ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO-ナルト- 総集編雑考 ①ナルト、そして物語のはじまり

NARUTO-ナルト- 総集編雑考 ① ナルト、そして物語のはじまり

NARUTOもラスト5回のカウントダウンに入ったという事で、最終回に向けて、今さらながらナルトの物語を《総集編》雑考としてざっと辿って行こうと思っています。総まとめ的なものなので、今までの各雑考の中で語った話も入ってますが…
 
まず最初は「第一巻第一話」のNARUTO-ナルト- の始まりを。
 
なんといっても「第一話」は今までの中で一番大切な物語…おそらく最終話とは「対」となると思われる大切なお話(だと思う)。で…
 
NARUTO冒頭の言葉は…
 
昔 妖狐ありけり 
その狐 九つの尾あり
その尾 一度振らば山崩れ津波立つ
これに困じて人ども忍の輩を集めけり
僅か一人が忍の者 生死をかけこれを封印せしめるが その者死にけり
その忍の者 名を 四代目火影と申す
 
…でした。
 
一番最初は、ちょうど17年前の10月10日…九尾事件の話と、それを救った英雄(四代目火影)の記述で始まっています。 そして物語は17年後の10月10日で終わろうとしている。 夜が明けて、その四代目火影から「誕生日おめでとう」と言われた時点で、ある意味NARUTO-ナルト- の物語のメインの部分は実は「終わった」のかもしれません…。 トビはナルトとサスケの闘いを「余興」と言ってましたが、だけど余興とはいえ…「最も重要な」エッセンスが詰まった「締め」なのかもしれないとも思います。
   
第一話の扉絵…ナルトとサクラ、カカシは蝦蟇に乗り、サスケも一緒に居るけど、サスケだけは鷹に乗る…
これは「未来」を予感させるような絵ですが、あの絵の中に最終話のヒントもあるのかな…?
 
そして第一話、ナルトはいきなり「イタズラ」姿で登場する…小さな身体に闇を宿した少年は、自分の存在を認めて欲しくってイタズラしては皆を困らせる。
後々、ナルトはこの頃の心境を「尾獣達の気持ち」と重ねていましたよね。四尾の孫悟空『オレも少しだけどお前の気持ちは分かんよ オレはよくいたずらやった …叱られたくて』と言っていた… そして最近でも、尾獣達の事を『もう悪さはしねーよ』と言っていた… 存在をちゃんと認めてやれば、もう暴れたりなんかしない…あれはナルト自身の事でもあったんだろうか。
 
 
そして、ナルトは「夢」を語る…
 
「先代のどの火影をも超えてやるんだ!」「里にオレの力を認めさせてやんだよ!」
 
今では「とっくに歴代を超えている」と言われているナルトだけど、当時のナルトが火影になりたかった理由はかなり今と違う…「里に認めさせてやる為」…ハッキリ言って当時のナルトにとって「火影になる事」とは、ナルト式復讐の手段だったのだと思います。 自分の存在を認めようとしない「里と里の奴ら」に自分を認めさせてやるための、見返してやる為のツール… 
ナルトの成長は、「火影」の意味を知る過程でもありましたね。だからこの頃に較べると、今のナルトが「火影の意味」をサスケに語ろうとする姿は頼もしく思えます。
 
さらに…「術」。
 
第一話でいきなりナルトは最重要な術《多重影分身の術》を覚えます。
そして結局、最後までこの術はナルトにとって重要な術のままでしたね(やっぱりミズキ「先生」に感謝しなくっちゃ)。 で、この多重影分身は二代目火影・扉間が開発した術である事が67巻で判明するのですが(644話)、あの時の扉間とナルトのやり取りは笑えましたねぇ…「ワシの術だ!」って…。
 
で、さらにもう一つ…ナルトは第一話でいきなり「オリジナル忍術」を開発します。それは「おいろけの術」を発展させた「ハーレムの術」。
ナルトがコレをカグヤ戦で使った時(682話)は、驚いたなんてモンじゃあない…たぶん、あれはNARUTO-ナルト- の中で最高に笑った場面だったかな。 アレは「まさか」でもあり「ナルトらしい」とも思えて…《ナルト大好きだよ!》と思わずにはいられなかった。ナルトも真剣に「これが忍の歴史だ」って言ってましたっけ。あれこそ最後の闘いにふさわしい…
 
《ハーレムの術》、私もアレは忍史上最高傑作の術と思います(真剣)。
 
あの術こそ、本来の理想的な「チャクラの使い方」の1つなんじゃないだろうか。理想的なチャクラの使い方といえば「医療忍術」などもそうだと思いますが、チャクラってのは本来人を傷つける為のものではなく、ハゴロモが言ったように「人を繋げる」ものであったり「人を癒す」ものであったのなら…ナルトの《ハーレムの術》は、その両方の要素を満たしていると思うんです。
 
「人間皆スケベ」という共通要素でもって、敵であろうと味方であろうと「繋いでしまう」…そして一瞬であろうと心を癒す効果がある(癒し方に問題はありますが)…それに、少なくとも人を傷つける為の術じゃあない。そして相手の「心」を引っ張り出す…「心が無い」と言われるカグヤの心でさえ一瞬引き出した…相当な威力です。
 
 ナルトは「あの術」を陽動に使いますが、そもそも「陽動」とは攻撃を仕掛けて相手の「気を逸らせる」もの。 その場合「気を逸らせる」というのは、あくまで視線やら注意をそっちに引き付けるという「だけ」のもの…だけどナルトの陽動「ハーレム(あるいはお色気)」は、単純に気を逸らせるだけじゃなく、相手がこっそり隠し持っている「人間としての本能」…心の奥にあるモノを引きずり出してしまう威力があります。そこが凄いんじゃないかな。
 
 相手の深層心理を利用する術としては「幻術(特にうちはの瞳術系幻術)」がありますが、アレは高度な洞察力を要します。各相手に合わせて、その相手の心の内を見透かすことが出来なければ成り立たない… 
だけどハーレム(お色気)の術は基本「人間皆スケベ」という共通項で人と人を括って繋いでしまう。ナルトは「大人は皆この術に弱い」なんて言ってましたが…

ただしこの術にも「穴」があり、大人にはちゃんと「好み」ってモノがありますから…ビーは熟女好きだった為に「若いナル子じゃ効かなかった」なんてことがあった… その苦い経験を活かしてカグヤ戦ではちゃんと熟女(カグヤ)が好きそうなホスト系イケメンを各種揃えたり(笑)…ナルトも成長したなぁ…。
 
いや、真面目な話…他人は皆「敵」のように思っていた昔のナルトも、どんなイヤな相手であろうと、結局は同じようにスケベ心を持つ『一人の人間』なんだって事をちゃんと認識していたって事なんですよね。 ホントは他人と繋がっていたかった・・ナルトの想いが見えるような気がする。そして、そこが今のナルトの原点となっていると思うんです。人間は皆、同じ何かを持ってるはずだっていう・・
 
 
 そしてどんな相手であろうと「相手を一人の人間として見て、心を繋ぎ合う」という事を、第一話でイルカ先生もナルトに「行動と言葉で」教えてくれた…
 
「ナルト さみしかったんだよなぁ…苦しかったんだよなぁ…」
「ごめんなぁ…」
 
この言葉にナルトは戸惑う…。 びっくりだったんでしょうねぇ、自分のために涙を流してくれるって意味が、すぐには分からなかったかも。
イルカにとってナルトは「親の仇を身に宿す少年」…坊主憎けりゃでナルトの事を受け入れられなかったイルカが、ナルトも自分と同じ「孤独」で苦しんできたんだと理解し(第二の理解)、ナルトのために涙を流した… あとになって、じわじわとナルトにイルカの涙(心)が伝わっていきます。

あの日イルカが教えてくれた「涙」は、ナルトの忍人生を大きく変える事になったハズです。 相手の心を想い、相手と自分に共通する「相手の気持ちが分かる取っ掛かり」を探しだし…自分と繋ぐことをイルカは教えてくれた。イルカは「憎しみの乗り越え方」を示し、教えてくれた…
 
そしてイルカがナルトに与えてくれた《木ノ葉隠れの里の…うずまきナルトだ》という「名前」。
 
それはナルトが一番欲しかったもの… この時、ナルトはボロボロと涙をこぼします。おそらく、あれは…ナルトが最初に人前で流した涙だったのではないかと思います。それまでは素直に涙なんて、他人に見せられなかったと思う…ナルトが他人にはじめて心を開いた瞬間だったと思います。この場面は、のちに「九喇嘛とナルト」が心を開きあい繋ぎ合う場面と見事にシンクロしましたよね。
 
 自分の存在の認定、そして居場所の認定。それは「無い者」にしか分からない苦悩…カブトもそうでしたが、それに苦しんでいる忍達は案外と多かったんですよね。そしてその問題は、物語が進行するにつれジワジワと表面に滲出してきます。
  
第一話で、ナルトが覚えた「多重影分身」の術…そして「ハーレムの術」における忍の「人間としての心」を引きずり出す事。そしてイルカからもらった居場所と存在、名前の認定。 さらにイルカが教えてくれた「敵と思う相手の心を想い理解する事での憎しみの乗り越え方」… 
それらは、ラスト5話になった時点でも、NARUTO-ナルト- の中で最も大きな忍世界の問題、尾獣との関わり方として、より深くナルト達に問いかけ続けています。ナルト達は「より良い答え」を見つけつつありますが、きっと「これからも」…それらの問題は、ナルト達の「課題」になっていくのではないかと思います。
 
 
 
 
 
 
☆駄文読んでくださって感謝。
 
 
 
(ナルト好きブログ! 2014/10/09)