ナルトとサスケにとっての「ウスラトンカチ」 (BORUTO映画感想に付け加えて)
映画BORUTOの感想の付け加えというか、そこから関連しての記事をもう少し。
かれこれ7年以上NARUTOの雑考を書いていると、「ちょっと修正、訂正したくなってくる記事」ってのも、わんさか出てきます。 それは、記事を書いた後になって「新事実」が出てきたりするからなのですが、過去記事を読んでくださってる方はきっと「何言ってるんだコレ?」と思う事が多々あるかと思いますけど、そこはどうか記事をアップした「年月日」を見ていただいて、何卒ご容赦ってことで…
とはいっても、なかには「思うことあって」もう一度書いてみたいと思う題材もいくつもありまして、たとえば今回の《ウスラトンカチ》もその1つなんです。
だいぶ前にも「ちんちくりんとウスラトンカチ(1と2)」という記事でサスケの《ウスラトンカチ》を考えた事があるんですが、でも今回の劇場版BORUTO中でサスケが(彼なりの)《ウスラトンカチ》の意味を語っていたことで、どうしてももう一度《ウスラトンカチ》について書きたい、書き加えたいと思ってしまった…
(…ということで、再び《ウスラトンカチ》について少々)
(…ということで、再び《ウスラトンカチ》について少々)
さて、まず《ウスラトンカチ》ですが…これはご存知、サスケがナルトのことを呼ぶ言い方です。 そして、辞書上での意味は「のろま、役たたず」という、あまり良くない意味なんですね。
しかし、最初に《ウスラトンカチ》を使ったのは実はナルトのほうでした(538話のアカデミー時代の回想による)。 あの時、まだ二人はお互いのことをよく知らなかったみたいだった… そしてアカデミーのみんなが「サスケく~ん!」なんて応援するから、ナルトがライバル心を剥き出しに言ったのが、
「来やがれウスラトンカチ!!」…でした。
でもそれ以降は、サスケがナルトに《ウスラトンカチ》と口癖のように言うようになるんですね。 それは「お前こそウスラトンカチだろ」というかのような、ナルトを「認めない」と宣言するような言葉に聞こえました。
だけど、サスケは何気ない会話の中だけでなく、“ここぞ”という大切な時にも…たとえば最初の終末の谷で「闘いの始まり」のあいさつとしても《ウスラトンカチ》を使っていたんです。 だから、サスケにとっての《ウスラトンカチ》は、大切な「意味のある言葉」であったことは確かだったんですよね。
(このあたりについては過去記事「ちんちくりんとウスラトンカチ」にて)
前の記事で、私はサスケが使う《ウスラトンカチ》には「ありがとう」のような感謝の気持ちがあるんじゃないかと書いていたんです。 が…それもちょいと違っていた。 今回の映画で、サスケはボルトに「お前はナルト以上のウスラトンカチだ」(うろ覚えです)とか言ってましたが、そして《ウスラトンカチの意味》についても……(この先ネタバレ注意)……
《ウスラトンカチ》は負けず嫌いという意味だ…と言っていた。
(…でしたよね?記憶に自信ナシ)
…そうだったのか、ようするに「認める言葉」なんですね。
アカデミーの組手の時、ナルトが勝つと思った人はいなかった。 誰の目から見ても「優等生サスケ」に「ドベのナルト」が勝つことはほぼ不可能…その状況でもナルトはサスケに《ウスラトンカチ!!!》と吠えてきた。 それはただの「強がり」だったのかもしれないけど、「負けず嫌い」の証でもあったんでしょうね。
最初のころ、サスケはナルトの「強がり」で口先だけの言動を「足手まとい」として、呆れたように《ウスラトンカチ》と言っていたと思うんです。 だけど、そのうち…それは「ぜってー諦めねぇ負けず嫌いのド根性」なんだと…それがナルトの強さの秘密なんだと分かってきた。
やがて《ウスラトンカチ》は少しずつナルトを認める言葉になっていったんですね。
そして《ウスラトンカチ》が「ナルトの負けず嫌い」を認める言葉として「完成」したのは、最後の最後…二回目の終末の谷の戦いが終わった時の…
「…るっせーよ…ウスラトンカチ」…サスケが「ナルトを認めた時」でした。
大まかに言っちゃうと「ナルトとサスケ」の物語は、《ウスラトンカチ》で始まって《ウスラトンカチ》で終わった…と言えるかな。
最初にナルトがサスケに言った《ウスラトンカチ》は、ただの「挑発」(宣戦布告)でした。 よく知らない相手(サスケ)に対して吠えただけの、ただの挑発でしかなかった。
いわば『対立の印』…これから闘いを始める合図の印のようなものでした。
「来やがれウスラトンカチ!!!」 (ナルト、538話の回想)
最後にサスケがナルトに言った《ウスラトンカチ》は、相手を「認める」言葉(終戦宣言)。 心から分かり合った相手(ナルト)に対して、ありったけの感謝と友情と信頼を伝えた言葉。 いわば『和解の印』…これで闘いは終わりという合図の印のようなものでした。
「…るっせーよ…ウスラトンカチ」 (サスケ、698話)
《ウスラトンカチ》は、知らない同士の二人が闘い触れ合うことで、知り合い分かり合い、そしてお互いを認め合っていく……大切な二人を「つなぐ」言葉だったのですね。
☆駄文読んでくださって感謝。
(ナルト好きブログ! 2015/08/13)