ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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「心の穴」と、夜叉丸の言葉

「心の穴」と、夜叉丸の言葉

前の八尾の人柱力・エーの従兄弟が言った、 『心に穴が開いた気がするんだ…・・』
 
・・・・この部分を読んだ時、思い出したのは 幼い我愛羅のあの言葉でした。
 
イメージ 1
 
『いつも痛いんだ・・・』
『血は出ないけど・・・ ここんとこがすごく痛いんだ』 
 (15巻の130話。)
 
砂の絶対防御があるおかげで、傷を負ったことが無い我愛羅。 
彼が唯一感じる『痛み』・・・それが心の傷、エーの従兄弟の《埋められない心の穴》と同じ・・・《癒されない心の傷》を小さな我愛羅は感じていたんですね~・・。
 
で、世話係で我愛羅の叔父さんの夜叉丸は、我愛羅にこう言うんですよね、
 
「体の傷は確かに血が流れて・・・痛そうに見えるかもしれません」
「でも時がたてば自然と痛みは消え・・・ 薬を使えばさらに治りが早い」
 
「・・・しかし厄介なのは 心の傷です 治りにくいことこの上無い」、と。
 
体の傷は、放っておいても自分の力で治るものもあるし、薬で治るものもある。 
でも、心の傷・・・心の穴は、自分では簡単に治すことが出来ないんですよね。
 
 
《心の傷と体の傷》といえば、55巻でも気になる描写があるんです。
 
戦場に並ぶ、「白の体」と 「再不斬の首斬り包丁」。 
穢土転生によって縛られた再不斬と白の肉体は もはや「心の無い器」であり、戦う道具でしかありません。
だから今の彼等の「体」には、彼らの心は無い・・・おそらく白の心は「魔鏡水晶」の鏡に、再不斬の心は首斬り包丁に在ると考えているんですが・・。
 
そして、この並んだ2つにはそれぞれ「穴」が開いています。
 
「白の体」のほうには、カカシの雷切によって胸に開けられた「穴」。
「首斬り包丁」は元々、先端部分に「丸い穴」が開いています。 これは斬ったモノが剥がれやすくするための包丁らしい工夫だと思うんですが・・・
 
で、この2つの「穴」が徐々に復元されていくんですが、それが対照的に並んで描かれているんです。
55巻、524話の181頁、 
「ただの戦いの道具となった白」に開けられた穴は、術によって簡単に治されていくのですが・・・・
 
イメージ 3
 
「再不斬の心が宿る首斬り包丁」は「穴」だけをしっかりと残して再生されていく・・・・・
イメージ 4
 
あの首斬り包丁の「穴」は、道具として生きなければならなかった《霧隠れの忍達の「心の穴」》の象徴なのかもしれません。 再不斬の今の「心の穴」であるかのように・・・ぽっかりと開いたままです。
 
簡単に修復される白の「体」の穴(傷)と、簡単には埋められない再不斬の「心の穴」・・・・この絵は、夜叉丸の言葉と重なるような気がするんです。
「体の傷は時がたてば自然と痛みは消え・・・」 
「・・・しかし厄介なのは 心の傷です 治りにくいことこの上無い」
 
前八尾人柱力のエーの従兄弟って人は、相当優秀な忍だったみたいですから「心の穴」を埋める何かを《自分で》探そうとしたと思うんです、それさえあれば「強く在れると思って」。
でも見つけられなかった・・・彼はそれを自分の力不足だと思ったのかもしれない。
だからかなぁ、エーに《ビーにはそれを見つけさせてやれ》と言った。
 
見つけさせてやれ・・・エーはその忠告に従ってビーが「何か」を見つけられるように、出来る限り協力しようとしたんだと思うんです。 ・・・「協力」を。
 
ビーが人柱力になる日に、エーは「何かあったら隠さずに言え!」なんて言ってるんですが、《何かあったら》というのは協力するぞ的なスタンスなんですよね。 心の穴を埋めるモノを見つけるのはビー本人であって、エーは「協力する事しかできない」、そう考えていたんじゃないだろうか。
 
一方で夜叉丸は、我愛羅の「心の傷」を癒せるのは「父・風影」しかいないと分かっていたと思います。
しかし「父さま」が我愛羅に示した愛情といえば、形だけのモノ・・・・
おもちゃだとか、ぬいぐるみだとか・・・・そんな形だけのモノで「心の傷」が癒されるわけはないんですけどね。
 
それは、前の八尾人柱力・エーの従兄弟も同じだったんじゃないかと思います。
雲隠れでは「八尾の人柱力」は名誉職だったと思うんですよね。 重要な役割だとして誇りに思わせ、里への忠誠を尽くさせる。「名誉」という形だけのモノ・・・。
でも勲章だとか、名誉だとか・・・・そんな形だけのモノで人柱力達の「心の穴」なんて癒されるわけはない・・・。
 
心の傷を癒し、心の穴を埋めるもの・・・
 
16巻でこんな話がありました。
 
イルカの回想なんですが、九尾事件で両親を失った小さいイルカが、慰霊碑の前で叫んでいるんですよね、
『ボクは悲しくなんかないんだ!父ちゃんも母ちゃんもバケ狐からこの里を命懸けで守った英雄だぞ!!』 って・・・
これは『名誉』なことなんだからと必死に自分をなぐさめ、悲しんじゃあいけないと自分の涙を恥じるんですが・・・でもイルカの心の傷は、「名誉」なんて言葉で癒されることは無かった。
 
で、そんなイルカを、三代目はギューっと抱きしめたんですね。
 
心の穴・・・心の傷を癒せるモノ。 
それは「ギューっ」と抱きしめるような、例えばナルトが両親からもらった《無条件での受け入れ》、つまりは無償の愛情。 
そして、それはいくら自分で探そうと思っても 見つけられるものなんかでは無くって、《最も身近な人》に与えてもらわないと手に入らないものなんですよね・・。
 
ミナトはエーに、こう言っていました、
《アナタにはいい身内が居る『アナタが』早く気付かなければ》、と。
 
ビーに見つけさせるんじゃなくて、「アナタ」・・・エーが見つけなくちゃいけない。
ビーにとって一番大切な「兄弟」であるエーが気づいて、エーが与えなくちゃいけないんですよね。
 
それは・・・
夜叉丸が我愛羅に言った言葉そのもののような気がします。
コレ、NARUTOの中で私が最も好きな言葉の1つでもあったりします。
 
「厄介なのは心の傷です・・・治りにくいことこの上無い」
 
「ただ1つだけ 心の傷を癒せるものがあります」
 
「ただこれは厄介な薬で 他人からしかもらうことが出来ません」
 
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『愛情です』
 
 
 

☆駄文、読んでくださって有難うございます。感謝。