遅刻の理由2 「今まで何をやっていた・・」
オビトのワケありな「遅刻癖」。子供の時から、オビトの遅刻にはそれなりの理由があった・・・
ただ「だらしないだけ」ってわけじゃない。目の前の困った人を助けずにはいられない・・それがオビトという子であって、そこにオビトという人物の「本質」がある・・・そしてカカシも、ようやくオビトが「なぜ遅刻をするのか」その理由を理解しつつあるのではないか・・という事を前回の「遅刻の理由 カカシとオビト」で書かせていただいたのですが・・・
その『オビトの遅刻癖』。 齢三十を過ぎて、いい加減治ったか?といえば・・・どうやらそうでもなさそうなんですよね。
「オビト」
「八尾も九尾も入れ込む前に… …中途半端に計画を始めたのか」
「焦ったな…オビト オレをこんな姿で復活させたのもそのせいか?」
「…まぁお前のことだ…何か考えがあるんだろうが…」
「今まで何をやっていた…」 (601話のマダラの台詞)
そりゃマダラさんにしてみれば、随分と時間が経っているハズなのに肝心の八尾と九尾を狩っていないオビトのド派手な遅刻っぷりに「何をやっていた」と言いたくなりますよね。 意外とマダラさん・・怒らなかったな、なんて思っちゃいましたけど。 だってオビトの能力「神威」を使えば、突然現れて人柱力をズズズ~ッと吸い込んじゃえばいいんだから、その気になればオビト一人でも一~九尾まで狩れたんじゃないの?と思っちゃうんです(特に、ナルトがまだ弱いうちに・・とか)。
でも、さすがマダラさん・・・オビトの「遅刻」には何かしらの理由があると分かっていて、《まぁお前のことだ…何か考えがあるんだろうが》とは思ってる。 (きっとマダラは自分に都合がいい解釈をしているのだろうけどw)
いつまでも九尾を狩らないオビトに業を煮やし、ついに自ら乗り込んで「八尾と九尾はオレが捕る!」とサッサと動き出しちゃたマダラですが・・オビトはそれを眺めて何だか微妙な表情してますよね。
しかし、時間までに「八尾九尾を狩れなかった」という派手なオビトの「遅刻」。
ホントに・・・ オビトは一体「今まで何をやっていた・・」?
マダラの月の眼計画発動の為には十尾復活用の尾獣さえ集めればいいみたいだし、正直今までオビトがやってきた事は何のためだったの・・?と言いたくなることばっかりではあるんです。例えば54巻では、「十尾復活が遠のけば オレの計画の“遅延”を意味する」なんて遅刻を気にしているくせに、尾獣チャクラを白ゼツ製造なんかに使って減らしちゃってたりする。 だから、カブトに《あの偽マダラが計画通りに事を運ぶ気があるのかどうかは分かりませんが》・・・なんて言われちゃうんですよね。う~~ん・・。
子供時代のオビトの遅刻は「何をやっていたか?」と言えば、「寄り道」でした。 それも人助けのための寄り道・・・いい事ではあるんですよね。
だけど、その結果オビトは大事な任務に遅れちゃうし、大事な中忍試験の時間にすら遅れてくる。 そしてカカシに「だらしない」と怒られて・・ しかも《ヨタヨタおばあさんに道を聞かれちゃって・・》という理由を言ってもカカシは「嘘」だと思い込んで信じてくれない。 おまけにバアチャンから貰った飴玉を飲みこんで火遁・豪火球を失敗する・・と、とにかくオビトの人助けは報われる事は無い。だけど・・彼は懲りずに人を助ける。
たとえ骨折り損のくたびれ儲けであろうと、報われない「自己犠牲」であろうと・・・彼は「譲らない」。
そして・・・このオビトの性格、そして彼の「譲れないもの」・・これは今でも変わってないと私は思ってるんです。
たとえば、今のオビトが「人助けのために寄り道をしている」と思える部分・・・それが49巻の、鉄の国にナルトをお忍びで訪ねた例の一件なんですが・・・
あれは(おそらく)黒ゼツにも内緒の「シナリオ外」行動で、マダラの計画には完全に「不必要なモノ」であり、それどころか「計画の妨げにさえなりかねないモノ」なんですよね。で・・・その真相はやはりオビトらしい《人助け》だったんじゃないか、と思っています。
「トビ(オビト)が鉄の国の宿屋にナルトを訪ねた理由」については、過去記事で何度も取り上げてきてるので詳細は略させて頂きますが《※下記参照ということで》、五影会談という一大イベントの合間を縫ってでも《ど~しても》この時、オビトはやっておきたい事があったんです。いや、オビトとしては《やらねばならない事》・・・。
『話でもどうだ?うずまきナルト』
この時、ホントなら《九尾ゲットの大チャンス》だったんですよね。 ナルトはサスケの事を考えこんでゴロゴロしてたし、いきなりズズズ~って吸い込んじゃえば捕獲完了だったのに。
で、この時のオビトは何をしに寄り道したのか?といえば・・・「話がしたいだけだ」、 「ナルト、お前に興味が出来た」・・・そう言って結局、ナルトとカカシに『イタチの真実』を語り、サスケの事を「理解」させようとした。
そのおかげで、ナルトはこの直後に『お前のやってる事は・・ 分かるってばよ』なんてサスケに言えたんです。
あの時、あのタイミングでオビトが「イタチの真実」を教えてくれなかったら・・・「分かるってばよ」は無かったハズ。
確かな洞察眼を持つオビトは、この時ナルトに《希望》が在ることを見抜いているハズなんですよね、だからこそイタチの事を話して聞かせたのだと思ってます。・・・かつて、ミナトが《サクモの真実をオビトに語って、カカシのことを分かってやれ・・と言ったように》。 かつての自分にそっくりなナルトなら、きっとサスケを理解し受け入れられるだろう・・と信じたんじゃないだろうか。
このあと予想される「第七班再集結」の時に、かつての「仲間達」が戦い傷つけあうなんて悲しいこと・・・オビトなら望まないハズなんですよね。 だからオビトは、カカシとナルトに「話」をすることで、第七班が悲しい「仲間割れ」をしないで済むように計らったんじゃないだろうか・・・《仲間を大切にしない奴は・・・それ以上のクズだ!》・・・その精神を、オビトはまだ持っているってことなんじゃないだろうか・・?
本当は、オビトは『カカシにもサスケの事を理解してやってほしかった』と思うんですよね~・・でも、カカシは残念ながら《サスケを自分で処分する》という結論を出しちゃったんです。オビトは「カカシは成り下がった」とさらに思ったんじゃないかなぁ・・。
でも、ナルトが《サスケを理解し受け入れる》なんてことは「月の眼計画」に直接関係ないんです、それこそ時間の無駄で《寄り道》なんですよね。 おまけにオビトはナルトの怒りを煽るような発言までして、ナルトの怒りを「トビ(オビト)自身」に向けさせているんです。 それこそ、サスケは悪くないんだ・・悪いのは全て「トビ」だと思わせてるんです。 それもまた、ナルトにサスケを「受け入れさせるため」だったと思ってます。
オビトにとって何のメリットも無いし、それどころか憎まれ役を引き受けたり、木遁で縛り上げられたりという「嬉しくないオマケつき」・・・ それでも彼が、あんな寄り道をしたのは『人助けをせずにはいられない』からなんじゃないだろうか。 人助け・・・それは、サスケのためであり ホントはカカシのためでもあったんじゃないのかな・・。
五影会談を開かせたり、連合を作らせたり、サスケをなぜか「育てたり」・・・なぜか、こんな「遠回り的な事」をやってるからオビトは「遅刻」するんだと思うんですけど、もしかしたらこれらの「意味不明な寄り道」は、どれも人助けが理由なんじゃないか・・なんて思っています。 今はまだオビトの「真意」が不明だから、何とも説明がつかないんですけどね; (いずれ分かる日が来ると思ってますが。)
「今まで何をやっていた・・・」 とマダラに問われてオビトは何も答えなかった。
けれど、その答えは、やはり・・「人助け」だったんじゃないだろうか・・?
オビト自身には何の得も無いし、誤解はされるし、誰からも理解もされないけど・・だけど実は人助けをしたいと思ってる。 たとえ「暁の黒幕」という憎まれ役を引き受けながらも、それだけは譲れなかった・・それが今のオビトの、遅刻の《本当の》理由なんじゃないだろうか・・・とね・・。
(「かも」という話ですけど・・ね。真相は、オビトのみぞ知る・・・)
・駄文、読んでくださって感謝。
※過去記事;
『話でもどうだ?うずまきナルト』
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