ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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リンの「笑顔」

リンの「笑顔」

カカシとオビトの手を取って、二人をグイっと引っ張ってくれたリン…(686話)
 
かつて《私だって本気でこの戦争を止めたい 世界を救いたいと思ってるよ》 《だからオビトのこと側でしっかり見守るって決めたの》と言っていた通り、彼女は今でもオビトとカカシを「側で」ちゃんと見てるのかもしれないなぁ…と思います。 今だけじゃなく、今までもずっと…彼女の魂は「側に」いたんじゃないでしょうか。彼らには見えなかっただけで…
 
 さて、今回の「リン」は、この前666話でカカシとオビトが共闘した時…ミナトが回想したエピソードの「続き」なわけですが(子供カカシとオビトがケンカして、ミナトが「足並みが揃わないね」と心配する中で、リンは「たしかに…でもね」「そこは私に任せて 私が二人をちゃんと…」と言って、ふたりの真ん中に入って手を取り引っ張った…もっとも二人の「位置」はあの時とは左右逆ですが)、リンには、すでに「十数年後の今のカカシとオビト」の姿が見えていたんじゃないだろうか…あの子供の頃から。
 
 リンという少女にも、ある種の「不思議な力」があるといいますか…彼女の大人顔負けの洞察眼、そして大局的に物事を捉える事が出来る「おおらかさ」には驚かされます。 見た感じは、ごく普通の少女なんだけどなぁ…。 
 
 27巻の「外伝」を読んだだけでは「若いのに優秀な医療忍者」ぐらいにしか思わなかったんですが、オビトやミナトの回想に登場するリンの姿を見て、彼女の「先を見る眼」と「本質を見抜く眼」の鋭い事に驚きました。 ヒナタの「人の本質を見抜く眼」にも驚かされることが多かったけど、リンも同じというか、それ以上というか…。  64巻のネジの死で、ヒナタがナルトを励ます会話…オビトがジッと見てましたけど「リンに似ている」と思ってたんでしょうね…あれは。 
 
 リンは、昔「落ちこぼれ」だったオビトの「火影になる夢」を本気で信じていたし、ヒナタも「落ちこぼれ」だったナルトの可能性を信じていた。 ヒナタにしてもリンにしても、別に「人の心の奥底」を覗ける能力がある訳じゃないし、予知能力がある訳でもない。 ただ…彼女たちは、ちょっと他の人達とは違うモノの見方捉え方を出来るという事でしょうか。
 
 ヒナタが「落ちこぼれだったナルト」の可能性を見出したのは、ナルトが「誇り高き失敗者」だったからでもありますよね(中忍試験本選前)。 あの時、ヒナタはさらっと「ナルトくんは誇り高き失敗者」と言ってましたが、その発想は「ほとんどの忍に出来なかった発想」でして、歴代火影でさえ「己の失敗を許す事が出来ていなかった」。
 だけどナルトは「己の失敗を素直に認めて成長できる」…そこに「他とは違う可能性」をヒナタは見出したんですね。 これ、イタチでさえ「穢土転生されてやっと気づいたこと」なのに、ヒナタは12歳のころから自然と「分かっていた」んですねぇ。難しい理由とか「根拠」なんてモノは無かったのかもしれないが、ヒナタは「ナルトにあって他の人に無いモノ」を敏感に感じ取ることが出来てたんですね。そしてそれが大切なものだってことにも。
 
 そしてリンが「落ちこぼれだったオビト」の可能性を信じていたのは、オビトの「遅刻」はけして無駄ではなく、そしてオビトが「従来の模範的な忍」やら「決まり」にこだわらない人物だったからでしょうか。 当時、他の人達から見たら「火影」により近いのはカカシであって「オビト」ではなかった(と思う)。それにリンはカカシの事が好きだったのに…でもなぜか「火影はオビト」と本気で思ってたんですよね。
 
リンは「本気で戦争を止めたいと思ってる」とも言っていた…戦争を止めるには、今までとは「全く違う発想」が必要だと感じていたのでしょうか。その為には「模範的な」カカシよりも、「既成の発想にこだわらない」オビトのほうが「世界を変える」ことは出来ると感じていたのかもしれないですね。 だから、オビトが何度遅刻してきても毎回「リンだけは」笑顔で迎えていた…
 
ヒナタもリンも…「従来の発想」にこだわらず、「従来」とは違うモノの考え方、捉え方が出来ていた。だから…目の前を包む「モヤがかかったような世界」の外、さらに「先」が見えたのでしょうか。
 
そしてリンは十数年前(666話ミナトの回想の時点)、「足並みが揃わない」ことを心配するミナトに対して、なぜリンは微笑んでいられたのか。
 
「道は真っ直ぐ最短に」というカカシ、「道すがら色々」のオビト…
「決まりを守らないと仲間を危機におとし入れる」というカカシ、「ならオレが助けてやる」というオビト…
 
二人が「言い争ってばかり」なのは、お互いの意見を押し付け合って、どっちが正しいか決めようとしてるからですよね。だけどリンは「肝心な部分」をちゃんと聞き取っている。 
肝心な部分…どっちにしても「仲間を危険な目に遭わせず、仲間をちゃんと守りたい」と言ってるって事… 「方法論」は違えど、やりたい事は同じ。だからリンは「足並みが揃ってなくても問題ない」と思えたんでしょうね(きっと)。 で…二人を強引に引っ張ったのは「つべこべ言わずにとにかくいらっしゃい!二人ともこっちなんでしょ?」と思えたからなんだろうな…。 
 大切なのは「方法や手段」ではなく「目的、意志」だってリンは分かってた。リンが二人のケンカを微笑んで見ている姿は、まるで「母ちゃん」…それも細かい事は気にせずに、肝心な大切な部分を見抜いて子供同士のけんかを見守っている母ちゃん…なんだかすごくおおらか。 
 
(でも666話の回想…屋根の上の高いところから見守ってる「ミナトとリン」…そして地上のカカシとオビト。ミナトとリンが「空から」地上の二人のケンカを見守ってるみたいな絵)…
 
 彼女にとって、カカシとオビトの「足並みが揃ってない」ことはたいして問題ではないんですね。 ミナトでさえ「足並みを揃える」事が重要と考えていたようだし、あの自来也や柱間でさえ「足並みを揃える」事にこだわっていた。 自来也大蛇丸と「一致する」ことにこだわったし(それで失敗した)、ナルトだって最近まで「サスケを連れ戻す(サスケを自分側に一致させる)」ことにこだわってましたよね。
 でも…リンの考え方だと「違ってていい」…考え方が違っても方法が違っても、同じことを望んでいるなら「誰かが間に入って繋げればいい」ってことになる。 この考え方、今までほとんどの忍ができなかったことなんですね。
 
大蛇丸は『一枚岩ではいられない』と言っていましたが、3人集まれば誰か一人ぐらい違う事を考える。だからって多数決で決めて「一枚岩」にならなくっても…違う考えのまま、違いを認め合って補い合えればいいのかもしれない。 大蛇丸も「やっと」その事に気づいたようでしたが、まだ綱手は気づいていないみたいだったし、ほとんどの忍はまだ気づいていない。 なのに…リンは「分かってた」。
 
全てを一致させようとして無理だと気付くから「先」が見えなくなってしまう。 
だけど「揃わなくても一緒に行ける」と分かれば…「先(希望)」も見えてくる。 だからリンは微笑んでいられたんですね、いつも。 
 
そういう意味では、リンは…どんな「偉い忍」達よりも、ずっと「先」が見えていたのかもしれません。たしかな「先」が…   
それはまだ13~4歳という純粋な年齢だからこそ見えた「先」なのか、年齢に関係なく女性だからこそ見えた「母のような視点から見た先」だったのかな…
 
 
(カカシとオビトは、31歳(ぐらい?)にしてやっと先が見えたようだけど…)
 
 
 
 
☆駄文読んでくださって感謝。
 
 
 
(ナルト好きブログ! 2014/07/31)