ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

はたけカカシ考察・・・カカシの物語、カカシというキャラクターとは

はたけカカシ」の物語に思うこと 


まずは…暑中お見舞い申し上げます。 
って、ほんと暑すぎですな…

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(これは新宿駅地下道の巨大広告…)

さて…今回はカカシのことを少々(いや長々と)。 カカシについては完結後何回か記事をあげているのですが、今回はざくっと「カカシの物語」を追ってみようと思っています。そんな大げさなものではないけれど…

第636話の感想で、カカシが「今のオビトを殺すしかない」と決意した事については、私は《何か違う》というモヤモヤっとした気持ちになったのですが… あの時は、カカシの物語のある意味「ピーク」だったのではないかと思っています。
あれは「セオリー」と「想い」の狭間で苦しんだカカシの「苦渋の決断」でしたが、もし、あれで決着をつけてしまったら…カカシはこの先、ずーっと今まで以上の後悔の中で生きなければいけないと思ったんです。 だから《もういいから、もうやめておくれ》と私は祈るような気持ちで読んでおりました。読んでいて、一番つらかった部分…カカシの苦しそうな表情を見ていると「いいね!」と言う気にはなれないのです(すみません…)。
なので、当時の感想は「カカシ批判」と受け取られた方もあったようで、お叱りのメールご意見なども頂戴いたしましたが… ですがやっぱり…何度読み直しても、私には…あのカカシは「頑張りすぎ」に思えてしまうんです。 もう、これ以上思い詰めず、もっと力を抜いてほしい…もう頑張らなくていいよと言いたくなってしまう。 

そして、あの後ミナトが「自分の手でオビトに止めを刺そうとするカカシ」の手を止めてくれて… ようやくカカシも肩の力を抜くことができたんじゃないかと思ったんです。 カカシが一人で抱えこむ必要はないのだと…これでカカシの物語にも、やっと「先」が見えてきたような気がしたんです。 …ここまで、本当に「長かった」。 

カカシは、14歳の時からたった一人で頑張ってきて… 誰にも甘えられず、弱みも見せられず、一人で頑張りすぎるほど頑張って… 仲間を守ることに失敗する度に《今度こそ》と自分に言い聞かせ、守れなかった命の数だけ責任を背負い込んで…
それは《リンを守れなかった自分》を十数年たっても絶対に許せなかったからじゃないかとも思うんです。 47巻で一度死にかけた時の「リンを守れなかったオレだ…許してくれ」とオビトに赦しを乞う言葉は、見ていて本当に辛かった…。 
「もういいんだよ(十分キミは頑張ったよ)」とカカシの肩の荷を下ろしてやれるのは、ミナト先生だけだったんじゃないだろうか。 

「今のナルト達よりもまだ小さかったかな… 覚えてるかい? 4人でこなした任務の数々を… リンは…医療忍者として君達二人を必死に守ってた…こんな状態を望んじゃいなかったろうね」
 
「…死んだハズのオレが君達の前にここにこうして立っているのは偶然じゃない リンがそうさせたのかもね 先生のくせに何やってんだって」
 
「リンを守れなくてすまなかった」 (655話、ミナトの言葉)

カカシもオビトも「リンを守れなかった」痛みを「自分の中だけ」で抱えて苦しんできたと思うんです。 だけど、ミナト先生の「すまなかった」の言葉は、この痛みはミナト班の皆が「一緒に抱えてきた」同じ痛みなのだと想いをつないでくれた…  
この言葉の後、カカシとオビトは一気に緊張から解き放たれたような表情に変わっていきます。この後カカシが語っていく言葉は、何物にも縛られずに自分の想いを素直に伝えた「相手の心にも響く」言葉でした。
あの時を境にして、カカシは自分自身で自分を少しずつ「解放」していったんじゃないかと…そう思っています。 

カカシの物語とは…《第七班の先生》として教え子たちの成長を見守り「未来」を見ていく物語と、もうひとつ…《カカシ個人》として「過去」を見つめ直し自分自身を認めていく物語、その2つが並行し同時進行していく物語。

 「第七班の先生」としてのカカシの物語は、ナルトのイタズラに「キライだ」と言った事に始まって、「大好きだ」で終わりました。     
見事なチームワークを見せた第七班に、笑顔で素直に《大好きだ》と言えるまでになった… それはカカシ自身が自分の過去を受け入れ、今の自分を認めてやり、これから先を見ることができるようになったからじゃないかと思います。 過去、現在、未来は1つにつながっている…どこかが途切れていては、やはり「先」も見えてこなかったんじゃないのかな…

カカシがナルト達に「キライだ」なんて言ったのは、アカデミー気分が抜けておらず「忍をなめている」彼らにゴツンと一発かましたのかもしれません。 が…最初の頃からカカシは第七班の教え子たちに対して、なかなかストレートには愛情を表現できなかったのではないか…とも感じています(それが悪いと言っているのではなく、カカシらしいっちゃカカシらしいのですが)。

しかし、20巻でカカシが「オレには大事な人間なんていない、皆殺されている」と言っていたのには、「え?」と驚いたんです。 だって、カカシにはガイもいるし同期達も居るし、暗部にも「あれだけカカシを慕ってくれる」テンゾウさんもいたのに…「大事な人なんてもういない」とは、どういう事なんだろうと
(20巻を読んだ時点では、まだテンゾウさんは出ていなかったし、アスマやエビスさんまで同期とは思っていませんでしたが)。 
でもそれは、カカシがガイのことを「親友」とは呼ばない事と関連しているような気もするんです。

別の記事で「なぜガイはカカシのことを親友ではなくライバルというのか」ということは取り上げたのですが、カカシもガイのことを「親友」とは言わない…。 
「親友」オビトを守れなかった過去があるし、同じことを繰り返したくないという想いから、「大切な仲間」や「親友」という繋がりを作るのが怖かったんじゃないか…とも思ったりするんです。 もちろん、心の中には「大切な人」はたくさんいたんだろうけれど、《あえて》彼らのことを「大切な人」とか「親友」と呼ぶことを避けていたんじゃないだろうか…  今まで何度も大切な仲間を守れなかった痛みを経験しているからこそ、大切な人ほど「大切な人」と呼ぶことを躊躇したんじゃないだろうか…。

 もう「失いたくないという不安」と、それでも「今度こそ何が何でも守ってみせるという決意」を天秤にかけて、「今度こそ」の想いのほうが強いと確信できて、ようやく20巻あたりで「やっとオレにも大切な仲間が見つかった」と素直に言えるようになったんじゃないだろうか…と思うんです。
しかしそのあとにも、サスケの里抜けやらオビトとの再会といった試練が容赦なくカカシを襲うわけですが…
 
カカシ最初の登場シーン… それは、三代目に「ナルトとサスケの世話」という任務を言いつけられ、ナルトの部屋で「賞味期限が過ぎた牛乳」を発見して(こりゃ大変な事になりそうだ)と覚悟する…というものでした。これも、この先のカカシの物語を暗示していたような気がいたします。
未来を担う子供たち「ナルトとサスケを見張る任務」だけでも大変になりそうだってのに、まさか「賞味期限がきれた牛乳」…いわば「とっくに期限が過ぎたと思っていた過去」とも向き合う事になるとは…さすがに鼻の利くカカシでさえ、そこまでは予測できなかったでしょうな…。

そしてもう1つ、カカシの物語をこっそりと示していたのが第2巻第16話「おまえは誰だ!!」の「扉絵」。
カカシが部屋で(マスクなし状態で)無防備に寝ている姿を、こっそり盗撮(?)したような、あの絵… 最初の頃のカカシは、第七班の自己紹介でも自分自身のプライベートについては全く語らなかったし、つかみどころのない先生といった印象でしたが、謎に満ちた彼のプライベートが「何となく見えた」のが、あの扉絵でした。「風の書」によるカカシの「素顔暴露」もそうだったけど、カカシの「素」ってのは、のぞきレベルの偵察によらないと、なかなか分からないんだなぁ…。

  枕元に大切そうに並べられた2枚の写真…「ミナト班の写真」と「第七班」の写真。 
 
カカシは幸せそうに微睡んでいますが、ミナト班と第七班の両方が揃っている夢でも見ているんだろうか……あの頃のカカシの「夢」は…まだ「夢」の中にしかなかったんじゃないのかな…。 だけど、その光景が「現実世界」で実現することになるんですよね。 戦場に揃った「ミナト班」と「第七班」…(リンは意識の中での登場だったけど)…カカシにとっては、まさに夢が現実になったような時間だったと思います。 
(2枚の写真と並んで、神樹のようなウッキー君(鉢植え)まであるのは、ちょいと出来過ぎですが…)
 
見たいと願い、見ようと思い、やっと見えてきたと思ったらまた見失い…迷い苦しんで、ようやく見えてきた「先」… 
そして毎朝自分を戒め後悔し、そして再び会いたいとも願った「過去」… 第七班という「未来」とミナト班という「過去」、ふたつが同時進行していった「カカシの物語」…
 
その2では、カカシがどうやって「過去」と向き合っていったのか… そのストーリーだけを抜き出して、最初からずーっと追ってみようと思っています(って…まだ続くんかい…)




 
☆ちなみに、その扉絵「16話おまえは誰だ!!」の話は、ナルトが仮面をかぶっていた白に「何なんだってばよお前は」と尋ねる話なのですが、扉絵に描かれているオビトに対しても、将来ナルトが「おまえは誰だってばよ」と尋ね、白と「全く同じ構図」で仮面を割る場面が描かれる事になるとは(4巻20~21頁と63巻22~23頁、並べてみてくださいな)…これも出来過ぎかな…
 
 
☆駄文おつきあいくださって感謝…

 
 
 
(ナルト好きブログ! 2015/07/27)