ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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カカシとオビトの「心で交わされる会話」 (615話雑考追加)

カカシとオビトの「心で交わされる会話」 (615話雑考追加)

 
615話、オビトをじーっと見つめているカカシ。ヒナタの言葉に「・・・・・」となっていたオビト。
 
この数話・・ずっとオビトとナルトの会話中心で進行してる感じだけど、実はオビトとカカシの間で「会話」が続いていたんですね。直接言葉を交わし合うのではなく・・・《ナルト》にかつての自分達の姿を投影しながら、心で会話し合ってる。
 
最近数話、オビトはナルトばっかり相手にしてるし《カカシとオビトの距離》が再び離れた感じがしてモヤモヤしてたんですよ・・・ 
それってのも、608話でナルトが「オレの仲間は絶対殺させやしねエ!!!」とか言ってカカシとオビトの間を割って入っちゃって中断してからです(おぃ) ・・・いやいや、別にナルトが空気読まないヤツとか言ってる訳じゃないんですよ;ナルトはカカシ先生はクズじゃねェ!ってのが言いたかったんだろうし(ナルトはカカシとオビトの「事情」を知らないし・・・いやホントは今すぐでも「知ろうとして欲しい」んですけどねぇ)。 
 でも今週615話を読んでたらカカシとオビトの話は中断なんかしてない・・・しっかり今も続行中だと思えてきました。 直接対話じゃないけれど、オビトはナルトという《かつての自分》を通してカカシの心に語りかけているし、カカシはオビトの言葉を考え続けている・・・いわゆる「カカシイヤー(カカシとオビトの物語)」は、まだまだ「途中」です。
 
あたり一面「挿し木の術」で串刺しになった、忍達の地獄風景・・・これは、オビトが「再演」して見せた、“あの日”。
 
カカシは十数年前の《あの日》を重ねているだろうか・・? 
カカシがリンを「千鳥」で突き、カカシとオビトが道を違うことになったあの日を・・・
 
この《挿し木の光景》を過去に見たことがある者は、この戦場では「カカシ」だけじゃないだろうか。
あの日、増援が来て目覚めた時「誰が敵を??」と喚いていたというカカシ・・・その「答え」が、今オビト自身からハッキリ語られたってワケです。 つまり《あの日オビトは全てを見ていた》そして《あの日が全ての始まりだった》とカカシに告げたということ・・・ 「あの日の再現」は、ナルトにとっちゃ初めての衝撃体験だけど、カカシにとっては過去の傷を抉られるような、苦しみの「再現」。 
 
《“仲間は絶対殺させやしない”と言ったお前のその言葉・・・ さあ・・・ 辺りを見て・・・》
《もう一度言ってみろ》
 
《もう一度言ってみろと言っているんだ!!》
 
オビトのこの言葉はナルトに投げかけられたモノだけど、元はと言えば「仲間は絶対殺させやしなーいよ」はカカシの言葉。 カカシは・・・自分に言われているような気分でいるんだろうなぁ。カカシの心中を考えると、こっちの胸も痛む。 
だけど、あの日を再演することは当然オビトも辛いハズ・・・オビトにとっても「あの日」は、リンの命を守ることができず、カカシを一生「果たせなかった約束の責任」によって苦しめることになってしまった日なのだから。 だけど、これは2人にとって目を背けて通ることは出来ない過去であり、かつ忍世界の現状でもある。 
 
オビトが「あの日の再現」をして見せたのは、なぜオビトが現実世界に心折れ、夢の世界に逃げようとしたのか・・・その答えをカカシに教える為でもあったと思うんです。あの日、リンを守れなかったのは、カカシだけじゃない。オビトも間に合わなかったのだと・・・オビトも己の意志を貫けなかった「口先だけのクズ」だったのだという、カカシへの告白でもあったんじゃないだろうか。 
 
608話で、カカシが「今のオレにできる事は今のナルト(=かつてのオビトの意志)を守ることだ!」と言った時、オビトは納得できないような顔をしていた・・。だって、かつてのオビトは仲間を守れずに心折れてしまったクズなのだから、それを「守る」なんてのはオビトにしてみりゃ「違う」ってことだったのかもしれない。
そしてもし、ナルトが“オビトの手”を取ってしまったら・・・ナルトも《オビトと同じ》クズになってしまう。
だから、オビトは・・・手を差し伸べつつ、ナルトが毅然とそれを断って違う答えを出すのを期待してたんじゃないだろうか。 もう1人の自分であるナルトに、「この世界の最後の望み」を託して・・・。
 
だけど、オビトはヒナタの言葉に「・・・・・・」となる。

「ナルトくんだけじゃない・・・ 皆がそうやってその言葉・・・想いと同じものを胸にお互いに命を繋ぎあってる」 「・・・だから仲間なの」
「その言葉と想いをみんなが諦め棄ててしまったら ネジ兄さんのした事も無駄になる・・・」
「それこそ本当に仲間を殺すことになる・・・!もう仲間じゃなくなってしまう ・・・そう思うの」
 
オビトは、ヒナタの言葉に何を思っていたんだろう・・・?
 
たしかに、カカシもオビトもあの日、リンを守れなかった・・・仲間の命を守れなかった「クズ」なのかもしれない。だけど・・・ヒナタが言うみたいに、「つながり」を守り続けることでカカシは本当の意味で「仲間を死なせない」ように守ってきたのかもしれない。 オビトは、ヒナタの言葉に「カカシの心」を感じただろうか・・・?
 
カカシが毎日のように続けている墓参りと慰霊碑参り・・ 本来は時間に几帳面なカカシが、遅刻してでも優先している大切な日課
 
カカシの「慰霊碑参り」・・・己を戒め、オビトに謝罪し続けるその姿は、痛々しいと思ってきたんです。 オビトにとっても、あれは《英雄の虚しい姿》であって、辛かったと思うんですよ・・・だからこそ《カカシにこんな思いをさせる忍世界》なんて創りかえる!と思ったのだろうし。
だけど、カカシにとっての「墓参りと慰霊碑参り」・・・それは毎日の出来事を報告したり、時には弱音を吐いてオビトに殴ってもらいたかったり・・仲間とのつながりを確かめる大切な時間でもあったんじゃないかと思えてきました。重荷なんかじゃなく、大切なモノ・・・カカシの《守るべき大切なもん》。
 
慰霊碑や墓石に刻まれた名前は、いつか忘れ去られてしまう・・・だけどカカシは一日も忘れる事は無く、彼らとの絆を絶やすことなく、ずっと今日まで繋ぎ続けてきた、守り続けてきた。オビトやリンを二度と死なせないように・・・大切につながりを守ってきたんじゃないだろうか。
 
オビトの「・・・・」については色々考えることは出来ますが、私はあの時オビトは《カカシがつなぎ守り続けてきたモン》について考えていたのではないか・・とも思ってます。カカシの《仲間は殺させやしなーいよ(ニコッ)》は、けして口先だけの軽い言葉では無かったのかもしれないと、オビトは感じていたんじゃないだろうか・・・と(※)
  
608話でカカシが言っていた
 
「オビト・・かつてのお前の意志は今でも・・ オレの隣りに居る!」 
「今のオレにできる事は今のナルトを守ることだ!」。
 
カカシがこの言葉を言った時、ナルトは横並びで・・・カカシの左にいたんですよね。
オビトは・・・カカシの言葉の意味を分かっていただろうか?
 
《カカシの右眼の隣り》に並んで居るのは《オビトの左眼》。 
ずーっとオビトの意志は、カカシの左隣に「居た」・・・・カカシが《絶対に殺させやしなかった》。
カカシの「左隣」でずっと生き続けてきた。つながりを守り続けて・・・「仲間を守ってきた」。 
《仲間をもう死なせやしない》という思いが、オビトの左眼をここまで成長させたんじゃないだろうか・・・?
だから、オビトは孤独じゃあなかったハズなんですよね。 
2人の眼は横並びで繋がっていて、「弧」でも「独」でもなかったハズ。オビトはあの日「因果を断ち切る」と言ってたけど、でも断ってなんかいないんですよね・・・カカシと眼をずっと共有し続けてきたんだから。
 
もちろん、まだオビトが求めている「現実世界での平和はどうやって実現させるか」の答えには誰も到達してないわけだけど、同じ痛みを共有する者同士が 同じ方向を見て立ち上がれば・・・いつか答えは見えてくるんじゃないだろうか(なんて思うんだけど)。
 
ナルトを「ペシィ」と叩いたヒナタ・・・そして、その「ペシィ」に己を取り戻して、ヒナタと横並びで立ったナルト。ヒナタとナルトの横にならんで立つ姿は、そのまま右と左の眼である《オビトとカカシ》の姿に重なります。
 
ナルトとヒナタとの会話を通して、カカシとオビトが交わしている《心の会話》。
 
少~しずつだけど、カカシとオビトが本当の意味で「理解し合う」時は近づいているんじゃないだろうか?
615話でナルトがヒナタの手を取って感じていた“繋がり”、それと全く同じことをカカシとオビト・・・この2人が感じる時が来るに違いない・・・たぶん、きっと。
 
(オレの命は一つじゃねェ・・・!!)
 
「・・・お前がオレの横にいてくれたおかげだ・・・」
 
とね・・。
 
 
  
 
 
☆長駄文読んでくださって感謝。
 
※カカシの「誰も傷つけさせやしないよ」(ニコッ)に対するオビトの思いについては過去記事にて・・・
 
 
(ナルト好きブログ! 2013/01/11)