ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

カカシ外伝(戦場のボーイズライフ)における伏線の考察(伏線の宝庫!)

NARUTO-ナルト-総集編雑考 ⑥ カカシ外伝(戦場のボーイズライフ)とは何だったのか…という話

カカシ外伝については…ずいぶんと雑考してきました。 このブログの「柱」の1つでもあったし、私がNARUTOの「考察」に関心を持ったキッカケの1つでもありましたから。
 
「カカシ外伝」は通し番号もちゃんと入った「本編の一部」であり、事実上の第二部と言ってもいい!というのが私の持論でして… 数年前までは、かなり多くの御反論(時にはフルボッコ攻撃)を頂戴いたしました;今ではそれもいい思い出です(笑)
でもなぜ私がそこまで「カカシ外伝」を絶賛するのかというと、実に完成度が高く、かつNARUTOに於ける重要なテーマがギューッと凝縮された物語だからです。セリフから画の隅々に至るまで一切の無駄や手抜きが無いし、考えに考え抜かれた物語だからです。
 
とはいえ…「たった6話」なんですよね;
 
ついこの間「ラスト5」コールがかかって、「たった5話」でどこまで話が進むんだろうと思ってしまいましたが、考えたらカカシ外伝だって「たった6話」だった…。だけどカカシ外伝はたった6話でも「数十巻分に匹敵する語り」がある(と私は思っている)… 
あの短さだからこそ、無駄なくエキスが凝縮されている感じ。長けりゃいいってもんじゃないってのは、いつもの私の「長駄文」が証明しています(自虐)。
 
《多くの伏線》やら《NARUTOに於ける重要なテーマ》ってのが、どのように「たった6話」に凝縮されているか…すこしだけ例を挙げてみます(注:これらは過去の雑考でも取り上げてきたモノが殆どです)。
カカシ外伝は、当然ながら「カカシが写輪眼を得たいきさつ」の物語であり、カカシが友と「再会する」伏線の物語でもあります。 が、その他にも…
 
 
・「戦争」とNARUTO
 
第二部ナルトが立ち向かう事になるもの…それは戦争。
 
カカシ外伝では「第三次忍界大戦」という悲惨な忍世界の戦争について 初めて描かれます。 第一部のナルト達と同じ年頃だったカカシ達が巻き込まれた戦争の悲惨な事実… 第二部を始めるにあたって、作者は「忍界大戦」について描いておく必要があったんじゃないだろうか。
 
 
・「うちはオビト」
 
オビトという人物を「素顔状態で」予め出しておく必要があった…というのもありますが、重要なのは…予めオビトに「(仲間を大切にする忍)が正しい忍じゃないってんならオレが忍をぶっ潰す」と宣言(予告)させている点だと思います。   もし外伝を読まずに63巻(トビの面割れ)以降を先に読んでしまうと、オビトが戦争を起こした理由も正直、よく伝わってこない。
 
 彼が戦争を引き起こした背景には「忍世界が抱える問題」があるんだってことが「第二部開始前」に示されている… それを意識したうえで第二部を読むと、暁やら大蛇丸やら、マダラ、サスケに関しても「違う認識」で見ることが出来るのではないか…と私は思います。
 
 
・波の国の「確認」
 
戦争、そして忍の在り方…そういった難しい問題を解く「鍵」となるのは、一番最初の《波の国編で、ナルトが再不斬に語ったセリフ》に在ると私は思うのですが…(これは波の国の雑考で述べたとおり) 何度読み返しても、波の国のナルトのセリフには作者が伝えたいメッセージがいっぱい入っていると思います。
 
そして…カカシ外伝のサビの部分にあたる「オビトがカカシに拳を食らわせながら熱く語る部分」…作者はそこに《波の国編で、ナルトが再不斬に語ったセリフ》をそのまんま持ってきてるんですね(※過去記事)←最初にマーキングしたのと違う記事にマーキングし直しました
 
ようするに波の国のナルトのセリフを、第二部開始前に「もう一度」出すことで、コレがNARUTOに於いて「大切な言葉」であることが確認されるのです。
これから始まる第二部でも大切な「鍵」になっていくであろう事が、ここで示されている…
 
 
・「チームワーク」と「共闘」物語
 
確認作業といえば、外伝でも強調されている《忍にとって大切なのはチームワーク》という言葉… これは「先生」(ミナト)の言葉として登場します。
ナルト達が忍になった最初の日、カカシが教えた《忍にとって大切なのはチームワーク》という言葉は、カカシの先生(=ナルト父ちゃん)から伝えられた言葉だったと、外伝で判明する…  
 
だからといって「チームワーク」を行動で実現するのはなかなか難しい…
外伝でも、カカシ達はその言葉の重要性は理解しながらも「なかなかできない」。
理解しようとして近づいても、ライバルどうしケンカして、一度は違う道を取りながらも、最後には想いを1つにして「横に並んで」共闘する…「眼と獣」としての共闘をする。 外伝は、難しい「チームワーク」に至る道の物語でもあります。そしてカカシとオビトが歩んだ道は、ほとんどそのまま第二部の「ナルトとサスケ」の「予告」のように描かれる…
 
 
・そして「ミナト先生」がカカシとオビトを通して「ナルトとサスケ」に与えたもの
 
「師」としての在り方に悩んでいたカカシが、バラバラだった第七班の「心の拠りどころ」となって3人を繋ぎ、六道仙人に「師」として誉められたのはついこの間の事…。
 
外伝では、ミナト先生は見事に「カカシとオビト」の間を繋ぐ手助けもしている…
 
 ミナトがオビトに「サクモの真実」を話して聞かせた事が、オビトとカカシの心を繋ぐキッカケになったという話が出てきますが、それが…第二部では、オビトがナルトに「イタチの真実」を話して聞かせ、それがナルトとサスケの心を繋ぐキッカケになる…という形で繋がります。外伝を読んでいれば、「49巻」のくだりが27巻のあのくだりに「似ている」事にも気づく… かつてミナト先生がしてくれた事を、オビトはナルトにしている。 あの時、ミナトがオビトに話していたからこそ「カカシとオビト」の和解もあったし、「ナルトとサスケ」の和解にも繋がったのだと思うんです。  
 
あの時のミナトの言葉、「オビト…少しでもいい…分かってあげてね」の言葉が温かかった…
 
ミナトが、カカシに教えた「忍にとって一番大切なのはチームワーク」という言葉… そしてオビトに語った「少しでいい、分かってあげてね…」 それが十数年後に「ナルトとサスケ」に大きな影響を与えることになったのだと思います…
 
 
・飛雷神の術物語
 
ナルトの「あの術」が飛雷神じゃないか?という期待は見事に撃沈したらしいけど(まだ諦めてない!けど…笑)、だけど外伝では「飛雷神」はとにかく鮮烈な印象を残しました。そのおかげで、私は大の「時空間忍術好き」に…。
 
「時空間忍術」そのものは既に第一部でも「口寄せの術」という形で登場してましたが、第二部では違う形でどんどん出てくるんですよね、第二部開始早々カカシが「神威」を披露したし、かつて九尾事件では四代目と仮面男が「時空間忍術合戦」をしたことも語られ、この大戦でも「飛雷神開発者」である扉間とミナトが何度も鮮やかに「飛んで」… ここまで何度も登場した「時空間」の謎、もっと語られると思ったんですがねぇ…(撃沈)、それはともかく… カカシ外伝の「ミナトの飛雷神」で時空間忍術物語は本格的に幕を開け、それが第二部に繋がったと思ってます。
 
・千鳥物語
 
術といえば、当然《千鳥》もはずせない…カカシ外伝は「千鳥誕生物語」でもあります。
 
NARUTOは「ナルトとサスケ」2人の主人公で成り立つ物語だと私は思っているので、ナルトにとっての螺旋丸の重要性と同じぐらい「サスケの千鳥」の重要性も説明する必要があったのだと思っています。 そして、千鳥が「うちはと千手(里)」の共存の術である事も…
 
 
 ・写輪眼「移植」と「開眼」物語
 
「写輪眼の移植」といえば、第二部でサスケがイタチの眼を貰う…そしてイタチの想いも受け取り、かつてマダラも弟イズナの眼を受け取って…シスイはイタチに意志(眼)を託し、さらにイタチはその眼を「うちはではない」ナルトに託していた…という重要な話が出てくるわけですが、カカシ外伝は「うちは一族は想いを眼に託す」ことが描かれた話でもあります。
 
そして「写輪眼の開眼」…写輪眼、万華鏡写輪眼の開眼は「憎しみ」によって起こるとは限らず、仲間を守りたいと思った時のように「深い愛情」でも開眼することが外伝のオビトの開眼によって描かれてるんですよね。 
だから…忍世界で言われているように「うちはは憎しみの一族」ではなく「愛情の一族」でもある事が、既に外伝で示されているんです。第二部に入って余計「分かり難くなっていく」うちは一族ですが、彼らの本質に在る「愛情」は、外伝によって事前に読者には「客観的に」示されている… 
 
第二部に入っちゃうと、どうしても「里側から見たうちは」しか描かれませんので、カカシ外伝のような「誰かの回想ではない」客観的な描写の物語は貴重とも言えます。
 
 
 
さて、それから… 第二部になって登場する仙術、仙里、自然エネルギーの話。
それらの存在についても、既に外伝でほのめかされているんですよね。 はっきり説明がある訳じゃないけれど、「画」で描かれてる。
 
 外伝の舞台は「草隠れの里の神無毘橋周辺」ですが、外伝スタートの頃の風景(まだ火の国領内そして国境付近と思われる場所)と、その後登場する「神無毘橋周辺」では、明らかに風景が違っているんです。 神無毘橋周辺「だけ」、植物が巨大化しているのです。
 
(ミナト班は、カカシ負傷の為に一度「神無毘」から「国境付近」に戻るのですが、そうすると周囲の植物も「巨大キノコ森」から「普通の森」にいったん戻り…再び神無毘に近づくにつれ竹が巨大化、などと描写が細かい。)
 
 外伝発表当時は、あの巨大キノコ森とか巨大竹林は「面白い絵」ぐらいの認識だったんですが、第二部で「妙木山」が登場して…妙木山が「神無毘」そっくりな事に驚きました。妙木山も自然エネルギーに満ちているせいか、植物が巨大化していた…
 外伝中でも、神無毘あたり「だけ」植物が巨大化していた事を考えると、あの地域は自然エネルギーが満ちていた「特別な場所だった」事が分かるのです。
 
それだけに、私は…神無毘橋の戦いには何らかの「神」が関わっていると思い「十尾とオビト」の関係やら「グルグルの正体」にもこだわってきたのですが、これらの気になる「伏線らしきもの」もどうやら「謎」のまま終わりそう…(苦笑)
とまぁ、少なくとも外伝では「自然エネルギー」やら「神」らしき存在が忍世界に「関わっている」事が既に仄めかされていた…とみています。
 
 
 
 その他にも伏線やら不思議は様々ありますが、…つまり、カカシ外伝には第二部で重要になっていくテーマやら、「答え」に繋がる鍵のようなものが散りばめられているのです。 「オビトが敵として再登場する」事は外伝を読むとかなり「濃厚」だと思えたし、カカシとオビトの共闘とナルトとサスケの共闘までの道のりが「似ている」事を考えると、ある意味「予告」のような物語。
 それってかなり「大胆」とも思えるのですが、しかし「いかにも」という感じではなく、実にさりげない。 あくまで「カカシ先生の若き日の物語(戦場のボーイズライフ)」的なさりげなさ…これが絶妙なのです。
 
 岸本先生の演出法として、先に読者に「問題提起」しておき、さらに「仮の答え」も出しておき… その後ナルト達が自分達でその問題を見つけ、そして向き合い、苦労し失敗しながら答えを探していく…その「過程を見せる」というのがあると私は考えておりますが(…という話は、穢土転イタチが先に答えを出し→ナルト達が苦労しながら答えを見出していく、その過程が描かれているという例を雑考したことがあります)…「外伝」→「第二部」もそのパターンに近いと思っています。
 
カカシ外伝は「たった6話」にして、実に密度が高く、そしてかなり大胆でもある…
ゆえに私は、これを「たかが外伝」とは絶対に思えない… そしてNARUTOを愉しむためには「欠かせない」とも思っているのです。
 
(あくまで個人の感想って事で…)
 
(カカシ外伝=27巻は読んでない、という方は是非読んでね…)
 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
☆次回⑦は第二部の「人柱力」についてを少々…
 
 
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