・・オレにとってそれは今まで 憎しみと殺意でしかなかった
しかしあいつがあそこまでして言う繋がりとは一体何なのか・・・」
 
「苦しみや悲しみ・・喜びも・・他の誰かと分かち合うことができるのだと・・・
うずまきナルト・・・あいつと戦い触れ合うことで それを教わった気がする」
(28巻249話の、カンクロウの回想)
 
ナルトは我愛羅と「戦い触れ合うことで」言葉の意味を知る大切さを思い出させてくれたのだ。だからこそ、我愛羅はナルトのことを「本当の友」だと思っている・・・。
 
「オレはお前を本当の友だと思っている」とナルトに伝えることで、
「友という言葉の持つ意味は・・・かつてお前がオレにしたように、戦い触れることで理解し合うことではないのか?」と、さりげな~く助言したのだろうか。

そして、どんなに辛い現実があって「友」という言葉がわからなくなってしまいそうになっても・・・
ナルトには「言葉の持つ意味」を決して忘れないで欲しいと願ったのだろうか。 
かつての自分の失敗・・・・「言葉の持つ意味」を捨てて現実から目を背けるようなことを、ナルトにはしてほしくないという思いで。
 
そのさりげない優しさが、かっこいいのだ・・・・我愛羅よ!