ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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テンテンという「存在感」 (NARUTOの女性キャラ考察)

テンテンという「存在感」

 
そもそもNARUTOは女性の活躍が少ないっていうか、目立たないというか、出番が少なめというか…それでつい、女性(くのいち)の雑考は少なめになってしまう(ってのは言い訳)。その中でも、最も書きにくい一人だと思っていたのが《テンテン》・・・
 
立場的にはナルト同世代の一人だし、初期のころから登場している重要な一人でもある訳だけど、同世代の中でもテンテンは最も出番、描写共に少ないのだ。 
《お団子ヘアにチャイナ風の服を着たかわいい忍具のスペシャリスト》・・可愛いだけでなく実力者なのだが、何しろあの個性派揃い、かなりの強者揃いのガイ班だから目立ちにくい。『重要な』第一部のラストでも、テンテンは「ただ微笑んで見ているだけ」だったし・・ 
 
この戦争でも、いの、サクラ、ヒナタが大活躍してるのに、テンテンのやったことと言えば「金銀兄弟の宝具を使ってみたけど、チャクラ切れでバテちゃった」りで… しかも同じ班のネジ戦死に際しても、なぜか“テンテンの涙”よりもナルトとヒナタにスポットライトが当たっちゃって、少々残念な扱いだった…(もちろん、「忍具スペシャリスト」として華麗な忍具捌きは見せてくれてるのだけど)。いかんせん周囲が凄過ぎるんだってばよ・・。
 
ことにこの戦争編に入ってから 、女性の「つなぐ」役割が目立つという話を何度かしております(いの、サクラ、ヒナタ、リン…彼女らは無器用な男共に代わって周りとうまく「つなぐ」役割を果たしてくれた)。でもそれって、男中心社会から見た「理想の女性の在り方」なのかなぁとも思えてしまったのだけど、けして女性の扱いが酷いわけじゃない・・ 無器用で意外と繊細な男に対し、女性は肝っ玉が据わっているというのか(クシナの出産シーンのミナトの動揺っぷりに対してのクシナの落ち着きもその例かな)、案外と「女性のほうが芯が強く、ブレない存在」として描かれてたりするのかもしれない。 テンテンもその例外ではなく 、ナルト達よりも「1つ先輩」としてお姉さん的な一面ものぞかせる事が多い。 
 
ガイ班の中では本来の「可愛らしさ」も見せることがよくあるけど、(彼女の自然な可愛らしさ・・口調が「やるぅ!?」だったり、任務帰りにお茶していこうと誘ったり)・・同期の中でゴタゴタした時にはハッキリ意見を言い、時にはやさしくフォローしたり(サスケの件で同期で話し合った時・・男の子にははっきり意見は言うけど、女の子にはやさしく世話好きな面を見せる)、良きお姉さんとしてナルト達を「ちょっと一歩外からの客観的な視点」から意見することもある。 
 
しかし、テンテンの物語中での「役割」は他の女性達とはちょっと違うところにあるような気がする。 そしてそれはテンテンという存在の「面白さ」でもあるんじゃないかと思うし、「なぜ平健史先生のロック・リーの青春フルパワー忍伝が面白いか」という点にも共通するような気がする。。
 
青春フルパワー忍伝はキャラ完全崩壊が醍醐味だけど、崩壊しつつも登場人物の「本質的なモノ」は崩れてない・・・この人物が「本音」で行動したら、こうなるんじゃないの?みたいなところを上手く突っ込んでくるのが面白い。
いうまでも無く「忍」ってのは本音では行動できないから、「もし彼(彼女)が本音で行動したらこうなるんじゃないか」と読者が(一度ぐらいは)妄想するような事を「実現」してくれる。 そして、登場人物達の大幅キャラ崩壊に上手くツッコミを入れてくれるのがフルパワー忍伝での「テンテン」の役割・・ まさに読者視聴者が感じるのと同じ事を言ってくれるのがテンテンなのだ。
 
フルパワー忍伝でのテンテンは、原作にもある「可愛らしさ」が強調されているけど、比較的「まとも」・・ ほぼ全キャラが崩壊する中で、テンテンという「あまり崩壊してない(ブレてない)存在」そして「読者視聴者目線の存在」が中央にドーンと据えられている事で、NARUTO世界全体が崩壊することなく、かつ他キャラの崩壊っぷりが映えてくる。
 
で、これはNARUTO原作のほうでも言えるんじゃないだろうか。
テンテンは、あの強烈な個性ガイ班の中での解毒、中和役・・いや、あの中で「読者と同じ反応をしてくれる」貴重な存在と言えましょう。いわば、ガイ班と読者を「つなぐ役割」・・・
そしてそれだけでなく、NARUTOという作品(全体)と読者をつなぐ役割もしているのがテンテンなんじゃないだろうか。
 
テンテンは、NARUTOの中でも極めて《フツーの女の子》に近い存在。
 
彼女は忍具の達人だけど、まず忍術は使わないし、一族ならではの秘術ってのもなさそうだし、特別な能力も無い(無さそう)。
以前まではサクラも比較的「普通」な感じだったけど、今や百豪の術まで使いこなし蛞蝓を口寄せし(努力のたまものとはいえ)普通レベルを超えてしまった・・我々からはもう遠い存在になってしまった感じがある。
その点、テンテンは努力すれば「出来るんじゃないか」と思させてくれる存在でもある(もはやナルト同世代ではそう思えるのは彼女ぐらい)。
 
この戦争でも、テンテンは「大活躍」とまではいかない・・忍具好きで思わず宝具に手を出してぶっ倒れてしまうなんて・・普通の子が「とんでもないレベルの戦争」に混ざってしまった感があって、それがいいんです。 読者(我々)がNARUTO世界に入り込んでしまったかのような、そんな親近感・共感を感じられるのがテンテンなのだと思う・・
 
極めて我々に近い感覚を持ち、時にナルト達世代やガイ班に「こっちが思うような事」を言ってくれ、あの戦争の中でもかなり自然体でいる・・ あまりにもおとぎ話な忍術の世界「NARUTO世界」に送り込まれた普通の感覚を持ったテンテン・・ 
 
時折だけど的確な共感できるツッコミを入れてくれる彼女は、NARUTOの物語をぐっと身近に引き寄せ、非現実と現実を繋いでくれる存在なのかもしれない・・
 
 
 
 
 
(長駄文読んでくださって感謝)
 
 
(ナルト好きブログ!2013/11/28)