ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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NARUTO-ナルト-考察 NARUTOの「音」演出 (トビの正体が分かるまでの「音」による演出が凄すぎる・・!)

NARUTO-ナルト-の「音」演出の凄さ (595話~トビの正体明かしエピソードに於ける「音」の演出)

 今回は、この前の「BORUTO」の感想で触れた「効果音」のはなしを少々・・・ 
 
私は岸本先生の「効果音」の演出法に、とにかく惚れ込んでおります。 それで、どーしてももう一度取り上げたかったのが、62~63巻で使われている《ゴゴゴゴゴ・・》という効果音の演出法なんです。 これがね、読み返してみると「とにかくすごい!」。 岸本先生の「考えに考え抜かれた」洗練された音の演出法の、真骨頂と言うべきもの(と私は思っている)。
 
 しかも、その《ゴゴゴ》の演出は「一話単発オンリー」のものではなく、「594話から600話まで」ずっと続き、しかもちゃんとオチがあって、その演出が“計画的” に練られていることが分かります。 「効果音」という細部まで手を抜いてない・・・ホント、凄過ぎる。
 
 (なお、この《ゴゴゴ》という音の演出については、Kindle版でも記事にした題材なので、読んでくださった方には申し訳ないのですが・・一部省略、変更してこれだけ紹介させてください)・・・とにかく、この部分の「音の演出」は、私にとっては鳥肌ものなのです。
 
 さて、62巻から戦争も後半戦へ突入・・・まずは「トビの正体判明」エピソードから話が始まります。
 その幕開けが「594話祖たるもの」、舞台は「トビVSナルト、カカシ、ガイ、ビー」の戦場へと移り、トビが外道魔像を復活させ始めるところからスタートするのですが・・
 
594話冒頭から、外道魔像が蠢き始め、その地響きの音《ゴゴゴゴゴ・・・》が描かれています。その地響きと共に、外道魔像が唸る振動で「地面の岩」が空中へ浮かび上がっていきます。
 
さらに、595話は「カラー扉絵」で始まり、その絵には「向き合うナルトと仮面男」が描かれており、その真白な背景には「空に昇っていく無数の岩の断片」だけが描かれています。 岩の断片・・・これこそ、仮面男の正体の「大ヒント」でした。 しかも「持ち上げられ、昇っていく岩」というところがね・・
 
イメージ 1
(595話感想から)
 
《ゴゴゴゴ》という音は、直接的には「外道魔像の復活を示す音」。 だけど、その《岩が持ち上げられていく》音は、記憶のフタを開ける音でもありました。
 
《岩で蓋を閉められた記憶》といえば、思い出すのが「カカシ外伝」のラストシーン・・・
 
 「カカシ外伝」のラストシーンでは、岩隠れの忍達による「土遁・裂土転掌」の術によって岩が崩落し、《ドドドド・・》と岩が崩れる音と共にオビトは地中に消えてしまいます。 そして岩は《ズズズ・・ン》と重い蓋を閉じてしまう。

 あれから十数年、閉ざしていた岩が《ゴゴゴ・・》とカカシの前でゆっくり持ち上げられていく。 《ゴゴゴ・・》と持ち上げられていく岩の音は、《オビトとの再会》を予告していました。 そして、この《ゴゴゴ・・》の音は、トビの面割れ=正体判明エピソードが「終わるまで」、ずっと続きます。 594話の「エピソード開始」から、600話の「確定」に至るまで、ずっと背景に描かれ続けるんです。 
 
・・・で、ここで着目したいのは、それが描かれているのが「面が割れてオビトと判明する599話まで」ではなく、その次の「600話」までという点なんです。
 
 《ゴゴゴ》の音が止まるのは「600話」・・・それも「どういうタイミングで」止まったかというと・・
 
《594話から、少しずつ「仮面の男=オビト」のヒントがカカシの前に提示されていき、次第にカカシは「オビトかも」と考え始め、ついに599話で顔を合わせ「オビト?」と判明します。 しかし、カカシは目の前の現実がまだ受け入れられない様子。 目の前の現在の「オビト(敵)」と、過去のカカシの記憶にある「オビト(英雄)」が一致しないのです》
 
 しかし、600話で・・・カカシは冷静に「記憶」を辿り始めます。 で・・・カカシは目の前のオビトを見ながら、記憶を辿り始めようとするのですが・・・その“背景”には、《ドドドドゴゴ・・》という岩の音が書きこまれています。 今現在聞こえている音は《ゴゴゴゴ・・》のはずなのに、なぜか《ドドドドゴゴゴゴ》。

 《ドドドド・・》は過去に聴こえていた音、カカシ外伝に描かれている「岩が崩落する」音です。 それが混ざっての《ドドドゴゴ・・》・・・つまり、カカシがいよいよ「過去と現実」を重ね始めたということ・・・「過去のオビトと現在のオビト」を重ね始めた事を意味しているんじゃないかと思います。
 
 で・・それに続く「回想」は、ほぼ「カカシ外伝」どおりです。 カカシは冷静に正確に、オビトの最期を思い出していきます。 背景に聴こえている「音」も、すべてカカシ外伝と同じ・・・
 
 だけど、一番最後に思いだす「オビトが岩の下に消えていった」場面は、これまた「ちょっと違う」んです。
 
 カカシ外伝で書かれているのは《ドドドドド・・》だったのに、今度はそれが《ゴゴゴゴ》に替わっているのです。現在聞こえている《ゴゴゴゴ・・》に完全に入れ替わっている。  回想スタートの時のような《ドドドゴゴ》と「混ざった音」でもないんですね(混ざっているということは・・一致させようとはしたものの、2種の「異音」がごちゃごちゃになって相容れていないということ)。 
 
 過去のオビトの描写に現在の《ゴゴゴゴ・・》が入れられたという事は、完全に「過去のオビト」と「現在のオビト」が一致したことを意味していると思うんです。
 
・・・そこでカカシは回想を止め、場面は「現実(現在)」に戻り、カカシも「現実」に戻ってきます。
 
「生きて・・いたのか」と言って。 
 
「生きていたのか」・・・ここで「やっと」カカシは目の前の男が「ホンモノのオビト」なんだって、確信したんですね。 受け入れられたくないけど、現実として受け入れた・・・やっと「過去」と「現在」がつながったのです。
 それまでは、どうしてもあの男がオビトとは思えなくて、思いたくなくて、必死に「否定できる材料」を探していたカカシですが、冷静に記憶のフタを開けて辿っていって・・やっと「重なった」。 そして594話から続いた「正体明かしエピソード」は、600話の「このタイミング」でようやく「終わる」のです。
 
・・・そして、このタイミングで、594話からずっと続いてきた岩の《ゴゴゴゴ・・》の岩が舞い上がる音も、ピシャッと止まります。
 
過去を表す《ドドドドド・・》と、現在を表す《ゴゴゴゴゴ・・》、この2つの「音が一致」することで、カカシの中でのオビト像が「一致」したことが、そっと描かれている・・・
 
 「594話から600話」まで、ずっと・・《ゴゴゴゴ・・》の音“だけ”を追いかけて読み直してみると、この音は「カカシの心の中の戸惑い、苦悩」を表しているように感じられて、何ともせつなく哀しく聞こえてくる。 あの音はカカシの「心」、そしてオビトの「心」、2人の心の中の声、心の叫びのようにも感じられるんです。
 
 アプリ版のNARUTOは今ちょうどこのあたりでしょうか・・これから読む方は《ぜひ》この「音」を気にして読んでみてください。 
 きっと・・この2人の「再会」シーンが、よりドラマティックに感じられるのではないかと私は思っています。
 
 
・・・・
 
 
 
 
☆駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
☆このあたりの「当時の感想」を久々に読みなおしてみましたが・・・まぁ「酷い」ったら(苦笑)・・・文章は意味不明、妄想暴走。 「結果」が分かっている今読むと恥ずかしい限りですが、これもまた懐かしい、当時の素直な感想。 もしよろしければ、笑ってやってください→595話感想
 
(なお2014年あたりにヤフーブログの形式が変更されたため、一部の記事で文字化け、崩れを起こしているところがあります・・気づいたところから少しずつ直していこうと思いますが)
 
☆今回の記事、kindle版より一部を引用しました(今回、ブログ用に書きなおしました)
 
 
 
 
(ナルト好きブログ! 2016/06/25)