ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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カンクロウと「サソリの傀儡」

「形見」というもの・・・その1 カンクロウと「サソリの傀儡」

577話で気になったのが「形見」ってもの・・・
 
『弟が死んで残ったのはオレの両眼の瞳力だけしかない』、受け継がれるものは憎しみだけだと言っていたマダラ・・・どうやら彼はイズナが残した「意志」は受け取っていない感じです。トビが語った「マダラとイズナの真実」の信憑性は定かではないにしても イズナが兄の為に眼を差し出したのは弟の兄への「愛情」であったはずで、マダラが抱いた「憎しみ」はイズナが望んだものでは無いような気がする。
マダラは長い時間を経てもなお、弟の《本当の思い》には気づいていないのだろうか。
 
「形見」については、度々物語中で取り上げられていますよね。綱手が持っていた「火影の首飾り」、ド根性忍伝、第十班がアスマから貰ったピアスの話・・大切なのは「モノ」よりも、そこに宿る故人の意志、思い。その意志を受け継ぐ者がいてこそ、形見は《本当の力》を見せてくれるのだと。
 
“形見”についての話で、個人的に番気に入ってるのが 55巻『奇襲部隊の攻防』・・・カンクロウとサソリの話なんです(第518,519話)。
 
カンクロウっていえば、三人兄弟のド真ん中。 テマリと我愛羅の間にあって、あまり目立たないというか、才能ある傀儡師ではあるけれど立場上「いくつになってもテマリ姉さんには短気を注意され」、「弟・我愛羅に較べると目立たず」で、難しい立ち位置なのかな・・なんて印象があったんです。でも、あの戦いは「カンクロウという忍」の魅力を存分に発揮したものでした。 彼の指揮官としての能力も、隊員の能力を完璧に把握した上で瞬時に的確な指示を出す歯切れの良さに、さすが「傀儡使い」と思ったものです・・・実に見事な采配でした。それに、何より《サソリとのやり取り》…これに彼の人間的な魅力、懐の深さを感じたのです。 
 
『サソリ・・・アンタの強さはそこに魂があったからだ』
『アンタの造った傀儡にこそ 朽ちる事のない魂が宿ってんのがオレには分かる』
 
『アンタの技術・・・ そして造った傀儡は 朽ちる事のないもんだ そこに宿る魂を受け継ぐ後世の操演者がいてこそな!』
 
 カンクロウはサソリの傀儡を、ただ「優秀な傀儡(道具)だから」使っていた訳じゃあなかったんですね。そこに宿るサソリの魂を理解し、その想いをちゃんと受け取っていた・・・(朽ちる事のない魂が宿ってんのがオレには分かる)とまで言っていたぐらいですから。 
 五影会談の時、カンクロウが『サソリの傀儡』を持っているのを見て正直、驚いたんです。 だって、サソリは敵の「暁」メンバーだし、しかも「風影暗殺者」。 里を抜けた重罪人であり、カンクロウだって一度はサソリに殺されかけたんですから・・・。だから、もしかしてサソリを人形として「操ってやる」ことで、カンクロウは「オレのほうが上」と示したかったのだろうかとも思ったんです。
 
・・・だけどそうじゃなかった。
 
カンクロウはサソリという傀儡師を理解し、サソリの心の闇、孤独も理解していた。そしてサソリが遺した傀儡を大切に手入れして使っていた・・・まるでサソリを供養するかのように。
 だけど、どうしてカンクロウは「敵」であるサソリをそこまで理解し、その意志を受け止めることが出来たんだろうか?
 
カンクロウが急激に成長したのは、木ノ葉崩し後の3年の間・・・我愛羅に「一般部隊に入り、いつか風影になりたいという覚悟」を聞かされたあの時からカンクロウも変わったんじゃないだろうか。 

我愛羅の選択、それは本当に大変な苦難の道の選択だったと思うんです。 当時まで我愛羅はバケモノとしてしか見られてなかったし・・里の上役達の反発は相当なものだったでしょう。それを承知で飛びこんでいった我愛羅の決断も勿論大したものですが、裏方として我愛羅をサポートし、里の人達の偏見から我愛羅を守ってきた(であろう)カンクロウの努力も相当なものだったと思うんです。でも、弟の決意を誰よりも喜び、応援してやりたいという「アニキ」としての思いが、カンクロウを成長させてたんですね。
 
我愛羅を守るため、まずカンクロウ自身が、弟・我愛羅が抱えていた心の闇・孤独を理解しようと努めたんじゃないかと思うんです。我愛羅がなぜ、たった一人孤独の闇の中に身を隠していなければならなかったのか・・それを理解し受け止めなければ、我愛羅をサポートしていくことは出来ないですから。 それでまずは兄貴として弟の過去の闇に向き合ったのかもしれません・・我愛羅がたった一人砂の中に籠っていた頃の孤独と闇に。
我愛羅も風影になるまでの3年間に大きく成長したけれど、カンクロウも一緒に忍として、人間として、兄貴として随分と成長していたんですね。
 
一方、サソリって暁に入った時のゴタゴタ以来、ずーっとヒルコ(あるいは他の傀儡)の中に閉じこもっていたみたいですよね。元部下だったカブトにまで「いつも傀儡の中に隠れてる 陰気な奴でしたからね」なんて言われちゃってましたから・・
 
かつての我愛羅にも似た、サソリの孤独・・・
 
カンクロウには、サソリの孤独と心の闇《ずっと傀儡に閉じこもっていたい》という想いも理解できたのかもしれない。
 
奇襲部隊戦でも、相変わらず(物陰に)隠れていたサソリに、『サソリ・・・ 居るのは分かってる 出てこいよ』なんて言っていたカンクロウ。 
「相変わらず どこかに隠れようとしているサソリ」の姿に、かつての弟を重ね、『もう、隠れてないでいいから 出てこいよ・・・』と言いたくなったのかもしれない。ほっておけなかったというか。

 それでも出てこないサソリを、チャクラ糸どうしくっつけて「ウォラアア!」と強引に引きずり出してましたっけ・・ でも、それは「封印するため」だけではなく、サソリを孤独の闇から「救いたい」気持ちが第一にあったのかもしれない。 後輩として、尊敬する傀儡師のために。
 
自分の魂を理解してくれる「後継者」によって引き継がれるもの・・それこそ朽ちる事のない永久の美。サソリの傀儡は、サソリの魂を受け取ったカンクロウの手に受け継がれることで、本当の力を発揮する・・・
 
亡き者の魂を理解した後継者によって、引き継がれていくもの・・・それって、写輪眼も同じなんだろうなと思うんです。
 
サスケはまだイタチの意志を受け取っていないから、その眼もまだ「見えていない」・・
「オレはアンタの幻術を見抜ける!これはアンタの眼だ!!」と叫んだサスケに、イタチは「・・・・」と反応していましたっけ。イタチの本当の意志をサスケが受け継いだ時、サスケの眼の封印は解けイタチの幻を見抜き、イタチの真実を知ることになるんでしょうか。
・・・そしてマダラも、まだイズナの意志を受け継いでいないのだとしたら・・・ひょっとしたらイズナの眼の『本当の力』は まだ得ていないのかもしれない(だから・・負け犬、なのかも)。
 
もし、イズナの魂が何処かにまだ存在していたとしたら・・・「本当の自分の思い」を分かってもらいたい・・・そんな願いを抱きながら、何処からか兄を見守っている・・・なんてこともあるの「かも」しれない。 
 

☆長駄文読んでくださって感謝



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