ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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NARUTO-ナルト- 外伝~七代目火影と緋色の花つ月~ 第700+10話:その眼に写るもの  今週のジャンプ・ナルト外伝感想 その2 WJ32号

NARUTO 外伝 700+10話 その眼に写るもの (2)

・シンとナルトの眼に写るもの

さて、1対1で向かったナルトの影分身とシン達…

『落ちつけよ……』

「……」
「………」
「!!!」

『九喇嘛…』

《ゾッ》 (シンはナルトの中の九喇嘛を見て震えてしまう…)

 ナルトの狐眼とシンの万華鏡写輪眼が交互にアップされてますが、なんだか「ナルトの眼」がシンを見ている感じじゃあない… 「九喇嘛」が「シンの万華鏡写輪眼の奥に居るチャクラ」を覗き込んでいるような絵なんですよね。

ナルトのキツネ眼に写るのは、ナルトの中に居る九喇嘛のチャクラで… そしてシンの万華鏡写輪眼に写るのは、シンの中にある「うちは一族の誰か」のチャクラ。
「落ち着けよ九喇嘛」なんてナルトが言っているから、九喇嘛はシンの眼に「禍々しいチャクラ」を感じたのだろうか…? 

 そもそも、シン達が持つ万華鏡写輪眼の「元の持ち主」…物体を操る瞳術と神威(らしき)瞳術を使ったうちは一族とは、いったいどんな人物だったのだろう。 
 オリジナルのシンは、右眼のチャクラに思想を支配されていたような気もするし、そのあたりから「NARUTOに残された数々の謎」も、少しは解けてくるんじゃないだろうか…なんて淡い期待をしたけれど、結局は「分からずじまい」…

…謎はおあずけ~!!?しゃーんなろ―――!!!(笑)   

 ま…たった十話で、しかも映画の為の「前置き」としては、そう突っ込んだ話までは無理としても… だけど、やっぱり数々の「謎や矛盾」の答えは、知りたかったなぁ――ー… また「知りたい」願望がくすぐられっぱなしになる…。そうやって岸本先生に、うま~くはぐらかされ、手懐けられながら転がされている感じがします(笑)むむむ…

 いずれにせよ、シン達全員が「あの万華鏡写輪眼の本来の持ち主のチャクラ」を体内に持っているのは確実で…万華鏡写輪眼は、本来の眼の持ち主のチャクラ模様を写し出すので)…つまり、シンのクローン達は全員「どこのだれか分からない他人のチャクラ」を体内に入れられているって事なんですよね。 それも九喇嘛が思わず威嚇するような《禍々しい》チャクラを…しかも「大人の都合」で。 「優秀な種」だか何だかわからないけど、そんなものを背負わされて…

 うっかりすれば、かつてのナルトのように そのチャクラに「意志」まで乗っ取られ、自分を失ってしまう事だってあり得る…かなり危ないモノかもしれないんですよね。
 かつてのナルトが「九喇嘛の扱い方」に戸惑っていたように、もしかしたら…シン達だって、己の中の「訳分からないチャクラ」の扱いに、本当は戸惑っているのかもしれない。

 ナルトが「狐眼」でシンの眼を覗き込んで、「シンに九喇嘛を見せた」のは…
シン達を「脅しておとなしくさせる」目的以上に、シン達を「安心させる為」でもあったんじゃないだろうか…? 
(オレの中にも、お前らと同じようなものがあるんだってばよ)と… そして、その「恐いモノ」も付き合い方次第、しつけ方次第で「恐がる必要は無い」って事も、ナルトは彼らに教えてやりたかったんじゃないのかな。

 「九喇嘛」に驚いたシンは恐くなってガクガク震えてる… やっぱり、このあたりは「まだ子供」なんですね。 シンの表情が、急に子供っぽくなった気がする…

「恐がる事はねーよ これ以上何も悪さしねーなら…こっちも何もしねーから」

(ナルトの眼も、普通の眼に戻る)

このセリフはもちろん、「シン達がこれ以上悪さしなければ、こっちも何もしないよ」という意味なんだろうけれど、それだけじゃなくて…「尾獣や写輪眼のチャクラも、こっちの態度次第で恐がる必要はないんだよ」という意味もあったんじゃないだろうか。 これは「ナルトだからこそ」分かる事…ナルトだからこそ、伝えられる事じゃないかと思うんです。

 ナルトは、親を知らないまま育ち、九尾の器とされて、九尾の力と上手く付き合うまで苦労してきたから…シン達の不安も分かるのかもしれない。 
そして、シン達に本当に必要なものが「何」であるのかも、分かってるんじゃないだろうか。

「木ノ葉で支援してる子供達の施設があんだ… そこの園長に相談してみるってばよ」

「おい… こいつらまがりなりにも写輪眼を持ってる様な奴らだぞ そんな施設で大丈夫なのか?」

 サスケはナルトの事を「相変わらず甘い」と言うし、「そんな施設で大丈夫なのか」と心配する気持ちもよーく分かるんだけど、ナルトは… 今、シン達に本当に必要なのは「監視」ではなく、「愛情」であると考えたんじゃないだろうか。

「ああ… こいつらまだ子供だし… ちゃんとしつけはしてもらわねーとな」

 700+3話でナルトは「うちの里の子供達はしつけはいい方だと思うんだけどよ…」なんて言っていましたが、ナルトが言う「しつけ」とは、「愛情を注いで守ってやり、正しい判断が出来るように導いてあげる」という事でしょうか。
 
 愛情いっぱいに抱きしめてあげたり、居場所を作ってあげたり…そして時には「本気で叱る」というのも、「しつけ」なのかな…。
 昔、ナルトは誰かに「叱られたくて」イタズラばっかりやっていて…だけど誰も本気で叱ってはくれなかったんですよね。でも、イルカ先生は「父ちゃんみたいに」ナルトに愛情も注いでくれたし「叱って」もくれた… それがナルトの言う「しつけ」なんじゃないだろうか。

 シン達も、愛し愛されることを知り、ちゃんと「しつけ」てもらえば… いつか彼らも「己の中にいる恐いもの」と上手く付き合っていけるようになるんじゃないだろうか…? ナルトはそこまで考えているのかもしれない。彼らの「未来」も明るくなるように…
 
そして、ナルトが言っている「子供たちの施設の園長」…シン達の新しい父ちゃん…それが…

「カブト」でした。



・そして…カブトの眼に写るもの

…ってカブト…本当に「自分の帰るべき場所」に帰っていたんですね!

よかった…本当によかった。そして、子供たちのいい「お父さん(ファーザー)になってくれていた。

(今は「院」ではなく「園」になり、施設も大きく立派になっているみたい。木ノ葉もしっかり支援してあげてるんですね)。

 きっと院に帰っているんだろうな…と想像はしていたけれど、「本当に」ウルシのところに戻っていたと分かって、とにかく嬉しかった。ホッとした… ウルシもきっと、嬉しかっただろうな…。

 「カブト」というキャラクターは、私にとって いろいろと思い入れのあるキャラクターの一人でした。 昔は(といってもNARUTOを読み始めたばかりの頃、10年以上前の事ですが)カブトは正直言って苦手だったんです(大蛇丸もそうだった)…今は好きだからこそ、言えるんですが…当時はまだ単純に「敵キャラクター=悪い、いやな奴」と思っていたし、とにかくカブトは私にとっては「難解」に思えたんです。
 カブトは…ヒナタやサクラを(頼まれてもいないし必要もないのに)治療してあげる優しさを持ちながら、なぜか時々皮肉っぽい発言や意地悪い発言をしてみたりするし… 大蛇丸に対する態度も「忠実」なのか「冷やか」なのかよく分からなかったし、つかみどころが無いキャラクターに思えたんです。「彼本来の優しさ」と「意地悪いような発言」のギャップはいったい何処からくるのだろうとか…彼の本当の想いは何処にあるんだろうかとか…とにかく「よく分からなかった」(と思っていた)。

 でも、ちょっとしたキッカケから「考察(もどき)」をするようになって、それからカブト(および全ての敵キャラクター)に対する考え方が変わったんです。それぞれの立場や視点で考えてみようと思い始めてから…

 カブトはたった一人で迷って歩いて…それでもきっと、心の奥底では誰かに「自分の存在に気付いてほしかった」んじゃないのか…そして誰かに「叱って」貰いたかったんじゃないだろうか… そんなふうに思ったら、「難解」だと思えたカブトの姿が、実は「すごく身近」に思えるようになった。
 
 そして、カブトというキャラクターで最も気になった点…それは、これだけ大勢登場するNARUTOの忍達の中で、カブトほど「孤独」な人もいない…という事でした。
 誰にでも、必ず一人や二人「慕ってくれる家族、友達、仲間」が居るってのに…カブト「だけ」は見当たらなかったんです 彼は「つながり」を否定するような発言が多かったけど、それはとても本心からの言葉にも思えませんでした。 

 しかし、物語が進むにつれてカブトはどんどん迷い始め、ますます自分を失っていき…どこまで行ってしまうだろうと思っていた時に、明かされた「過去」…
 私は今でも、カブトの回想「何も無い」(582話)は、涙なしに読むことが出来ません。 小さなカブトがノノウにメガネを貰って、涙をボロボロと流し、何度も何度も「ありがとう…」と繰り返したシーンは、何回読み返しても必ず泣けてしまう…。   

 だから…カブトにも「ウルシ」という「帰りを待っててくれる人」がいると知った時は嬉しかったし、そのウルシとカブトが「一緒に並んで立ってる」姿を今週見る事が出来て…心の底からホッとしました。嬉しかった… 

それに、もう1つ気になっていた点… カブトは戦争では「敵側」の一人だったから、終戦後は「責められ拘束される立場」になってしまったのではないか…と、それもすごく気になっていたんです。 
 しかし、カブトが「償い」というよりも「恩返し」をして…共に生きて力を合わせて「未来を育てていた」…その事に本当に安心しました。 
 良かった…「この忍の世に翻弄された者同士」「こいつだけを責めるのも間違いだ」「カブトにはオレと違い死ぬ前に気付いてほしい」…イタチの願いも、ちゃんと届いたのかな…。 

 カブトの眼は、まだ仙人化の影響が残っているようですが…(まだ「イヤな感じのチャクラも残ってるのかな)、でも今のカブトの眼には、園の子供達の明るい未来が写っているに違いない… 



これで…カブトの物語も、ようやく「完結」…かな…





(すみません、遅くなりますが、その3で感想も完結します…)





ナルト好きブログ!2015/07/07