ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

サイと「第七班」 (2) NARUTO人物雑考

サイと「第七班」 (2) NARUTO人物雑考

 
(700話で登場した、サイといのの子供「いのじん」。「いの」は山中一族お決まりの名前として…「じん」はサイの“兄さん”のコードネーム「しん」からつけたのかなぁ…違うかな? いのじんは優等生風だけど、正直にものを言っちゃうところは、いかにもサイの子供…)。
 
 事あるごとに「ボクも第七班の一員だから」「ボクも一応第七班なんですけどね」と繰り返していたサイ…
 
 サイが「ボクも第七班」という度に、何だかちょっと辛くなってたんですよね… というのも、サイの「第七班への想い」が深くなればなるほど「第七班」はサイから遠ざかっているようにも見えたから…です。 サイが「ボクも第七班」と必死についていこうとする度に、サイの居ないところで「元第七班の絆」は深まっていく…。
 でも、振り返って読んでみて…サイの物語とは、「繋がり」そして「第七班」とは何なのか…それを追い求め、それを知る物語だったんだなぁとしみじみと思います。 サイは一歩外から「第七班」に関わる事で、やや客観的に…時に深く直接関わり、ナルトやサクラと一緒にその答えを探してきたんじゃないのかな。
 
 里を抜けて仲間を傷つけようとしたサスケの事を「第七班の仲間」と思い続け、帰ってくれば受け入れてしまうナルトやサクラの考え方は、サイにとって「不思議」あるいは「理解しがたいもの」だったかもしれません。「第七班」とは互いに守り合い、信じ合い、信頼を培ってようやく築かれる「関係」であって、そうやって「第七班」という繋がりに加わろうと頑張ってきたサイにとっては納得いかないものだっただろうと思います。
 
 だから、サイはサクラに「君は本当はどう思っているんだい?」(サスケを信用しているのか)なんて尋ねてる…(635話)。
 サクラは「大丈夫…サスケくんはちゃんと帰ってきてくれた…私はそのことが嬉しいし…彼のことを信用もしてる」と答えるのですが、サイは《君の言葉は嘘じゃないのかもしれない…でも…君の笑顔が嘘だってのは…もう分かるんだよ》と考えてる。
 
 サイって結構「サクラ」を観察していて、サクラの「心の内」を読み取ろうとして…よくサクラには質問したりツッコんだりしてますよね。 おそらく、サクラの「作り笑顔」に騙された時からだと思うんですが(32巻で)… 「作り笑顔」で感情を隠したり嘘をついてきた「サイ自身」と「サクラ」を重ねてきたんじゃないだろうか。 サスケが里抜けした後、サクラも「第七班」とは何なのか…そしてサスケとの「繋がり」をどう信じていけばいいのか‥ずっと探して悩んでいましたもんね。
 だから、サイはサクラに対してはつい口を出すことも多かったような気がするし、サクラの「作り笑顔」には特に敏感に反応する… かつて同じように「作り笑顔」で心を隠してきたサイは、辛い時ほど「作り笑顔」をしてしまう…って事をよく知っている。 だから、サイはサクラの「作り笑顔」は放っておけなかったんだろう…と思います。
 
 心配するサイは、重吾にまで「サスケの本当の狙いは何なのか」質問してるんですが、その時重吾は…
 
「……」と一瞬考えたあと、サスケの背中を見て
「さあな…」とだけ答えてる。
 
この重吾の「さあな…」は、かなり大切な言葉だったんじゃないか…と今も思っています。
 
 重吾は、よく知らないサイに対してサスケの事をベラベラしゃべる気はなかった…というのもあるかもしれませんが、実際に、重吾自身もサスケの考えは本当によく分からず、「さあな…」状態だったんじゃないかと思うんです。 
 
それでも重吾は「サスケを助け、サスケを信じてついてきた」…
 
 重吾は、サスケを「君麻呂の生まれ変わり、君麻呂の意志」と考えてきた…重吾にとって、サスケを信じて守る事は、君麻呂との友情を信じ守る事になる。だから、サスケが何を考えていようが、サスケがたとえどうなろうと…重吾はどこまで行っても「サスケを信じる」そしてサスケに「付いていく」。
 それは、ミナトがナルトに言った「親ってのはどこまで行っても子供を信じる」とか、イタチがサスケに言った「お前がどうなろうとお前を愛している」と近い、本当の「繋がり」の在り方なんじゃないだろうか。
 
 あの時サクラもサスケが何を考えているかなんて…全然分かってはいなかったし、他の第七班…カカシやナルトだって、結局最後までサスケが何を考えているのかは分かっていなかった。  だけど、カカシは(オビトとの再会を経て)サスケが何を考えてようが「話したくないなら…それでいい」と言い「オレ達が第七班だったことはまぎれもない事実だ」とも言った。
 
《元第七班》…過去形ではあるんだけど、その繋がりはずっと変わらない…第七班は共有の大切な思い出であって、彼らにとって故郷のような「いつでも帰ってこられる場所」でもある。 時が経って、人は変わったように見えても、生き方は変わったとしても…「元第七班だった」という“繋がり”は変わらない…
 
そしてその想いは、終末の谷でサスケにも「伝わった」… 
 
 無限の夢から醒めたサイも、終末の谷から戻ってきたサクラが今度こそ「作り笑顔ではない本当の笑顔」を見せた時…やっと何か分かったんじゃないかと思うんです。重吾が「さあな…」と無関心そうに言って淡々としながら…それでもサスケの側を離れず、サスケを守り続けようとした理由も… 
そして、かつてサイが最も《知りたい》と思っていた言葉の意味も。
 
《人は変わる だけど変わらないモノもある つながり…それを確かめたいんだ》
 
(304話のサイのこの言葉、毎週の雑考の中でも度々引用させてもらった私の大好きな言葉の1つでした)
 ナルト達についていけば いつか分かるかもしれないと思った、あの言葉の意味も…サイはやっと「確かめられた」んじゃないだろうか。  
 
 ナルト達「元」第七班の繋がりを見る事は、サイが疎外されるという事じゃなく…サイにとっても本当の繋がり、本当の「第七班」の意味を知る事になったんじゃないか…なんて思います。
 そして、サイ自身がこだわり続けた《第七班の一員》という言葉も…大切なのは「第七班」という所属の名前ではなく、その言葉の「意味」…そこにある「繋がり」なんだって事も、ようやく実感出来たんじゃないのかな…  
 
 
 
 
(サイ、誕生日おめでとう)。
 
 
 
 
 
 
 
☆長駄文読んでくださって感謝。
 
 
 
 
 
 
(ナルト好きブログ! 2014/11/25)