ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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“守るべき大切なもん”のこと  (その2、カカシにとっての「守るべきもん」)

“守るべき大切なもん”のこと  (その2、カカシにとっての「守るべきもん」)

 
『オレにも忍として守るべきもんが色々ある』
『再不斬と白… こいつらの死に様もその一つだ こいつらの最後の敵はオレだったんだからな…
ナルト… お前はどう思う?』 
 
(524話「守るべきもの」、穢土転再不斬を雷切で突いた時のカカシの言葉)
 
 
カカシは、敵にとって「最後の敵」になることが多かったんじゃないだろうか。 つまり、カカシが止めを刺した相手は数多くいる、ということ・・。
 
かつて波の国の闘いで「オレも元暗部(暗殺戦術特殊部隊)にいた一人だ」「オレが昔どんな忍だったか… 次はコピーじゃないオレ自身の術を披露してやる」と言っていたカカシ・・・“雷切”で相手の「最後の敵」になってきたケースも多かったと思うんです。敵が何者であれ任務のターゲットに個人的な恨みは無いだろうし、相手の「忍としての死に様を守ること」・・・それもカカシが暗部の忍として『守るべきもん』の1つだったんじゃないだろうか、とね・・。そして、相手の『死に様を守る為の力』として使ってきたのが「雷切」…本来『仲間を守るための力』である雷切だった。
 
4年前、波の国で再不斬・白と闘ったナルトとカカシ。
 
55巻では、里へ帰る途中の回想がつけ加えられていますが・・・ ナルトとカカシは再不斬と白に深い共感を覚えていたんですよね。でも、共感した部分がナルトとカカシではちょっと違ってた。 
ナルトは、白から教わった《大切なものを守りたいと思った時、人は本当に強くなれる》という言葉に共感していたけれど、カカシは《互いの絆そのものだった二人の死に様》に共感を覚えていた・・。
 
 
カカシが再不斬と白に共感したのは、その死に様だった・・・。
 
 
だから再不斬と白の“死に様”を愚弄する「穢土転生の術」に、 カカシはあれほどの怒りを見せた・・・ そして彼らの死に様を何としてでも守ろうとした。それが524話の《穢土転生再不斬への雷切だったのです。あの雷切は、再不斬と白の《死に様を守るための、雷切》だった・・・・
 
忍にとって「死に様」とは、どれほど大切なモノなんだろう・・・?
 
『忍は生き様ではなく 死に様の世界…』 (自来也)、
『忍の生き様は死に様で決まる!』 (ガイ)
『死に際になって自分が何者だったか気付かされる』 (イタチ)・・・等々。
 
ナルト達世代はともかく、カカシ以上の世代の忍に共通する考えは「忍は生き様よりも、死に様」・・・だから、どうやって死ぬかは「忍」として何よりも大切なもの。自来也に言わせれば「今までの失敗をチャラにするような大きな偉業を成し遂げ、立派な忍として死ぬ」。それが忍の理想なのかもしれない。
 
だから、どういう「死」を選択するか・・それは忍にとって大切なことで、里に貢献した最期を遂げれば英雄になるのだろうし、そして死にゆく者の尊厳を守ることは『最後の敵となる者』の手にかかっている。
 
そして、忍にとっての“死に様”を考えさせらるのが「サクモの物語」・・・
 
カカシの父サクモは、重要な任務で「仲間の命か任務続行か」の選択を迫られ、仲間の命を選択した・・・ 
その結果任務は失敗、里と国に大きな損害をもたらし、サクモによって命を助けられた仲間達までサクモを責め始めた・・それが元でサクモは心も体も悪くして自害してしまった。
この話、サクモを責めた仲間って随分と酷い奴らだなぁ~と思ってたんです。 だけど考えてみたら・・・「任務の遂行が第一であり、忍にとって死に様が第一」だと考えると、う~ん彼らの気持ちも分からないでもない。 
 
もしあの時、サクモが仲間を見捨てて任務を成功させていた場合どうなっただろう? 
 
仲間達は任務の為の犠牲となり、「立派な死に様を遂げた」ということになって・・「英雄」として慰霊碑に名を刻まれたのかもしれない。 彼等は命は失っても、名誉は得たのかもしれない・・。
 
だけど、サクモが彼らを助けたことで任務が失敗したわけだから・・・助けられた仲間達は命は得たけれど、「任務の失敗、里への損害の原因を作った役立たず」とか言われて不名誉と中傷を受けることになったのかもしれない。・・・だとしたら、彼らがサクモを責めたくなる気持ちも、ちょっとだけ分かる。
はたしてサクモの選択は 本当に仲間の為の行動だったのかどうか?・・・サクモはそれで悩み、心を病んでしまったのかもしれない。
「仲間を守る」という、本来人間としては大切なことが、「忍としては」歓迎されるとは限らない・・ってことなんです。
 
もちろん、一番の問題点は「仲間を守った事」などは関係なく、里に利益を与えたかどうかだけで判断されてしまうって事。 「仲間を守った人」は英雄ではなく、「里に貢献した人」だけが英雄と言われるってところに問題がある。でも、それが・・今までの「忍世界」なんですよね。
 
ミナトから「サクモの真実」を聞かされたオビトは、仲間を守ったサクモこそ“本当の英雄”だと信じて・・そしてカカシもオビトのおかげでサクモを誇りに思えるようになったわけだけど、現実にサクモと同じ選択を迫られたら・・・やっぱりその判断は「状況によっては」かなり難しいかもしれない。
 
第604話・・・カカシはなぜ、リンを「仲間を守るための千鳥」で貫いたのか。
 
その理由は未だ分からないけれど、もし、それが彼女の「死に様を守るためのもの」だったのだとしたら・・・そして「リンの死に様を守ることが 彼女の生き様を守ること」だとカカシが考えたのなら・・それは間違いとか失敗とは言えないような気がします。
 
・・・ただし、それは父サクモの選択とは違う選択にはなってしまう。
 
604話で、カカシが背負っている「サクモのチャクラ刀ホルダー」が「カラ」になってるのは、神無毘橋の戦いでチャクラ刀が折れて刃先を置いてきてしまったからだけれど・・それは「サクモの意志がここには無い」ことを暗示してるのだろうか・・・・?
 
55巻の「穢土転生再不斬戦」で、カカシは沸騰して「今回は久しぶりに沸点が低かった」と言っていたけれど、それは数多くの忍から“死に様を託されてきたカカシ”ならではの怒りだったと思います。 
そして、「久しぶりに沸点が低かった(怒りで熱くなった)」という“久しぶり”とは・・・リンの死に様を守ることぐらいしか出来なかった、“あの時”以来だったのだろうか・・・。
 
 
 
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・駄文、読んでくださって感謝。
(オビトにとっての守るべきもん、へ続けます・・)
 
 
 
 
 
 
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