ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

変わっていくもの、変わらないもの (カカシとオビト)

変わっていくもの、変わらないもの (カカシとオビト)


カカシがずーっと考えてる、「なぜ、(オビトは)こうなった?」。
 
何がオビトを変えたのか・・・・そして誰がオビトを変えたのか。 
ちょっと前は「マダラがオビトを変えてしまった」なんて思ったみたいだけど、今度は「リンの事がオビトを動かしているのか」と・・・少しは考えが前進したような気はするけど、まだ答えには至ってない。
 
カカシが「今のオビト」を受け入れられないのは、あまりにも「変わってしまった」と思うから。
カカシが今まで「暁の仮面男」の正体がオビトだと気付かなかったのは、オビトは死んでいるという思い込みもあったからだけど、《こんな事をしてる奴がオビトのハズが無い》という事もあったと思うんです。
 
608話を読んで(私が)一番感じた事と言えば、想像以上に「カカシとオビト」の友情は濃くって熱いってこと・・・オビトのカカシへの「クズ呼ばわり」は、友情ゆえの煽り以外の何物でもないように思えたんですよね、「あの時のお前を思い出せ!」というね。オビトってのはそういう熱い奴で、今もなんら・・・変わってはいないと私は思うんです。 
 
変わったのは「オビト」ではなくって・・・カカシの「認識」のほうなんじゃないだろうか。「オビトという人物はどういう人物か」というカカシの認識が、思いこみとか、後日つけ加えられた「英雄という称号による美化」によって変わってきちゃったんじゃないだろうか。
 
カカシは、「かつてのオビト」をどういう人物だと思ってきたのか?
 
608話でカカシはこう言っている・・・
 
「だがオビト・・・ お前はずっと オレにとって英雄だった・・・」
「だがお前は・・・ 木ノ葉の英雄だ・・・」 
 
カカシにとって、オビトとは《慰霊碑に名を刻まれた、立派な木ノ葉の英雄》なんです。 
 
では、「慰霊碑に名を刻まれる忍」とはどういう忍なのか?
 
「これを見ろ この石に刻んである無数の名前 これは全て里で英雄と呼ばれている忍者達だ」
「・・・が ただの英雄じゃない」
「任務中 殉職した英雄達だ」  (第8話、カカシがナルト達に言った言葉)
 
慰霊碑に名を刻まれる「里が英雄と認定した忍達」とは、里の利益の為に任務を忠実に遂行し命を落とした模範的な忍=“正しい忍”達のことなんです。 
つまり、カカシにとってオビトとは《殉職した、里に貢献した立派な忍》だった・・。 実際に、オビトは「神無毘橋破壊」というミッションのコンプリートに関わった忍・・・そのお蔭で戦局は一気に木ノ葉隠れに有利になったわけで、里への貢献は多大だった。里にとってもオビトは立派な英雄で、理想的な「正しい忍」だったんです。だからこそ「里の英雄」と認められ、慰霊碑に名を連ねている・・・
 
「かつてのオビト」は、仲間も大切にする奴でもあったけど、何と言っても「里を守った、誇り高い立派な英雄」。
 
・・・なのに「今のオビト」は世界を相手にしている敵。
 
カカシにとっては天地がひっくり返るような衝撃だろうし、当然「変わってしまった今のオビト」を受け入れることは出来っこない。だから「なぜ?」になってしまう。 目の前の現実を、「今の」オビトを受け入れられない。
 
でも、オビトが「木ノ葉の英雄=里が理想とする模範的な英雄」というのは、はたして真実なんだろうか?
 
オビトが「木ノ葉の英雄」と呼ばれるようになったのは『結果』からの判断であって、神無毘橋のあの日のオビトの言動を見ていると、およそ「里が理想とする忍」とは言い難いんです。だって、オビトは「任務より仲間の命を優先する選択をした」のだから。 
それはまさにご法度・・・サクモと同じ選択であって「正しい忍の在り方」からハズレまくってるんです。
 
結果的にミナトが来て任務は無事遂行され、成果をあげたからこそ問題視されなかったけど、もしあれで任務失敗してたら・・・カカシもオビトも《掟を破ったクズ》として批判されたに違いないんです。 
 
つまり、オビトという人物は本来なら《木ノ葉の英雄基準》には合わない人物なんです。
 
神無毘橋のあの日、オビトと一緒に「仲間を守ることを優先した」カカシだって、ホントは「英雄基準」から外れてたんです。 だけど結果的に成功したから二人とも「英雄」になった。
 
《神無毘橋の戦い・・・その日 木ノ葉隠れに二人の写輪眼を持つ英雄が生まれた》
(244話)
 
二人が「英雄」とされたのは、任務が成功して里に多大な恩恵をもたらしたから・・・「任務より仲間を守る事を優先した」からじゃあない。 
 
オビトは、仲間の命より任務遂行を優先する忍の事を、「掟やルールを破るクズ以上のクズ」だと言い放った。本来なら、そういう忍は里では「英雄」と言われるハズなのに。
おまけに、「どうせ同じクズなら オレは掟を破る! それが正しい忍じゃないってんなら・・・忍なんてのはこのオレがぶっ潰してやる!」とまで言っていた。 そしてオビトは今、「忍」をぶっ潰しにかかってるのだ。
・・・あの日、宣言した言葉を「口先だけにしないために」。 
 
つまりオビトっていう忍は、あの当時からおよそ「慰霊碑に名を連ねる模範的な英雄」とは言い難い忍だった。
 
カカシが今まで抱いていた《木ノ葉の模範的な忍・オビト》という像(イメージ)は、里から与えられた「英雄」という名誉とか、任務がもたらした成果によって出来上がった美化された像であって、思い込みによる「幻」なのかもしれない。だから、目の前のオビトとのギャップを感じてしまう。 
だけど本当のオビトは、仲間の為なら掟だって破ってしまうし、しまいには「忍なんてぶっ潰す」とまで言い放つ、忍世界の枠から外れた男なのだ・・・やってる事はド派手でも、13歳のあの頃から、彼の本質は変わってなんかいない。
 
時間の経過とともに、状況の変化とともに「変わってしまうモノ」、「変わっていくモノ」もある。
かつて「木ノ葉の英雄」であったオビトは、今は「“暁”の黒幕」という立場に変わってしまった。 仲間だった彼が、今は「敵」という立場にいる・・・
 
だけど、「変わらないモノ」もある。
それは神無毘橋のあの日の、オビトの言葉と意志、「白い牙を本当の英雄だと思ってる」という気持ち・・・

《知識や認識とは曖昧なモノだ その現実は幻かもしれない》
《人は皆 思い込みの中で生きている そうは考えられないか?》 ・・・例のイタチの名言がここでも当てはまるんじゃないだろうか。

かつて神無毘橋で・・・オビトが「どうせ同じクズなら オレは掟を破る!」 「それが正しい忍じゃないってんなら・・・忍なんてのはこのオレがぶっ潰してやる!」と言ってたことを、カカシが思い出した時・・・
カカシはやっと気づくんじゃないだろうか。オビトは、変わってないない。その意志も・・・・カカシへの友情も、ということに。 
それが、オビトが何故こんな事をしているのか理解する為の第一歩になるんじゃないかと思うんです。
そして・・・「今の」オビトのことも、受け入れる事も出来るようになるんじゃないだろうか・・・
 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
(その2、『ナルトとサスケ』へ続けるつもりです)
 
 
ナルト好きブログ!2012/11/13