ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO-ナルト- 574:闇を見る眼 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ12号) ・・・その2

NARUTO 574:闇を見る眼 (その2)

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(雑考その1の続きです)
 
6.サスケの瞳力
 
この前白ゼツ本体を倒したのは「天照の炎を宿した剣」でしたが(天叢雲剣なのかなぁ)、今回は天照を宿した勾玉(八坂の勾玉)。烏天狗須佐能乎(完全体)はサスケの体には負担を与えてない様子だし、これが永遠の万華鏡の力なんでしょうか・・・白ゼツに幻術をかけて情報を聞き出してますけど、これは普通写輪眼じゃなくて「万華鏡写輪眼」でやってますね。 イタチの眼を移植したんだから「幻術」も進歩したかなと思ったんですが、う~んこれじゃまだ分からないですね。 着ぐるみの下の須佐能乎の姿もまだ見えない・・・。
 
『トビの奴・・・仕掛けたようだな』
 
って、あれ・・・サスケが仮面のことを「トビ」って言ったのは初めて聞いた気がしますぞ。 しかも「トビの奴」って・・ これまた随分と見下した言い方ですよね。
 
トビはサスケの前ではずーっと「マダラ」を通してきたハズですが、52巻でナルトが「イタチの真実ってのを《トビ》って奴から聞いた」と言ったのをサスケは聞いてますからね~・・。そして白ゼツが「ホントはお前に気づかれない様にって《トビ》に言われてたんだけどね」なんて言っちゃってましたから(白ゼツもお間抜け)。
サスケはまだ「本マダラ穢土転生」の話を知らないハズですが、それでもトビが「本マダラではない」ことは気付いていたみたいですね・・・おそらく「あいつはマダラじゃなくてトビなんだろうな」みたいに。
 
それでも利用価値があるうちは「マダラ」と呼んで嘘に乗っかっていたサスケですが、ここで「トビの奴」なんて言い出したってことは・・・もはやサスケにとってトビは「用済み」。あくまでも目的は「ナルト」なんでしょうねぇ。
 
7.ナルトとの約束
 
白ゼツの口から「ナルト」の名前が出て、サスケが思い出しているのは・・・《ナルトとの約束》。

鉄の国国境で交わされた「ナルトと戦うまで、木ノ葉の忍には手を出さない」という約束・・・またここで「約束」が出てきましたねぇ。サスケはやはりあの「約束」はシッカリ守るつもりのようですが、これはサスケが「プライド」を失ってない証拠でもあって・・・冷静さを失っていない証拠でもある。約束を守れるなら・・・サスケは「まだ大丈夫」だと思ってしまうのですけどね~。
 
そして「早くしないと奴の元へ仲間がどんどん集まっていく」という白ゼツの言葉に、サスケは「フッ・・・」と笑って思い出したのは前の終末の谷。
 
《痛みが人を強くする》 《つながりを断つ事でオレはさらなる強さを手に入れる》・・・・・
 
思えば、あの終末の谷の時にはナルトをはじめ同期達がサスケを追いかけてきたんだっけ・・・。
繋がりを断ち切ること、孤独の痛みが人を強くする・・・その発想は己に甘えを許さないという意味で古い忍達の思想に共通するものもあります。確かに戦闘能力的な強さを磨くという意味では間違いじゃないとは思います、純粋に「力」だけを求めるのならば。サスケの「フッ(くだらねぇ)」的な笑いは、相変わらず「つながり」にこだわるナルトらしいと思ったんだろうか・・・成長してないな、甘いと思ったかもしれない。
 
『忘れたかナルト・・・ 本当の強さが何なのか・・・』
 
サスケが考えている「うちはの再興」・・・《腐れきった忍世界からうちはを訣別させる感覚》・・・つまりサスケが憎悪の対象としているのは、結局は今までの忍システムなんですよね。・・・イタチという個人、そして「うちは一族という1つの一族」を犠牲にした「腐った忍社会」を憎んでいる。それって、ナルトや五影達・・忍がようやく向き合い始めたモノでもあるわけで、実はサスケとナルト達は同じモノに立ち向かっているとも言えるんじゃないだろうか。
 
ただしサスケにとっての「木ノ葉」は腐れきった忍世界の象徴なんですよね(かつて長門にとっての木ノ葉が驕れる大国の象徴であったように)。 だから木ノ葉を潰す(否定)することでサスケは「うちは」を肯定しようとしている。
 
サスケとナルトは《腐った忍世界》という共通の「真の敵」を抱えているという事に気づかないまま、「憎しみで敵を排除して自己肯定する最強の矛」が正しいのか、「敵を愛情で理解して受け入れようとする最強の盾」が正しいのか・・・その衝突を迎えようとしていますね。結局は六道兄弟の争いもず~っと「方法論」の争いなんですよね。 《力か、愛情か・・・。》
 
でも愛情(火の意志)は力(うちわ)を受け入れるものであり、力(うちわ)は愛(火の意志)を強くするためのもの。
どちらも必要なものであって否定されるべきではない・・・なのに兄弟の子孫たちは「力か愛か」で争い、互いを否定して自己肯定し続けてきたんですね。本来2つは1つのものであり、一緒に存在すべきモノ。 2つにぶった切られたものを、本来の「元の形に戻す」ためには「つなげる」しかないと思うんですけどね~・・。2つの相反するものも1つに同居する・・ってのも今週のテーマの1つだったような気がします。
 
『オレもお前の所へ行くとしよう・・・ お前を切りに!!』
 
こういう時は「斬る」の文字の方が合いそうなんですが、あえて「切」の文字を使っているってのは「ナルトを斬る」というよりは「つながりを切る」ことをサスケは目的にしてるからでしょうか。
ゼツは「木ノ葉の忍ではないから約束の対象外」とばかりに処分してしまったサスケ・・・今後サスケが倒すとしたら、白ゼツかトビといった「暁側」になるかもしれないですね(木ノ葉以外なら何でもありではないことを祈る・・)。
 
8.サスケとイタチ

『いい眼だ どんどんなじむよ 兄さん・・・』
 
「兄さん」って;あぁあ・・・「兄さん」と言い出す時のサスケはイッちゃってる顔になってますね~;
前の「兄さんまずは一人目だ」以来の危ない顔でしょうかコレ・・。ど~も「兄さん」っていう時はサスケは危なくなるんですよね・・・。
 
でもあの「イッてる眼」、実は「意識的に」やってる気もします。・・・というのも次のコマでは、もうサスケの眼は冷静な眼に戻ってるんですよね。・・・そして思い浮かべてるのは《オレと同じ眼を持ってオレの前に来い》と言ってる「あの事件の時の兄さんの顔」・・・おそらくサスケが一生忘れる事のない、強烈な記憶のイタチです。 
 
あの言葉は、イタチがサスケに言い渡した『約束』としてサスケにのしかかっていたのでしょうか。いつかイタチを追い越し倒して行け・・・とサスケに約束させた言葉だったのかと・・・
 
《この兄さんの目に焼き付ける光景はことごとく・・・・》
《酷たらしく・・・悲しく・・・重いものになる・・・》
《だがそれが正しいんだ・・・見ていてくれ》

《兄さん・・・》
 
おぃおぃ・・・イタチの眼に見せる光景は「酷い、悲しい、重い」ってこと・・・極めて冷静にサスケは理解しているんですね。 それなのに実行するつもりとは・・
 
う~ん、これってどういう事なんだろう。
 
今まで・・・サスケは「大好きな兄さん」への愛情ゆえに歪んだ発想になり、それが「兄さんまずは一人目だ」なんてズレた発言になったと思ってたんです。どこにぶつけたらいいか分からない悲しみと愛情が行き場を失って、ああいう表現に歪んだのかと。
だけど今週のサスケを見てると実に冷静だし、思い浮かべていたのが「オレの前に来い」と言った時のイタチだってことを考えると・・・実はサスケは、兄さんを「今でも疎ましく思う気持ち」があるんじゃないか?とも思えてくるのです。
 
兄さんが自分に残してくれた愛情は、あまりにも大き過ぎた。 兄さんの「平和のために自分を捧げた自己犠牲精神」はあまりにも偉大過ぎた・・・。結局、サスケはイタチという偉大過ぎる兄に守られていただけであって最後まで兄さんのことが何も見えていなかった・・・ ついに最後までサスケは兄さんを「追い越す」ことは出来なかったんです。
 
あの日、「オレと同じ眼を持ってオレの前に来い」と言われたことを「いつかオレを倒せ」という約束と思って 兄さんを「超す」ことばかり考えてきたのに・・・ 兄さんが死んでしまった以上、もうサスケは二度と兄さんを超すことは出来ない・・・つまりイタチとの約束を、サスケは「果たすことができなかった」・・・
 
もし、サスケがイタチを超えると実感できる方法があるとしたら・・・それは、
《イタチが望んでいた方法とは違うやり方で、自分の存在を主張する事》・・・つまりイタチが望んでいなかった世界をイタチに見せる事なんじゃないだろうか。
イタチが望んでいなかった「木ノ葉への復讐」、そしてイタチが命懸けで守ろうとした木ノ葉を殲滅する事・・・それが「イタチを超える事」であり、イタチとの約束を果たすことだとサスケは考えちゃっているんじゃないだろうか。
 
サスケの複雑な心境を理解するのは難しいです・・・特に私は一人っ子なので「兄弟の心理」ってもんを理解するのは難しいのですが; 比較される「優秀な兄弟」がいる場合とか、しかもその兄弟が死んでしまっている場合など・・・・兄弟への想いはより複雑になるのかもしれませんね。 死んでしまったことで、より遠くへ・・・より「神格化」された兄弟の存在は、残されたほうにとっては重たく圧し掛かるのかもしれない。 サスケの複雑な感情は「うちはの兄弟」を持つ者にしか理解できないのかもしれないし、カカシやナルトにも理解できなかった・・・
 
カカシは、サスケが『イタチの意志』を知ったのなら「アイツならイタチの意志を継ぎ木ノ葉へ帰ってくるハズだ」と考えたのですが・・(49巻462話、鉄の国で)それに対して、トビは何といったか――
 
『フッ・・・サスケの師として友としてお前らはサスケの本心を分かっているつもりでいたんだろうが…
とんだお門違いだ』。
 
「うちはの兄弟」の因縁も知らず、まして『一人っ子』であるカカシやナルトに・・・サスケの本心は理解し難いものだろうと思うんです。 《兄さんと同じような道に進む》ことが兄弟間の愛情表現とは限らないってことなんでしょうか・・・・。
愛情と妬みも表裏一体、まさに「愛情を知る時憎しみのリスクを背負う」・・・・これがうちはの兄弟の宿命なのかもしれません。 
 
サスケが一番「切りたい」のは、もしかして・・・イタチにいつまでも「守られっぱなし」の自分、なのでしょうか。
 
 
 
 
 
☆そんなサスケの想いを知ってか知らずか穢土転生を止めるために進むイタチ・・・やっと再登場しましたね。 今頃どこに居るのだろうか、そして彼はどこへ向かっているのだろう。サスケは兄さんが穢土転生されてる事も知らないわけですが・・・ 
とりあえず「イタチの眼」は 今4つあるわけですね・・・。
サスケに移植された眼が「闇を見る眼」なら、イタチ本来の眼は「光を見る眼」なのでしょうか。
 
☆「亡き友との果たせなかった約束」・・・これはカカシが「オビトとの約束(リンを守る事)を果たせず、後悔しまくってる話」に そのうち繋がっていくような気がするんですけどね~・・いずれ。
 

☆長駄文読んでくださって感謝。