ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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森乃イビキ…「サディスト」の素顔

森乃イビキ…「サディスト」の素顔

 
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森乃イビキ、木ノ葉暗部、拷問・尋問部隊隊長の特別上忍。
身長193.5㎝と自来也よりも大きく、年齢は(約)31歳、性格は「サディスト」で我慢強い、好物は肉料理とえのき茸のソテー… 
 
最近「名前の持つ意味」がなにかと重要と思えてくる中で、なぜ「森乃イブキ(息吹)」じゃなくて「イビキ」なんだろうといつも不思議に思っているのですが、んー…(由来はわからず)。
 
彼の初登場は、第5巻中忍試験、ナルトが大の苦手とする「ぺッ…ペーパーテストォォオ!!」の試験官としてでした。 ボフッと(瞬身らしき術で)現れた試験官集団の中でもひときわ異彩を放っていた… 拷問の傷痕とイカつい顔、大きな図体と新米下忍たちを威圧する風格。無造作に羽織ったコートのポケットに手を突っ込む姿がサマになる、強面の男・・・
 
 
イビキに対する一般的な見解は、中忍試験当時(第5巻)のアスマ、紅、カカシの会話で見てみると…
 
(アスマ) 「今年の第一の試験官、あの森乃イビキだそうだ」
 
(カカシ) 「……よりにもよってあのサディストか…」
 
(紅) 「サディスト?」
 
(アスマ) 「紅…お前は新米上忍だから知らねーのも無理はねー…」
 
(紅) 「…いったい何者なの?」
 
(アスマ) 「プロだよプロ…」
 
(紅) 「プロ?…何の…」
 
(アスマ) 「拷問と尋問!」
 
「サディスト」とか「拷問と尋問の“プロ”」…それがイビキの一般的な「イメージ」、あるいは認識でもあるらしい。
 
最近になって紅とイビキはほぼ同期と確定し(63巻で)、5巻当時のこの会話は「なぜ紅はイビキを全然知らないんだろう?」などの疑問も生じますが、まぁ細かいことは気にしない…(それより紅、アンコ、イビキ達を「ほぼ同期の中忍試験仲間」と新たに設定した岸本先生の「意図」のほうが気になるので)。そして、それはイビキも「カカシ・オビトと同世代」であり、第三次忍界大戦という最も悲惨な戦争を最も多感な13~4歳の頃に経験しているということでもあります。
 
ナルト達が17歳で第四次忍界大戦を経験したことも 今後の彼らの人生に大きく影響してくると思うんですが、イビキ達もあの年齢で第三次忍界大戦を経験したことは、彼らの人生観に大きな影を落としていると思うんですよね… 
第三次忍界大戦、まだ若い少年達(今なら木ノ葉丸より年下ぐらいの少年達)まで前線に駆り出され利用されたあの時代は、忍世界が「理想」を追求した結果、歪みも極まって限界に達していた時代…最も過酷で最悪な状態にまで行きついていた時代だと思います。イビキもその時代の体験を持ち、体だけでなく心にも多くの傷を持つ世代の一人でもあります。
 
とはいえ「イビキ」という人物は、キャラクターとしては(大袈裟に言えば)彼の登場シーンを全部をカットしてしまっても「物語は十分成立する」ぐらいの存在なんですよね(大袈裟に言えば、って話)。話の大筋に関わるわけでは無く、彼自身の物語が展開するわけも無く、時々「部分的に」登場してくるだけ・・・でもなぜか強烈な印象を残してくれる。それは彼の「強烈な個性」によるところもありますが、彼が“忍とは何か”ということを考えさせてくれる存在だからなのかもしれません。
 
NARUTOに登場する“忍”達の中で、イビキのような「尋問部隊」はあまり目立たない。情報取りの為に「外」に出ることもあったみたいだけど、だいたい彼は里に居て建物の中で「尋問」するのが専門だから、仕事は「地味」(この戦争中も里に居るみたいだし)。実際の「戦闘能力」にしても同じ暗部出身のヤマト、カカシ、イタチなどに較べたら「そこまでじゃない」のかもしれないし… 木ノ葉崩しの時も大蛇相手に苦戦し自来也に助けてもらっていたし、ペイン戦では「ここはオレと暗部に任せて」とカッコいいセリフを決めてはいたけど、実際に術を繰りだし主に戦ってたのは仮面をつけた暗部の忍達のような気がする(アニメではなく原作上での話)… 
でもそれはイビキが「弱い」というのではなく、彼の専門はあくまで《拷問と尋問》だからということです。彼が死守するのは「情報」…それは地味で目立たない仕事だけど、過酷な命懸けの仕事でもあります。
 
《情報とはその時々において命よりも重い価値を発し 任務や戦場では常に命がけで奪い合われるものだからだ…》
 
これは第5巻中忍試験でイビキがナルト達に語ったセリフですが、「命より大切な」情報を扱うだけに、イビキの任務は常に“命がけ”…
 
54巻、鬼鮫の回想中に「イビキとの交戦場面」が出てきますが、あの時、鬼鮫が護衛についていた霧隠れの暗号班をイビキ率いる木ノ葉の小隊が取り囲み、鬼鮫は「敵の捕虜になるぐらいなら」と自里の暗号班を斬ってしまいましたよね。それをイビキは「なぜ仲間まで?」と、“そこまでやるのか?”的な「驚き」の反応をしたのですが、鬼鮫は言うんですよね…
 
「情報は命より重い時がある アナタなら分かるでしょ」と。
 
イビキは「なぜ」と質問したものの、本当は鬼鮫の言う通りよく「分かる」はず…いや「分かってしまった」と思うんです。
 
当時鬼鮫は「血霧時代の霧隠れ」の暗部に所属していたわけですが、「情報漏れを防ぐための仲間殺し」はなにも「残酷な血霧時代の霧隠れだから」の話じゃあないんですよね。 木ノ葉だって「表向きは」そんな汚い事はしないことになっていただけで、見えないところ、ダンゾウ率いる“根”がそういう仕事をやっていたんですから… カブトやノノウの悲劇もそうだし、木ノ葉だって血霧の霧隠れと何ら変わらなかったんですよね。 
だからイビキは「なぜ」なんて問いながら、鬼鮫アナタなら分かるでしょ」と言われ、おそらく何も返せなかったに違いない…
 
「情報は命より重い」という言葉の意味、それは「そういうことだ」と…「なぜ」と尋ねる事自体の虚しさも、イビキは十分分かっていたと思うんですよね。
 
「アナタなら分かるでしょ」… 
 
この言葉には「当たり前のことでしょ」という意味だけではなく、アナタなら「こんな不条理な事をしなければならない辛さ苦しみ」も分かるでしょという響きも感じるんです。  
あの時鬼鮫は「仲間殺し」をしたのはどうやら初めてだったみたいだし、あの記憶は鬼鮫にとっても「最も辛い記憶」として残っている…。「里」という境界線を越え、同じ「忍」としての苦しみを…同じ「情報を死守する任務に就く者」としての悲しみを、あの時、鬼鮫とイビキは共有していたのではないかと思います。これも里を守るため「堪え忍ぶ」ことなのだとお互い自分に言い聞かせて…お互いに心の内も「分かっていた」のではないでしょうか。
 
「情報を守る」ということは、里を守るという事… だからその為には仲間をころす事もある。そんな矛盾に直面しても堪えなければならない…情報を守るとは、過酷な仕事。まさに「堪え忍ぶ」仕事…
 
 
(イビキ) 「これからアンタの罪状認否を取る それと…アンタが接触していたこの男(角都)…この男の事を話してもらう」
 
(ザンゲイ:○所臭い換金所の男) 「フン…チクリはやらねェ」
 
(イビキ) 「……」「なら話してもらうのは止めだ…」
 
「オレのやり方で吐かせてやる!」
 
このイビキ(37巻)は迫力があってなかなかカッコよかったのですが、今思えばあの時のイビキの気迫は「殉職した同期アスマの為に」の想いがあってのことだったかもしれませんな… 
 
そして、その「オレのやり方」とは…
 
「イビキは人間の心を知りつくしている…そして最もあいつの恐ろしいところは相手を心理的に追いつめることで精神を操りいたぶり…」
「人間の本来持つ弱みを浮きぼりにすることだ」 (これはアスマの言葉)。
 
イビキは山中一族のような心を覗き見る術を持っているわけでも無いし、どうやら強力な自白剤を使う訳でもないらしい。 彼の「やり方」とは、「相手を心理的に追いつめるやり方」…相手の心の弱点を浮き彫りにして落とすやり方。要するに「心理のプロ」なんですよね、イカツイ顔にどデカイ図体に似合わず、使う手段は肉体的に傷付け追い込む方法ではなく「心」を読み心を使うテクニック… 
その為に必要なのは、まず相手の話をよく聞いて、相手の情報から相手の「心」を読んでいく作業…
 
香燐の取り調べでも、イビキはまず香燐に「話をさせる」んですが、香燐は自分の辛かった身の上話を始めてしまい、イビキの部下は思わず「そうか…つらかったねェ…」なんてもらい泣きしちゃってるんですよね。でもイビキは顔色一つ変えず冷静に「お前の生い立ちを聞いてんじゃない… “暁”サスケカブトについての情報を聞いている」「お前もいちいち感情移入するな」と部下にも注意している… 尋問部隊としては《感情移入》はもっともやってはいけない事。
 
でもその後も「イビキの部下」は香燐を見て「かわいそうに…」なんて言ってたし、本来やってはいけない《感情移入》をやっちゃってるんですよね。 
尋問部隊とはいえ、イビキ以外はしょ~もない「出来ない部下」だと笑えてしまう話でもあるんですが、いや、イビキ流の吐かせ方の手順「情報を聞き出すために相手の話を聞き、相手の心を読む作業」はどうしても「感情移入しないではいられない」のだろうと思います。それはごく自然なこと…
相手の「心」を知ろうというのだから、そりゃ心も揺れてしまう。相手がたとえ「敵」であろうと。
 
ナルトがオビトの心の中を見た時に九喇嘛が「心が揺れないように」ナルトに注意してましたけど、揺れて当然なのかもしれません。ナルトだけじゃない…誰だって本当は相手の事を知って相手の立場を想い、相手の心を知ってしまうと「分かってしまう」。660話で分福が言っていた『元来人間の持つ裏の心は受け入れあう事を望んでいるのです』のように… 
 
だけど忍である以上、里を守る以上、情報を守る以上、相手の心をたとえ知って「分かってしまっても」、分からないような顔をして揺れる心を抑え「堪えねば」ならない…それが今までの「忍」だったのだと思います。 だから感情移入してしまう部下達に注意しながらも、イビキは部下達の気持ちはよーく分かっているんじゃないでしょうか。 そして『元来人間の持つ裏の心は分かりあう事を望んでいる』ことも… 
「尋問のプロ」として相手の心を知りつくしているイビキならではこそ…
 
木ノ葉の強面「サディスト」は、敵の心を誰よりも分かってしまう… そして本当は「人間は分かり合える」ことも誰よりも分かっている、誰よりも「感情移入」出来てしまう忍なんじゃないだろうか。
そして「情報は命より重い」と心を刃で抑え、相手の心を分かってしまう為に揺れる心も刃で抑え、堪え忍んできた“忍”…
 
自来也も、一人で雨隠れに潜入して情報を集めた時、敵の下っ端の忍の「心」に触れ揺れる場面もありましたっけ。 木ノ葉崩しの時、苦戦するイビキを「屋台崩しの術」で救った自来也「久しぶりだのォ…イビキ… ったく成長したのはその図体だけかァ!?見ちゃられねーのォ!」と言ったのは、イビキの「不甲斐無さ」をからかったのではなく…あれは世界を歩き「情報収集」する旅で知った 《イビキの苦労》を想った、自来也流のねぎらいの言葉だったんじゃないだろうか。 図体はいくら大きくても、本当は「繊細な心を持つ」サディスト・イビキの本当の姿、本当の苦悩を「分かる」自来也だからこその「ねぎらい」…
 
 
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(これが「サディスト・イビキ」の本当の素顔なのかも…)
 
 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
 
 
(ナルト好きブログ!2014/01/06)