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ロック・リーの「約束」  (リーとサクラについて・・・NARUTO人物考察)

 

ロック・リーの「約束」  (リーとサクラについて)

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《11月27日生まれ、血液型はA型。 情熱家で修行好き。 体術を専門とする努力の天才で、師匠はマイト・ガイ。 自分のことを「木ノ葉の美しき碧い野獣」と呼ぶ》

 
  個性的な「まるい目」、そしてお決まりの「三本の下まつ毛」。 さらに「濃ゆい眉毛」とくれば・・・今日の雑考の人物は「ロック・リー」。 
 リーといえば、まず「ガイ先生」との関係が思い浮かびますが、今回は「サクラ」との関係について少々。 
 
  リーは「サクラの事が好きだった」一人ですが、最初の頃のリーはかなりサクラに対して積極的でした。 二人の出会いは中忍試験の出願時ですが、努力家のリーが「天才うちはサスケ」に挑戦しようとして・・その時そばにいたサクラになぜか「一目惚れ」。 そして、いきなりこんな大胆な「宣言」をするのです。
 
「ボクとお付き合いしましょう!!死ぬまでアナタを守り抜きますから!!」
 
・・だけどサクラに「ぜったい・・イヤ・・あんた濃ゆい・・」とあっさり拒否されてしまうのです。 
 
リーは一瞬ガクッとはしてるけど、懲りずに「天使だ君は!!」(投げキス)なんてして、サクラには「イヤー!!あの下まつ毛がイヤ――!!!」「髪型もイヤ・・眉毛もゲジゲジ・・」と、それはもう散々な言われ様。 
 普通なら、そこで凹んだり諦めたりしそうなものだけど、リーはそれほど凹んだ様子が無い。 打たれ強いというか、ーは「忍術が使えない」ことでからかわれる事もあったし、ちょっとやそっとじゃ凹んだり諦めたりしないのかもしれない。
 
 リーについては、作者が作中でこんな説明を入れています・・・《いつでもどこでも自分ルールで修行する癖がついていた》と。 何事に於いても自分ルールで努力していけば、いつか「輝かしい未来を掴むことが出来る」・・・そう信じていたんじゃないだろうか(恋愛に関しても)。 
 
 だからサクラに「眉毛がイヤ」とか「髪型がイヤ」とか言われても、リーはそれを変えようとはしなかったし、その代わり《死ぬまでアナタを守り抜く》という自分ルールによる「約束」をして、それを果たせば(いつか)想いも届くと考えていたんじゃないだろうか。  
 ナイスガイなポーズで約束した以上、死んでも守るのが男ってもん・・・・ だから、リーは徹底して「約束」を守ろうとする。 


 中忍試験の死の森でも、リーはサクラのピンチに登場してカッコよく決めてみせます。
 
 
「アナタがピンチの時はいつでも現れますよ」
 
「前にも一度言ったでしょ」
 
「死ぬまでアナタを守るって・・」
 
(く―――・・決まった 決まりましたよガイ先生!!)
 
 たしかに、カッコよく決まった(だけど、後ろでサクラが「・・・・」とやや引き気味だったことをリーは知らない)。 それでも、サクラは「リーが立ち向かう姿」に勇気をもらって、それがサクラの生き様に大きな影響を与えることになる。
 
 だけど、せっかくカッコよく決めたその直後、リーは音忍の反撃に遭って戦闘不能に陥ってしまうんですよね。 
 それまでのリーは「同世代の中では強い」という自負があったかもしれないけど、世の中にはもっと強い奴がいると知って「次に会う時はもっと強い男になっていることを誓います」とサクラに言っていた(57話にて)・・・

 それからのリーは、以前のような「カッコつけた発言」を封印したように見えます。 そして「影からサクラをそっと見守り応援する」スタンスに切り替えているんですよね。 第三の試験でサクラといのが闘った時も、リーは出しゃばることなく、見守るようにサクラを応援していた・・・(しかも、そのあと我愛羅にも負けたリーは、力の足りなさを痛感したに違いない)。  
 
 21巻で「サスケ奪還」に出発するナルト達を見送る時にも、リーは「泣いているサクラ」を心配そうに見つめ、そっと優しく励ましています。
 
「ナルトくんがナイスガイなポーズで言ったんです・・もう大丈夫ですよ」
 
「きっと・・きっと上手くいきます!」 (ニコッ)
 
 この「ニコッ」がいいんですよね・・・。

 この時、我愛羅戦の後遺症で体がボロボロだったリーは、「自分が」サクラの為に動けない事が、さぞかし悔しくてたまらなかったことでしょう。 でも、滾る熱い想いをそっと胸に隠し、サクラの前では「ニコッ」と穏やかな笑顔を見せて安心させようとしてる・・・
 自分の感情よりも、サクラの気持ちを大切にする。 その大らかな優しさ・・・これこそリーの「最大の魅力」じゃないかと私は思ってます。 
 
 それに・・・この少し前、リー自身も「悔しくて悲しくて」涙を流したばかりだったんですよね。 でもガイ先生が「努力を続けてきたお前の手術は必ず成功する」「もし一兆分の一失敗するような事があったらオレが一緒に死んでやる」と励ましてくれた・・・ だからリーは、今度は自分が「涙を流すサクラ」を励ます番だと思ったかもしれない。  
 ナルトがサクラに「サスケはぜってー連れて帰る」と約束するのを見ながら、リーも《ボクもサクラさんとの約束を絶対に守ってみせます!》と誓いを新たにしていたハズ。
 
 この後リーは手術を受け、無理を押してナルト達を追いかけ、君麻呂との対戦を引き受けるのですが・・・この時ナルトくん、君もサクラさんにナイスガイポーズで約束したでしょう!」と言ってナルトを先に進ませています。  ここで「君も」と言ってるところに、リーの熱い想いが見えているんですよね・・・・リーは「も」を強調したかったんですね、サクラと約束をしたのは君だけじゃなく《ボクも》なのだと。 
 
 この時のリーは“まだ”、自分がここに駆けつけた理由は「サクラとの約束を守るため」だと思っていた・・・(と思う)。 
 
 このあともリーの「サクラをそっと陰から支えて守る」スタンスはしばらく続きます。 4952巻、ナルトの同期達が「自分達の手でサスケを始末する」ために動き出しますが、サクラ率いるフォーマンセルにリーも参加しています。 サクラ、同じ第七班のサイ、それに探索任務ということで指名されたキバ、そして「残りの一枠」に入ったのがリー・・・(リーは“サクラを守る為に”自分で手をあげて参加したんじゃないかと思うのだけど)。 
 
 しかしご存知の通り、この任務でリーは散々な目に遭ってしまいます。 サクラの「ナルトへの嘘の告白」を聞かされたうえ、肝心な時には眠り玉で眠らされて・・・ なのに、リーは全く怒らなかった(キバはぶんむくれだったけど)。 
 任務に出発した時のサクラは「思い詰めたような険しい表情」だったのに、帰り道はなぜか「穏やかな表情」になっていたんですよね。 だから・・・何はともあれ、リーはそれで満足したのかもしれません。  ナルトもすっきりした感じだったし、リーは「アハハ」と声をあげてホントに嬉しそうにしているんです。 
 あんなにサクラに振り回されたってのに・・・・やっぱりリーは「自分のことよりもサクラのほうが大切」。 自分の事より「他の誰かのこと」のほうが大切なんですね。
 
 その後もサクラとの間に「進展」はなかったけど、「いつか」カッコよく命懸けでサクラを守ってみせる為に、リーは修行を続けていたのでしょう。 
 そして・・・ついに「その時」はやってきます。 それは第四次忍界大戦の戦場でのこと・・・
 
 リーはサクラと同じ部隊に配属され、開戦直後に「穢土転生の忍刀七人衆」と対戦する事になります。 再不斬の「霧隠れの術」に対抗すべく「卍の陣」でサクラ達と背合わせになるリー・・・  音も無く忍び寄る「サイレントキラー」再不斬の突然の攻撃に備え、リーも極度の緊張の中で身構えます。  
 第2巻での再不斬戦を思い出しますなぁ・・・ あの時は卍の陣を組みながら、あのサスケでさえ怖くて震えていたんだっけ・・ そしてあの時は、カカシが「安心しろ お前達はオレが死んでも守ってやる」と言って、サスケ達を安心させてくれていたのですが・・
 
 そして、今度は「リー」が“とっておきのカッコいい決め台詞”を発します。
 
 
「怖がらなくても大丈夫です! サクラさんはボクが死んでも守りぬきますから!」
 
  久々の、サクラの前でのカッコイイ決めゼリフ・・・ おそらく「この時」の為にリーは修行を積んできたのでしょう。 長いこと“封印”してきた、強気のセリフ・・・今までの修業の成果を見てもらう、「約束」を果たす時。
 
・・・しかし、サクラが返した反応、返した言葉はまったく“意外”なものでした。
 
 
「前回はこの陣の唯一の死角である中央から攻撃してきたの 背中にも気を付けて!」
 
「え・・・・・? あ・・・は、ハイ!」
 
 
リーの「え・・・・?」に、ものすごい「激しい戸惑い」が見て取れる・・
 
 この時は「戸惑ってる暇さえない」状況だったから、この程度の反応しかしていませんが、心の中では「天地がひっくり返るぐらい」戸惑ったんじゃないだろうか。

もし、サクラがリーを「拒絶」するような反応をしたとしても、せいぜい「イヤ!あんたゲジゲジじゃん」ぐらいの反応じゃないかと・・そのぐらいはリーの「予想の範疇」だったかもしれない。 だけど、サクラのこの反応はリーが“全く予想していない類のもの”だったのではないかと思います。 
サクラはリーの助けを必要としていないどころか、逆に「リーよりはるかに冷静」で、リーよりも「緊張せず堂々としていた」・・・・。 
 
 我々読者は、サクラは「このぐらいのことじゃ怖がったりしない」事は知っている。 サソリ戦での彼女の男気のある堂々とした闘いっぷりを知っているし、ペイン戦で口寄せ巨大ムカデを一撃で倒したのも知っている。 だけど、リーはそれらを見てはいないんですよね。
 
 リーにとっての「サクラ」は、サスケを連れ戻してほしいと泣いていた「あの時の印象」が強かったのかもしれない。 リーにとってサクラはずっと「守ってあげたい存在」・・「守ってあげないといけない存在」だったのかもしれない。 だけど「アナタを守る」という約束は、リーの「一方的な宣言」でしかなかった・・・ リーはそのことにようやく気付いたんじゃないだろうか。 そして「何かが違っていた」ことにも・・・
 
 
 リーの「本当の想い」・・・それは、かなり前にすでに示されていました。
 
 中忍試験の途中、リーは“自分ルール”でこんな修行をしていたんですよね・・《葉っぱ20枚が地面に落ちるまでに全部取れたら、サクラさんがボクの事を好きになる、だけど一枚でも取れなかったら一生片想いで終わる》と。 
 だけどあと一枚というところで「起爆札を付けられたリス」を見つけ、リーはリスを助けて葉っぱは地面に落ちてしまうのです。 
 《サクラとの恋愛成就》と《リスの命を助ける》という究極の二択に於いて、リーは迷うことなく《リスの命を助ける》ほうを選んでる・・・(そしてリスが助かったことに安堵し、葉っぱが落ちてしまった事を気にしていない)。  もう、この時にリーの「本当の想い」はハッキリとしていたんですね。 
  
 リーは「助けを必要としている誰か(何か)」を守りたい、 そして「約束(自分ルール、己の忍道)」を守りたい・・・そしてその「守る」対象はサクラ「だけ」ではなかった(もちろん・・サクラはリーの好みのタイプではあったんだろうけれど)。
 
 サスケ奪還任務に駆けつけたのも、サクラを守る為「だけ」じゃなくて「皆の力になりたかった」のだろうし、嘘告白騒動の帰り道に怒らなかったのも「ナルトとサクラ」がスッキリした表情を見せてくれたからだったし・・・ リーが守りたかったのは「己の忍道」と「仲間達」・・そして自分の助けを必要としている「誰か(何か)」だったんじゃないのかな。
 
 こうして、リーの「サクラへの片想い」は、あの時・・・戦場での会話によって「リーの予想しなかったカタチで」終止符が打たれたような気がします。 フラれた訳でもなく、気持ちが冷めた訳でもなく、「なんか違った事に気付く」というカタチでの終わり・・・ 
 それでも、それは「せつない終わり方」ではなくて、リーは「自分の本当の想い」に気付いた・・・サクラとの関係は「もっと大切なもの」だったと気づいたんじゃないだろうか。
 
「サクラを死ぬまで守りぬく」とはどういう事だったのか・・・ 

最初は「可愛い女の子を守れる強い男になりたい」という理由だったとしても、次第にその理由は変わっていったんじゃないだろうか。 サクラが「可愛いだけ」じゃなくって、実は「負けず嫌いな努力家」だとリーも気づいていったはずなんですよね。 ペイン戦やサソリ戦での彼女の「派手な活躍」こそ知らなくても、「音忍の前で髪の毛をバサッと切り落として覚悟を見せるサクラ」や、「いのとの対戦で最後まで引けを取らずに闘った」姿を見ていたのだから。 
 
相手に見下されても、格下と思われても「負けたくない」と立ち向かったサクラ・・・・そういうサクラだからこそ、リーは「守ってあげたい」と思うようになったんじゃないだろうか。 リーが「一生かけて守り抜きたい」と思ったものは、そういう姿だったのかもしれない。 それに、サクラを「守ってきた」つもりが、サクラに「励まされてきた」部分も大きかったんじゃないだろうか。
 
そして、サクラが「諦めないで立ち向かう」事が出来るようになったのも、「リーの背中」を見てのことだったし・・・ サクラが「どんな時でもずっと努力を続ける」ようになったのも、入院中にも修行を怠らないリーを見たことが大きかった(と思う)。 リーも、サクラも、お互いの姿に励まされ、影響を与え合って共に成長してきた。 どこか、鏡のように「相手の姿」の中に「自分の姿」を見ていた部分もあったのだと思う。
 
リー自身も「自分が思っていた以上に」驚くほど逞しく成長していた・・・・ 
戦場で、リーを驚かせた「すっかり成長して逞しくなったサクラ」の姿。 あれも、リー自身の「投影」だったのかもしれません。 




☆長駄文、読んでくださって感謝・・・


☆リーもサクラも、カッコよく立ち向かう姿以上に、相手をいたわり想う「優しさ」こそカッコイイ・・



(ナルト好きブログ!  2016/05/31)