ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO578話~593話イザナミとカブトから・・・「ウルシ」の名前

NARUTO578話~593話までの「兄弟共闘」(イザナミとカブト)エピソードの「再雑考」2 「ウルシ」の名前

NARUTO-ナルト-582、583、587話に出てくる「ウルシ」のエピソードからの雑考)
 
「ウルシ」とは・・・カブトの孤児院時代の友達(兄貴分)で、カブトが院に保護された時から仲間として受け入れ、ずっと可愛がってくれた「兄弟」のような存在。 その後、ウルシも忍になって戦争にも参加し、ずっと「弟・カブトが任務を終えて帰ってくる」のを待っていた。 

 587話ラスト(61巻ラスト)、「自分には居場所が無い」と思い込んでいたカブトが、イザナミの術の中で本当の自分を受け入れる為に闘っている間・・・戦場の一隅で、「今でも弟・カブトの帰りを待っている」ウルシの姿が描かれる・・
 
 
《今度こそ 帰って来るといいな・・》

《カブト》
 
 
この部分、ホント泣けてね・・・今でも読み返す度にウルっとくる。 
 
ここまで、どうしようもなく「救いが無い」ように見えたカブトの人生に、急にぱーっと明るい光が射してきたというのかな・・・カブトにも、今でもちゃんと帰りを待っている“兄弟”がいる、帰れる場所があるんだと嬉しくなった。
 
 「ウルシ」は、真っ暗な闇の中に見えてきた光のように見えた。 カブトとこの世界をつないでくれる、希望の光のように見えた。

 ちょい役でありながら大役を果たしている「ウルシ」・・・ このエピソードの中では「カブト」の名前の由来が明かされましたが、作者はなぜこの人物に「ウルシ」の名前を与えたのかすごく気になって、当時(2012年)調べて“判明” した「出典」らしきものが「以呂波字類抄」でした。 
 
《倭武の皇子(やまとたけるのみこ)が狩猟をしていた時、大猪に矢を射たが、トドメを刺すことが出来なかった。 部下の一人がそれならばと、ウルシ(漆)の木を切ってその汁を矢先に塗り込めて再び射ると、見事に大猪を仕留めることが出来た》 (「奈良県ホームページ」より2012年に引用・・587話感想より)。
 
これを読むと、少し前の580話「兄弟の時間」に登場する《イタチとサスケの大猪狩り任務の話》にそっくりなのです。
 
 
 《サスケが小さい頃、兄さんの「猪狩り任務」についていった時、大猪に矢を射ったが、失敗してしまった。 でも再会した二人はあの時を思い出しながら心をつないで「共闘」し、須佐能乎の矢でカブトという「大猪」を再び射る・・・そして「今ならあの大猪も仕留められそうだな」「大猪よりまずはあの蛇を仕留めないとな」「ああ・・」という会話を交わす》 (580話より)。
 
 
「以呂波字類抄」では、大猪を射止めたのは「倭武の皇子とその部下」でしたが、実際に大猪を射止める「重要な役割」を果たしたのが「漆(ウルシ)」でした。 
 
そして「NARUTO-ナルト-」でも、大猪(カブト)を射止めたのは「イタチとサスケ」でしたが、実際に大猪(カブト)を射止める「重要な役割」を果たしたのは「ウルシ」の存在だった・・・。
 

 ウルシは、カブトが孤児院を去る時、「カブト!オレらとの3年間を捨てんのか! こっちへ来い!」とカブトをつなぎ止めようとしますが、カブトはそれを拒否し、それからずっと、ウルシはカブトの帰りを待ち《こっちへ来い、帰ってこい》と手を差し伸べ続けていたのです。 
 イザナミの中で、カブトは・・あの時、ウルシが《こっちへ来い》と引き留めてくれたことを思い出していた・・はず。 そして、自分が帰るべき場所は、ウルシが居る場所なのだということも・・・思い出したと思う。
 
 暗く辛い話が続いたあのエピソードも、587話ラストに「ウルシ」が登場したところから、一気に光が射し始めます。 たとえその後、イタチとサスケの再びの別れが待っていたとしても・・それは43巻のような雨に打たれた辛い別れではなく、光と愛に包まれたものでした。 そして、このエピソードのラストを飾る「サスケと大蛇丸一行の再出発」シーン(593話)も、暗い洞窟に降り注ぐ明るい光に包まれていました。

「ウルシ」とは・・・カブトの帰りを信じてずっと待ってくれていた「兄弟」。カブトをこの世界につないでくれた存在。 そして「孤独の闇」から救い出し、この世界とつないでくれた「光」のような存在。 その存在こそ「以呂波字類抄」に於けるウルシのように、解決のカギとなる・・・ それは「サスケをこの世界につなぐのは、今も“兄弟”の帰りを信じて待つナルト」という予言でもありました。
 
 ウルシというキャラクターは、582、583話の「カブトの回想上」で登場し、587話で「現在の姿」がチラッと描かれている「だけ」の、脇役中の脇役。 ウルシ自身も自分を「末端の忍」と呼び、戦況も把握できず「何が何やら」と言っていた・・・特別な能力も無さそうな「その他大勢」の一人です。 だけどウルシは物語の「転換点」となったこのエピソードで「欠かせない存在」となっている・・・ まさか自分がこんな「隠れた大役」を果たしていたなんて、ウルシ自身も気づいてないだろうな・・。
 
「外伝・七代目火影と緋色の花つ月」では、再建された「こども園」でカブトの傍らに立ち、カブトを支えるように、共に子供達の世話をするウルシの姿が描かれていました。 
 
 61巻には「兄弟の時間」というタイトルの話があるけれど、それはもちろん「イタチとサスケの時間」を指しているわけだけど・・・そこには「カブトとウルシ」という“本当の兄弟ではない兄弟”の時間・・・再びつながれた時間も含まれているんだろうな・・と思っています。
 
 
 
(ナルト好きブログ! 2016/06/17)
 
 
 
 
 
☆駄文読んでくださって感謝・・・
 
☆他の雑考をはさんで、続きの「このエピソードから考える《大蛇丸研究の軌跡》」の雑考をと思ってます・・