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カカシの「後悔だらけの人生」について・・・『昔のバカだった自分』と『昔のまま』

カカシの「後悔だらけの人生」について・・・『昔のバカだった自分』と『昔のまま』

647話のタイトル、後悔。
 
「後悔」と聞いて、真っ先に思い浮かべてしまうのは「カカシ」なんです。 「後悔」はカカシの代名詞、いや枕詞(?)と言っていいんじゃないか?と思ってしまうぐらい・・。 オビトにも「後悔だらけの生涯を送るのにふさわしい男」なんて厳しいコトを言われてましたが(594話で・・あれはワザとキツい事を言ったのだろうけど)。
 
例えば、第一部のカカシは、思いっきり「後悔」の海に沈んだところで終わってます。 やっと、カカシにも「第七班」という《大切な仲間が見付かった》というのに・・それをバラバラにしてしまったカカシの『後悔』は、もう単なる“後悔”なんて言葉じゃ表現し足りないぐらいといいますか・・。 
 
第228話、綱手から《サスケが里抜けし、ナルト達が追って行った》と聞かされたカカシは、「ハァ―――・・・」と気が抜けてしまったような溜め息を深ーくついて俯いてしまう・・
そして綱手「コラコラ!お前の任務はもう決まってんのよ!」とSランク任務を命じられるも「まぁ…すぐ用済ませて戻ってきますんで…ご心配無く」と飄々と片手を挙げて出ていっちゃうんですね。 
でも、飄々とした態度やセリフとは裏腹に、綱手に見せなかったその表情は、「極めて厳しい」ものだった・・・・
 
そして「ウォーン!」というパックンからの《ナルトとサスケの匂い発見》の知らせに飛びだしたカカシの、
 
《間に合ってくれよ!》の心の叫びは、切実だった・・・
 
 
しかし・・・祈るような気持ちで二人を追っていったカカシが、終末の谷で見た光景は・・・
 
イメージ 1
 

「・・・遅かったか・・・」
 
この時のカカシの表情…もう、本当にやるせない。
2人の戦いを止められず、サスケを止められず、ナルトを守れず・・・「また」大切な仲間を守れなかった。
もう、今まで二十数年分の「後悔」も一緒に、どーーーんとカカシの肩に一気に圧し掛かっていたんじゃないかなぁ・・・「またか!」というね・・
自分への怒りと、虚しさが「再び」カカシを《後悔だらけの人生》に引きずり戻してしまったんじゃないだろうか。
 
だいたい、カカシも肝心な時に「遅すぎる」。 そして・・「間に合わない」。
 
リンやオビトだけじゃなく、「オレは今まで多くの仲間を守れなかった」と616話でも言ってましたから、カカシは今まで多くの仲間を助けるのに「間に合わなかった」こともあるのでしょう・・きっと。
 
 
 
でも16巻の「三代目の葬儀」の時、カカシは例の慰霊碑の前で・・・
 
「ここに来ると〝昔の〟バカだった自分をいつまでも戒めたくなる」
 
・・・と言っていたんですよね、 「昔の」バカだった自分を、と。
 
 
その表情は切なげなものでしたが、でもその言葉の中には、今も残る「後悔」という傷と向き合いながらも、『オレにももう大切な仲間が見付かった』んだから(これは20巻でサスケに言ってる言葉だけど)、バカだった自分はもう「昔」なんだと・・・だから「今、そしてこれから」は、三代目が与えてくれた新たな大切な仲間「第七班」を守っていかなくてはという前向きな「決意」も感じられたんです。 
 
なのに、その直後なんですよね・・・ナルトとサスケが病院の屋上で笑えないようなケンカをし、カカシが任務で里を離れている間にサスケが里を抜けてしまったのは。 
 
そして・・・第一部最後の「慰霊碑前でのカカシの言葉」は、こう変わってしまうんです。
 

《オレも今や上忍で部下を持つ身だ》 
《だが〝昔のまま〟・・・いつも後悔ばかりだ》
 
 
やっぱり〝昔のまま〟・・・結局、カカシは「昔のバカだった」自分のままだったのだと・・・。
《昔のバカだった自分》・・・つまり、くだらない「掟やルール」に固執し、大切なものを見失っていた頃の自分。
 
カカシ外伝(神無毘橋任務)でカカシは、オレが初めからお前の言う通りに一緒にリンを助けに来てたら・・》と後悔するんですよね。 いつも遅刻ばっかりで「だらしない」オビトのほうが「肝心な、大切なこと」の判断も行動も速かったけど、さほど重要でもない事には几帳面で「遅刻しない」カカシのほうが「肝心な、大切なこと」に判断も行動も遅かった・・・だから、『何が隊長だ!何が上忍だ・・!』と己を責めることになってしまった・・・カカシが言う『昔のバカだった自分』。
 
あれから十数年経ったのに、カカシは自分を「昔のまま」だったと気付いてしまったんですねぇ・・
ナルトとサスケが「危うい状況」だと知っていながら、上忍としての立場を優先させ「任務」に出てしまい、その結果「大切な仲間」を失ってしまった・・・ 神無毘橋での失敗をまた、繰り返してしまった。
 
そして・・・
 
「オレも今や上忍で部下を持つ身だ だが昔もまま・・いつも後悔ばかりだ・・ 
この眼があってもちっとも先なんて見えやしない・・・」 
「お前が生きていたら・・今のオレに何て言うんだろうな・・なあ・・オビトよ」
 
という「後悔ばかり」の、思わずオビトに救いを求めるような言葉を発してしまうのです(237話「馬鹿…!!」より)。『何が隊長だ!何が上忍だ・・!』とでも言うように・・・
 
(237話のタイトル「馬鹿」は、ナルトが言った例の名言「オレは一生バカのままでいい」と、かつて大蛇丸自来也に言った「バカにも程がある」からつけられているんでしょうけど、カカシの言葉「昔のまま・・・」の中にそっと含まれる昔のまま・・・《の〝バカだった自分〟》の「バカ」も引っかけられているんじゃないかな・・)。
 
カカシがいつも「遅刻」してくるのは、アレは「ワザと」だろうと思ってるのですが(子供時代はやたらと几帳面だったし)、その「遅刻の理由」については「オビトになり代わって生きてきたからだろう」とずっと思ってきたんです(※過去記事)。  カカシにとって憧れの英雄であった「オビト」の生き様を肝に銘じ、「オビトの眼となってこれから先を見据える為」に、オビトみたいに掟やルールに縛られないで生きようとしてきたんじゃないかと・・・。 だけど、それとはちょっと違う理由もあったんじゃないかとも考えるようになりました。
 
カカシは「いつも肝心な時に遅すぎる」のに、集合時間みたいなルールはシッカリと守っていたから、周囲はカカシの事を「立派な上忍」だとか「徳もある」(大名の側近のカカシ評)とか「写輪眼の英雄」なんて「過大評価する」・・・・カカシには、そんな過大評価がかえって辛かったんじゃないだろうか。 自分はそんな評価に値する人間ではないのに、と・・・《何が隊長だ、何が上忍だ》と。 偉くなっても〝昔のまま〟(バカ)なのにと・・・肝心なところで仲間を守れない、助けに間に合わない、後悔ばっかりの本当の意味での「遅刻魔」でしかないのだと。 
だから日頃から「ワザと」遅刻することで、自分は「間に合わない男なんだ」と・・・世間に「本当の自分」を晒し、大袈裟に言えば「制裁」してもらう・・・そんなつもりも《ちょっと》あったんじゃないだろうか。 
 
だから・・・そんな自分を許せず「後悔」し続ける限り、カカシは「遅刻魔」を続けるのかもしれない。
 
「間に合わなかった自分」を許し、今度こそ「間に合った」と思える時がきたら・・・やっとカカシは後悔人生から立ち直り、「遅刻魔」の烙印を自分自身に押すのを止められるの「かも」しれません。 
でも、私は「後悔」そのものが悪いって訳でもないと思うんですよねぇ・・・それだけ真剣に生きてきた、「今まで」を大切にしてるってことでもあると思うから・・・「後悔だらけの人生」も、それはそれで誇ってもいいんじゃないの?って・・・ね。
 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
(ナルト好きブログ!2013/09/25)