ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO-ナルト- 687:お前は必ず 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ36号) その1

NARUTO 687:お前は必ず その1

 
 
イメージ 1
 
「ナルト… お前は… 必ず火影になれ」とオビトの遺した言葉に、 
 
………「ああ!!!」と答えるナルト。
 
 
 「今週のこの画」と言いたい為に「冒涜」承知で下手模写を載せていますが、是非とも「ジャンプ」か「コミックス」の紙面で《本物》を見て下さいな…。 
こんなにも「魂」を揺さぶるような画は、キッシーにしか描けないんじゃないだろうか。 ナルトの溢れんばかりの《様々な》想いが、見る側にもドッと入ってくる…流れ込んでくる。
もうね・・オビトがナルトに贈った言葉を読んで…そしてこのナルトの顔を見たら、切なくて悲しくて堪らなくなるのだけれど、でもなぜか嬉しい気持ちにもなって…悲しいけど「よかったね」とも思えてくる。

 ついにオビトとナルト達のエピソードも1つのクライマックスを迎えましたね。いや、NARUTO-ナルト- の中でも最も大きなクライマックスと言った方がいいかな…第七班の物語としても、ナルトが「火影」になる物語としても…今回は大きなクライマックス。 でも、新たな始まりでもある(と私は思う)。
 
 「残せし者」オビトは体こそボロボロと崩れていきますが、その表情はとても爽やかで穏やかに微笑んでいる・・いい表情なんです。だけど「継ぎし者」ナルトのほうは表情も複雑なんですよね。 このナルトの顔、「笑顔」にも見えるし「悲しい顔」にも見えるし…「嬉しい顔」にも見えるし「怒りの顔」にも見える。 「決意の顔」でもあれば「悔しさを抑え込むような顔」でもあり…それら「全ての感情」が全部混ざって、爆発しそうなギリギリで「グッ」と抑え込んだような…ナルトの体の「熱さ」がそのまま直に伝わってくるような表情に見えるんです。  ナルトが堪える涙は「嬉し涙」と「悲しい涙」…どっちなのかな(両方かな…)。
 
 
・継ぎし者の一人、カカシ
 
さて、先週「また守られてしまった」カカシですが… う~ん、やっぱりカカシは沸点に達するまで、時間がかかるようですね;
 
 「ど…どうしてだ…!?」 「互いに覚悟はもう……」
「お前の力はまだ今ここで必要だ! なぜ役にも立たないオレのために…!?」
 
カカシの語る「死ぬ覚悟」…
 
683話でも「とっくに決まってた」と語っていたし、666話でオビトと共闘した時には「覚悟はいいか…」とオビトに問われ「ああ…最後の作戦がお前とでよかったよ」と答えていましたっけ。
 
 この「お前とでよかったよ」の一言に、カカシの人生でいかに「オビト」が大きなウェイトを占めていたかを改めて痛感させられたんです。「オビトと共闘して仲間の盾になる最期」は、カカシにとっちゃ「夢」でもあったのかもしれないですね。 そしてオビトと一緒にリンのところに行って「ミナト班でゆっくり話でもする」ってのが、カカシの「夢」だったんだろうか(もしカカシが無限月読にはまってたら、ミナト班でオビトと“仲良く”ケンカしてる夢でも見てますよね、きっと)。
 
 だから、このチャンスは「忍の死に様」として本気で「最高」と思ってたのかもしれないし、カカシ…助けられたことに対する「戸惑い」に加え、ちょっとイラッとしてるようにも見える。 それはカカシを助けちゃった「オビトへの苛立ち」ではなく、「役に立たないオレが残ってしまう」という「無意味な結果」ヘの苛立ち。
 
 にしても《役にも立たないオレ》って…もう、カカシは完全自己否定ですね。
 
 この前リンに「ありがとう」と言えたのも、所詮まだ「死を前提にした上の自己肯定」でしかなかったのでしょうか。盾になる事は「死に様」としては最高だったけど、このまま役立たずで残るのは「生き様」として最低だと思ってるんでしょうかね…カカシは。
 
 でも…カカシの気持ちも少し分かるような気はするんです。 
写輪眼を失って「神威」も「雷切」も使えないうえに、「司令塔」としての役割も今はサスケに譲ってしまってる(678話で)。 今までエリートとして先頭に立ってきた分、この惨めな状況に「己を卑下しまくりたくなる」のも分からんではない。 今のカカシは「ナルト達の中」に“先”は見えたとしても、「カカシ自身」の“先”は見えていない…カカシの“先”は真っ暗なんじゃないだろうか。 だから…「オビトと一緒に逝きたかった」のは、かなり切実な「本音」だったのではないかと思います。
 
 それに、カグヤとの戦いに於いてカギを握るのは《神威》…時空間忍術ですよね。
 
 「神威の目(オビト)」を失ったら、カグヤとの戦いが圧倒的に不利になる…カカシにはそういった現実的な「不安」もあっただろうと思います。  当然オビトだってそれは分かってるだろうけれど、それでもオビトはそれ以上に「ナルト達3人は今大切な時だ」…そして「カカシは新しい世代の支えとして必要」だと考えてる。 オビトが本当に見ている「先」は、「目先(カグヤとの戦い)」ではなく、もっと先…「その先にある未来」なんですね。 
 ナルト達が作っていく未来に「カカシは必要」だとオビトは信じている。そして「今の戦況を有利にする」神威の目よりも、「先を守る」カカシのほうがずっと大切だと考えてる。
 
しかし、カカシも「覚悟」を空振りにさせられて、かなり戸惑っているようですね。 「そんなことより…敵に…注意しろ… カカシ…」とオビトに言われて、カカシは「…!」と慌てて前を見てますが、なんだか「カカシらしくない」。 珍しいですよね、普段なら「注意する側」であるカカシが、他人に注意されるとは…それほど、「いつもの冷静さを失うほど」カカシは動揺してるって事だろうか。
 
 その後、努めて冷静さを保とうとするカカシですが、それでも「ナルトとオビトのやりとり」が気になって「敵」に集中できていないし、それにカグヤが「始球空間」に場をチェンジした時には「また世界を変えたのか!?」と言ってますが、そうか…カカシだけ、この「始球空間」を知らなかったんですよね。ここでもカカシはちょっと蚊帳の外。
  カカシの横でずっと「オビトを助けようとしている」ナルトのことを、カカシはただ「……」と見ているだけだし、
サスケが一人でカグヤにどんどん向かって行くのも「……」と見ているだけ。
カカシはアレコレと考えてはいるものの「どうしていいか分からない」感じ。
 
 だけど、オビトが言った「ありがとな…ナルト」の言葉に、カカシは何か「ハッ」としたような顔をする。 オビトの「ありがとう」が、カカシの「モヤモヤ」と「イライラ」をスーッと消したのだろうか…? (これはナルトに言った言葉ではあるけれども)。
 
 残される者にとって、先に逝く者が「ありがとう」の言葉を遺してくれることって、ホント唯一の「救い」なんですよね… もし「すまない」と言われたりしたら、残された者のほうが何だか悲しくなってしまう。 
 そして、逝く者が「ありがとう」と残すのは、この世界を「肯定」することに他ならないと私は思うんです。 この世界を肯定し、己を肯定できなければ「ありがとう」の言葉は出てこない… オビトはナルトと出会って戦い、そして共に戦い「ありがとう」と言った…それはこの世界での繋がりへの感謝、この世界に居られたことへの感謝、時間を共有できたことへの感謝、夢を取り戻せたことへの感謝…「生きていてよかった」という事でもあります。  
 
 オビトはこの世界に対する「否定を後悔」し、それを「嬉しかった」とも言った。「否定の後悔」は「強い肯定」… この忍世界を「ぶっ潰す」と言っていたオビトが残した言葉が、この世界の強い「肯定」…「ありがとう」の言葉だった。  そしてその事は、「あの世」に逃げ込む言い訳(理由)を考え中だったカカシを「この世に引き留める」一言にもなったんじゃないだろうか。
 
(そして、オビトがナルトに言葉を遺している間…ナルトもグッと涙を堪えて俯いていたが、その間…カカシは完全にうつむいてしまう。目は瞑っているように見えるが、その表情は影でよく分からない) 何を考えているんだ…カカシ。 
 
 
・そして「継ぎし者」…サスケ。
 
 で…気になっていたその後の「サスケ」の反応なんですが、オビトがカカシに「そんな事より…敵に…注意しろ」と言った時、サスケは「……」とオビトの顔を無言で見つめてるんですね。
 で…その後サスケはどうしたかと言うと…さっさと一人で「敵との戦闘モード」に切り替えるんです。
 
 瞳力が戻った瞬間に、即《フッ》と空間を入れ替え、カグヤに千鳥をぶつけようと動いたり(カグヤは場の転換を行って《ヒュン》と逃げてしまうのだが)、失敗しても「すぐに」次の作戦に切り替え、今度は須佐能乎をメラメラと出し「ナルト今度はオレが陽動をかける… そいつはもう助からん …こっちへ来い」と誘うものの、ナルトが誘いを無視すると、一瞬「……」と見つめた後「即」ナルトを置いて「先に行く」と一人で行動に出る。サスケは「一刻も無駄にしないように」して、カグヤに向かって行く。
 
 サスケの言動は相変わらずクール(というよりは冷淡に近いかな)に見えるんですが、私は「サスケはサスケなりに」オビトの意志を《しっかり》受け止めたんじゃないかと見ております。 なぜなら…サスケはオビトの「そんな事より敵に注意しろ」という言葉を聞いた後、ちゃんと敵から目を離さず「チャンスを逃さないように」敵に専念しているからなんです。
 ナルトとカカシがオビトのところで「オビトとの最後の時間」を費やしている間…サスケは一人で戦いまくってるんですが、それも「駆り立てられるようにして」戦ってる。  サスケがここまで徹底して「カグヤ」に集中しているのは、せっかくの「オビトの気持ち」を尊重してるからだと私は考えます。 サスケの言動は確かに「ちょっち分かり辛い」んだけども、でも…これも以前『サクラがマダラ相手に陽動で飛び出した時』と全く同じパターンです。 
 
 あの時も、サスケはサクラの陽動にすぐ続いて「サクラの陽動を無駄にしなかった」。で…ナルトは傷ついたサクラを心配して「マダラを倒す事よりサクラちゃんを守る事」を優先したけれど、サスケは「マダラを倒すことを優先」したもんだから、「冷たい」と誤解されちゃったんですよね。 
 で…今回もサスケは「オビトが盾になってくれたこと」を無駄にせず、オビトに言われた通り「敵を見続けた」… 
 
 ナルトがサスケの「誘い」を無視した時、サスケは須佐能乎の中からジッと(ちょっと険しい顔で)ナルトを見てますけど、これもまた例のイヤらしい「影効果」のせいで余計怖い顔に見えている事を考慮せねばなりません… で、結局サスケはナルトを待たずにサッサと一人で動きはじめますが、これ…私は「半分ナルトを無視、半分ナルトを尊重」したのではないかと思います。
 
こういう事で考えが割れた時、ナルトもサスケも互いに譲りませんもんね(笑) それは既に何度か「衝突済み」で分かってる…だからサスケはサッサと一人で動き出したんじゃないかと思います。
 
 死にゆく仲間を放っておけないナルトと…目的達成のために感情を抑えて動くサスケ。  2人の選択は、いわば「サクモの選択」「ドダイの選択」なんですよね。 目の前に居る仲間を優先する(サクモの選択)か…大勢の仲間を考えて目の前の仲間に目を瞑る(ドダイの選択)か。でもこれ、どっちがいいかなんて…答えはきっと出ないと思うんです(当ブログでは、この2つの選択について何度か取り上げてまいりました)。「どっちか」を選ぶのではなく…こういう時はそれぞれが自分の選ぶ方を守り、結果としてお互いに「補い合えば」いいのかもしれない。
 今回の「ナルトとサスケの行動」は足並みが揃ってないようにも見えるけど(実際揃ってない)、だけど「それでいい」ような気もします。こういう時は「無理に一致させる必要はない」…ナルトとサスケは、何度かの衝突を経て何となく「共闘のコツ」が分かってきたんじゃないだろうか 。 
 
 でも、今回もナルトとサスケは「足並みが揃ってなくてバラバラ」に見えるけれど、結局二人共「オビトの想いに応えたい」と思ったうえでの行動である事に「変わりはない」と私は感じています。ナルトはナルトのやり方で、サスケはサスケのやり方で…オビトの想いに応えているのだと思います。
 
 ちょっと冷たく見えるサスケだけど…だけどカグヤと戦いながらも、オビトがついに「灰」になって崩れてしまった時…「!」と見てるんですよね…(そして「何か」感じているはず)。 もし「何も感じてなかったら」…オビトの最期をこんなふうに見たりはしない(と思うんです)。サスケはオビトと接する時間が長かった分、ナルトとはまた違った感情をオビトに抱いているんじゃないだろうか。それも思い返してみて「今だからこそ思う事」ってのも、かなりあるんだろうと思います。
 
  
・そして《ナルトとオビト》…
 
 
六道マダラ戦になってからだったかな…「これ以降はもう戦死者は出ないのではないか(特にメインのキャラには戦死者はもう出ないのでは)」と何度か書いてきましたが、それは(あんまりこういう読み方はすべきではないとは思いますが)ネジのいないラストは考えられない…と漠然と想像しているからなのです(根拠のない、いい加減な「予想」でしかありませんが)。 この戦争は「2日間」という極端な「短さ」が特徴ですが、そのおかげで魂が戻る“器”(体)もまだ残っているだろうから…戦死者オール復活も「可能性としてはある」とも考えてるんです(それが倫理的にいいとか悪いとかいう話をしているわけではないので、その点に関する御意見は何卒ご容赦)。
 
だけど今回の「共殺しの灰骨」という術を見る限り、「オビトの復活」は無さそうに見えます(断言はできませんが、“器”が残らない術なので…)。 だから、万が一「オール復活」があったとしても、オビトは「適用外」になる可能性もある。 
 
 私は、忍は「死に様」じゃなくて「生き様」の時代になって欲しい、死に様を美化して肯定する世界から脱却してほしいと願っていますので、それはオビトに関しても例外ではありません。 今でも、せっかく生きていたのだから、カカシの友として、そしてナルトやサスケの兄貴分として、あるいは木ノ葉のジジババの為に「生きて欲しい」と思っていました。  でも、「オビトに関しては」これで良かったのかな…という気も(実は)ちょっとしています。 そう考える「理由」は後述しますが、オビトは「例外」としても…私は「忍は“生きる”にこだわるべき」と考えます。
 
なので…ナルトが最後の最後まで「オビトの死の運命」に抗ってでも助けようとした事、オビトに「生きて欲しい」と願い諦めなかった事…それが何よりも嬉しいのです。 あっさりと「カッコいい死に様だった」と受け入れるだけではなく…ボロボロに崩れていく肉体を目の前にしても、それでも「生きていてほしい」と願ったことが嬉しかった。 
 
 生きて罪を償わせるとか責任を取らせるとか…そういう観点ではなく、ただ純粋にオビトに「生きて欲しい」と「死なせたくない」と願った「命を守ろうとした」ナルト。 どうにもならないと分かりながら「くそ!くそ!!」と最後まで諦めなかったナルトの想いは、温かい「手」を通してオビトの背中にも伝わったのではないか…と思います。
 
 
 
(その2まで続けます、
ここまで読んでくださって感謝…)