ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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薬師カブト・・・その4.カブトの嫉妬」

薬師カブト・・・その4.カブトの「嫉妬」

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カブト・・・あまり好きな人物とはいえないんですが、気がつくとカブト雑考も「4」になってしまった・・・。
 
「善、悪、」という、単純な言葉1つで片づけられないのが人間ってものですが、NARUTOの人物達もそれは同じ。 あのカブトだって単純に「悪」の一言では括れないですよね。
他人の感情を逆撫でするような「余計な一言」とか、今回の穢土転生とか。 お前さんって人は他人が傷つくようなパフォーマンスでしか自己主張できないんかい??と腹が立ってしまうけど、どうして彼はこうも歪んじゃったんでしょうね。・・・それは彼の不幸な生い立ちが影響しているのも間違いないんですが・・。
 
「親も知らず国も知らず敵に拾われ 幼い頃からスパイとして国や里を転々としていた僕にとって・・国や里といったものは曖昧なものでしかなかった」
 
・・・39巻で、カブトは自分自身で生い立ちについて語っています。人格形成に大切な幼少~少年期にかけてスパイとして権力に利用されてきたカブト、彼もまた大国の犠牲になった個人なわけで。 かなり気の毒な過去を持った人ではあるんですよね。
 
「スパイ」というのは偽りの自分を演じ、自分の居場所ってのも無い。自分を認めてくれる仲間もなく、本当の自分を受け入れ評価してくれる人もいない。・・・・
 
そしてカブトっていうのは、医療忍者としての腕前は綱手を驚かせるほどだし、戦闘能力も「カカシ程度」(第一部での評価)。そのぐらい高い実力を持ちながら、彼はいつでも「日陰の存在」。
「三忍」と尊敬される綱手や「写輪眼のカカシ」と名前を轟かせるカカシとは、世間の待遇は全く違う。
 
実力はあっても、カブトは「うだつのあがらない下忍」を演じさせられたり、大蛇丸の下にくっついている"もやしヤロー"と呼ばれたり(by黒ツチ)、所詮「そこの眼鏡」程度にしか認識されていない。 職業上仕方ないとはいえ、この「不当評価」にプライドの高いカブトは相当モヤモヤとするストレスを感じていたんじゃないだろうか。

普段あまり感情を表さないカブト、その「モヤモヤ」を日頃抑えこんでいるせいだろうか・・・プライドを傷つけられると怒りが噴出し、キレた言動に走ることがある。 
 
例えば、綱手に「まさかの神経系」を攻撃された時には「この程度の術でこのボクをなめるな!」と語気を荒げ、「アンタ血が怖いんだろ」なんてドS丸出しで感情的になったり。
「強いといってもカカシ程度じゃねえ」なんて大蛇丸に言われてからは、カカシに対して異常なまでに敵対心をむき出しにしたり。
 
《本当のボクはこんなもんじゃない》・・・・そんな不満を抱え陽の当たらない場所を這いながら、いつかは自分という存在を世間に認めさせたい・・そんな夢を抱いていたんじゃないだろうか。
でも、スパイとして生きてきたカブトには、彼を認めてくれる仲間もいない、故郷も無い。本来の自分であることも許されない・・・
 
「自分は一体何者なのか・・アイデンティティーの無い苦しみ・・君なら分かってくれるよね ナルト君」
 
苦しむぐらいなら、諦めに逃げる方が楽ってこともある。諦めの末に、カブトは大蛇丸の元に身を寄せてそこを仮の居場所としていたのだろうか・・・。
 
19巻、三竦みの戦いの時。 下忍の分際で、勝ち目の無い戦いに向かってくるナルトを見て、カブトは冷たく言い放つんですよね。
 
「もうガキじゃないんだから はじゃぐのはやめた方がいいね・・・」
「状況次第であきらめて逃げたい時は逃げたらいい・・」
「ガキは全てが簡単だと思ってる・・ だからバカげた夢を平気で口にする だからあきらめない」
 
無理だとわかっている夢を描いて期待しても、そこにあるのは絶望だけ。だったら最初から望まなければいい・・・逃げてしまえば楽になる。 カブトはかつて自分自身にも同じように言い聞かせてきたんじゃないだろうか?
 
・・・でもナルトは諦めなかった。
 
孤独だったナルトと自分を重ねていたカブトは、未だに夢や希望を諦めないでいられるナルトに「嫉妬」していたんじゃないのかな・・。 「同類」であるはずのナルトは、自分の居場所を仲間達の中に見出そうとし、夢や希望を諦めようとはしない・・・
自分がとっくに手放してしまったものをまだ持っているナルトに、カブトは嫉妬と強烈な競争意識を持つようになったのかな、と思う。
つまりカブトも、希望や夢を諦めてしまったことを悔やんでいた・・・ってことなんだろうけれども。
 
33.34巻、天地橋で久しぶりにナルトに再会したカブト。いきなり自分を見失って九尾化するナルトを目にするんですが・・・その時はニマニマ笑って見てるんですよね。
 
「見なよあれを・・・」 「今じゃ自分の意識すら飛んでしまってる・・・」
「悲しい子だ」
 
なんだかすご~く嬉しそうにサクラに言うんですよね・・。 自分を見失ってしまったナルトを見て、今度こそ自分が「勝った」ような気分になっていたんだろうか・・? でも、サクラはカブトの期待に反してナルトのもとに涙を浮かべて走り寄っていった。 ・・・すると今度はカブト、ムカッとした顔になるんです。 あんな姿になっても「仲間に思われる」ナルト。またカブトは嫉妬したのかな・・・。
 
そのあと、カブトはナルトに「キミを見てるとホントに憐れだよ・・・サスケ君はもう昔のサスケ君じゃないんだよ」なんてイヤミを言って、何とかナルトの気持ちを挫こうとしたりするんですけどね・・・でも、そんなので挫けるようなナルトじゃないんですがw
 
ところが39巻、大蛇丸を取り込んでからナルトの前に現れた時のカブトは いつもとちょっと違っていました。
 
「感謝しているのさ ナルト君」
 
「キミは自分の力を信じ 自分はうずまきナルトなんだと・・・ "九尾"に対する視線を力強く乗り越えてきた」
「だから自分のアイデンティティーも良く知ってるし・・・ 君を認めてくれる仲間も出来た」
「僕も君のようになりたいと思えた・・」
 
なんだか、あのカブトにしちゃあ珍しく友好的で《君のようになりたいと思えた》なんて素直になってたんですよね。 ま、嫉妬するって事は「本当は憧れてる」という事なわけですけど、それを本人の前で認めちゃうとは・・。
 
でも実はこの時 カブトは大蛇丸を取り込み、大蛇丸パワーに抗うことで自分の力を実感しはじめていた・・・・・
これならナルトにもう劣等感を持つことは無い。自信を持ったカブトは、ナルトに《キミにはもう負けないよ》と言いたかっただけなんじゃないだろうか; あの『感謝してる』っていうのも、実はカブト流皮肉であって「競争相手」ナルトに余裕の表明をしたかっただけなんですね。
サスケを追いかけても追いつけない・・・焦って余裕の無いナルトを嘲笑したかったのだろうか。

最後の「ヒャハハハハァ」という狂喜の笑い声こそが本音であって、あれはナルトに対する「勝利宣言」だったのかな?とも思えます。
 
大蛇丸様の力を完全にコントロールできるようになったらちゃんと戦ってあげるよ」
 
「でも君は後だ まずは大蛇丸様を倒したサスケ君が優先だ」
 
・・・この言葉だと、サスケと戦うほうが大事だと言っているようにも取れますが 実はそうじゃなくて・・・・ナルトのほうが「本丸」という意味なんじゃないか、とも思います。
 
サスケの力を得て、大蛇丸が目指した「究極体」になった後にナルトと戦う気でいるんだろうか・・。
 
ナルトとは、カブトの「諦めていた夢」。 自分が一度は諦めていた夢を 確実に掴んでいくナルトが羨ましくて、妬ましくて。 でもナルトに刺激されてカブトは再び夢に向かって歩き出す。

全ての点で大蛇丸を超え、ナルトを自分の前に屈服させ、自分のほうが「上」なのだと認めさせたい。。かつて「誰かに認められたい」と思った願望は「ナルトに自分を認めさせる」という強烈な競争意識となっているような気がする・・。
  
515話、「その他モロモロ」の穢土転生を嬉しそうに出してきたカブト。 
ナルトを守ろうとする忍達にも「モロモロ」をぶつけ、彼らに絶望と諦めを与えて自分が手玉に取る・・・。
それは、今までカブトの『存在』を蔑ろにしてきた忍社会に対して、カブトが「自分の存在」を認めさせる復讐でもあるのだろうか。・・・・
 
 
☆余談:39巻で、カブトがナルト達のところに現れた時。カブトが大蛇丸の亡骸を移植して取り込んだと聞いたヤマトが「馬鹿な事を・・」って呟いてるんですよね・・。初代のDNAを取り込まれたことで人生を変えられたヤマトならではの呟き。あの時のヤマト・・どんな気持ちだったのだろう;
 
 
☆駄文読んでくださった方、有難うございます
 
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