ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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イルカがくれた、もう1つの大切なモノ・・・「あの時の涙」 (NARUTO登場人物考察)

イルカがくれた、もう1つの大切なモノ・・・「あの時の涙」 (第570話感想に加えて)

今までイルカについて考察した事あまり無かったんです。かなりの脇役も含めていろんな人について書いてきたつもりだったんですが、なぜかイルカ先生単品での考察って書いて無かった・・。別に苦手キャラではないけれど、正直それほど気になるわけでもなかったんです。 だけど第570話では、改めてイルカの存在の大きさってのを痛感しました。人気投票の度に上位に入るのも納得ってもんです。
 
第570話で再登場した第一話のイルカの台詞、 『今はもうバケ狐じゃない あいつは木ノ葉隠れの里の・・・』 『うずまきナルトだ』。
 
あの言葉がいかにナルトにとって大切だったか…それは、あの時に渡された《イルカの額当て》を 今でもナルトは大切にしている事・・・その事実からもよーく伝わってきます。この戦争中も、ナルトは忍連合の「忍」額当てじゃなくて あの「イルカにもらった額当て」をし続けているのも やはり意味がある…ナルトにとっちゃあ、この戦争は『あの日の言葉』を確認するための闘いでもあるわけですから。
 
さて、イルカのあの言葉がナルトに果たした役割については、以前の「忍と額当て」の雑考と 先日の「なぜナルトは尾獣と一緒に居ることは不幸じゃねえと言えたのか」の雑考で書き尽くしちゃいましたので;今回は あの時ナルトがイルカから貰ったもう1つの大切なモノ・・・・《涙》について、です。
 
開戦前、我愛羅は演説でこんなこと言ってましたよね、
 
『かつてオレも憎しみであり力であり人柱力であった』
『そしてこの世界と人間を憎み 滅ぼそうと考えた・・ 今“暁”がなそうとしている事と同じだ』
『だが・・・・木ノ葉の一人の忍がそれを止めてくれた』
 
『その者は敵であるオレのために泣いてくれた!傷つけたオレを友だと言ってくれた!』
 
ナルトは我愛羅のために涙をポロポロ流して泣いたんですよね。敵であった我愛羅の痛みを思って、涙を流し…そしてその涙が我愛羅を変えた・・。
 
本来なら、忍は『どんな状況においても感情を表に出すべからず 任務を第一とし 何ごとにも涙を見せぬ心を持つべし』…(忍の心得第25項)。 今までの古い忍世界を引っ張ってきたのは《涙を人前で流さない、感情を表に見せない忍達》であって、泣き虫は忍者としては失格でした。だけどナルトは再不斬と白の為にも涙を流したこともあったし、本当によく涙を流します。 
 
でも、ナルトって元々泣き虫だったのか?といえば・・・そうでもないんですよね。回想を見る限り、辛いことがあっても泣いてない・・・泣き虫じゃなかったんです。
 
アカデミーの卒業式の日、家族に囲まれる友達の横で一人ブランコに乗ってるナルト…悲しそうな顔はしてるけど、泣いてない。
公園で遊んだあと、友達は家族が迎えに来て帰っていって…一人になって寂しそうな顔はしてるけど、泣いてない。
最近の回想ですが、通りかかった家族連れに「関わるな」と避けられて…悔しくってイタズラしたけど、泣いてない。
辛くって悲しくって、だけど泣いたら負けだと思っていたんだろうか…ナルトは泣いてはいないんです。
 
ナルトが人前でも涙を流す忍になったのは、あの時あの出来事があったから・・・
それは第1巻第1話の、例のイルカ先生の言葉の少し前・・・
 
ミズキの攻撃から 身を挺してナルトを守ったイルカが、ぽろぽろと大粒の涙を流しながらナルトに言ったんです…
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『そうだよなぁ…ナルト… さみしかったんだよなぁ… 苦しかったんだよなぁ…』
『ごめんなァ…ナルト オレがもっとしっかりしてりゃこんな思いさせずにすんだのによ』
 
ナルトはイルカの涙を見て ビックリしたような顔をして戸惑っているのですが…それも無理はないですよね、それまで『ナルトのために泣いてくれた人』なんていなかったんだろうから。ナルトの心を思ってくれる人なんて いなかったんだろうから。
 それに「先生」という立場でありながら、人前で涙を流す忍なんてナルトの周りにはいなかったんじゃないだろうか。でも憎しみを乗り越えてナルトの苦しみを思い、ナルトのために涙を流したイルカの姿は ナルトの心を大きく揺さぶったに違いない。
 
そして、そのあと・・・イルカが例の『今はもうバケ狐じゃない あいつは木ノ葉隠れの里の・・・』 『うずまきナルトだ』を言ってくれた時、ナルトは顔をグチャグチャにして涙を流しているんです。第570話最後の見開き、回想にも描かれてますよね・・・
 
あの《涙でぐちゃぐちゃボロボロのナルト》です。 
 
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あの時・・・ナルトは初めて泣いたのかもしれない。
 
ナルトの心を閉ざしていた分厚い氷が イルカのあったかい言葉で溶かされて…12年分の涙がドッと溢れたんじゃないだろうか。
 
そして第570話でナルトが思い出しているあの時の絵・・・
他の4枚の絵は、全て今回の為に新たに描き直されているんですが この《涙でぐちゃぐちゃボロボロのナルトの絵》だけは当時の絵のまんま…直されていないんです。それだけ大事な絵、大事な涙だってことなんじゃないのかなぁ・・・。
 
あの時・・・ナルトはイルカの涙で救われた。 そして、イルカの涙はナルトに教えてくれた・・・《苦しみや悲しみ…喜びも… 他の誰かと分かち合うことができるのだと…》 (これは28巻の我愛羅の言葉なんですが)。
 
憎しみを乗り越えてナルトの痛みを分かち合ったイルカの涙。 それがナルトを「人の心を思って泣くことが出来る忍」にし、そして《敵のことすら「オレ、あいつら好きだった」と言える忍》にしたんですよね。
 
あの時のイルカの涙が無かったら今のナルトは存在しなかったし、今ナルトがこの戦場に立っていることは無かったかもしれない。イルカがナルトに果たした役割、そしてこの「忍世界を変革するためのシナリオ」に果たした役割は、思っていた以上に大きかったのかもしれない・・・
 
 
(そして陰の功労者?ミズキ先生にも・・重ねてありがとうw)
 
 

☆長駄文、読んでくださって感謝。