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柱間は、なぜ座り込んだのか (千手柱間の人物雑考)

柱間は、なぜ座り込んだのか (千手柱間の人物雑考)


「さて・・・」
「ではどこから 話すべきかの・・・」
 
 
そう言って、ヨイショっと座り込んだ初代火影・千手柱間(ヨイショは言ってない・・・)。
柱間の「器の大きさ」に あれこれ圧倒された620話でしたが、中でも「さすが」と思わされたのが、コレ・・・《座って話し始めた》ことなんです。
 
立ち話ではなく、ゆっくりと腰をおろして話す・・・
 
お歳だから、疲れちゃうんでしょというワケでもない。 わざわざ座って話し始めるということは、サスケの質問にいい加減な気持ちじゃなく、真摯に答えるという意思表示でもあると思うんです。 
 
それに、千手兄弟の『ハンパないチャクラの応酬』のせいで この空間に張りつめてしまった緊張をほぐす為でもあり、ヒルゼンや扉間の「焦り」や大蛇丸とサスケの緊張を解いてやる為でもあるのかな。 イライラせず、ま・・ゆっくり話をしようじゃないかという、ピリピリした空気を変えようという柱間の気遣いもあるんだろうか・・・穢土転された人のほうが気を遣うなんてヘンな話だけど、それが出来ちゃうのが柱間の「器の大きさ」なんじゃないかと思います。
 
でもヒルゼンも扉間も、ホントは気分的にはそれどころじゃないと思うんですよ、兄者の好きにせい・・とは言ってるものの『出来れば話は手短かにお願いしますよ』なんて思ってるんじゃないだろうか。 
だって今は戦争中で、あのマダラまでが復活してるっていうんだから・・・特に感知系の扉間は、2時の方向に感じられるマダラのチャクラが気になって仕方ないだろうし。
それに、『サスケ君に話をする方が先』と言ってた大蛇丸だって、『あまり時間もない』なんて言ってるんだから、皆・・・マダラが気になって、座り込んで話すほどヒマは無いって思ってるんじゃないのかなぁ・・・ 
もっとも、火影達が『外が気になって仕方ない』のも、無理ないとは思うんです。 
マダラがそれだけ脅威だってのもあるだろうけど、火影達を不安に陥れているのは・・・何よりも『情報不足』のせいだと思うんです。 なにしろ彼等が新たに得た情報は《外は戦争中で、マダラが復活している》という・・・たった、それだけなんですから。 
いきなり?年後の世界に穢土転された上に 隔絶された空間に閉じ込められてるんだから、外の状況が気になって当然というもの・・・。
 
《情報が無い》ことほど、人を不安にさせるものはない・・
 
( 「人は“知りたい”という欲望から逃れられない」・・・大蛇丸

だから、扉間やヒルゼンは今すぐにでも飛び出して、自分の眼で直接見て、早く情報を仕入れたいんじゃないかと思うんです。
 
で・・・穢土転された影達の中で、一番情報を持っているのはヒルゼンですよね。 彼はここにいる全員を直接知っているし(重吾と水月を除けば)、最近のことも比較的分かっているし、マダラの事も知っている。 逆に、この中で一番情報を持っていないのは当然、柱間なんです。 彼は(たぶん)この中で一番早くこの世を去っているわけだし、自分の死後の木ノ葉の状況も世界の状況も知らない(ハズ)・・・一番情報を持ってないんです。 なのに、その柱間が一番焦っていない・・・
なぜ彼は、どっしりと座り込んで「今はこの子に話すことが最重要」と判断できたんだろうか。
 
忍世界においては《情報は命より重いことがある》と言われ、しばしば仲間の命より情報が優先された・・・(54巻の、鬼鮫の回想で出てきますよね)。 戦争では情報を制した方が勝利すると言われたり、
いかに多くの情報を手に入れるかが重要だといわれる・・。 カブトがあれだけ自信を持っていたのは多くの情報を持っていたからだろうし、『ボクの情報量を甘く見ない方がいい』なんて自慢してたこともありましたっけ。
それに対して自来也は『ワシの情報網をなめるな』と言ってたことがありまして、カブトの誇る「情報量」と自来也の誇る「情報網」・・・つまり「量が重要なのか、絆が重要なのか」、そこに二人の情報の質の違いがある・・なんて話を以前の雑考でも取り上げたこともあります。 
 
そして柱間の場合を見ていると、大切なのは情報の「量」じゃあない・・・・情報の中から「何を見出すか」なのだと、改めて教えられるんです。
 
《外ではマダラが復活している》・・・影達が、新たにここで与えられた情報は、たったこれだけ・・・
この情報から、いったい何を見出すのか。
 
扉間やヒルゼンは『とんでもない危険な状況になっている』 (つまり、何とかしてマダラを止めないと)という事態を見出したから、焦ってる。こんなところで暢気に話なんかしてる場合じゃない・・とね。
 
だけど、柱間は・・・『マダラが復活しているというのに、サスケは同じうちは一族のマダラではなく 千手の我々に話を聞こうとしている』ということを重く考え、(我々がサスケに何をどう語るかで忍世界の未来は大きく変わる)事を見出していると思うんです。
 
そして、なかなかの実力者である大蛇丸が「この子に付きます」と明言するほどの「サスケ」という忍、一族を皆殺しにするほど里を愛した兄を持つ「サスケ」・・・この年齢で万華鏡を開眼するほどの「サスケ」・・・ この場で実際に見聞きして得た情報と、聞かされた僅かな情報だけで、柱間は《オレが最優先でやるべき事は、サスケと真剣に向き合う事》という判断に至ったんじゃないだろうか。 
 
だから・・・柱間は、たったこれだけの情報しかなくても充分で、動じない。 
そして・・・自分の決断にも自信がある。
 
そして、もう1つ「マダラが復活している」という情報から、柱間が見出したもう1つのモノ・・
それは《未だに現世にこだわり、復活までして「オレがやらねば」と思ってるマダラの気持ち、マダラの心》だと思うんです。
 
柱間が、サスケに『うちはと千手の話をしてやろう』と思ったのは、サスケを「マダラの想いを継ぐ頼もしい後継者」だと認め、マダラの代わりに自分達(マダラと柱間)の想いを伝えてやりたいと思ったからじゃないだろうか。 
だからこそ、焦らず・・・腰をおろして じっくりとサスケに話すことが重要なのだと・・・他の者たちの「焦る気持ち」にあえて逆らうように 柱間は地べたに座り込んだんじゃないだろうか。

うちはの未来を担うハズのサスケと、今しっかりと向き合うこと・・・それはマダラの為だと思うんです。
いまだにこの世界に未練を残しているマダラへの、柱間の想いなんじゃないだろうか。
 
 
 

☆長駄文、読んでくださって感謝。
 

 
 
☆座り込む・・というと、五影会談の時に、騒然とした中で いきなり「座り込んで」語り始めたトビも思い出します。あの時も、あれで だいぶ会談の空気も変わったような気もしましたが・・・
 
 
 
(ナルト好きブログ!  2013/02/21)