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NARUTO-ナルト- 外伝~七代目火影と緋色の花つ月~ 700+7話:遺伝子の奴隷 今週のジャンプ・ナルト外伝感想 (その3)  WJ29号

NARUTO 外伝 700+7 遺伝子の奴隷 その3

すみません、なんだかんだ収まらず、3つめになってしまった… 
最後に、「シンの言うところの種の進化論、クローン論、そして大蛇丸のクローンと遺伝子の説明」を読んで思った事を…(ダラダラごめんなさい)

 確かに彼らの言うことは一理ある、と頷く部分も有りました。 弱い種は淘汰され、強い種が生き残っていく…それはNARUTOの世界でも同じなのでしょう。
そして遺伝子は代々繋がれていく…それも人の「繋がりの在り方」の一つであるのも事実。

 …でもだからって「(死を)悲しむ必要はない」ってのは違う問題でしょーよってね…そんなのは「悲しまない理由」にはならない…「悲しい」という感情は、いかなる「理(ことわり)」の支配も受けるもんじゃあないと私は思います。

 シンは淡々と語っているように見えたし、隣に横たわる「我が子」に無関心そうにも見えたけど…でも《必要はない》なんて言い方をしている時点で「言い訳で自分の感情を制御しているだけ」じゃないかとも思えるんですけどね…。
 
 シンも大蛇丸もですが、二人とも「全てを理を解したい」と思っているせいなのか、全ての事象や人間の行動さえ科学的に理論的に紐解こうとしている… 
もちろん、それも物事を知る大切な手段だというのは分かるし、大蛇丸先生の解説は『我々にとっても必要』なんだけど、でもそれだけで「全て」は語れない…なぜなら、人間にとって一番大切な「理では解せないモノ」があるからです。

 大蛇丸に言わせれば「思ったより人間とは単純なものよ 人間は遺伝子の奴隷みたいなもの… 個人もその繋がりも全て証明できる」…たしかにね、機械にかけてブーンと科学的に分析すれば、具体的に色々と「事実」は分かるのでしょう。 何々一族と何々一族の血を引いて、○○さんの子で、体質的にこうで、髪色はこうで、体格的にはこうで…とか。 それは個人を決定する重要な因子だけど、でも人間って「それだけじゃない」。 その他の色々な「いらんもの、くだらんもの」が、もれなく沢山ついてくるんです。

 例えばラーメンはとんこつが好きとか、ポテチは絶対うす塩とか、重苦しい空気が嫌いとか、怒ると怖いとか…髪の毛長い子が好みだとか。 そういう「余計なもの」が人間を豊かにする。生き生きとさせる(のだと思う)。

 大蛇丸のような優秀な研究者は、広い世界から集めた数多の情報を絞り、そこから答えを導き出す…なるべくシンプルな、絶対の真理を見出そうとする。 「人間」というものも、なるべくシンプルに説明できる方法を探求しているのかもしれない。 「人間とは遺伝子の奴隷」というのも、極めてシンプルにたとえた「究極のとどのつまりの答え」なのかもしれないし、確かにその通りとも思えるんです。 だけど「それだけじゃない」ものがいっぱいある…必ず「例外」とか「割り切れないモノ」がある。 そういう「理ではうまく説明できないもの」があればあるほど、それは「人間らしい」って事でもあるんじゃないだろうか。
 それだけ人間とは本来、単純なものではない…ましてや機械にブーンとかけられて《アナタは○○です》なんて判定されて「答えが出る」ようなもんじゃなと思う。

 たとえば、このNARUTOの物語を例にとっても、同じ一話を読んだ感想はたぶん「読者の数だけある」わけで…ホント皆さん思う事、感じる事、予想する事は様々ですもんね。 いろんな意見が出れば出るほど「面白い」し…そして「どれが正解でどれが不正解」「どの考察が優秀」なんて事も無い。 感想の幅が広く、いろんな意見が出るって事は、それだけ広大な世界観があり「理」だけで解き明かせない部分(ゆとり部分)がいっぱいあるってこと…それが「面白い漫画」の証明なんじゃないかとも思うんです。 皆が同じ感想を持ち、同じ予想が出来る漫画ってのは、たぶん「すごくつまらないク○漫画」…。

 人間にも、理だけで説明つかない部分がいっぱいあっていいし、優秀な種だけじゃなくっていい。選ばれし美しき種の子だけが粒ぞろいに揃うのではなく、醜い種がいてもいい。 優秀ないい子ちゃんばかりじゃなく、いう事を聞かない落ちこぼれが居たっていい…  あれだけたくさん「同じ」のがいるクローンシンちゃんズだって、きっと「個性」はある。 同じ遺伝子の組み合わせで「髪の色」「肌の色」「能力」は同じだったりと遺伝子による「制限」「支配」は確実に在るけれど、ちょっとした癖とか、好みとか、やや泣き虫とか、結構ガサツとか、絶対「違い」はあると思うんですよね。 《(クローンには)一人一人に人格も意志も存在する》大蛇丸も言っていた…そしてその「個性」は、遺伝子の支配を受けないはずです。 

 気持ちは色々、想いも様々…コンソメ派もうす塩派もいたりとか、でもそういう違いは「遺伝子重視」の考え方から言ったら「どうでもいい」事かもしれない… だけど、そういう「どうでもいい」事へのこだわりがあればこそ、人間は《遺伝子の奴隷》から「解放される」んだと思います。

 イタチが昔言っていた「一族に執着し名に執着する…それは己を制約し己の“器”を決めつける忌むべき事」…アレも、そういう事でもあるんじゃないのかな…《遺伝子の支配からの解放》。(結局25巻のあのセリフは元々「誰」のセリフだったんだろうって疑問はまだ残るんだけども…)。  シンも、子の死を悲しんだり、素直に子を想い子を愛する事を自分に認めれば「遺伝子の奴隷」ではなくなるのにな… 

 《君のママは香燐》という事実を突き付けられ、サラダが思い浮かべている大人達の「空々しい言葉」…

サクラの《パパとはちゃんと気持ちがつながってるから大丈夫!》と…
七代目(ナルト)の《どことなく雰囲気はサクラちゃんに似てるしな…》。

 でも彼女が一番疑問に思っている事…「気持ち」も「雰囲気」も、本当はそれこそ「遺伝子の支配を受けない」つながりなんですよね。

 サラダはナルトに「うそつき」と言ってるけど、でもナルトは「顔がサクラちゃんに似てる」と言ったのではなく「どことなく雰囲気が似ている」と言った…それは「嘘」でもなく「事実」なんだと思います。
「雰囲気」ってのは、遺伝子に因るものではなく、環境で決まってくるもの…普段はおとなしいが怒ると怖いとか、努力家で調べ物が得意とか、そういう後天的に身につくものって「お母さんを見て何となく」自然と覚えるもの…似てしまうモノ。
(シカマルも親父の背中を見て育った…と言ってましたっけ、それと同じですよね…そしてそれが大切なもの)。 

 遺伝子的に決められた「サラダ」という素材に、色々な味を加えていくのが「育った環境」であり「親の愛情」であるんだろうと思います。 だから、今のサラダは「サスケとサクラの子だからこそ」のサラダ… 本来の「遺伝子的に決められたモノ」から外れたり広がったり、新たに加わった部分こそ「サラダがサラダである」部分…唯一無二のサラダとなっている、大切なところなのだと思います。

 そしてサクラの言う《つながっている気持ち》…それこそ今のサラダにとって「理解できない」ものでしょうか。
 
 血のつながりのない親子関係、それでもサクラはサラダを「愛せるのか」…しかも恋敵とも言える他の女性の遺伝子を持つ子を「我が子」として愛せるのかと言うね…(「氷点」まで極端ではないにしても)。
 そしてその子を「育てさせている」サスケに対してサクラは愛情を持てるのか… 
今見えている真実だけでは、とても「理解しがたい」…ですよね。 だけど、サクラは「自分を殺めようとしたサスケをそれでも愛し続けた」… 
 サクラは、人間の表面上の言動ではなく、その奥底に在る「サスケ」を見て、愛し続けた人。私なんかの理解を超えるけど、サクラの愛情ってのはそこまで奥深い…。 

 サラダが「両親」の愛情を知り、自分自身を受け入れることが出来る為にも、今こそサスケの「パパ」としての正念場になるんじゃないでしょうか。
 今までサスケは、なぜサラダを遠ざけていたのか…その理由はまだハッキリとはしていませんが、どんな理由があるにせよ、ここまできたら《正直に自分の口からサラダに真実を語り、一緒に彼女の運命を受け止め、一緒に居てあげること》が一番だと思うんですよね…。 

 今週のサスケとナルトの会話で…

「だが子供達はどうする?」というサスケの問いに、ナルトは「奴らはサラダも狙ってきた お前と親子ってバレてんな…人質に利用されねーようこのまま一緒にいた方が安全だろ」と答えていた。 この前もナルトは「本体のオレと一緒に居るのが一番安全だしな」と言っていたっけ…。 
 ナルトは「たとえ子供達を危険に遭わせることになっても、その時は親が守ってやればいい、だから一緒に居た方がいい」と考えている。 たぶん…サスケの今までの考え方は「危ないから別に居ろ」って事だったんですよね。 サスケは、サラダを「真実に近づける事」が「彼女を危険に晒す事」と考えていたような気はしますが、でもその時は…サスケが「守ってあげればいい」。そのための「強さ」でしょーよ…だから「一緒にいた方がいい」。

 サラダの出生のいきさつがどうあれ、彼女が「特別な遺伝子」を引き継いで生まれた事は事実で、ある意味「理想的な種」の誕生なのも事実。

 単純に「遺伝子だけ」で語ってしまうと、サラダは優秀な『うちは』の血と、純粋な『うずまき』という「陰陽両方の血を引いた理想的超サラブレッド」ということになり、最も「祖」に近い血を持つ存在になります。
 もちろんボルトも「陰陽両方の血をひいたサラブレッド」なわけですから、これで 物語の主人公ツートップは共に「選ばれし種」という事になる…。
 これも親の代で「インドラとアシュラ(陰陽)」が和解していなければ生まれなかった結果であり、ナルトとサスケという存在も長い目で見れば「優秀な種の誕生のための過程」だったのかもしれません。

 さらに、今週は劇場版に向けてのカラー扉絵に、例の不思議少年『ミツキ』も描かれていますが、彼も「大筒木っぽいニオイ」(あるいは「月」っぽいニオイ)がしますし、もしそうなれば…あの3人はさらにすさまじい「選ばれし種」という事になりそうですが… (あくまで「遺伝子」重視の観点で言うと)。

…しかし同時に、この遺伝子は彼女の人生に「計り知れず重い宿命」を与えてしまう事にもなります。  ヤマトのように優秀な種ゆえに危険な目にも遭うだろうし、利用されてしまう可能性もある。 この先、彼女が進む道はかなり険しいものになってしまうかもしれない…

 かつてナルトが「九尾」を持ってしまったために危険に晒されたけれど、ナルトは「自分に九尾が封印されている事実」を告げられた時に《イルカ先生からの愛をいっぱいもらった》…(第1話)…父代わりであるイルカに器を「愛」で満たしてもらったからその運命を乗り越えられたんでしたよね…。

 それはきっと、サラダも同じだと思うんです。…だから、「出生の真実」を知らされた今、すぐに《サスケパパからの愛》でサラダの器を満たしてあげないと…と思ってしまう。

 彼女を「遺伝子の支配」から救えるのは、理では説明できない「遺伝子の支配を受けない最強カード」である「愛情、想い、気持ち」…今こそサスケは本当の意味で「父親になる」時じゃないでしょうか。 

《サラダの器を、すぐに愛情で満たしてあげてほしい…》と願っています!!





(長駄文、読んでくださって感謝・・)







大蛇丸も実験体さん達の「パパ」か「ママ」かわからないけど「親」になるべき時が来ている・・と思います。もしかしたら世間ではサスケも大蛇丸もイメージダウンしているかもしれませんが、逆にこれは大蛇丸やサスケにとってイメージ挽回のチャンスでもある…正念場ですぞ、と。





ナルト好きブログ! 2015/06/16