ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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カカシがようやく果たした「もう1つの約束」

カカシがようやく果たした「もう1つの約束」

さて、今年も残すところ数日となりましたが、次のジャンプは来年4日(土)だから、まだ先ですなぁ…。今年も年末恒例企画を週末にと考えておりますが、その前に本年最後の雑考として、今年のジャンプの中でも印象に残った「ある言葉」について取り上げたいと考えています。その言葉とは…
 
 
「お前がくれた写輪眼と言葉があれば 見える気がしたんだよ」
 
…という655話カカシの言葉。
 
この言葉は、第一部最後のカカシの言葉「この眼があっても ちっとも先なんて見えやしない」と対になる言葉ですが、託した側と託された側の「切れることが無い信頼と繋がり」、そしてカカシが今まで歩いてきた「平坦ではなかった道のり」が、この言葉からじわーっと滲み出てくるような気がしたんです。
 
《カカシに託された写輪眼》…今までの描写を見る限り、オビトには「カカシから目を返してもらう」発想は全く無かったらしい。 652話の「もし自分が木ノ葉に帰っていたら」という想像の中ですら、オビトはカカシから目を返して貰ってはいなかったから、オビトがカカシに目を差し出したのは「どうせ死ぬならもったいないし」程度の気持ちじゃなかったのは確か。
 
655話の「お前がくれた写輪眼と言葉があれば…」の言葉を考えるうえで「カカシ外伝」は絶対に必要になってくるのですが、カカシの上忍就任祝いのプレゼントについて、当時オビトはこんな言い方をしていましたっけ…
 
「何がいいか…考えてたんだ…」と(243話「プレゼント」で)。
 
外伝冒頭では、プレゼント企画について「わりぃ…聞いてなかった」なんてスッ呆けていたオビトだけれど《何がいいかずーっと考えていたけれど、結局何も思いつかなくて困っていた》のが実情なのでしょう、きっと。
 
リンは「特別製の医療パック」を、そしてミナトは「特注クナイ」をカカシにプレゼントしたのですが、これらは彼らのカカシへの想いがずっしりと詰まった“特別な”モノだったんですよね。リンの医療パックは「裏に御守りが縫いつけてあり」カカシの身を案じるリンの愛情が忍ばせてあったし、ミナトのクナイは「飛雷神の術式が書かれたクナイ」でミナトの師としての愛情(そしてカカシの身を案じる親心)が忍ばせてある特別なモノでしたから。 
 
だけど、オビトには彼らのような「想いを伝えられるようなモノ」は何も見つからなかった…
 
オビト自身は「爺ちゃん婆ちゃんから貰う飴玉」でも充分嬉しかったかもしれないけれど、まさかカカシに飴玉をあげるワケにもいかなかっただろうし(笑)、何かあげたとしてもバカにされるのがオチだと思っただろうし…
 
一方で、カカシはミナトとリンのプレゼントに秘められた「想い」をちゃんと受け取っているようには見えなかった。
 
カカシは医療パックに「御守りが縫いつけてあること」はオビトから聞かされるまで知らなかっただろうし、クナイが「飛雷神の術式が書かれた特別製であること」もこの時点では知らなかった(知ったのは神無毘橋の戦いの後)。だから、カカシは彼らのプレゼントに託された『想い』には気付いていなかったのだ…いや正確には「気づこうとしなかった」というべきでしょうか。
 
だから、カカシは彼らの「想いがずっしり」なプレゼントに対して、
「どうも」
「サンキュー」
と軽~いノリで受け取っているんです(239話でのこと)。うん、かなり「軽い」。
 
でもオビトは2人のプレゼントには『それらの品物の価値以上の大切なもの、プレゼントに託された想い』があることを分かっていたんですね。 だから、カカシがオビトにもプレゼントを催促するような手を軽~い感じで出してきたことに怒り、「お前にやるもんなんかなーんにもねーよ!」と言っていたけど、あれはカカシが2人のプレゼントに託された「想い」を受け取らず、単に「道具」としてしか受け取っていなかった事への怒りもあったんじゃないかと思います。
 
でも、カカシがプレゼントを軽々しい感じで受け取っていたことにも理由はあったんですよね。 
 
小さい時から世間の冷たさを肌で感じてきたカカシにとって、他人の優しさや想いなんてのは信じられないモノ…だから素直に受け取れなかったんじゃないだろうか。 そんなものよりは「上忍」という地位を与えられる事のほうが、よっぽど有難い「絶対的な価値のあるモノ」だったのかもしれません。
 
カカシがサクモ父さんの形見(チャクラ刀)を背負っていたくせに「全く使わなかった」のも、父さんの想いを素直に受け取れなかったからじゃないかと思うし・・でもそのくせ大切に背負ってるんだから、本当は「その想いを分かってたはず」…
そんな複雑なカカシの胸中をオビトは理解して、カカシをぶん殴ったり「お前は本気でそう思ってんのか!?」と問い詰めていたけれど、本当はカカシだってリンやミナトの「想い」に気付いていたと思うんです(「感情なんて余計なもの」なんて言っていましたから)、ただ…素直に受け取れなかっただけ、受け取っちゃいけないと思っていただけなんだろうか。
 
でも、最後にカカシは父さんの刀を使って仲間を助けたり、怪我した時にリンの医療パックを頼ったり、絶体絶命のピンチになった時にミナト先生のクナイを使ったのも、彼らのプレゼントに在る想いを素直に受け取れたからなんでしょう、きっと。そしてサクモのチャクラ刀は「仲間を守り」、リンの医療パックは「カカシを守り」、ミナトのクナイは「カカシとリンを助けた」…カカシが彼らの想いを受け止めた時、それらの「道具」達は本当の力を発揮してくれたんですね。
 
カカシはちゃんと「託された想いを受け取ることが出来る人」(カカシは“再不斬の想いが託されている”首斬り包丁も一時、大切に使ってましたよね)…オビトはそれが分かっていたからこそ、こう言ったのかな…
 
 
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「里の奴らが何て言おうと…お前は立派な上忍だ…」と。
 
この言葉は「上忍になった者が認められるんじゃない、皆に認められた者が上忍になるんだ」ということでもあったんですね。皆に託された想いをちゃんと受け止め、受け取ることが出来る人こそ「立派な上忍」だと…
 
そしてカカシを認める気持ちの強さ、カカシへの信頼の厚さに匹敵するプレゼント(写輪眼)をやっと見付けられたオビトは「それが…オレの気持ちだ…受け取ってくれ」と言っていたけれど、その表情は嬉しそうでさえありました。ミナト、リンと同じぐらい「自分の気持ち」を伝えられるものがようやく見つかったという安堵に満たされた穏やかな表情…
 
そしてオビトは“リンを守ってくれ”という約束とは別に、“お前の目になってこれから先を見てやるからよ”という願いもカカシに託していましたよね。
カカシとオビトは2つの「約束」をしてた…「リンを守る」という約束と、「この目でこれから先を見る」という約束と…
 
そのうちの1つ「リンを守る」という約束を果たせなかったカカシは、もう1つの約束「この目でこれから先を見る」という約束だけは絶対に果たそうと考えていたんじゃないだろうか。
 
でも第一部の最後でカカシは「この目があっても ちっとも先なんて見えやしない」なんて弱気な事を言っていた…サスケの里抜け直後のカカシは「もう1つの約束」のほうも全然果たせていないと考えていたんですね。第七班を預かって一時は「ナルトとサスケ」に新たな希望(これから先)を見出し始めていたのかもしれないけど、彼らを守ることが出来なかったカカシの目は、また「先」を見失った…
 
そして「先が見えなくなった」カカシは、オビトに託された眼を「使いこなす」事を考え始めたみたいなんですよね… サスケが里抜けしてナルトが修行に出た後、カカシは万華鏡の瞳術「神威」まで使えるようになっていましたが、それも「オビトとのもう1つの約束を果たす為」だったんじゃないのかな(木ノ葉崩しの時、カブトに「うちは一族ほどその眼を使いこなせていない」と言われたり、イタチに「アナタの体はその眼に合う体ではない」等と言われたのもキッカケになってると思いますが)。
 
そしてオビトに「ずいぶん左目を使いこなすようになったな 万華鏡まで…」と言わせるほど、カカシはその目の「機能」を使いこなすようになったわけですが…
 
だけど、カカシがやっとその眼で見つけた「これから先」は、「ナルトの中に在る希望」だったわけでして…それは「万華鏡の瞳術」で見つけたわけじゃあないんですよね。 かつてのオビトの意志(想い)と同じモノがナルトの中に「在る」ということを見つけ、そこにカカシは「先」を見出していった…
 
オビトから託された目を「道具」として使いこなしたところで、それだけでは何も見えてこなかった「これから先」。でも、その目に宿る「オビトの想い」を再びナルトを通して受け取った時、その目は本来の力を発揮できたのでしょうか…つまり「これから先を見る眼」としての力を。 
写輪眼に託された大切なものは、その眼に宿る「瞳術」ではなく、その眼に宿る意志…それを託された側が受け取った時、ようやく「先」が見えてくるのかもしれません…そして「真実」も。
 
やっとカカシがオビトの目で見ることが出来、そしてオビトに見せることが出来た「これから先」。やっと果たせた、もう1つの約束。
 
「果たせなかった約束」と…十数年たって「果たせた約束」と。
カカシが味わった「地獄」と…その先にあった「希望」と。
…ようやく揃った左右の神威の眼は、再び同じ「先」を見つめ始めたのでしょうか。
 
十数年の長い後悔と逡巡の末、やっとカカシが辿り着いたのが、心の臓から絞り出すように語ったこの言葉だったのだと思います。
 
 
 
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「お前がくれた写輪眼と言葉があれば 見える気がしたんだよ」
 
・・・・・
 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
☆この場をお借りしまして…
激励のメールをくださった方々、ありがとうございました。お返事はしておりませんが、心から感謝しております(ぱぴ)

 
 
(ナルト好きブログ! 2013/12/27)