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カカシとサスケの「積もる話」 その2 (655話雑考追加)

カカシとサスケの「積もる話」 その2 (655話雑考追加)

 
サスケに「積もる話は後だ」と言っていたカカシ・・(655話で)
 
最近では、サスケの師匠はすっかり『大蛇丸』になっちゃって、カカシは第七班の先生でありながら、どーも中途半端な立ち位置になっちゃってる感がある。
勿論、カカシを責めてる訳じゃあないんですよ・・状況的にそうなってしまったということであって、カカシ自身もそれを感じてたと思うんです。
ナルトに関しても、「師匠」ポジションは自来也に譲ってるし(蝦蟇の口寄せと螺旋丸をナルトに教えたのは自来也だし)・・ でもサスケに関しては、カカシは自分こそが「師匠」である自負は強いんじゃないだろうか。
なにせ、あの大切な「千鳥」まで授けた教え子なのだから…サスケは千鳥を受け継ぐ大切な弟子なのだから。
 
しかし…そもそも何故カカシはサスケに『千鳥』を教えようと思ったんだろうか・・?
 
その理由についてカカシは「(サスケが)オレと似たタイプだったから」と言ってたけれど(113話「遅刻の理由」で)、それはサスケのチャクラ属性がカカシと同じ「雷だったから」という意味だけじゃなく、もっと他に・・カカシがサスケに千鳥を「教えたい」と思った理由が有るはず。
 
当時サスケの精神状態は不安定で、大蛇丸がその「どんな邪悪な力であろうと求める心」につけこんで「呪印」を与えちゃったわけですが、問題なのは「呪印そのもの」ではなく、「邪悪な力にでも頼りたい」と思ってしまうサスケの「焦りそのもの」・・・
そして、その焦りは「一族を守れなかった己の無力」からくるモノだと…カカシには分かったんじゃないだろうか。カカシ自身、大切な人たちをすべて失い、守れなかった後悔で苦しんできた一人なのだから。
 
 
「オレだってこの世界が地獄だと思ったさ…」
 
「オレはお前を失ったと思ったし…」
 
「すぐ後にリンを失い… そしてまたミナト先生まで失ったからね」
 
(655話より) 
 
だけど、そのカカシを「地獄の中から救い出してくれた」のは……オビトの言葉とオビトがくれた「眼」だった。
 
 
「ハッキリとは分からないが 「眼」をこらして見ようとはしたんだ」
 
「お前がくれた写輪眼と言葉があれば 見える気がしたんだよ」
 
 
そしてカカシを支えてくれたのは、オビトが授けてくれた「千鳥(のちの雷切)」だったのでしょう。
 
 
だから、カカシは「千鳥」がサスケにとっても「この世の地獄から救ってくれる光」になってくれる事を願い… その力が「仲間を守るための力」となり、サスケを復讐やら邪悪な誘惑から守ってくれる事を願ったんじゃないだろうか。
“己の意志次第”で呪印をコントロールする「封邪法印」を与えた“だけ”ではなく、「強い己の意志、仲間を守る力」千鳥も与えることで、カカシはサスケを守りたかったんじゃないだろうか。千鳥さえあれば、呪印なんかに頼らずともサスケは・・と。

「(サスケは)オレと似たタイプ」というカカシの言葉には、単純に「同じ雷属性」というだけじゃなく、「似たような過去を持ち、似たように心の支えとなる術が必要だったタイプ」という意味も(ちょっとは)あったのかもしれない。オレ(カカシ)とサスケは似たような境遇なのだと・・。
カカシは(20巻177話の)「里抜け前最後の会話」でそれを“チラッ”とほのめかすのですが、あまり多くは語ってないんですよね。そして「なぜ千鳥が仲間を守るための力なのか」とか、「千鳥開発秘話」は語ってない。
 
ホントはね、それもちゃんと話しておけばよかったのに・・なんて思ったりもしたんだけど、もしかしたらカカシは《失われた1か月》の間にサスケに語って聞かせるつもりだったの「かもしれない」・・とも思うんです。
 
《失われた1か月》ってのは、木ノ葉崩し直後からサスケ里抜けまでの約1か月のことなんですが(過去記事※)、ナルトが自来也に連れられて「綱手探しの旅(螺旋丸修行の旅)」に出ていた1か月間、サスケのお世話はカカシが担当するはずだったんです。
 
自来也はナルトを探しに「ラーメン一楽」に行き、カカシはサスケと「だんご屋」で待ち合わせて・・だけどご承知の通り、その直後、カカシもサスケもイタチの月読を喰らって寝込んでしまい、《カカシ・サスケ師弟の最後の1か月》は失われてしまったのです自来也とカカシの間で、ナルトは自来也、サスケはカカシという分担は打ち合わせ済みだった…16巻143話)。
 
別にイタチを恨むわけじゃあないけれど、あの「1か月」にカカシとサスケは何をするつもりだったんだろう・・?何を語るつもりだったんだろう・・・?教えたばかりの「千鳥」についてなのか・・「失った仲間」のことだったのだろうか・・なんて気になっちゃうんです。
 
でも、サスケはずっと千鳥を大切に使ってきたし、カカシがこの術を『仲間を守る為の力』として与えてくれた想いもよーく分かっていたと思います。
だからこそ、その力を『復讐に使うな』というカカシの教えに背くことに後ろめたさを感じ、里を出る時には『カカシが千鳥習得のご褒美に与えてくれた新しい服』をあえて脱ぎ捨て、置いて行ったのだろうと私は勝手に推測しております(過去記事)。

しかし、千鳥を大切にしていたはずのサスケが、ダンゾウ戦では千鳥を「安っぽく」復讐目的に使ったり、仲間に向けて使っていましたよね・・あれはワザとだったのかな。里や里の人達の「裏切り」に対する怒りからだったのでしょうか。
 
イタチの真実を知り、里の闇を知り…千鳥でさえも「仲間を守る力」なんてのは所詮「美辞麗句」でしかない…「千鳥」とは、千手(里側の人間)が「うちはの力をちゃっかり利用しただけ」の、嘘臭い汚い術に感じられたのかもしれません。 だから・・サスケはワザとその力を復讐や仲間に向けて使ったのではないかと思います。
 
そして、サスケは「なぜカカシが写輪眼を持っているのか」という根本的な疑問をカカシの写輪眼を初めて見た時からずーっと持っていたと思うんですが・・でもカカシの人柄を信じ、その疑念は心のどっか片隅の奥にしまい込んでいたのかもしれません。 だけど里への不信が生まれ、その疑念も一気に噴き出し、カカシに《写輪眼はうちは一族の証》《うちは一族でもねェ低俗な忍がその眼を見せびらかすな》なんてセリフをぶつけたんじゃないだろうか。
 
 しかし、ダンゾウ戦では「安っぽく」千鳥を使っていたサスケも・・この戦場では、まだナルトとの共闘に「千鳥そのもの」は使ってない(雷遁を草薙の刀に流すのは使ってるけど。記憶違いだったらごめんなさい)。まるで『大切にとってあるかのように』・・

もちろん「十尾相手には万華鏡瞳術のほうが効果的」と判断しているだけかもしれないし、炎遁の方がナルトの風遁に合わせやすいと判断しただけかもしれません。
が、もしかしたら、サスケは「千鳥」を使うことに少々「迷い」を感じているのかもしれない・・。そろそろ、サスケが千鳥の《本当の意味》を知る時が来たんじゃないのかな・・? そして、カカシの写輪眼の《秘密》も知るべき時が来ていたのだと思います。
 
「千鳥」は、カカシの牙(獣)とオビトの写輪眼(眼)の共闘の術、
つまり千手(系)とうちはの共闘の術。
 
ナルトに託された螺旋丸が《ビーとはっつぁんの共闘をヒントに考案された尾獣と人間の共闘の術》ならば・・サスケに託された千鳥は《カカシとオビトの共闘で完成された千手とうちはの共闘の術》・・・
カカシとオビトの友情は、サスケの千鳥という目に見える「形」となり、「これから先」に繋がっていくと思うんです。《尾獣と人間》、《千手とうちは》・・その2つの和解の象徴である《螺旋丸と千鳥》は、「禁断の実(チャクラの実)」を食べてしまった人間が、十尾に「答え」を示すための術になるかもしれません。
 
そして・・・・
 
時空間の中で、カカシの左眼に最初に飛び込んできた《オビトの視界》は、《ナルトとサスケが並んで立つ姿》だった・・ カカシは驚きはしたものの、サスケが帰ってきた事自体はそれほど「意外」そうじゃあなかった・・。
 
鉄の国でトビからイタチの真実を聞かされた時は、「あいつならイタチの意志を継ぎ木ノ葉へ帰ってくるハズだ」と言っていたカカシですが(462話)、結局カカシはサスケの《本心》を分かってたという事なのかもしれません。サスケの《素直に本心に従えない》性格をカカシは見通していたのかな・・。カカシには、サスケと同じような体験「親父さんの意志を継ぎたいのに素直になれず、オヤジさんとは違う道を選んだ過去」がありましたから。
 
それだけに…サスケの気持ちも何となく分かるだけに、カカシはアレコレとサスケに言いたいことも沢山あるに違いない・・・「積もる話」が。
 
あの時…サスケが里抜けする直前の「お説教」(20巻177話)の時、カカシは任務を控えていて、あまり時間が取れなかったんですよね。 なもんで、手短かにしか話してない。 カカシはそれを後になって《オレが甘かった》と後悔しており、もっと「話しておくべきだった=ちゃんと先生としてお説教しておくべきだった」と考えていたんじゃないだろうか。
 
つまり・・「積もる話」とは、師としてちゃんと「お説教してやる」という事だったんじゃないだろうか。 
 オビトに対しても、友として「ちゃんとケジメをつける」と考えていたカカシのことだから、サスケに対しても師として「ちゃんとケジメをつける」と思っていただろうから・・・
 
でも、ミナトがカカシを「止めた」あと「ずいぶん息子がガミガミ説教したみたいだけど どうやらそういうとこは母親ゆずりみたいだね…」なんて言ってたのを聞いてカカシは何かドキッとしたように「・・・・・」と見てる(655話)。
 
「ナルトがオビトに説教していた」ことに驚いたのも当然あるだろうけど、カカシはミナトの「次の台詞」も予測できたんだと思います・・つまり、オビトを説教する役割は「友達であるカカシ、キミだよ」というね・・「同じ目線でモノを考え、理解できる、友の役割」なんだと。 
ミナトは「師である自分」でさえオビトを説教する役ではないと考えてる。
説教できるのは「友達のカカシ」なんだと・・
 
つまり・・サスケを説教する役割も、カカシじゃない。それはナルトの役割・・「サスケの友であるナルト」、サスケと同じ目線でモノを考え、感じ、理解し合える「ナルト」の役割。どうやら、ナルトもカカシも「説教する相手」を間違っていたのかもしれない。 穢土天イタチが「サスケを説教する役割」は自分ではなく、ナルトだと考えたように・・
《オレが初めからお前とちゃんと向き合い同じ目線に立って真実を語り合っていれば・・》《失敗したオレが今さらお前に上から多くを語っても伝わりはしないと言ったように・・
 
カカシがしたかった《積もる話》・・・
 
それは今度こそ《だらしない先生》ではなく、第七班の先生として・・《しっかりとした先生として、ケジメをつけてちゃんとお説教してやらねば》という事だったの「かも」しれない。 こんな事態を招いてしまったのは、己の「ふがいなさ」だとカカシは思っていたのだから・・。今度こそちゃんと先生として「上から多くを語るつもり」だったかもしれない。
 
だけど・・・
 
カカシがサスケにしてやるべき事、本来語ってやるべき「積もる話」とは、「師としての愛情」をストレートに伝えること・・そして大切な「千鳥を与えた本当の想い」を伝えることなんじゃないだろうか。
 
お互いにあまり多くを語りたがらない2人(カカシとサスケ)だけど、今度こそ・・・本当の想いを語り合い、本当の《師弟》になってくれるんじゃないだろうか。そう願いたい・・・
 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
 
(ナルト好きブログ!2013/11/25)