ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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《連合の“頭”である以上に・・・》 シカマルの言葉にある「誠」

《連合の“頭”である以上に・・・》 シカマルの言葉にある「誠」

 
小さな力でも・・・要は使い様だ
役にたたねーかもしれねーが 役に立つときが来るかもわからねぇ・・・
目を離さずしっかり見るんだ・・・ その時があるなら・・・
 
その力が世界を左右する事になる なら――
 
オレ達が気を抜いていい時なんて一瞬たりともねーはずだ!!
 
・・・連合の忍達に語りかけたシカマル(641話)。
 
でも、実はちょっと疑問に思ったんです。 まだ任務経験も多くはないシカマルが、ベテランも多い忍達に『語って聞かせる』ってのは どれほど効果があるんだろうか、と。 
いくらシカク父さんから、連合の“頭(あたま=指揮)”を託されたとはいえ、ここに居るのは木ノ葉の忍ばかりじゃないし、歴戦の強者達もいる・・・「若僧」シカマルの言葉を真剣に聞いてくれる忍が、いったいどれほど居るだろうか?とね。
前にナルトが雷影に「嘆願」に行った時(五影会談開催前)、他里の若い忍の言葉など、雷影は聞き入れようとはしなかった。 あれから皆の意識も変化しているとはいっても、実際にどんなもんだろうという疑問が正直あったんです。
 
でも、忍達はシカマルの言葉を聞き、心を変えた。
 
皆がシカマルの言葉を聞き入れてくれたのは、シカマルの言葉が筋が通った立派なモノだったからだけではなく、そこに「心」があったからだと思うんです。 ダルイ風に言うならば、「誠がある」ってところでしょうか。
 
そしてシカマルの言葉に「誠」があるのは、その場凌ぎ的な口八丁なモノではなく、シカマルに元々備わった感覚、感性から自然に生まれ出た「本心からの素直な言葉」だったからでしょうか。 そしてそれは、シカマルが「親父の背中を見て育って」、自然と親父さんから学んだ事でもあると思います。
 
奈良一族の忍術は、殆んどがサポート忍術。 しかし彼らの秘伝忍術はそれなりにチャクラを要し、準備にも時間がかかる。 したがって後方でジッと控えている時間も多いのですが、シカクやシカマルはその時間を無駄にしないんですよね。 その間、相手の観察、分析、情報の整理に余念が無く、そして「出番」に備える。 だから、《役にたたねーかもしれねーが 役に立つときが来るかもわからねぇ・・・》 《オレ達が気を抜いていい時なんて一瞬たりともねーはずだ》という発想は、シカマルにとってごく自然な・・当然のことだったのかもしれません。
 
『日頃からの地道な努力』・・・
奈良一族は日頃から鹿角や薬草の研究を怠らず、綱手にも『日頃の研鑚の賜物だな』なんて感心されていましたっけ。 しかしその「成果」はいつ活かされるか分からないし、努力が いつ報われるのかも分からない。 だけど、いつか役立つ時の為に、日々努力と準備を怠らない・・・そういった「忍び耐える力」が抜群の一族なんじゃないだろうか。
 
そういえば、シカク・シカマル親子が こんな会話をしてたことがありましたっけ。
 
「なあ…オヤジ」
「どうしてあんなキツイ母ちゃんと結婚したんだ?」
 
「…そだな… あんな母ちゃんでも優しく笑う時がある… それでかな…」
 
「……」

「…そんだけ?」 
 
 
(21巻、シカマルが中忍になったばかりの頃)。
 
シカクが「おっかない母ちゃん」の尻に敷かれる日々?に堪え、うまく母ちゃんを立てつつ家庭を円満に保っていたのは、そうすれば母ちゃんがたまに「優しく笑ってくれる」から。 
母ちゃんの優しい笑顔は、日頃の努力、研鑚の賜物と言いましょうか… その“キラッと光る一瞬”のために、シカクは結婚生活に於いても“日頃の小さな努力の積み重ね”を忘れないのかもしれません。
 
当時のシカマルにとって、キツイ母ちゃんの言葉に耐え忍び(?)良き夫であり続ける親父さんの“日頃の努力と忍耐”の賜物が、たった「そんだけ」では、何だか物足りないような・・割に合わないように思えたかもしれませんが、今なら親父さんの気持ちも分かるんじゃないでしょうか。 「その時があるなら」という想いが・・・そして、たった「そんだけ」の有難さが。
 
でも、あれだけシッカリしたシカクさんなのに、戦争前に「物置の左棚の木箱の中身」を片付けずに出てきちゃったのは、珍しい「失敗」だったかもしれません。 だけど、シカマルは「全部分かってるよ…心配すんな」と言ってくれた。 うん、シッカリした、いい息子さんをお持ちで・・・って、なんでシカマルは《親父さんの秘密》を知ってるの!? これも日頃の「継続的観察」の賜物なのかな(笑)
そういえば、カカシが『イチャタク』を音読した時(44巻)、ナルトは意味が分からなくて「全く平気な顔」をしていましたけど、シカマルは《汗タラタラ》になってましたよね。・・・つまり「分かってた」。 これもまた日々の観察の賜物なのかなぁ・・・シカマルは言ってましたもんね、
 
 
《オヤジの背中・・・ 見て育ったからよ》って。 (616話で)
 
 
シカマルが忍達に呼びかけた「言葉」・・・それが、若いモンが「偉そうに上から目線」で言い聞かせた命令っぽい言葉だったなら、人々の心が「動かされる」事は無かったのでしょう。 
シカマルは自分達一族の在り方や猪鹿蝶の連係で《小さな力の大きさ》をよ~く知っている。 だから《小さな力》を本気で信じることもできる・・・シカマルの激励の言葉はただの口上手ではなく、本気の言葉。 本気でそう思ってる、そう信じてるからこそ「伝わる」。 
 
以前、ナルトの風遁螺旋手裏剣修行の時、カカシがうま~く言葉でナルトを「ノセて」ましたが、あの「口上手な言葉」がナルトに伝わったのは、カカシが《本当にそう信じているから》だった・・四代目火影を超える忍はお前しかいないと…オレはそう信じてるからだ”という言葉は方便ではなく、「誠」がある言葉だったからなのでしょう。 
 
しかしシカマルが「今は戦争中だ 余計な言葉は要らねェ」と言った時(614話)、正直言って私は《シカマルよ・・お前は本当にそう思ってんのか?》とモヤモヤしてしまったんです。 あの時シカマルは、親父さんの「死」という悲しみを封印して“オレ達ももう子供じゃねぇ”とばかりに、周囲のオトナ達が言ってる言葉を自分にも言い聞かせてたと思うんです。 それも大切な事かもしれないけど、あの言葉は戦場のあっちこっちで言われている言葉であって、「シカマル自身の言葉」じゃあない・・・だからなのか、どうもしっくりこなかったんです(『個人的には』って話ですが)。 だけど今回の言葉は、紛れもなく“シカマル自身の言葉”。
 
3年前(4年前かな)隊長としての任務に失敗し、シカクに「仲間のために てめーがより優秀になることを考えやがれ!」と言われ、「次こそは…完璧にこなしてみせます…!」と涙を流していたシカマル。 そのシカマルがこの戦争で親父さんから託された事・・・それは頭脳派として、連合の“頭(あたま)”となり「より優秀に指揮を取れ」という事だったかもしれませんが、シカマルはシカクの期待以上の事をしてくれてるんじゃないでしょうか・・・
 
 
忍連合の“頭(あたま)”である以上に、“心”であることで。
 
 
 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
(ナルト好きブログ!2013/08/07)