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“守るべき大切なもん”のこと その3 オビトの「飴玉」

“守るべき大切なもん”のこと その3 オビトの「飴玉」

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「オレは誰でもない 誰でもいたくないのさ…」
 
「いろんな名前語っていくらごまかしても てめーはてめーだコノヤロー!」と怒ったナルトの気持ちはよく分かる。 別人に成りすまして戦争起こすなんて卑怯で無責任だってのも、よ~く分かる。 
 
でもオビトが言ってる「誰でもない」って意味は、“匿名なら何やっても許される”という卑怯で無責任な行為とも、ちと違うような気がする。 オビトが言ってる「誰でもない、誰でもいたくない」ってのは、「名のある英雄もいらないのだよ」と言っていた594話のあの言葉とつながるのではないだろうか・・。
 
オビトは、「名のある英雄は要らない」と思ってる。
では「名のある英雄」ってのは、実際にどういう忍なのか?
 
忠実に任務をこなし、里にとって有利で役に立つ選択と行動をした忍は功績を讃えられ、恩賞をもらったり他国にまで名を轟かせたり、戦死した場合は慰霊碑に英雄として名を刻まれる。そういう忍が『名のある英雄』。
 
以前、《ドダイが出した「究極の二択」の答え》」という雑考で、「仲間の命」か「勝つこと」か・・・雲隠れの忍ドダイが迫られた選択について述べたことがあるんですが・・・
マダラの2連発メテオ攻撃から、護謨の術で「近くに居る忍の命」を守るか、あるいは「影分身のナルトを守る」か・・・ドダイは選択を迫られるんです。 そして、ドダイは「影分身のナルトを守る」ほうを選んだ・・・そこらの大して強くない忍より、影分身であろうと戦闘力の高い「影分身ナルト」を守ることを選択したんです。(影分身のナルトは、やられたってボフン!と消えるだけで本体の命に影響はないのに)。
 
「掛替えの無いたった1つしかない仲間の命」よりも「勝つ」事を優先したドダイの選択は、今までの忍世界に於いてはごく当たり前のこと・・・だから経験値の高そうなドダイは淡々と迷うことなく選択してたんです。ナルトはちょっと疑問に思ったみたいだったけど、ドダイの「勝つ為だ」という言葉に納得しちゃっていた・・・ 
もっとも、あの時は状況が切迫してたから、それ以上ナルトには考える暇がなかったんだけど、実はコレ・・・とっても重要な問題だったと思ってます。
 
「あまり強くない忍の命、つまりあまり役に立たないものは諦める」・・・これは国や里の為には必要な犠牲であって、「名のある英雄」になる為には こういう判断能力も必要になってくる。 ようするに「里の為に有益な事ができる人」・・・これが「名のある英雄」。だから、サクモみたいに「国の利益」より「仲間の命」を選択したことは、当時の忍世界じゃあ ありえない選択だったハズ・・・サクモってのは、相当勇気のある意志の強い人だったんですね。
 
ところでガイ、カカシ、オビトが少年だった頃・・・彼らにとって「英雄(ヒーロー)」とは何だったんだろう?
 
ガイは、571話でも尾獣達を見て「怪獣大進撃みたいだな」なんて発言をしてるぐらいだし、怪獣をやっつけるような英雄に憧れてたんだろうな・・・それは彼が名家出身でもなく(たぶん)、努力の人だったからなんだろうけれど、強くってカッコよくって目立つヒーローはガイの「目標」だったのかもしれません。子供の時はヒーローのアイテム「スカーフ(・・なの?)」を身に着けて、すっかり怪獣モノのヒーロー気分だったんじゃないだろうか。
 
で、少年時代のカカシはヒーローものには全く無関心だったみたいだけど(ガイの怪獣大進撃発言に「?」になっていた)、同期の中では一番強くてガイやオビトから見たら「ヒーロー」そのものだったんじゃないかな、同期のヒーロー。
 
そしてオビトは当時「ただの落ちこぼれ」。 
うちはのエリート出身で、『名』こそあるけど実際には弱いし、遅刻ばっかりでだらしないし・・・およそ「ヒーロー」とは言い難い。 だけど、彼も実は「秘かに」ヒーローだったんですよね、「木ノ葉のジジババのヒーロー」・・・・
 
「木ノ葉のジジババなら皆知ってるこのオレ」発言はビックリでしたけど(まさかそこまでとは)、そのぐらいジジババを助けていたってことは・・・間違いなくジジババにとって彼はヒーローだったはず(強くはなくってもや優しささえあればOK)。 だけど“忍”にとしては、そんな事してても時間の無駄で、必要ないこと・・・ おまけに仲間達はオビトのその本当の姿を知らなかった。 同じ班のカカシだって、オビトの《ジジババの世話で遅刻した》という言い訳を「嘘でしょ!」だと思いこんでいたぐらいだから・・。
 
忍世界で「戦闘力ゼロのジジババ」は役にも立たないし、そんな弱い人たちを助けたからと言って“忍”としては何の得も無いし名誉にもならない。 およそ「賢い選択」ではないんです。 この当時から、オビトは「名のある英雄」であるよりも 役に立たないけど本当に大切なモノ、守るべきもんを助ける「名の無い英雄」であることを選択してた・・ってことになる。
次々と戦功をあげる強い英雄より、ジジババの手伝いをする人間的なヒーローの方がずっとカッコいいよ!と私は思ってしまうんだけどなぁ・・。
 
オビトは元々そういう発想をする子だから、「里よりも仲間の命を選んだ」サクモのことを「名の無い英雄=本当の英雄」であると素直に思えたんじゃないかな・・。それだけに、オビトは・・・自分とカカシがリンを守れなかったというのに「2人の写輪眼の英雄」なんて呼ばれる事が我慢ならなかったんじゃないかと思うんです。 
ナルトは「仲間一人救えねェ奴が火影になんてなれるかよ」と言ってたけど、オビトにしてみりゃ「仲間一人救えねェ奴が英雄なわけないだろーが」ってとこじゃないのかな・・・。
 
勝利に貢献したとはいえ、本当に大切な守るべきもん(仲間の命)を守れなかった・・だから名のある英雄「写輪眼の英雄うちはオビト」なんていう、そんな名前は否定したかったのかもしれない。オビトは「慰霊碑に名を刻まれた」自分みたいな「名のある英雄」は否定するけど・・ サクモみたいな「名の無い英雄」は本当の英雄だと肯定している。 
 
《本当の英雄のサクモのしたこと》。 
里の為にならない事を承知で仲間を助け、評価されるどころか責められ、最終的には自ら傷つけて責任を取って・・・
その「意志の象徴」であるチャクラ刀だけをカカシに残し、それも結局折れて地面に突き刺さって そのまま・・・
(244話)
 
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《かつてのジジババヒーローオビトのやったこと》。 
班の迷惑を承知で婆さんを助け、評価されるどころかカカシに遅刻を責められ、最終的にはガイに蹴っ飛ばされて痛い目に遭って・・・
その「意志の象徴?」である婆ちゃんにもらったお礼の飴玉も、結局地面に転がって そのまま・・・ (599話)
 
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ちょっとサクモさんの「名の無い英雄」行動と似てる・・?(似てない?)
 
ちょっと無理矢理感はあるけど、あの地面に落ちた飴玉は、オビトの「ジジババ=役に立たないけど大切な人たちを守る」という意志の象徴なんじゃないだろうか・・? あの時、転がった飴玉の絵が・・・サクモのチャクラ刀が地面に刺さった時(カカシ外伝)の絵と重なってしまうんです。
 
サクモの意志(チャクラ刀)と、オビトの意志(飴玉)ではレベルとか次元が違う・・とはいえ、本質的には同じことじゃないか、と。
 
はたして今のオビトは、本当にあの頃の意志を忘れてしまってるんだろうか・・??
 
彼のやってる行為は、絶望の結果でしかないのか・・・それとも誤解されて憎まれ、最終的には責任を取る「かつてのやり方」を今でも貫いているのか・・・それはまだ何とも判断できないような気がします。だけど「もし」、一部の方々も考えられているように「オビトが今、背中に結びつけているブツ」が本当にサクモのチャクラ刀だったら・・・オビトは今でもサクモのような、仲間を第一に思う意志を大切にしてるって証拠なんだけどなぁ・・。
 
オビトにとっての“守るべき大切なもん”・・・
 
それは、あの時「死の森」に置いてきた・・・
あの“飴玉”が象徴する「名の無い英雄の意志」なんだろうか・・・・
 
 
 
 
 
 
長駄文読んでくださって、感謝。
 
 
 
 
 
 
 
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