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薬師カブト・・・その6.カブトの「プライド」に欠けるもの、とは・・・・(第558話雑考追加)

カブトの「プライド」に欠けるもの、とは・・・・(第558話雑考追加)

「ここまで劣勢に立たされるとはね・・・」
 
・・・なんて呟いていたカブトですが、そのわりには淡々としてるんですよね。
 
ことごとく穢土転生ズが封印されて、長門も封印されたしイタチは穢土転生を解いちゃうし。 
なのに次に出す穢土転生に余程の自信があるのか、「もう1つの術」に自信があるのか。 今までの負けをそれほど気にしていない様子・・。558話現在、かなりカブトは劣勢で もっと気にすべき状況でしょーよと思うのですが、あまり都合の悪いことは考えたくないみたいですね。
 
558話雑考で、冒頭のカブトの言葉についての感想を書くのを忘れてました;いまさらですが、ちょっとだけ。
もっと悔しがっているかと思ったら、意外とサッパリした顔してるじゃないか・・・。
でもあの「サッパリ顔」は、けしてポジティブ思考だからではなく、悪いことは認めない的な発想によるものなんじゃないかと思ったんです。
 
見たくないもの(自分の失敗)は見ない。長門が封印されたのも「長門のせい」にしてましたしね・・・。ダメだったら次を出せばいい・・・・カードを使い捨てにして次々手を打っていく。 用意周到でありながら、どこか場当たり的というか綱渡り的というか。
 
でも彼が次々と新しい手を打てるのも、膨大なカードを集めこんでるからですよね。実際に彼の集めた情報量は個人とは思えないほど凄い、スゴ過ぎる・・・。
たとえば無サマの分裂能力を知っている忍は、一体どれほどいるのだろう? 連合の作戦参謀である奈良シカクだって、無サマが「血継淘汰の忍」であることすら知らなかったというのに・・・!
 
穢土転生達の能力を知り尽くしているカブトの情報量、それはもう驚異的といっていいですね。 
でも既にこれだけカードを使い捨てにしちゃってますから、いくら情報やカードを集めたからって減っていく一方。
それでも失敗した作戦は忘れ(考えず)、次の手段に移る。・・・・都合の悪い点は認めようとしない。
 
その結果、彼は捕獲しようとしたナルトが影分身だったことに気づいていない様子だし(少なくとも558話までは)、前の雑考で述べさせていただいたように《情報量》は《情報網》に負けることにも気づいていない。
・・・意外と「穴」だらけですよね。
 
穴は見ないで、先だけを見る・・・彼はそうやって綱渡り的に生きてきたんだろうし、そうやってここまで登り詰めてきたんだろうと思います(というか生き残ってきた)。 でも、後ろの穴を見ずして先へ先へと橋を渡すような作業を繰り返してたら、いずれ吊り橋は落ちるってもんです。カブトのやってる事は慎重とは言い難いし 長い目で考えた計画とは言い難い。
 
では、なぜ何のために彼はこんな事をやってるのか?といえば・・・カブトは目的を「六道仙人の真理を云々」とか偉そうな事を言ってはいますが、本当はひとえに自分の存在を自分で認めていたいだけのような気がします。・・・・・・彼は今までもそうでしたからねぇ・・・。
 
10巻で「強いと言ってもカカシと同じ程度じゃねェ」と大蛇丸に言われたことに納得できず、その直後にカブトは「ボクはカカシ以上だ、ボクをなめない方がいい」とアピールするかのような行動をとったり、その行動はいささか感情的です。
(サスケの病室でカカシを挑発。実はカブトがそう動くことも大蛇丸にとっては計算済みだったと思うのだが・・・「薬師カブトその2・・・カブトとカカシ」にて別記)。
 
あと、綱手大蛇丸が短冊城で向かい合った時(19巻で) 高いところから2人を見下ろして2人の命運は自分の手の内にあるかのように感じて自分のプライドを満足させたりとか・・・・彼のやってる事は、自己満足の為のような気がします。それだけに自分で「自分の負け」を認めざるを得ない状況は絶対に「認めたくない」。
 
三竦みの戦いでも、綱手との「レベルの差」を見せつけられたカブトは感情的に「キレる」・・・・・
そして綱手の苦手な「血」を使って綱手を動揺させるという「かなり汚い手段」も使い、それまで丁寧だった言葉遣いもかなり乱暴になってしまう。 もうプライドも誇りもあったもんじゃない。
 
自分がバカにされたと思えばキレて怒るし、ムキになって抵抗して見せる。
それはカブトのプライドの高さからくるものなのか?とも思えますが、カブトはそんな姿を「みっともない」とか、周囲からどう思われるか等は考えていない感じなんですよね・・。
 
この戦争でだって、穢土転生白を再不斬の前に飛びこませては「いい演出」と言ったり、サイの前で「サイの兄さん」を利用したり、これでもかと思えるほどえげつない手を使いまくってますよね。それを忍として恥とは思ってない。
《いずれボクはうちはマダラよりう有名な忍になる》なんて言いながら、普通なら《忍としてのプライド》が邪魔して躊躇しかねない汚い手も平然と使えちゃう・・・・それがある意味カブトの強みでもあるかもしれませんが、それが「プライドが高い」人物がすることとは到底思えないんです。
 
プライドつまり「自尊心」・・・・それは自分の人格・才能・品位を誇る気持ち、文字通り自分を尊ぶ心。
 
カブトは自分の才能は誇りに思っているけど、自分の人格や品位は(気にしているようで)あまり気にしてないと思えるんです。 他者に「お前汚ねえぞ!」と言われても彼は何とも思わないだろうし、傷つきもしないと思うんです(その点、「アナタは闇」と小南に言われて傷ついちゃったトビとは違うかな・・)。 
彼にとって、自分の評価は自分が下すのであって他者からアレコレ言われる筋合いはない。 力さえ誇示できれば他者がカブトという人間をどう思おうと、どうでもいい・・・つまりカブトが持っているのは虚栄心であって自尊心(プライド)とはちょっと違うんじゃないかと思えるんです。
 
カブトは自分を尊んでいない・・・というか自分を大切にはしていないと思うんですよね。本当の意味での「プライド」は持ってないんじゃないだろうか。
 
「忍は死に様で決まる」と言うけれど、それは忍として人間として命に代えても「人格・品位(プライド)」を守り抜くという意味でもあると思うんです。
イタチや鬼鮫、その他の暁の人達も己の信じる道を貫いてそれぞれの「人格・品位」を貫いた・・・ デイダラの「究極芸術」に懸けた死も彼のプライドを守った死に様と言えるし、サソリが傀儡「両親」の一撃を避けなかった死に様もプライドによるものじゃないかと思うんですよね。
 
カブトのプライドに欠けるもの、それは忍として人間として守るべき「人格・品位を守り抜く」意志・・・・
自分というものを全然大事に出来てない・・・・それは彼の計画が用意周到でありながらも どこか場当たり的になってる原因なのかもしれません。
 
以前、中忍試験の時に大蛇丸が部下たちを「使い捨てのコマ」と言い切ったことに恐怖を感じ、自分がその「コマ」から抜け出すことを考えていたカブト。
 
今は自分が手持ちのカードを一枚一枚きり捨てては なんとか生き残ろうと必死になる・・・・
そして《まだ切り札が残っている》と安心する。
安心しようと自分に言い聞かせる。
 
その場当たり的な態度は、いずれは自分自身を「最後の使い捨てのコマ」とする時が来るのを予感し その現実から目を逸らそうとしているんじゃないだろうか。
・・・・
 
彼が自分のことを「使い捨てのコマの1つ」なんかではなく、この世にある1つの大切な存在だと理解し(アイデンティティーを見つけるってことかな)、本当の意味で「プライド」を持つことが出来れば。
・・・そうすれば彼も救われるような気もします。
はて、彼にもそんな日は・・・ いつか来るのでしょうか。
 
 
 

☆長駄文、読んでくださって有難うございます。感謝。
 
 
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