小南の「薔薇とピアス」・・弥彦の夢と長門の痛み
「待っていたわ・・・ アナタを仕留めるために」 (508話から)
彼女の言動は慎ましやかで、長門や弥彦の代弁である事が多く、彼女の意見といえば長門を心配するようなものばかり。 派手さは無いし質素ではあるけれど、でもとてもおしゃれな女性なんですよね。 アイラインもシッカリ入れてるし、髪飾りとして折り紙の薔薇をつけ、下唇のピアス・・これがまた、なんとも言えず色っぽい。
(ちなみにデータブックにある岸本先生の設定画では、暁コート下の小南の服装はセクシーで、細身の体にしてはボンキュッ♪ボン・・)
小南の薔薇とピアス・・これ、最初に小南が登場した時には 両方ともつけてはいませんでした。
自来也が最初に小南達に出会った時、彼女は乾パンのお礼に 折り紙で作った薔薇の花を差し出した・・・・
「ありがとう・・・コレ・・お礼 」 ・・・・愛らしい微笑を浮かべる小南。
子供達だけで過ごしていた時は、余裕も無くボロボロな姿だったけど、表情はとってもやわらかい。 貧しくても家族のような仲間がいるということが、彼女には何よりも幸せだったのかも。 彼女にとって弥彦・長門・チビとの3人プラス1匹こそが「家族」。だから、小南は「弥彦と長門」が全てなんですよね。
弥彦の夢は「世界征服」というスケールの大きなものだったけど、小南の夢は「弥彦、長門と一緒に夢に向かって歩いていく」ことだったんじゃないのかな。
3人+1匹で過ごして・・・家族が出来て一緒に過ごせる事が楽しくて。
弥彦が語る「計画」をみんなで夢見ることが楽しくて・・貧しくても夢でお腹をいっぱいにしていた、あの頃の小南。勿論まだその頃は、小南にとって「弥彦の夢」は、「夢のおはなし」でしかなかったのかもしれないけれど。
・小南の「薔薇の花」
忍術を身につけ、3人は確実に強くなっていく。
弥彦が語った夢、「戦争をこの世界から無くす」という夢も、これなら実現できるかもしれない。 幼かった頃には「漠然とした夢」でしかなかった事が、実現にむけて確実に進んでいく。小南はそんな手応えを感じていたはず。
「夢はきっと叶う」・・そんな願いをこめて、彼女は薔薇の花を髪に飾ったのでしょうか。 青い薔薇の花言葉は「夢は叶う。」
あの頃彼女には、希望が形になって見え始めていたのかもしれない。いつの日か夢が現実になって、花が開く時がかならず来る・・そう信じて折った一輪の大輪の薔薇。 それは小南にとって「希望の花」だったのではないかとも思います。
・小南のピアス
小南がピアスをつけたのは 弥彦を失った・・・あの痛みの日よりも「後」のことです。 アイラインを入れてオシャレになっても、弥彦を失った事件当日には、まだ ピアスはつけていません。
彼ら3人に襲い掛かった、大きな痛み。
捕虜になった彼女を救うために弥彦は死んでしまい・・・長門はあのような姿になってしまった。小南はどれほど心に痛みを負ったことだろう。
外道魔像とリンクした棒が体に突き刺さり 痛々しい体となった長門。
体中に受信棒とピアスを刺し、操り人形となってしまった弥彦。
小南にとって一番大事なはずの二人は、痛み(ペイン)を体に背負った姿になってしまった・・・
小南は長門の傍に付き添って世話に専念する一方で、紙分身の自分をペイン天道(弥彦)に寄り添わせる・・。 彼女は2人を守る事を決意したのでしょうか。
彼らの手足となり、神(ペイン)の代弁者となり・・ただひたすら尽くす存在になろうとした。
小南のピアス・・・あのピアスは、弥彦や長門と同じ痛み(ペイン)を共に分かち合う為につけたピアスだったのではないかと思います。彼女にとって、ピアスは「忘れることの無い、痛み」・・・
それでも・・・小南は髪に飾った「希望の花」を 外すことはしませんでした。
どんなに痛みを背負っても、弥彦の夢だけは実現させる・・最後の希望だけは捨てていなかったんですね。
「私にとっては 弥彦と長門が全てだった」 (48巻、449話「希望の花」)
彼女がつけた薔薇とピアスは 「希望と痛み」
弥彦の夢と、そして長門の痛み・・・
☆駄文にお付き合いくださって感謝。
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