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あの日マダラは、イズナを何から守ろうとしたのか・・という話 (624話追加)

あの日マダラは、イズナを何から守ろうとしたのか・・という話 

今週624話感想で省略しちゃった部分について、少々追加です。
 
「最後の水切りを交した日」・・・
 
イズナと扉間がぶつかり合い、両方の父親たちは相手の子達に刃を向ける… 「兄達」が弟達を守った後、マダラは柱間との関係を断ち切るかのように、諦めの言葉を口にする。 そして…
 
「3対3か …どうだ いけるかマダラ」  (父タジマ)
 
「イヤ… 柱間はオレより強い このままやればこっちが負ける」  (マダラ)
 
「兄さんより…強い子供が…?」  (イズナ)
 
「…そうか …それほどとはな……」  (タジマ)
 
タジマさんの言葉、「……」が長々入ってますな。
 
タジマの言葉に長々と「……」が入ったのは、何かを考えていての事だと思われますが、それは《ここは攻めるべきか、引くべきか》を考えあぐねていたというより、《マダラの心の中》を考えていたんじゃないだろうか。 負けん気の強いマダラにしちゃ珍しく《柱間はオレより強い》と素直に言ったのは、冷静に状況を判断して事実を言ったのか…あるいは柱間との友情に未練があり、戦いたくなかったからなのか。タジマは、マダラの考えを推し量っていたのかもしれません。
それでも、「引くぞ」とあっさりタジマが引っ込んだのは、マダラが「形だけでも」柱間との関係を断ったからだろうか。 タジマの目的は、あくまで《マダラを柱間から引き離し、けじめをつけさせる事》だったんじゃないかと思われます。
 
相手側の情報を得ることとか、相手側の跡取り息子を始末する事よりも、もっと重要な事…それが「息子達を引き離すこと」。 それが主目的だったという点では、タジマと仏間は一致してたんじゃないかと思います。
 
柱間とマダラ…いずれは一族の中心となるであろう彼等の間に、仮にも「友情」が芽生えてしまうこと…それは仏間とタジマにとって「危機的な事態」だったんじゃないだろうか。 それが戦意の喪失につながり、決断を鈍らせ…そして一族を危険に陥れてしまうかもしれない。
 
《忍は何があろうと戦場で心を乱さぬよう訓練される 一瞬の心の乱れがスキを生じ…それが生死を分ける》
 
マダラと柱間に《心》が生まれてしまう事…それを両家の親たちは何より恐れたんじゃないだろうか。
タジマも仏間も戦闘が目的だったわけではなく、「ケジメ」さえつければよかった…だから意外にもあっさりとあの場を立ち去ったんじゃないかと思います。
 
しかしこの後、まだ諦められずにマダラの「本心」を問いただす柱間に、マダラは…
「お前は千手…できれば違ってほしかった オレの兄弟は千手に殺された…」 「…だからさ お互い腑は見せる必要もねーだろ 次からは戦場で会うことになるだろうぜ 千手柱間…」と続けたうえ、ギン!と写輪眼まで見せ、「オレは…… うちはマダラだ」と、止めをさす…
 
これで柱間は完全に打ちのめされてしまって、《奴は友となったオレを…… 完全に消すことにしたのだ》と言っていたけれど、本当にマダラは「柱間を完全に消すことにしたのか」…これは少々疑問も感じます。
 
しかし写輪眼は《本気の証》…これを見て「フフッ…」と満足そうだったのは父のタジマ。
 
《マダラは本当にケジメをつけられたのか?》と半信半疑だったタジマも これですっかり安心してマダラを信頼した様子だった…実にコレは効果抜群の“演出”だった…うん、「マダラの演出だった」と思います。マダラは「柱間を欺く」のではなく、「親達を欺く」必要があったんじゃないかと思うんです…弟達を守るために。
 
そもそも、なぜタジマはイズナを連れてきたのか…?
 
コレは柱間の回想なんで『うちは側』の事は分かりませんが、623話の《千手仏間と柱間の会話》を参考にしてみますと… 仏間は「千手の者達にはまだ言ってない…」と言い、そして「念のためワシと扉間も付く…」と言っている。 つまり、他の千手に知られると厄介なことになるので家族内で解決する(だから扉間に協力させる)、というような言い方です。
おそらく、うちは側でも同じような会話がタジマとマダラの間で交わされて《イズナもつれていく》という話になったんじゃないかと思われるのですが…
 
しかし、まだこの時のイズナは幼くって、戦力的に連れて行くメリットがあったのかどうか…ちょっと疑わしい。タジマが幼いイズナを連れて行った理由は、別にあるような気がします(同じく、仏間が扉間を連れて行った理由も)。
 
《大人の2人は分かっているのだ… 目の前で我が子が殺されれば ほんの僅かだが己の心に乱れが生じるであろうことを つまりどちらが先手を取るかで勝負が決まることを》
 
柱間の言葉によれば、当時まずは相手方の「子供を狙う」のがセオリーだったようですね。 ということは、幼い子供を参戦させることは「かなりのリスク」にもなる…。
数が必要な集団戦ならともかく、あの時に扉間やイズナを連れていくことがプラスになるか・・正直疑問でして、マイナスの方が大きいように思えるんですよね。 あまりにリスクが高すぎる… なのに「己の弱点」ともなりかねない幼い子供を、仏間とタジマはあの日「わざわざ」連れて行ったのはなぜか・・
 
1つは、長男たち、柱間とマダラに対しての「脅し」。
柱間とマダラにとって「弟達」は宝…絶対に守りたい大切なモノ。 《弟を危険な目に遭わせたくなかったら、言うとおりにしろ》という“圧力”だったんじゃないかと思っちゃいます。 弟を巻き込みたくなければ、相手との関係を「断ち切れ」と…そういう脅しだったんじゃないかと。
 
さらに、「見せしめ」… 
イズナ(扉間)を連れていくことで、まだ幼い彼らにも《千手とうちはは相容れないモノである》ことを、徹底させる…それも親たちの目的だったんではないかと思えるんです。 
 
そして弟達に「自覚」させること…
生涯にわたって兄を見張り助言する役割を「弟」に与え、自覚させるためでもあったんじゃないだろうか。
「兄達の監視」の役割に誇りを持たせる事も、親たちの目的だったのではないか・・(大人になった扉間やイズナの様子を見る限り、この時の「父親たちの意図」は成功したように思える・・・)。
 
ようするに、タジマと仏間は、兄弟愛を利用し、兄達をけん制した…(サイテーですな、父ちゃんズ)。
親としてはサイテーですが、でも一族を率いる者としては当然だったのかもしれません。
 
全ては、“一族の為”…
 
623話では「まずはこの考えを捨てねェことと 自分に力をつけることだろが 弱い奴が吠えても何も変わらねェ」・・と言っていたマダラ。 
 
その彼が簡単に諦めるとは思えず、マダラは親の意図を分かったうえで、まだ力が無い自分が『今すべき事は何なのか』を考えての、一時撤退だったのではないかと思えるんです。 このあたり、親にも堂々と反論し正面からぶつかっていく柱間とは全然違う感じなんですよね。 
柱間は、水切りもオーバースロー・・・直球でど真ん中を攻めそうなタイプ。 マダラは水切りも手裏剣投げ・・というかサイドスロー、直球ばかり投げるタイプではない。
 
「遠くまでよく見える 目の良さならお前に負けねェ自信がある」…
 
即実行のスピードや、「今の結果」では柱間に勝てなかったマダラだけど、マダラはいつも今より「先」にこだわっているんですよね。 組手の勝負だって、「後になって石が上から落ちてくる」ように仕組んでたし、いつも「先」、より「遠く」に、マダラはこだわる…
穢土転マダラさんも、「より遠くへ」十尾玉を飛ばすことに、こだわってたっけ…
 
『目的の為なら、幼いイズナでさえ平気で利用してくる親』に逆らうことが、何を意味するか・・・
ここで「今」マダラが折れなければ、これから「先」イズナがさらに危険に晒される(脅しの切り札として利用される)と、マダラは考えてたんじゃないかと思うんです。 だから、ここは親が望むように「断ち切った」フリをして、おとなしく引くのが「弟たちを守るため」だと判断したのではないだろうか・・・。
 
マダラは、敵の刃から弟を守った…というよりは、親の刃から弟を守ったの「かも」しれません。
 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
(ナルト好きブログ! 2013/03/29)