ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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NARUTO女性キャラ考察・サクラと香燐・・「サスケの笑顔とサクラの涙」 

香燐と「サスケの笑顔とサクラの涙」 (香燐のついての雑考を少々)

 私がいま最も興味津々なキャラクターは「ミツキの親御さん」なんですが、その仲間(と言っていいのかな)である“鷹”の面々も、大好きなキャラクター達です。 
 でも、その中の紅一点、香燐については、まだ1つも雑考記事を書いてなかった…(女性の記事は少めかも)。

 香燐は外伝の最後でも ちょっとだけ登場しましたが、髪の毛もきれいに整えられて、襟元もきちんとリボンで締めていて、なかなか「きちんと感」のある知的な女性になっていました(口調は変わっていないけど)。 水月が勝手に開けちゃった彼女の引き出しはきれいに整理整頓されており、彼女がきわめて几帳面な性格であることが伝わってきます。(今では彼女も「研究員」のような立場なのかな) 
 年齢のせいもあるかもしれないけど、以前にくらべてかなり落ち着いた様子でしたが、それは今の彼女の「心」が平穏だからでもあるのかな…?
 
 香燐の「過去」については不明な点も多いのですが、中忍試験の頃はまだ「草隠れ」の額当てをしていましたっけ。 その後どういう経緯で大蛇丸のところに行ったのかは不明ですが、あの大蛇丸が「赤い髪をした純粋なうずまき一族」に興味津々だったのは間違いなく、上手いこと言ってスカウトしたんだろうなぁ…とは思うけど(よい子は怪しい人について行っては絶対ダメ!)…しかし彼女の場合、強引に連れ去られたのではなく、自発的についていったのではないかと思ったりもします。

 大蛇丸のアジトに於いて香燐は昔から特別待遇で、南アジトの管理(監獄の管理ですが)を任されるぐらいの「自由」はあったのに、それでも逃げ出すこともなかった。 それに、サスケが大蛇丸を倒した後も「ウチはここを任されてんだよ」と言って、当初アジトを離れようとはしなかった… つまり、 彼女が大蛇丸の所から出て行かなかった理由は「サスケがいたから」だけではなく、「自分の意志で留まっていた」ということになります。 
 他の“鷹”のメンバー(水月と重吾)も、結局大蛇丸のもとに残っていますが、彼らに関しては、大蛇丸に心を開いていった(懐いた)経緯を描いた「イベント」がちゃんとありました(65巻にて)。 でも、香燐には特にそういったイベントは起きていない… 
 
 彼女が大蛇丸と久々の再会を果たしたのは65巻、木ノ葉の監獄から脱出した後ですが、香燐は「大蛇丸が復活している」のを見ても驚くわけでもなく、嫌そうな顔をするわけでもなく、いきなり「あのねェ~大蛇丸様!! サスケがねェ~ウチをねェ突き刺してねェ」なんて甘えるように言いつけてるんですね、まるで子供が親に、生徒が先生に「言いつける」みたいな感じで。
 「言いつける」なんてのは、懐いている人に対してじゃなければ出来ないんじゃないかと思うし、「私もよ」なんて答える大蛇丸はまるで「母親」のようだった…
この二人、案外と昔からあんな感じだったのではないか…とも思います(たとえ「実験体」として扱われることがあったとしても)。
 
 それに、香燐の「ウチはここを任されてんだよ(だから勝手に南アジトを離れるわけにはいかない)」という発言からも、彼女は大蛇丸に信頼されている》ことに誇りを持っていて、その信頼を裏切るわけにはいかないと考えていたんじゃないかと思うんです。香燐にとって、大蛇丸「最初に彼女を認めてくれた人」だったんじゃないだろうか…?  「大蛇丸のアジト」は、香燐にとっては「唯一の居場所」であり、「帰る場所」でもあったんじゃないのかな…

 かつて彼女が居たと思われる「草隠れの里」も、うずまき一族の彼女にとっては本当の出身地ではなかっただろうし、けして居心地のいい場所ではなかったのかもしれない。 だからこそ、中忍試験・死の森で彼女を助けてくれたサスケの笑顔は、あれほど「輝いて」見えたんじゃないだろうか。 
 
 香燐にとってサスケは「希望の光」のような明るい存在で、そして大蛇丸のところは「居場所、帰る場所」…
 そしてサスケも家族や一族を失い、抜け忍となった後、里にはもう「帰る場所」が無かった(と思われた)…だから香燐は「サスケもウチも同じような境遇」と考えていたと思うんですよね。 それだけに、サスケの笑顔(幸せ)を守れるのは「自分達しか居ない」と香燐は考えていたんじゃないだろうか。

 かつて森の中で見た「サスケの笑顔」は、香燐にとって「暗闇の中に射す光」…
だから、その笑顔(サスケの幸せ)を守りたい…それは「サスケと似たような境遇」の彼女にとって、切実な願いだったのかもしれません。

 しかし、戦争が終わってサスケが選んだ帰る場所、居場所は…「木ノ葉」であり「サクラのところ」でした。 香燐のところじゃあなかった…
 だけど、香燐は「ウチはサスケが幸せになってくれればいい」と言い、その現実を「自分自身が望んでいたこと」として受け入れていましたよね。 負け惜しみでもなく、キレイごとでもなく、彼女自身が望んだことの結果として。
 そして、彼女がその現実を受け入れられたのも、すでにそれを「予感」していたからじゃないかとも思うんです。 あの時…鉄の国国境の橋で。

 ( 51巻、ダンゾウ戦のあと香燐はサスケに突き刺されて倒れ、そこにサクラがサスケを追って鉄の国の国境まで来るのですが…)
 
 サスケを追ってきた「サスケのかつての仲間サクラ」は、ただ抜け忍の始末の為に追ってきたのではなく、サスケを想い、サスケのために追ってきたのだと…香燐は「知ってしまう」。 あの時、まだサクラと香燐はお互いのことを知らなかったし、当然サクラは「香燐のサスケへの想い」なんて知らなかった。 だから、サクラは香燐の前でも憚ることなく「自分の想い」に素直に、涙を流す…サクラの涙は「サスケへの深い愛情」に溢れている事に、香燐は気づいてしまう。
 
  香燐は「想いがシンクロしてしまう」のを感じてしまって、「敵なのに」サクラの想いが痛いほどわかってしまって、涙を堪えきれなくなる。
 
(敵の…お前の気持なんか分かりたくもねーんだ…)
(だから…)

(だからウチの前で…)

(そんな悲しい顔で泣くんじゃねーよ…!)

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(484話感想から)
 
 
 あの時の、サクラの涙と香燐の涙…《重なり合い、ひとつになって滴り落ちていった涙》…同調しながら悲しく光っていた二人の涙は、そっくり重なっているようにも見えるし、ちょっと違うようにも見える。 重なった想いと、ちょっとだけ異なる想い…
 
 サクラの表情はとにかく「悲しい」し、そして「自分の気持ちに素直な涙」… 
だけど、この時香燐はどこか遠くを見ているようにも感じるんです。あの時、香燐は何を考えていたんだろう…?
 
 この時の香燐の「どこか遠くを見ているような表情」…一言ではうまく説明しきれないような、「いろいろな思い」が交錯している表情に見える…
 
 
 
 あの時、香燐は「サスケは真っ暗闇の中に一人で居る」ことが悲しかったはずなんですが、でも零れ落ちてくる「サクラの涙」のきらめきは、「真っ暗闇の中に射すかすかな光」にも思えたんじゃないだろうか…?
 今でもサスケのことをこんなにも想っている人が彼の里には居る。 サスケには「帰る場所」がちゃんとあるのだと…この時、香燐は初めて知ったはずなんですよね。 
 
 それは「サスケの道はけして真っ暗闇ではない」ということ…そして、それを照らすのは「サクラの涙」であって、自分の涙ではないの「かも」しれないということも、香燐は察してしまったんじゃないだろうか…。
 「サスケの元の仲間」を見て、それまで香燐は「サスケのことに関して当事者の一人」のような立場だったのが、急に「第三者の立場」になってしまったような…(たとえがちょっと変ですが)、急にサスケが遠い存在に感じられてしまったかもしれない。
 
 香燐にとって、それはちょっと寂しいことだったかもしれないし、だけど「サスケにはまだ希望がある」ということでもある。 それなのに全てを断ち切ろうとするサスケを思うと、さらに悲しかったかもしれないし… サクラに対しては、魂を揺さぶられるような深い共感を感じてしまったかもしれない。
 だから、あの時の香燐の表情は、なんとも一言では語れないような表情に思えるのです。
 
 あの時の香燐の目は、上のほう…だけど目の前のサクラではなく、もっともっと上のほうを見つめていたのかもしれない。 その上の遠い高い空…香燐が見ていた先にあったのは、鷹が高く舞い飛ぶ空があったのだろうか… サクラのせつなく悲しい涙に、微かに感じた「その先にある温かい光」…
 
 その後、香燐は捕虜として木ノ葉に連れていかれるのですが、道中彼女が目にしたのは「無邪気に戯れるサスケの仲間たちの姿」でした。
 互いに「バカ」と容赦なく突っ込みあいつつ、失敗も笑いに変えて、後腐れなく仲良く絡む。 限りなく温かい子供っぽいやり取りに、彼女は「サスケの本来の居場所」はこんなにも優しく温かい場所なのだと知るのです。 
 
 終戦後、サスケは「自分の帰る場所=木ノ葉」に帰って行き、香燐は大蛇丸のところに帰って行き…二人は別々のところに帰ることになります。それが、彼らの「選択」でした。 サスケには帰る場所があり、その場所は限りなく温かく、そこにはずっとサスケの帰りを待っている人達が居る。
 その結果を、香燐はあの時から「薄らと予感していた」のかもしれない・・・そして、この結果こそ香燐本人も望んでいたことなのだと前から「気づいて」いたのかもしれない。
 
「ウチはサスケが幸せになれりゃそれでいいんだよ」
 
…あれは、心からの言葉だったに違いない。
 
あの日、暗い森の中で香燐が見た「眩しく光るようなサスケの笑顔」と…
そして、あの日絶望の中で(…ちくしょう…)と心の中で呟きながら、重ね合わせた「サクラの涙」… それらは、今では香燐の中で…「サラダ」という確かな希望の輝きに変わっているのかもしれません。
 
 
 
 

☆香燐はじめ“鷹”の面々や大蛇丸は、無限月読の中で どんな夢を見ていたのかなぁ…
 
 
 
 
☆駄文読んでくださって感謝。
 
 
 
 
(ナルト好きブログ! 2015/09/07)