ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

キバの「モテない理由」 (キバの超ポジティブ発想について)

キバの「モテない理由」 (キバの超ポジティブ発想について)


『雷の書』…これは「NARUTO展」の前売り特典でもらえる冊子なのですが、岸本先生の「画事放談」や尾田先生との対談の「続き」など盛りだくさんで、中でも先生描き下ろし『愛を射たれた獣‼』が結構面白いのです(鉛筆描きの絵が、これがまた味があっていい)。 赤丸が語るキバの日常、戦後の平和な穏やかな日々…というよりも《キバがメスにモテない顛末》が赤丸の言葉で、赤丸視点で語られていく… そうなんです、あの赤丸の「心の中の言葉」がついに本邦初公開されたのです。
 
で…例えばこんな感じ。

《さっきも言ったが キバはメスにモテない》

…と時にはバッサリ(笑)

 それは、やや「赤丸の願望」でもあるようで、人間のメスに「大切な御主人をとられたくない」という嫉妬が赤丸にそう言わせている部分もあるみたいなのです。だけど、実際にキバが同期達の「発情期」に乗り遅れたのも事実らしい。

 キバと言えば、「火影になる」夢も今のところ実現していないし、発情期もやや乗り遅れていた…となると些か気の毒ではあります。 しかし、キバってそんなに「モテないタイプ」とは思わなかったから、ちょっと意外でもありました。

なぜ、キバはモテなかったんだろう‥?
 
 別に女の子に対して消極的なわけではなさそうだし、女の子に興味がない訳でもない。 だけど「雷の書」を見ると、声をかけても誘う言葉がちょっとヘン…「一緒にマーキングポイントを」とか、ちょっとズレてる… どうやら「赤丸の策略」だけではなく、キバの「性格上の問題」も多少はあるらしい。

 そのフラれた例を見ても、キバはフラれた直後に「一瞬だけ」落ち込んではいますが、すぐに《ムカッ》として、赤丸に「マーキングの上書き」を命じた上、「きっと後悔する事になるだろーぜ オレが火影になってから言い寄ってきても遅いんだぜ!」なんて強がりを言うのです。

 落ち込むのは「一瞬」、強がりを言って気持ちを切り替えて、さらに「よし見てろ!」のようにプラス方向に発想を変える。
 よく言えば、落ち込まないし引きずらない、プラス思考。 悪く言うと失敗の分析や反省をあまりしない…だから懲りずに似たような事をして失敗する可能性も大。
 キバが「モテない」理由の1つは、どうやら「強がり」で「懲りない」という事…フラれても「強がって」しまうために、自分のどこがまずかったのかを冷静に分析せず、同じパターンで失敗を繰り返しちゃうんじゃないかとも思われるんです。

 例えば、日頃の任務でも…395話を見ると、キバは一人でトビに「通牙」で突っ込んで失敗し、「またすり抜けられたか‥くそっ!」と言っているんです。でもホントは「単にかわされただけ」だったんですがね… ようするに「強がる」せいで、失敗を自分の都合の悪い方には解釈しないのです。 
 何でもいい方向に解釈する…その点は母ちゃんにそっくりでして… 母ちゃん(犬塚ツメ)もペイン戦の時、彼女と戦っていたペインが「口寄せ」で偶然戻されたのですが、それを「私の力に恐れをなして逃げたようだねぇ」なんて都合よく解釈していたんです(実際は違うわけですが)…  なんでも「プラス」に転換しちゃう発想…それはキバにもしっかりと受け継がれています。

 長所でもあり短所でもある、彼の「超」がつくほどのポジティブ発想…それは「フラれても」落ち込まないし、「フラれても」懲りないに繋がる。 そして…《火影になる》という夢をいつまでも真っ直ぐ持ち続けた事にも繋がってるんじゃないだろうか。

 キバの《火影になる夢》…それはずっと変わることがありませんでした。

 物語が進むにつれて「もう一人の火影を目指すライバル」が着々とその道を実現へと向けて歩んでいったのに、それでもキバは挫折することが無かった… それどころか、物語も終盤「戦争」に入ってから、彼の「火影」への夢はさらに大きくなっていたようにさえ見えるのです。

 55巻、開戦時のキバの意気込みは「この戦争で一旗揚げて火影にでもなってやるか」というものでした。横にいた姉ちゃんに「バカ、戦争なめんじゃない」なんて諌められていたけれど、実はあれを読んだ時、(キバってまだ本気で火影になるつもりなのか)…とちょっと驚いたんです。 だって、あの頃はペイン戦のすぐあとで、ナルトが里の英雄になっていて…すっかり将来の火影は《ナルトで決まり》のような空気が漂っていたから、それでも「全然気後れしていない」キバの真っ直ぐさに正直驚いたんです。
 もし、私が彼の立場だったら「ライバル」があそこまで登りつめてしまって、自分との「差」を感じてしまったら…自分の「野望」を堂々と口に出すことなんて出来ないし、自分の実現可能な範囲で手を打ってしまいそう。 だけど…キバは「諦めてない」というよりも、そもそも「ナルトに対して全く気後れしていない」ようにみえたのだ。

 悔しい事、ムカッとした事…それらを何でもプラスのエネルギーに転換できる彼は、633話でも…サスケの発言に《ムカッ》とした後、「ケッ‼サスケのギャグは胸クソ悪いが不思議とテンション上がっちまうぜ‼」とイライラを見事に「やる気」に転換しているのです…実に爽快なぐらいに。 
 自信が消えそうになっても、ガクッと落ち込みかけても、それは「一瞬」…すぐに自分を奮い立たせ、ちょっと無理してでも「いい方向」に解釈して常に「前を向く」…そして引きずらない。 そこは「いつまでもスネて引きずる」シノとは対照的で、シノの引きずり方にキバが「呆れている」場面がしばしば描かれています。

 ややもすると周囲からは「現実を冷静に見ていない」と判断されるかもしれないし、いつまでも変わらなくって「成長していない、子供っぽい」と思われちゃうかもしれない。 それにキバの超ポジティブな発言は、時々「大口をたたいている」ようにも思われてしまうんじゃないだろうか。 
 キバが「メスにモテない理由」のもう1つには、この「大口をたたいているかのような発言」があるのかもしれない。

 700話では『七代目火影は降りたのさ…自らな 能ある鷹は爪を隠す』なんて堂々と語って、女性に「ふぅ~ん」なんて言われてしまってるのですが…あんな事を真顔で語ったら「現実逃避」「負け犬の遠吠え」「大口叩いている」ように思われちゃうかもしれない…(あの女性はキバのそう言うところも分かってくれてるような感じだったけど)。

 キバ自身も、自分の「負け犬の遠吠え」癖(強がり)を自覚はしているらしいですが、それでも自分を「負け犬」とは思っていないし、けして「卑屈」にはならず「現実から逃げる」わけでもなく、どちらかというと「現実をポジティブに受け入れる」発想のつもりなんですよね。 
 それに、キバはけして「大口をたたいている」のでもなく、「口先だけ」でもない。

 たとえば戦争編で…サスケが突然帰ってきて「火影になる」と爆弾発言をした時、キバはサスケに激怒した…

《ごぶさた抜け忍がいきなり帰ってきてギャグかましてんじゃねーぞ‼ 
火影の意味分かってんのかゴラァ‼》って…。

 あの怒りは「火影の意味」を真剣に熱く考えているからこその「激しい怒り」だったんですよね。 では、彼は「火影の意味」をどう考えていたのだろうか…? それは、キバの戦争中の行動から「何となく」分かるような気もする…。

 で、彼は戦場でもかなり勇敢に戦っていましたが、なにより印象的だったのは、「白眼の使い過ぎで倒れたネジ」を心配して寄り添い「感知は自分の鼻もあるのだから」とネジに休んでいるように言って、医療部隊の場所を探してあげて休むように勧めたりと…仲間を労り、仲間の分も自分が引き受けて頑張ろうとしていたところ…キバの本当のいいところは、人一倍優しいところ。
 それに第七班の復活を見て「負けてられっか」と第八班の先頭に立ったりと、かなり頑張っていたのだ。 もちろん、ナルトやサスケの活躍の派手さに較べたら地味かもしれないし、キバ渾身の「影分身」も、ナルトには「たった一人増えただけじゃねーか!昔のオレの方がまだ…」なんて言われちゃったけど、「頭一つ増えただけで普段の3倍の力だってんだ!見てろ」とキバは胸を張る。

 どうやらキバが大切にしている事は、単純に「技や術の強大さ、量の多さ」ではなくって、「普段の自分の何倍もの力を出して戦う」事… 
 キバにとって《火影の意味》とは、「戦闘力が高い」「戦争に貢献し結果を出す」という事よりも、「想いの強さ、信念の強さを行動で示す事」なんじゃないだろうか。 だとしたら、キバが「ナルトにはちっとも負けてない」という自信があっても、不思議はないような気がするんです。 

 キバはけして「大口をたたいている」訳ではないし、口先だけでもない。  
ただ…真っ直ぐすぎるキバの「良さ」は、じっくり付き合えば分かってもらえると思うんだけど、「すぐには」分かってもらえないのかもしれない…。
 でも、長い付き合いの赤丸はキバのいいところを「誰よりもわかっている」ことに自信を持っている。 そして《分かってねェーな人間のメス共!》なんて誇らしげに語っているのだ(心の中で)。 

 その一方で機嫌が悪い時には「十中八九次の火影はナルト」「メスにモテなかっただけ」とか「いつも負け犬の遠吠え」なんて厳しいツッコミもいれているのだ。…ようするにキバの個性は長所とも短所ともなる訳で、赤丸はキバの性格を熟知したうえで(キバにムカつく事が無い限りは)キバの性格を「いい方向」に解釈し、《忍の中の忍》《カンペキな御主人》と絶賛する。 赤丸も、ややポジティブ発想の傾向があるのかな…(赤丸は冷静な分析もするので、キバほど「超ポジティブ」ではないと思うのだが)。

 赤丸の心の中の言葉を見ていると…彼は『忠実な忍犬』という模範的な態度を取りながらも、心の中では「メス共」とか「人間共」とか言って、ややもすると「人間を子供扱いするような」目線でクールに「観察」しているのが分かります。でも、あくまで「心の中での言葉」…。赤丸はそれらを口に出す事は無い。 
 犬塚家の他の犬達は「人間語」をしゃべるから、いずれは赤丸も喋るようになると思ったんですが、遂に赤丸はしゃべらなかった… でも「しゃべれない」のではなく、もしかしたら「しゃべらない」だけなんじゃないだろうか…? 

「賢い」赤丸は、しゃべれば「つい」キバにもアレコレ余計な口出ししたくなるだろうし、人間を上から目線で見て「語って」しまうかもしれない。 だけど忍犬はあくまで「御主人に忠実であるべき」…だから、あえて彼は「しゃべらない」道を選んでるんじゃないだろうか…?
 そして模範的な忍犬としての態度を取りながらも、そっと心の中で《あのメス共!》とか《これだから人間は…》などとクールな人間観察をして、それを「密かな愉しみ」にしているのかもしれない。 …それに、黙ってさえいれば「キバを人間のメスから守る時」なども、「本当の理由(嫉妬)」を語らないで済むし…何かと都合がいいのかもしれない…。

 でも、「キバの心が人間のメスに奪われてしまう」事に心を痛めたり、注射が大の苦手だったり、キバの優しさにほろっとしているところを見ると…いくらカッコつけてても、やっぱり『誇り高き木ノ葉の白い忍犬・赤丸』も、普通の愛らしい「フサフサ毛のワンちゃん」なんだなぁ…とも思ったりします(笑)




(結局、キバはあの女性とは上手くいったのかな…? 赤丸に言わせれば「ネコ好きのメス」はありえない、らしいけど)…






☆駄文読んでくださって感謝。







(ナルト好きブログ! 2015/06/11)