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カブトの言葉から考えてみたサスケにとって必要な「存在」 (カカシは先生なのか、師なのかという話)

カブトの言葉から考えてみた、サスケにとって必要な「存在」 (カカシはサスケの先生なのか師なのかという話)

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皆さんのところは台風大丈夫でしたか?次のNARUTOまで時間もあるので、もう少しサスケのことを考えてみようと思っています。 今回は《サスケにとってカカシはどういう存在なのか》という点を カブトの言葉からちょいと考えてみます。
 
1.まずは、第578話「絶望の弱点」での、カブトとサスケの会話から…
 
『…どうだろう ここは一つ協力してこのイタチを倒そうじゃないか? 
同じ蛇の力を持ち 同じを…』
 
“同じを持ち”…つまり僕らは「兄弟弟子」なんだよ、と“絆”をチラつかせてのサスケへの甘い誘い。 
 
カブトは《ナルトとサスケの第七班のつながりの強さ》を何度も見てきてますから、兄弟弟子を強調してサスケを味方に取り込む作戦に出るんですね、ボク達だって同じ師を仰いだ兄弟弟子、仲間じゃないかと…。 
だけど当然ながらサスケはバッサリと斬り捨て、カブトの作戦は撃沈させられる。
 
『アレをと呼ぶ気は無い』
 
「アレ」って言い方が、もはや大蛇丸を人間扱いしてない気がしますが…ま、サスケはそう思ってますよね。
じゃあアレが師じゃないならドレを師と思ってるの・・・?カカシのことは師と思ってるんだろうか?
出来れば《オレの師はカカシだけだ!》なんて思ってて欲しいもんですが、今のサスケじゃそれも否定するでしょうね;残念ながら。
でもアレはオレの師じゃないと言いながら、無意識の意識の中にカカシをイメージしてたんじゃないのかな・・なんて思ったりもするんですけどね。
 
 
…そもそも「師匠と先生」はどう違うのだろう。
 
 
辞書で見る限り、師匠と先生はほぼ同意語なんですよね。 でも、NARUTO世界での師匠と先生は「=」ではない。
 
「先生」というと、アカデミー卒業後に振り分けられる所属班の責任者のことで、見習い中の下忍達を指導する上官。 年齢的にもあまり離れすぎていない感じで、大先輩に近い。
一方で「師匠」は、特別な術を伝授してくれる指導者で、場合によっては寝食を共にし修行を付けてくれる親兄弟に近い立場とでもいいましょうか。
 
例えばナルトは自来也を師匠と呼び、自来也はナルトを弟子と呼ぶ。
自来也はナルトに口寄せの術(蝦蟇との契約)、螺旋丸を伝授してくれた指導者でもあります。二人の関係は師弟、「師匠と弟子」です。
だけどカカシのことは「カカシ先生」なんですよね、カカシもナルトを「教え子」と呼んでいます。
カカシは風遁螺旋手裏剣の開発に付き合い指導はしていますが、術を伝授したわけではない…カカシがナルトに伝授したのは「千年殺し」ぐらいですかね;だから・・・二人の関係は「先生と教え子」。
 
 
…ならば、サスケはカカシを何と呼んでいるかというと…
 
「カカシ」 もしくは 「アンタ」。
 
…ま、サスケは誰の事であっても「アンタ」か呼び捨てですからこんなもんでしょう。サスケが敬語を使うのはフガク父さんに対してだけです。 
(そういえばカカシの事をこんな呼び方をしてたこともありましたっけ、「低俗な忍」とも…)
 
だからといってカカシを「先生」として認めてなかったという訳では無く、「いつまでも先生面すんじゃねーよ」なんて(51巻で)吠えていたので、一応「サスケの先生」とは認めてもらっているようです。
ではカカシはサスケの「先生」なのか「師匠」なのかといえば、サスケがこんな調子なので明確には判りませんが…私は「師匠」なんだろうと思っています。 (二人が対面した483話のタイトルは「再びの“師弟”」でもありますしね…)。
 
何といってもカカシは自身の大切な術『千鳥』をサスケに伝授してるわけですし、その為に1カ月寝食を共にして二人っきりで修行をしていますから(羨ましいぞ、サスケ)。 サスケもカカシには特別な感情を持っていると思ってまして、ただの「先生(大先輩)」ではない、親兄弟に近い感情・・どちらかというと「兄さん」に近いものを感じていたんじゃないかと思っています。
 
 
2.第581話「それぞれの木ノ葉」のカブトとイタチの会話」から…
 
『ボク以上に君を理解できている者は他にはいない だから今度はボクが兄として君の側に居よう …さあ一緒に』
 
「兄弟弟子」の絆での揺さぶりに失敗したカブト、次は「兄」という絆で揺さぶりにかかるんですね。
サスケが何よりも一番断ち切れないでいるものが「兄弟の絆」…イタチとサスケの共闘を見てカブトは改めてそれを確信し、「兄代わり」作戦に出るんです。 このあたりカブトの観察眼も実に大したものだと感心しちゃったのですが、今度はサスケ自身じゃなくてイタチがカブトの言葉を遮ってます。 
 
『サスケ耳をかすな』
『!?』
 
イタチは《これは危ない》と判断したのかもしれません…なにしろサスケは《兄》という言葉には弱い。 サスケがカブトごときを「兄」と思ったりはしないでしょうけど、でも念には念… そのぐらいサスケは《兄》あるいは《兄代わりの存在》を強く求めてるってことを、イタチもよーく分かってるのだと思います。
 
終末の谷で、ナルトが「友達だ」とか「兄弟ってこんな感じかなぁ」なんて言ってサスケの心も大きく揺れたわけですが、それでもサスケが追い求めていたのは「兄の背中」で、《オレの夢は過去にしかない》だったんですよね。
 
でも「うちは一族抹殺事件」以降、サスケは大切な兄さんという盾を失って しばらくの間その「穴」を埋めてくれる存在を見つけられずにいたわけですが…久しぶりに見つけた存在が「カカシ」だったと思っています。
 
…第2巻、第七班最初の任務らしい任務「波の国任務」。
 
初めての強敵・再不斬を目の前にした時、サスケは《ダメだ… これならいっそ 死んで楽になりたいぐらいだ…》なんて震えてるんです。だけどカカシが背中越しに、
 
「サスケ…」 「安心しろ お前達はオレが死んでも守ってやる」 と言うんですよね、
「オレの仲間は 絶対 ころさせやしなーいよ!」と。
 
《死んでも守ってやる》と盾になってくれる背中・・・事件以降、ずっと一人で突っぱってきたサスケが5年ぶりに見つけたのが、カカシの温かい背中だったんです。
そしてあの時から、サスケにとって「第七班」が本当の居場所になったのではないか・・と思っています。
本当の自分で居られる場所、安心できる場所。
 
さらに、サスケがずっと夢見ていた《兄さんとの修行》…これもカカシが1カ月一緒にいて千鳥を教えてくれた事で、その夢が少し叶えられたような気持だったでしょうか。 
守ってやると言ってくれ、大蛇丸の呪印を封じてくれ、修行を付けてくれたカカシ。カカシはサスケにとって、少しずつ兄さん代わりの存在になっていたのではないか・・とも思います。 
カカシは千鳥修行の時、サスケに新しい服を与えてやってまして…しばらくサスケはそれを着てたんですが、里抜けの際にその服を脱ぎ捨て、わざわざ昔の服に着替えて里を出ていってるんです(このあたりの事は過去記事にて)… それだけカカシとの絆を断ち切るのは辛かったんじゃないか、と思っています。
 
サスケにとってカカシは兄代わり、だからカカシの前では《他では見せないような一面》を見せることがあります。例えば…20巻でカカシに言い放った、
 
『何なら今からアンタの一番大事な人間を ころしてやろうか!』 も その一例。
 
こんな猛毒のような言葉を吐いたのも、自分の心に巣食う闇、溜まったヘドロをカカシには見てもらいたかったんじゃないかと思うんです。 いい子でもなく優等生でもない自分…カカシの前ではそんな自分も見せられる。そして…それはカカシに対して発したSOSでもあったと思います。
 
51巻の師弟再会でも、サスケは『アハハハハ…』と狂ったように笑い『オレはアンタをころしたいとウズウズしてるぜ…カカシ』とまたもや毒突くんです。
この時もダンゾウと戦った直後で「鷹」との絆も断ち切り、サスケも本当に辛い時だったと思うんです。そんな時にカカシが現れ、サスケも複雑な思いだったでしょうか。 
こんな自分を見られたくなかった思いと、カカシの前だからこそ吐き出せる「闇」と・・・
 
そして・・・34巻、カカシ班が大蛇丸のアジトにサスケを追って来た時。サスケは
 
『ならカカシもいるのか?』と尋ねてますよね。
 
で、あの時はカカシは療養中、ヤマトが代理でした。あの時のサスケの言葉、今までも散々考えてきたんですが… サスケはカカシにすごく会いたかったんだろうな・・と思っています。 イタチとの対決を目前にして、サスケの心は限界とも言えるほどギリギリの状態で、不安で引き裂かれるような思いに一人で必死に耐えていたんじゃないかと思うんです。
もしもあの時、カカシが来ていたら・・・サスケはまた毒々しい言葉をカカシにぶつけていたのかもしれない。
 
…でも、カカシは来なかった。
 
だから…あの時のサスケは冷酷ではあったけど「冷静」でした。 本当は、カカシの前で《憎しみという闇に取憑かれた》ドロドロの醜い自分を晒したかったのかもしれない。 そうすることが、サスケにとっては懺悔、告解であり 少しは気持ち的に救いになったのかもしれない…なんて思うんです。
 
サスケが優等生の仮面を脱ぎ捨てて「汚い自分」を曝け出せる唯一の甘えられる相手…「SOS」を発することができる相手…それがカカシだったんじゃないだろうか。 兄さん以外で唯一、盾のように守ってくれる甘えられる存在。
 
カカシの「背中」も、サスケにとって帰る場所なんじゃないか・・なんて思っています。
 
 
 
・長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
 
 
 

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