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絶望の始まり (願いなど何一つ叶いやしない・・・)

絶望の始まり (願いなど何一つ叶いやしない・・・) 

 
599話の「少年オビト物語」。 あれはあえて言うなら「オビトの記憶」・・と思っています。でも当然、あの場で今のオビトが回想しているとは思えない・・・ いわば、オビトが既に閉じた「過去」、うちはオビトという名前と共に、神無毘橋に置いてきた「思い出」だと思っています。

神無毘橋でオビトの上に崩れ落ちた岩の1つ1つに遺され、そのままになっている思い出と「名前」。
それは、カカシが神無毘橋に置いてきた「サクモの折れたチャクラ刀」と同じようなものですね。
そして、未だにその封印は開けられていない・・・作者は、それを読者にだけ特別に見せてくれた・・・と思っています。
 
カカシとオビト・・・二人とも、神無毘橋のあの日を境に運命が大きく変わってしまったんですよね。
一人は「写輪眼のカカシ」となり、もう一人は「誰でもない男」になってしまった。

《己を拾う闘い》・・この戦場ではカカシとオビト、神無毘橋の戦いで己を捨てた二人の英雄達が己を拾う番なのでしょうか。 写輪眼のカカシから「はたけカカシ」に。 誰でもない男から・・・「うちはオビト」に。 
でも、拾うのはなかなか難しそうですけどね。
 
昨日の雑考でも書かせていただきましたが、599話の「少年うちはオビト物語」。一見微笑ましい話なんですが、読んだ後、なんだか虚しくなる。それは・・あの過去話は「微笑ましい過去物語」というよりは「オビトに闇が生まれた物語」とも思えたからなんです。
 
あの微笑ましい光景の中にある「暗闇」、「絶望」と言った方がいいのかな。・・・それは、カカシ外伝ではちょっと知ることができなかった、オビトの別の一面でもありました。
 
599話は、外伝でのイメージ以上にオビトが「極めつけの落ちこぼれ」だったことが描かれてるんですよね。
オビトのあの劣等感・・・外伝を読んでいた時は「一族の期待をプレッシャーを感じていた」と判断していたのですが、599話を見たところ・・・どうやらそうではないらしい。 オビトのあの見事な落ちこぼれ方・・・あれじゃあ一族からも期待されないだろうし、「一族の恥」みたいに見られていたんじゃないのかなぁ。
しかも、あの性格じゃあ“クールなエリート・うちは一族”のイメージとは程遠い。・・・そしてもちろん、アカデミーでも「落ちこぼれ」扱い。

でも「落ちこぼれ」とはいえ、あの「神威」を開眼し得る眼を持って生まれたのだから・・オビトは血統的にはおそらく超名門だと思うんですよね。 
 
マダラかイズナの直系かと想像してますが、家族の中では《この子はどうしてダメなのかしらねェ・・》みたいに言われていたかもしれないですね(特に優秀な兄弟シスイがいたらですが・・)。でも、瞳術が血統的に遺伝するものであるならば・・・。 オビトの家系にもし神威ユーザーがいたのなら、いずれオビトも開眼したら「神威」を使えることは予想出来ていたと思うんです。
 
だからこそ、外伝ではカカシへの強気発言《いずれお前なんか追い越してやる!オレのこの写輪眼が開眼したらな!》なんて言えたんだろうな、と思っています。

「この眼さえあれば」・・・いつか皆に認めてもらえる。
だから、オビトにとって“眼”は希望そのものだったのでしょうし、眼は彼の唯一の宝。 だからあのゴーグルは、オビトの大切な「希望」であった眼を超過保護に守るためのグッズだったんですね。「恥ずかしい眼を隠す為」なんかじゃなかった。・・・「大切なお宝を守るため」だった。

だけど…いつまでたっても写輪眼は開眼しない。
いくら修業をしても、強くなれない。

あの「オビト物語」は挫折物語と言ってもいいぐらい、ホント見て気の毒になるほど、彼は失敗と挫折ばかり。
 
入学式でいきなり大遅刻してカカシに馬鹿にされるし、リンの前で火遁を披露するどころか飴玉吐き出してしまうし、同じ相手に負けるし(しかもその相手をカカシは倒したし)。好きな子はカカシばっかり見てるし、努力の末に中忍になれたと思ったら、カカシはすぐに上忍になっちゃうし。 おまけに、デートに誘われたと思ったら実は「カカシ上忍就任祝いの相談」だったし。

とにかく・・肝心なところで全てが失敗。 彼の淡い夢は次々に打ち砕かれていく。

失敗とは言っても少年の日にありがちな 小さな小さな挫折ばかりではあるんです。だけどオビトはちょっと不器用すぎるんですよね。 真っ正直で、上手く立ち回ることができない・・・そのくせプライドだけは高くて感受性は強いから、小さな挫折もオビトの心に確実に傷を残していったんじゃないでしょうか。 
 
でも、そんな中でも彼が笑顔を忘れずにいられたのは・・「リン」のお陰だと思うんです。
 
オビトにとってのリンは、ただの「好きな女の子」というだけの存在ではなかった・・・と思ってます。
 
オビトは誰にも期待されなかった。だけど、リンだけはオビトの夢を笑顔で聞いてくれた。 
そしてオビトがきっと夢を実現すると「信じて」くれた。
オビトの「大きな夢」をバカにせず、リンは笑顔で「頑張ってね」とでもいうように励ましてくれた。

リンは・・・・落ちこぼれオビトの大きな夢の実現を信じてくれた「たった一人の」存在だったのだと思います。だから、リンを守ることは・・・オビトにとって自分の夢を守ることでもあったんじゃないだろうか。
 
リンがいるから夢の実現を叶えられると思える。 だから諦めないでいられる。
夢はなかなか叶わなくても、リンは「自分を信じてくれる」。
 
でもそのリンが、自分よりももっと大きな期待をして見つめているのが・・・カカシ。
自分を信じてくれた人が他の奴にもっともっと期待している・・・それは、オビトにとって『夢』が消えちゃいそうな不安だったんじゃないだろうか。
 
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・・・オビトの、不安そうな、せつない眼。 
 

小さな希望が次々と打ち砕かれていく虚しさ、悲しみ。 オビトが願う夢は、努力しても頑張っても どれも「あと一歩」で叶わない。・・・この「せつない瞳」に、今のオビトの深い絶望が すでに少しずつ生まれていたような気がするんですよね。

オビトにとって最後の「希望」であった、“神威の眼”と “自分の夢を信じてくれたリン”。
 
神無毘橋で、オビトはその2つをカカシに託し、絶望の闇へ消えていったのでしょうか。
《もっとみんなと居たかったなぁ・・・》という願いすら叶わなかったけれど、その絶望を代償に・・・オビトは強大な力“神威”を手にしたのかもしれません。
 
 
 
『この世界で願いなど何一つ叶いやしない』

『問題を先送りして希望という言葉でごまかしても…
虚しい現実が待つだけだ』
 
 
今のオビトのこの言葉も・・・あの頃から知らず知らずのうちに 感じていたものだったのでしょうか。
 
 
 
 
 
・駄文読んでくださって、感謝。
 
 
 
 
 
 
 
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