ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

二代目水影・鬼灯幻月 「マユ無しちょびヒゲのカリスマ」

二代目水影・鬼灯幻月 「マユ無しちょびヒゲのカリスマ」

「眉無しにゃカリスマってもんが面に出ちまうんだ これがよ!
おっと!そういやオレも眉無しだったぜ!」

「なら そのチョビヒゲもか? 水影」

(穢土転生された二代目水影と二代目土影の会話より)

 さて、先日は初代火影千手柱間の誕生日でしたが、10月26日は二代目水影・鬼灯幻月(通称チョビ影)の誕生日。

 二代目水影が物語に登場した頃(58~59巻あたり)…ずーっと穢土転生達の話が続いていて、正直「長いなぁ」と思っていたんです。 でも今思えば、あれだけ丁寧に「穢土転生の物語」が描かれたのは、《過去・現在・未来》をつなぐためのエピソードであり、「過去の人達の努力と失敗があってこそ、今があって未来がある」って事を伝えるためだったのかな…。

 そういや先週の「2015年10月21日」は、80年代の名作映画『BACK TO THE FUTURE』で描かれた「未来の時間」だった…というニュースがありましたよね。 岸本先生は、2012年の劇場版(ROAD TO NINJA)のインタビューで『BACK TO THE FUTURE』の話を出しておられましたが、ROAD TO NINJAも第四次忍界大戦の物語も、たしかに「時空を超えた数々の再会の物語」でした。 

「時空を超える」というと、私はすぐ「飛雷神の術」を連想して興奮してしまうのですが(飛雷神大好きなもので)…それに「穢土転生」をはじめとする各種の口寄せ、「神威」、「天手力」(サスケの輪廻眼の能力)、「天之御中」(カグヤの時空間術)など所謂「時空間系の術」を思い浮かべてしまいます。 しかし、「時空を超える」っていうのは、なにも「時空間忍術」だけじゃあない… 昔の人の想いを知って、失敗から学んで、受け継いだものを自分流にカタチを変えていく…それも「時空を超える」って事だったんだと…今頃になってしみじみ感じています。つまり、私たちだって「時空を超えられる」ってことかな?

 さて、前置きが長くなりましたが…  やや長かった穢土転生戦において「二代目チョビ影」の登場は、ひとときの癒しでもありました。 彼は面白いし…とにかく明るい。
 
「霧隠れ」というと、一番最初の「再不斬と白」の印象が強烈だったせいか、「血霧時代」のイメージがあった… その後「血霧時代」とは四代目水影時代だけだった(※1)とわかっても暗いイメージは拭えなかったんです。 そのイメージを破壊してくれたのが幻月…あの陽気な幻月を里長に選んだ「霧隠れの里」が、そんなに陰鬱なはずはないだろう…とね。

 もちろん「実力主義」の霧隠れだから、幻月は「影」に選ばれるだけの実力があったと思われるし、事実彼は見かけによらず相当に強かった。 水系の術を駆使し、幻術を使いこなし、さらには「油」まで使いこなす… 口寄せ・大蛤や「蒸気暴威」など術のスケールの大きさもハンパなく、当時から指折りの「実力者」だったことは間違いない。

 しかし、柱間の「第一回五影会談」の回想を見ると、初代五影達は「次期五影(二代目達)」となる人物を「補佐役」として連れてきているのですが、初代水影が連れていたのは幻月じゃあなくて「のちの三代目水影となる人物」だったんですよね。 
 ま、あれは…歴代五影が全て既出だった中で、「三代目水影」だけが未登場だったこともあり「あの場を借りて」登場させておいた…という「作者側の事情」だったような気はいたしますが、それはさて置き…あの時点で「二代目水影候補」は「幻月」と「のちの三代目」の二人がいたという事なのでしょう。 でも、結局「幻月」が先に水影として選ばれたのだから、幻月の実力・功績は推して知るべし… 岩隠れの無サマに対抗できたのが幻月だけだった…という事情もあったのかもしれませんが、ようするに彼は「見た目以上」の実力者。

 なのに、連合軍には「見た目」から「二代目土影・無ほどは強くあるまい」と判断されてしまった…これ、さりげなく屈辱だっただろうなぁ。

(この時の、チョビ影と我愛羅のやり取りが面白い↓) 

「お前ら…先に無の方へ行ったろ… だいたいな…強そうな方から先に倒しにかかるもんだ 戦闘ってのは!」

「だからそうした」

「どう見たってオレの方が強そーだろーが!あっ?死にかけのミイラにしか見えねーぞあいつは!違うか?」

「… 確かに…人は見かけによらないと分かった…アンタは強い」

我愛羅が表情も変えずに「思ったことを素直に」言っちゃってるところがね…

 幻月は細身で高身長でスタイルがよく、髪も丁寧に撫でつけスタイリングしてあり、おしゃれな人だってのは伝わってくる。  だけど、ちょっと安っぽ…いや、ひ弱に見えるというか(失礼)…華奢な感じなので強そうには見えないんですよね。 「弱っちそうに見えちゃう」ことを幻月も気にしていただろうか… ライバルだった(と思われる)「のちの三代目水影」はビジュアル的に美しく、知的な雰囲気で威厳があったし、当然「対抗意識」はあったでしょうな…。 あの「ちょび髭」や「眉無し状態」も、ライバルを意識した威厳づくり、カリスマ性演出のための秘策だったんじゃないだろうか。 

 冒頭に引用した幻月のことば(眉無しにゃカリスマってもんが面に出ちまうんだ)とか、「こいつは大物になるぜ…マユ無しだしな!」といった言葉から、どうやら彼は「眉なし=カリスマっぽくてカッコいいぜ!」と思っていたようだし(あるいは「思いたかった」のかな)。  だけど、無サマに「チョビヒゲ」をからかわれていたように、幻月の「カリスマ性演出」は成功したとは言い難い。 

 さらに見た目だけじゃなく、幻月はかなりのおしゃべりだし、しかも口調が「てめーきたねー事言ってんじゃねーぞ」なんて調子だから、余計に「貫禄」に欠けちゃうのかものしれない。 

 でも…そういった「かなりのマイナス点」があるにもかかわらず、なぜか幻月には「カリスマ」としてのオーラがあります。 あんなに弱っちそうなのに(コラ)、あんなに安っぽいのに(ゴラッ)…なのに、幻月のエピソードが終わる頃には「納得のカリスマ性」を感じたのです…カリスマを自称するだけはある…と。

 ではいったい、幻月の「どういうところ」にカリスマを感じるのだろうか…と考えると、彼の態度や会話から伝わってくる「人間性」じゃないかと思うんです。「柱間のカリスマ性」がそうだったように、誰からも好かれ、人を惹きつける魅力…それを幻月にも感じます。 
 なんというのか…幻月は誰に対しても真摯に「向き合う」といいますか…相手をちゃんと見て語りかけている。 だから相手が他国の忍であろうと、初対面の人物であろうと、「ほめる」時は徹底して褒めるけど「叱る」時は徹底して叱る。

「弱点を教えてやってるのにどいつもこいつも…!」
「腰の入ってねー軽いパンチじゃ無理だぜオオノキ小僧!」

 もちろん、幻月には「穢土転生状態」を解除してもらうために、自分を倒してもらう必要があった…という事情もありました。 だけど、彼のしゃべり方や対応を見ていると、どうやら「それだけじゃあない」…  はじめのうちは、確かに「必要があって」自分の弱点を教えたり、指示を出していたはずなのですが…次第に彼は「面白く」なっていく。

(ヤッベ…!バトルが楽しくなってきたぜ!)

 途中から彼は、自分の置かれている立場をほぼ忘れかけ… 久し振りに娑婆に出ての若い忍たちとのバトルに夢中になってしまいます。 真剣に闘う幻月を見ていると、生前の彼はこうやって後輩達を熱血指導していたんだろうな…というのが伝わってくる。 

 幻月の指導は厳しい。だけど、彼の指導には「愛」と「想い」がある。


「さあ…!どうやってオレをぶっ倒すんだ?」

「それを教えてほしいんですがの」

「……」「そういうのはもう止めだ 悪りーけどな」

「さっきまで協力的だったのになぜだ?敵の考えに加担する気か?」

「そりゃ違う!オレだって元五影の一人だぁん… お前らに協力しとるのだよ 別のやり方で!」

「実力でオレに勝てなきゃお前らは死んだオレ以下ってことだろうが!ボケ!」

「そんなんで敵のボスに勝てるかァ!!」

「教えてやる」だけじゃなく「考えさせる」… 言葉こそ荒っぽいけど、そこには「愛」がある。 本当の愛情とは何なのか…それを幻月はよく分かっている。
 そしてこんな「指導」ができるのも、彼が「後輩たち」を信じているからこそ…そして、その信頼は後輩たちに伝わり、後輩達の「心」を強くする。
なんだかな…鬼灯幻月に「理想の上司、理想のトップ」の在り方を見た気がしました。

 幻月の「カリスマ性」とは、仲間や後輩への「愛情ある叱り」や「愛情ある誉め方」と「厚い信頼」から見えてくる「リーダーとしての卓越した資質」…それは彼の人間性から自然と醸し出されたものであって、「眉なし」やら「ちょびひげ」といった後付けの「作られたもの」とは違います。 
 
 幻月自身は、自分のカリスマ性は「威厳のあるマユ無しやチョビひげ」だったり、なめてかかってきた相手を「屈服させた時の優越感」の中にあると考えていたかもしれません。 が…それ以上に彼の「指導者としての人間的な魅力」…これが彼の真のカリスマ性だったんじゃないだろうか。 それが里の後輩たちから慕われ、支持され、「二代目」に選ばれた理由だったんじゃないだろうかと…

だって…こんなふうに褒められたら、「一生アナタについていきます!」とも言いたくなる…


「やっぱお前… 金のたまごだ」

イメージ 1

(ニィ)

(久々に…楽しかったぜ…)

…このとっておきの「笑顔」こそ、最高の「カリスマ」の証…





☆長駄文、読んでくださって感謝…





我愛羅が大活躍だった、二代目水影戦。我愛羅を「金のたまご」と言ってくれた幻月… 我愛羅も嬉しそうだったな…
 700話で、大人我愛羅が「撫でつけヘアスタイル」になっていたのは、まさか「マユ無しカリスマ先輩」幻月を見習った…わけではあるまいな(笑) チョビヒゲは無くてよかった…




※1 実は、「血霧時代は四代目水影(やぐら)時代だけ」と考えると、時系列的にも物語的にも派手に辻褄が合わなくなってまいります。このあたりは最新データブック「陣の書」にも矛盾があり、今のところ「謎」としか言えません。 いつか、先生に「解いて」ほしいなぁ…なんて…



☆「幻月」の名前は、データブック陣の書より。たまに原作とデータブックで名前が違うことがあるけれど…




(ナルト好きブログ! 2015/10/25)