ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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遅刻の理由 (カカシとオビト)

遅刻の理由 (カカシとオビト)

 
例によっての《登場人物の一番の個性が現れる、初登場シーン》。
カカシとオビトの場合は、二人とも揃って「遅刻」なんですよね・・・。 でも彼らの「遅刻」に、これほど重い意味があろうとは・・・正直、最初の頃は想像もしませんでした。
 
カカシの初登場は、第1巻第4話「はたけカカシ」。 (厳密には第3話最後にちょろっと出てますがね)
 
第七班最初の顔合わせで《いきなり遅刻してくる》・・・。そしてナルトのトラップに見事引っかかって「バフっ」と・・。読者がカカシに持った第一印象は、頼りなさそうなおっちょこちょいな先生ってとこでしょうか;
 
そしてオビトの初登場は、第27巻第239話「任務開始・・!」。 (その“存在”が最初に語られたのは第2巻が最初ですがね・・)
 
ミナト班の集合時間で《いきなり遅刻してくる》・・。そしてトラップらしき紐に見事引っかかって「うわぁあ」と転んでしまう。読者がオビトに持った第一印象は、頼りなさそうなおっちょこちょいな忍。二人とも・・同じパターンなんですよね。
 
カカシの場合、最初の「遅刻」のイメージが強くって、しばらくの間「抜けた感じの、やる気が無さそうな先生」という印象が強かったんです。 
で、16巻になってやっと「遅刻の理由」が明かされる・・・「親友の名が刻まれた慰霊碑」に毎朝早くお参りに来ているものの、ずーっと自分を戒めていて「遅刻する」のだと。
 
そして27巻のカカシ外伝でやっと、「なぜカカシが自分を戒めているのか」読者はやっと分かるんです。
親友オビトを守れなかった事を悔いているのだと・・・・。
 
だけど、実はこれも「本当の理由」じゃあなかった。
 
カカシの「本当の遅刻の理由」・・・それが分かったのは46巻。
 
《リンを守れなかったオレだ・・・ お前との約束を破ってばっかりだが・・・ 許してくれ》
 
リンを守れなかった事、これを詫びていて「遅刻していた」。
・・・オビトに託された意志と、オビトとの約束を守れなかったことを後悔し・・・その贖罪としてカカシは「己の人生を捨て」オビトの代わりに生きる事を選んだのだと思います。オビトの代わりに生きる・・・今のカカシにとって「くだらない現実世界」なんて、それ以外には何の意味も無いモノだったのかもしれません。 それこそカカシも《オレが生きているなんてのは、どうでもいいこと》と思っているんじゃないだろうか。オビトが600話でカカシに言った言葉は、カカシの心の声でもあったような気がします。
 
オビトのように「くだらないルール」に拘らず、平然と遅刻したりする・・・。そうやってオビトに成り代わったつもりでカカシは生きてきたのかもしれません。
 
だけど599話で明らかになった、オビトの遅刻の《本当の》理由。 
 
嘘なんかじゃなくって、本当にオビトは人助けをして遅れてくる。《自分の事より他人の事》、自分の苦しみよりも他人の苦しみを思って動いていた。 そうですよね、外伝でも「友のために泣いていた」・・・。
 
600話でのオビトとカカシの会話・・・
 
《フッ・・・早まるな》 《それにそんな顔をするなカカシ・・・・》
《・・・・》 《オレを責めないのか・・・?》
《こんなくだらない現実を今さら責めて何になる》
 
カカシはこの言葉から理解したのだと思います、オビトにとっては“オビト自身の心の傷(リンを失った苦しみ)”よりも、“カカシの心の傷(リンを見殺しにしたと思っている苦しみ)”のほうが辛いのだと。
オビトはカカシを責めていない・・・それどころか、オビトは「カカシの苦しみ」に心を痛めていたのだと。
そして、リンやカカシのように「忍世界」のせいで苦しむ人達が大勢いる世界を終わりにし、ただ平和な世界を創ろうとしているってことを。
 
オビトが「たった一人で背負って、世界を変えようとしている」事が分かって、カカシは何も言えず何も行動できなくなっているように見えるんですよね・・。
 
そして・・・カカシはオビトの《遅刻の本当の理由》にも気付いてくれないだろうか・・?
 
《オビトの遅刻の理由・・それは言い訳なんかじゃなく、本当だったということ》に。
オビトは、自分のことなんかより、他人が辛い思いをしていることが耐えられないって事・・・その為なら自分を犠牲にする、ってことに。だから・・遅刻していたんだ、ってことに。
 
 
オビトの遅刻の本当の理由、それは・・・誰かを助けたいから。
カカシの遅刻の本当の理由、それは・・・親友の代わりに生きたいから。
どちらも、誰かを思ってのことだったんですよね。
 
 
 
 
☆長駄文読んでくださって、感謝。