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登場のしかたの美学・・・大蛇丸の《捕食の時》

登場のしかたの美学・・・大蛇丸の《捕食の時》

583話最後の大蛇丸のびっくりな登場のしかた・・・気持ち悪いというか、相変わらず驚かせてくれるというか。
「登場のしかた」って、その人の個性が表われてると思うんです、人によってこだわりがあったり その人の「秘めたる願望」が見えてきたり。
 
大蛇丸の「登場のしかた」と言うと、印象に残ってるのは天地橋で木の陰からゾッとするような顔を覗かせたり(野兎を蛇に丸呑みさせて)とか、イタチVSサスケでは白蛇の口からアハハハ~と半裸で出てきたりとか、583話でのカブトの前にビックリな登場のしかたとか。 彼の登場スタイルはいかにも「捕食者」らしい・・・その執拗で度肝を抜くような登場のしかたが強烈に印象に残っています。狙った獲物は絶対に逃さないわよ、という感じの・・・。 こういう時のオロちゃんって、何とも嬉しそうな表情を浮かべてちゃってるんですよね。
 
ご存知の通り、大蛇丸というのは極めて多才な人なわけですが、彼が一番目を輝かせる時・・それは研究してる時よりも「獲物の事を考えている時」だと思うんです。 サスケの到着を待っている時の大蛇丸なんて「イライラするわ・・」なんて言って、カブトに「欲しいものを待ちわびる時は長く感じるものです」なんて言われちゃってる。 そして「ガキをあやすような物言いはやめなさい・・」なんて言ってるんですが、でも、確かにまるで「子供」。
 
大蛇丸が必死になって特殊な能力や血継限界を持つ子供を集めていた理由・・ それはサンプル集めだったり「新しい器目的」だったり、ま・・・ロクな理由じゃあなさそうですが、本当のところはどうだったんでしょう。
 
たとえば、「かぐや一族の君麻呂」。
 
カブトの話によれば、
「かぐや一族が何故彼一人にまでなってしまったのか・・ そこに至るまでの血なまぐさい歴史だけでしたから・・」 「霧隠れという大国に一族だけで戦いを挑み絶滅した愚かしい者たち・・ そして一族で最も優秀で幼かった彼だけをアナタは救った」。
 
カブトは「アナタは(彼を)救った」という表現を用いているのですが、大蛇丸は一瞬「・・・・」と無言で反応してるんです。 (そのときの大蛇丸の表情は包帯で見えないんですけどね;) そして、大蛇丸はかぐや一族の事を「死に急ぐ馬鹿ども」なんて冷たく言うんですが、再びカブトは「で・・・死なせるのはもったいないと・・」とツッこむんです。 
また大蛇丸「・・・・」と一度無言になっちゃって(この一瞬も表情は見えないんです)、「フン・・あの希少な血継限界を欲しくない者があろうか・・」と《血が欲しかっただけ》と強調する。・・・・(24巻の会話)
 
何だかこの時の2人の会話・・普通に会話しているようだけど、カブトはさりげなく大蛇丸の「本心」を窺っているようにみえるんです。大蛇丸はそれをうまく「かわそうとする」・・・なんとも微妙な探り合い。
 
カブトって、時折大蛇丸に鋭いツッコミを入れることがありますよね。 で、大蛇丸は《この子は鋭いわね》とか《何を考えているのやら》なんて心の中で呟いてる事が多い。 でもこの時の大蛇丸は2度とも「・・・・」になっちゃってるんですね。 つまりカブトの言葉はかなり鋭く的確に突っこんでいたんじゃないか・・と思ったりします。
 
(これ何度も繰り返し書いてる気もしますが→)大蛇丸と言えば、大戦中に出会った長門達のことを「ころす?この子達・・」と言ったり、縄樹が戦死した時には「戦争だからね今は・・」なんて言って一見冷酷な言動をしてるんです。 だけど大蛇丸自身、両親を殺されるという辛い過去がありますし・・《争いの犠牲になるのは いつも子供達》という現実を痛いほど知った上での言葉だとも思うんです。
 
ちょっと無理な見方をすれば、大蛇丸が世界各地でやっていた「捕食者としての活動(スカウト活動でもある)は、捕獲というより保護する目的もあったんじゃないだろうか。 
放っておけば、争いの中で滅びる運命にあった一族の血を後世に残すこと・・・子供だけでも救って遺伝子を残していくことも大蛇丸の狙いだったんじゃないだろうか。
 
カブトのことも、ずいぶんと小さい時から目をつけてましたよね。 それはカブトに医療忍術の才があり、年齢のわりに賢かったから・・というだけじゃなかったのかもしれません。 カブト自身も気づいてない、何か特別な血のニオイ・・・それを「捕食者大蛇丸」は感じ取っていたのでしょうか。このままでは他の捕食者の餌食にもなりかねないカブトを 自分でキープしておきたかったのか。
 
それは単に自分がカブトを欲しかったからなのか、このまま忍世界の闇に消されてしまうには惜しいと思える「何か」をカブトに見出したからなのか。・・・
 
もちろん、大蛇丸は残虐非道なことをしていたのも事実なわけで・・・「選ばれた子供達」を保護する一方で、新術開発のための実験体には酷い扱いをする。 大蛇丸は、己のそういう行動をどう思っていたのだろう・・?
 
「数多の戦争体験がそれらを準備し得るだけの知識となった・・ ・・幾人もの犠牲がそのスタイルを作っただけよ」・・・大蛇丸は 綱手が確立した医療忍術システムについて こんな言い方をしてたことがあります。新しい何かを確立するための犠牲は致し方ないのだと、まるで自分自身に言いきかせていたようにも感じます。
 
大蛇丸の真の目的が何であるのか・・・水月が見つけた巻物の内容で明らかになるでしょうか。
大蛇丸がなぜ あんなにまで必死に「捕食者」であろうとしたのか、その理由も明らかになるでしょうか。
 
研究や術開発、六道の真理を明かすという目的と同じぐらいに・・・あるいはそれ以上に彼が目を輝かせた《戦乱の中で失われていきそうな宝を捕食(スカウト)していく作業》・・・それが大蛇丸のライフワークだったのではないかとさえ思えてきます。
 
 
『これよ!これを待ってたのよ!』 (43巻で サスケの前に再び現れた時のことば・・)
 
獲物の前に登場する瞬間・・・大蛇丸は至上の喜びを感じているようにみえる・・・
 
 
 
 
・駄文、読んでくださって感謝。
 
・次回、ナルトの登場のしかたについて・・に続けます。
 
・時系列、GW中にまとめてみる・・つもりです。けど結構大変そう(苦笑・・



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