薬師カブト・・・その7.『4年に1度の誕生日に寄せて』
たまに登場人物の「誕生日」にその人についての記事書いたりしてるんですが、カブトは4年に1回しかないからなぁ…。
以前(NARUTOを読み始めた頃)は、カブトの印象といえば「NARUTOキャラを好きな順番に並べていくと、一番最後の人」だったんですけど、最近はまったく嫌いではなくなりました。それどころか、なんだかんだ言ってカブトの記事7つ目になってしまったし、知れば知るほど憎めなくなったというのか・・・彼は彼で必死に生きてきたんだ、とも思えて共感できるようになったんですよね。カブトのこれまでの人生って、ずっと己の運命と「古い忍システム」への抗いと闘争だったのかな…とね。
でも、あのメガネ(これはサクラが言ってたことね)が、まさかここまでの器になるとは…正直意外でした。歴史ってのはまさかの連続で、こうも簡単にひっくり返るものなのか・・・。「トビのシナリオ」にとってナルト以上にカブトは想定外、ダークホースとも言えない「戦力外」だったのでは。
それでも確かに彼は優秀な忍だし、ごく普通に育っていたら「そこそこ有名で、そこそこ幸せな暮らし」をしてたかもしれません。
だけど彼が歩んできた人生は、スパイ、裏切り…忍世界の日の当たらない所をずーっと歩いてきた人生なわけで、けして「ラッキーはほうじゃない。」
…だけど「最悪でもない」。
…だけど「最悪でもない」。
彼みたいな人生を歩んできた忍は少なくないと思うんですよね、里の為、任務の為…自己犠牲を強いられた忍は数知れず。カブトもそのうちの1人ってことでしょうか。
だけどカブトは木ノ葉を裏切り、暁を裏切り・・・けして利用されるだけのコマにはならなかった。つまり、カブトも従来の『忍の生き様』というものに抗い、新しい忍の在り方を探していたという意味では ナルト、サスケ、トビ・・彼等と根本的には目指すものは同じなんじゃないか・・とも考えられるんです。
ところでカブトは、なぜ自分が大蛇丸様に気に入られたのか・・ということについて、こう語っています。
『ボクが・・ 大蛇丸様に気に入られたのは 技のキレでも術のセンスでもない…』
『圧倒的な回復力… 細胞を活性化 新しく細胞を作り替えていく能力…』
(18巻でナルトの螺旋丸を喰らったのに一気に治癒を始めて回復した時)。
一気に己を治癒させる能力・・これは綱手の能力に似ているんですよね。厳密にはカブト=圧倒的な回復能力、綱手=圧倒的な再生能力という点で違うらしいですが、それでも似てますよね;(そして大蛇丸の白蛇細胞の能力にも共通する)。いずれにせよ、カブトの(おそらく)六道の次男系と思われる回復力・・・これは大蛇丸にとって「魅力的なサンプル」だったんでしょうね、きっと。
だけどカブトは自分がただの《使い捨てのコマ》として埋もれないように必死に抗ったんですよね…。
3年前、中忍試験に潜入したカブトは 他の音隠れの忍(ザク・アブミ、ドス・キヌタら)が「使い捨て」にされることを見抜き、自分はその中から抜け出そうと画策、そして大蛇丸に取り入り右腕としての地位を確立していく。
・・・ただ利用されるだけのコマにはならない、逆に隙あらば大物の足を掬うチャンスを狙うぐらいのしたたかさ。
カブトの「圧倒的な回復力」とともに、カブトの「貪欲に生き延びようとする」ところは大蛇丸にとって魅力的だったんじゃないだろうか。過酷な状況に置かれてもしぶとく生き残ろうとする執念…サバイバーとしての能力が大蛇丸の「野望」にはビッタリだったのかな、と・・・。
あの時、大蛇丸は『これよ!これを待っていたのよ!』なんて言ってましたよね。
本当に・・大蛇丸は「計画的に」サスケの体に取り込まれていたんじゃないか?と思ったりするんです。
そしてカブトの《圧倒的な回復力を持つ》肉体ならば、大蛇丸の《再生と回復の白蛇細胞》にも拒絶反応を起こさず耐えうるだろうと・・。 (大蛇丸の白蛇細胞は、普通の肉体では拒絶反応が出ちゃうらしいんですよね・・・33巻で九尾化したナルトと戦っていた時、『やっぱりこの体じゃ拒絶反応が出てしまう』なんて言っている)。
大蛇丸の新たな器として適性があるサスケとカブト・・・
《この2人の「中」に潜んで、じっと時を待つ》・・・それが大蛇丸の「計画」だったりするんじゃないか、と思ってしまうのです。
なんだかなぁ…大蛇丸の声が聞こえてくるような気がするんですよね。
「本当の不老不死 それが私… 我不滅!」・・・ なんて。
カブトは、今じゃあすっかり大物達を従えて全てを手中にしたかのような態度ですが、そのうち大物達に逆襲されてしまうのではないだろうか;なんて思えてくるんです。 おとぎ話の主人公たちを転がして遊んでいるうちに、とんでもないしっぺ返しを食らうのではないかと・・・。
カブトの『大いなる勘違い』の例は、52巻でトビに「マダラの穢土転生棺桶」を見せて得意げになってる辺りから酷くなってる気がします。
マダラの棺桶を見て、トビが顔色を変えたのは(って顔はお面で見えませんが)・・・「自分の正体がバレちゃった事に焦ったから」というよりは・・・実は「マダラを穢土転生したら とんでもないことになると思ったから」だったのではないでしょうか。モヤシにあのマダラをコントロールできるわけはないと・・・とんでもない事をしでかしてくれたな・・とトビは警戒したのではないかと思うんです。
それを分からずに得意になってたカブト… ん~、やっぱり彼のやってる事は危うい感じがします。カブトの「おとぎ話の実現」は、あまりに危険を伴いすぎなんですよね。
ここは素直に、周囲の声にも耳を貸したほうがいいと思うんですけど(ま、「抗う」ことが彼の生きる術でもありますから・・素直に聞けないのは仕方ない部分もあるのですが)。
今まで周囲がカブトに与えてきた「親切な」忠告の数々。
これらを、誕生日プレゼントの代わりとして 改めて捧げようではないか・・・
(357話、カブトが大蛇細胞を取り込んだ事に対して、「柱間細胞遺伝子を取り込まれた経験を持つ」ヤマトの重みのある言葉・・)
『馬鹿な事を・・・』
(521話、穢土転生には術のリスクが無いと得意になるカブトへのトビの忠告・・)
『図に乗るなと言っている!物事には全て反動がある 気を抜かずいる事だ』
(560話、マダラの「六道の力」を自分が造った力だと言っているカブトへの、マダラの言葉・・)
『勘違いするな… お前の造った力ではない』
(そして、最後に・・)
第89話、年上に対しても自惚れ発言をするカブトへの、カカシの一喝・・
『…大人をあんまりなめんなよ コラ』
カブトよ、これらのお言葉を有難く受け取っておくがよい・・・。
☆2/29お誕生日の方いらしたら・・・おめでとうございます!
☆長駄文読んでくださって感謝。
ナルト好きブログ