トビが背負うマダラの団扇と サクモのチャクラ刀 「形見」というもの・・・ その2
前回に引き続いて「形見」についての話なんですが・・
ふつう『形見』と言えば 大切な宝物ですよね。 でもなぜ「大切」と思えるのかといえば、それは故人の遺志を受け取り その生き様を受け入れられるからだと思うんです。なかには、大切な形見だからといって 簡単には受け入れられないことだってあるんじゃないだろうか。
例えば、その人の死をまだ受け止めきれないでいるとか・・・その生き様を受け入れ難かった場合とか。
特に肉親の場合、時には反発したり否定したい気持ちも生まれるし、同時に「純粋に慕う気持ち」もある。その2つの感情が交錯して 複雑に絡み合ってしまう・・・。他人の形見だったら受け取らなければいいだけの話なんですが・・・でも肉親の形見となると そう簡単にはいかない。
いくらその人の生き様を肯定できなかったとしても、その想いってのは なかなか切り捨てられるもんじゃないですよね。たとえ、それが「アンタ」とか「クソヤロー」と呼びたくなってしまう肉親であっても・・ (サスケェ・・;)
その例として思い浮かぶのが、239~244話に登場する少年時代のカカシなんです。
通称『カカシ外伝』といえば、カカシがオビトの写輪眼を形見として受け取った物語なわけですが それと同じぐらい印象に残っているのが『サクモのチャクラ刀』なんです。 サクモの「木ノ葉の白い牙」という通り名の由来と思える、あの白いチャクラ刀です。
カカシはこの形見の刀をずーっと背負ってはいるんだけど、戦闘には使ってないんです(前半では)。
カカシが父のチャクラ刀を使わなかったのは、父サクモの忍としての生き様を否定したかったからだと思うんです。自分は父とは違った道を行くと決めていたから・・・。
そのくせ、「役に立たない道具は邪魔になるから要らない」と言っていたのに、使わない(役に立たない)このチャクラ刀は背負ってる・・・ カカシの言動は矛盾していたんです。彼の心の中にも2つの矛盾する感情があったのではないかな・・。父サクモの生き様を否定し、違う道を歩こうと決めた忍としての思いと・・・父サクモを慕う、12歳の少年としての想いが。
結局、オビトのおかげで カカシはサクモの生き様を受け入れることが出来、最終的には形見の刀を使って戦っています。だけど皮肉なことに・・カカシがサクモのチャクラ刀を使った時(つまり父の生き様を受け入れた時)、そのチャクラ刀は折れてしまったんですよね。 まるで・・・カカシに受け入れられた事に満足したかのように・・・。
「刀」という道具は壊れてしまったけど サクモの意志はあれから ずっと、カカシの中で生き続けている・・・
カカシが背負っていた父の形見の「チャクラ刀」。
父の生き様を受け入れられなかった彼が ずっと「使わない刀」を背負っていたのは なぜだったのだろう。
たとえ『使わない』ことで父を否定したとしても・・・ 背負っていたのは「サクモの息子」であることを(心のどこかで)誇りに思っていたのかもしれないし、それに心細くなった時には 心の支えにもなっていたのかもしれない。
そして、同じように気になっているモノがあるんですが・・それが・・・『トビが背負っている、マダラの団扇』なんです。
《うちはの家紋は 火を操る うちはを持つ者の意》
《うちはの家紋は その誇り高き一族の証でもあるんだよ》 (25巻から)
団扇っていうのは、うちは一族の誇りの象徴ともいえるモノですよね。 今トビが背負っている団扇は、42~43巻にも出てくる『かつてのマダラが背負っていた団扇』だと思うんです。
柱間と並んで颯爽と立っていた時も、一族にも裏切られて一人里を出た時も、再び里に戻って柱間に戦いを挑んだ時にも・・・いつも、マダラはあの団扇を持っていた・・。
穢土転されたマダラは、さすがに団扇は持っていない。 穢土転生は瞳力などは生前同様に使えるようですが、持っていた武器や道具までは復元されていないんですね(忍刀や傀儡などは持っていない)。
だけど今の穢土転マダラは、かつて持っていた団扇など気に掛けている様子も無く・・・木遁など新しく手に入れた力ばかり試していますよね。で・・・その代り、その団扇はトビが背負っています。
輪廻眼を手に入れて 新しい(ダサすぎる)仮面に変えた時から、ずーっと肌身離さず。
でも、トビは なぜマダラの団扇を背負っているんだろう・・・?
偽マダラを名乗るために背負っていた・・というのも否定できないのですが、でもトビは今まで「マダラ」を名乗りながらも、外見をマダラに似せるための工夫を一切してないですよね。ハッキリ言って全然似てなかったし・・・似せようともしていなかった。それに今となっては「マダラに成りすますこと」に必要性があるとは思えないんです。
トビはマダラの計画通りに事を運ぶ気はない様子だし・・・(561話のカブトとマダラの会話から)。なのに・・・背負っている。
それに、あの団扇をトビは一度も使ってはいないですよね。
かつてのマダラは、あの団扇で指揮を執ったり 火遁の火を操ったりしたのかもしれませんが・・・トビは火遁を使わないし(使えないのか 仮面を外したくないのか分かりませんが)、当然団扇も使わない。 少なくとも今のトビにとっては、あの団扇は『全く実用性の無い代物』ですよね。
なのに、片時も離さずを背負ってる・・・あんなに大きくて邪魔なだけなのに・・。
トビが団扇を背負っているのは、「うちは一族の誇りのため」なのだろうか・・?
それとも《かつての所有者・マダラに対して、複雑な気持ちを抱えているから》なんだろうか・・・かつてのカカシみたいに。
団扇を使ったことが無いトビが、一度 団扇に手をやりましたよね・・・
573話、ナルトの自信に満ち溢れた表情を見て トビが戸惑ってしまった時・・・あの時、トビは無意識に団扇に手をやっているんです。あの時のトビは かなり動揺してて、冷汗はかくしオロオロするし。
そんな時に手を触れたのが、あの団扇だったんです。
『使うことのない、マダラの団扇』・・・・トビはその道具を使うことは無いのかもしれませんが、でも背負っていることが彼にとって心の支えになってるような気がします。まるでお守りみたいに・・・
だからイザという時、動揺した時、迷った時・・・心の支えとして頼り、触れてしまうんじゃないだろうか・・・無意識に。
マダラの計画とは別に動いているらしいトビが、なぜマダラの団扇を背負っているのだろう・・・
トビの正体が誰であれ、トビと「マダラの団扇」の関係が 何らかの真実を語っているの「かも」しれません・・。
☆長駄文読んでくださって感謝
ナルト好きブログ!
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