ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

「ちゃんと見てる」リンの目が、見つめる先

「ちゃんと見てる」リンの目が、見つめる先

ようやく状況が少しだけ落ち着きまして(まだ全然何とも言えないのですが)、土曜日に「駆け足」になってしまった今週653話「ちゃんと見てる」の雑考、《リン》のことを少しだけ追加させてください。
 
今週のリンを見て…いや、NARUTOに登場する女性の中でも「リン」っていう子は出来過ぎなほどの完全体、いや完成体的なヒロイン的な女性だと改めて思ってしまいました。 
あの「ん?」なんてオビトをつぶらな目で覗いた表情なんて、私も思わず「惚れちゃいそう」だった… ほとんどの男性を虜にしちゃいそうな《必殺技》的な目!
 
でも…リンはあの必殺技的な目を「本命のカカシ」には向けたことは無かったんじゃないかと推測します。本当に好きな人には、あんな目は、とても向けられない。
残酷だけど、オビトを虜にしたであろうリンのあの「目」は、《オビトには気が無い》事を物語っている… 
 
オビトを“男”として意識してないからこそ向けられた、あの目…なんかもう、まるで幼稚園の先生が子供達を見守る目というか、ナイチンゲール的な看護師さんが子供の患者に向ける優しい目というか。
 
NARUTOの中で、今まで「こういう目」で異性を見つめた事がある人は居ただろうか…?と考えたら、そういえば男女逆だけど、ナルトがヒナタの事を《至近距離》でジッと見つめたことがありましたよね(32巻、久々の再会で緊張するヒナタをナルトが「何隠れてんだってばよ?」とじっと覗き込んで、ヒナタは気絶)。
あの時のナルト、読者には後ろ向いてて見えないんですが、今回のリンみたいな目をしてたんじゃないだろうか。 
 
あの時のナルトも「ヒナタを異性として意識してなかったから」出来たんじゃないかと思うけど、はて、「今のナルト」はヒナタの事どう思ってんのかな。
 
話を戻しまして…オビトがリンの「あの目」をどう解釈してたのかは分かりませんが、オビトにとっちゃ、リンが自分の事を見てくれてる、リンが側に居てくれることが《何よりも幸せ》だったのではないかと思います。
 
オビトは親の愛情を知らずに育ったみたいだけど、回想に出てくる「オビトの部屋」は綺麗でちゃんとした本棚があり、オビトもお行儀よく「勉強机に向かってる」わけでして、その「お育ち」はナルトとはかなり違う印象があります。
オビトは物理的には満たされていたみたいですが、写真に囲まれ一人机に向かう背中は孤独で「本当の愛情を知らずに育った」のではないか…(という話は前回の雑考で書きましたっけ)、リンはオビトにとって生まれて初めて「優しく愛情をもって接してくれた」心の穴を埋めてくれた人なんだろうなぁ。優しく気配りの出来る彼女にとって「医療忍者」はまさに天職。
 
リンはオビトの「遅刻」に一度も怒ったことは無いし(だからカカシは「リンはオビトに甘い」と不満そうだったけど)、いつもリンは遅刻してくるオビトを笑顔で迎えてくれた。そんな「オビトに甘い」リンが真剣に怒ったのは《オビトが強がって傷を隠した時》。
 
《本当に怒るべきところで怒り、その理由をちゃんと話し、最後には「励ます」》…お見事の一言に尽きます。
子育ての極意というか、教育の理想的な在り方といいましょうか。
 
で、これ64巻615話でヒナタもやってますね、ナルトに。
ネジの死で動揺するナルトの頬を《ペチィ》と叩き、真剣な表情でナルトを見つめた… あの時、オビトが《・・・!》と反応し、カカシもオビトの反応に《!》となったのは、「あの時のリン」を思い出してたからだったんですね。
そしてヒナタはナルトに語ってきかせ、ナルトを激励した…それをオビトは「・・・・・」と真剣に見つめてたんですが(例のコミックスで描き直された表情)、なるほど、ヒナタとリンを重ねてたんですね。
 
女の子としては「理想的」とも言えそうなリンですが、あえて欠点を一つだけあげるなら、オビトの想いに対しては少々鈍感…というか「あえて鈍感に振る舞っていた」ところでしょうか。 リンはオビトの気持ちに気付いていたとは思いますが、それでもオビトを「ちょっと」期待させてしまうような言動をしたり(カカシの上忍祝い打ち合わせのための「待ち合わせ」を約束)、オビトが神無毘で「戦死」した直後にカカシに想いを伝えたり…カカシの事になると、リンはオビトへの配慮を「後回し」にしてしまうところもある。
 
でもそれは、単純に恋の盲目さによるのではなく、リンは《オビトのことよりも、もっとカカシの事が心配だった》んじゃないかとも思えるんです。
 
リンって子は《困ってる人》を放っておけない子だったんじゃないか…
例えばアカデミーの入学式に遅刻したオビトのために、書類を取っておいてくれたり、オビトの心の穴を埋めてくれたり。リンは孤独だったオビトのことを放っておけなかったんじゃないか…。
だけど、もしかしたらリンにとっては《オビトよりもカカシのほうが困ってる人》に思えたのかもしれない。
 
リンがカカシに惚れたのは“強くてカッコいい”からもあるんだろうけど、それ以上にカカシの“心の傷”を放っておけなかったんじゃないだろうか。カカシがそっと「心の傷」を隠してる事を、リンは見抜いていたんじゃないだろうか。
 
オビトも孤独だったけど、カカシも幼少時に母さんをなくし、父さんもあんな形で失い…それでも生意気な仮面を被って強がっていたし、それこそ「オビト以上に強がって、心の傷を隠してた」んじゃないかと思うんです。
 
強がっていても「心の傷を隠しきれない」感情豊かなオビトより、完璧に心の傷を隠し感情も見せないカカシのほうが、リンにとっては「重症患者」…心配だったのかもしれません(汗っかきの人より、汗をかけない人の方が問題って言うでしょ?たとえが変ですが)。でも、好きだからこそ、リンはカカシには「何も言えなかった」のではないだろうか。
 
オビトに言った《強がって傷を隠してもダメ》 《ちゃんと見てんだから》という言葉、本当はカカシにも、いや、カカシにこそ言いたかったんじゃないのかな…リンは。
あの時、ミナトとカカシは横でリンとオビトのやり取りを見てましたよね(ちょっと離れてはいたけど)。リンはオビトに真剣に語りかけていた訳だけど、でも心の中では「カカシにも」語りかけていたんじゃないかな… 切ないリンの想い。
 
一方で、オビトがカカシの「心の穴」を知ったのは、ミナト先生から「サクモの真実」を聞かされた時(神無毘橋任務の直前)。
オビトは初めて「カカシは心に分厚い仮面を被ってる」事を知ったわけで、自分以上にカカシは大きな心の穴を抱えてることも知り・・・オビトはリンの《カカシへの想いの深さ》を知ったのではないだろうか。心優しいリンならではの、カカシへの想いを。
 
神無毘橋任務以前までは、リンが「強くてカッコいい」カカシを見つめる目を見てオビトは切なそうにして、カカシにも嫉妬してる感じはあったのに・・・カカシの心の穴を知ってからはカカシに嫉妬してないんですよね。まるでリンの想いを応援するような態度に変わってる。
 
オビトにとってリンは「心の穴を埋めてくれる人、だから側に居て欲しい人」・・・
でも、それ以上にリンは「カカシの心の穴を埋められる人、カカシの側に居る必要がある人」だと、オビトは悟ったのかもしれない。
 
リン、カカシ、オビト・・・それぞれが、それぞれの気持ちを想っていて、優しいから、ややこしい。リンのことで心に穴を抱えてしまった2人が、再びリンという繋がりによって心の穴を埋めることが出来れば・・・
 
 
(それにしても、653話に登場する《今のナルトと今のオビト》、《かつてのオビト、リン》…とにかく「表情が豊か」です。
怒って、睨んで、笑って、泣いて、困った顔をして…「忍は感情を見せてはならない」なんてルールから外れた「泣き虫忍者」どうしにふさわしい「心の闘い」。いかにも彼等らしいですね)。
 
 
 
 
☆駄文読んでくださって感謝。
 
 
(ナルト好きブログ!2013/11.07)