ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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ナルトの「影分身の術」・・・そのもう1つの“意味”

ナルトの「影分身の術」・・・そのもう1つの“意味”




影分身の術とは、もうひとつの実体をつくり出す忍術。 通常の“分身の術”とは異なり、分身が実体となって現れて、物理的な攻撃を行わせることができる。 様々な術に応用することも可能な高等忍術。 (「臨の書」の説明より)

 
 
 影分身の術は言うまでもなくナルトの代表的な得意忍術であり、ナルトの「協力」を象徴する術。 そして「術の開発者」は二代目火影・扉間であり、術には便利なメリットと思わぬデメリットがある事も明かされた・・  
 今回は「影分身のメリットとデメリットが語るもの」について、ちょっと雑考してみます。


・影分身の術のメリット

 影分身の術を使うメリットとしては《解術した時に影分身達の経験値が本体に蓄積される》点があります。 たとえば、多重影分身を使って修行をすれば、「人数分の経験値が加算される」。

そして、今回着目したいのはこの部分なんです(以下、35巻 影分身修行開始前のカカシとナルトの会話より)。


「よし!じゃあオリジナル側と影分身側の二組に分かれて・・影分身の組は向こうの林の中に隠れる 影分身の方のナルトはついて来い」
「林の中のオレたち影分身の姿はオリジナルの方からは見えない オレたちの方だけジャンケンをするぞ」

(本体ナルト&本体カカシ)
「影分身の方は何してるんだってばよ?」
「もうすぐ何してたか分かる」

(影分身ナルト&影分身カカシ)
「やり―勝った!」
「じゃあオレたち影分身組は術を解いて消えるぞ」

(影分身の術、解術)

「どうだ?影分身が何をしてたか分かっただろ?」
「ジャンケンをしてオレが勝った」
「これで分かっただろ 影分身の経験値はオリジナルの中に蓄積されていく」
 


 ・・・どうやら、ナルトは「術のメリット」に気づいていなかったらしい。 
「何となく影分身してたから気がつかなかったってばよ」と言っていたけれど、それまで影分身と「別行動」したことが殆ど無かったのかな・・? だから、影分身が見えないところに行ってしまうと「影分身の方は何してるんだってばよ?」と不安になってしまう。 

これって、「サスケは今、どこに居て何をして何を考えてるんだってばよ?」と心配するのと同じ・・・ナルトとサスケは、まるで互いの「影分身」。でも・・


「影分身の方は何してるんだってばよ?」と気にするナルトに、カカシは「もうすぐ何してたか分かる」と答えた。


 いつか戻って再び1つになった時には「影分身がどんな経験をしてきたのか」伝わる、分かる・・・ そして2人が経験した事が加算され、2人分の力になる。  
《影分身の術のメリット》は、「いつかサスケが何を経験してきたのか分かる時も来る」ことをヒントのように示してくれていたんですね。

 

・術のデメリット

 そしてこの時に明かされた「術のデメリット」とは・・・「影分身たちの疲れまで蓄積されてしまうこと」でした。


「経験値と一緒に・・精神的疲労も蓄積してしまうのが難点だな」

(カカシのセリフ、35巻)

 
 解術した時に影分身達の《肉体的疲労》が蓄積されてしまうってのは分かるんだけど、ここでカカシが《精神的疲労と言ってるところがポイント(なのかな、と)。 分身の気苦労やストレス、心の痛みまでが「伝わってくる」・・・これも、まるで《ナルトとサスケ》。 
 

72巻、物語ラストのほうでこんなセリフがありましたっけ・・



「お前のそーゆー背負ってゴチャゴチャしてるとこ見てっと・・なんでか・・」「オレが痛てーんだ
「すっげー痛くてとてもじゃねーけど そのままほっとけねーんだってばよ!」

(ナルトの言葉、698話より)


(お前の苦しむ姿を見る度・・そう・・・オレも―――)
(オレが痛くなったんだ)

(サスケの心の言葉、同じく698話より)



 ナルトとサスケが共有した「心の痛み」・・・互いの影分身のような二人。 この《心の痛みの共有》こそが最終的に二人を再び結び付けることになります。


今は遠く離れて、違う道を歩く二人・・・・だけど、どこかで二人は繋がっている。
共有する心の痛み・・・そして「いつかきっと」という想い。



イメージ 1

 修行中、夜空を見上げて流れ星を見つけ、サスケを想い・・「第七班」のつながりを信じたナルト(35巻319話より)。 


 修行前は《サスケは今、どこに居て何を考えているのか》不安だったナルトも、修行を始めてからは《何となくどこかで繋がっている》ような気がし始めていたんですよね。 離れていても「同じ流れ星を見ているかもしれない」と思えるようになったんじゃないのかな・・? 「影分身」の自分のように・・

 たしかに、影分身修行はナルトを急速に「強く」してくれた。 強くなることで、《サスケに近づいている》ような気がしていた・・ 
 だけど、ナルトを《サスケに近づけてくれた》ものは「力」ではなくて「確信」・・・離れていても二人を繋ぐモノがあること、いつか必ず「戻れる時が来る」という確信だったんじゃないかと思います。



影分身の術のメリットとデメリット・・・それは、ナルトに《サスケのつながり》をあらためて語りかけ、それを確信させてくれるものでした。



☆駄文、読んでくださって感謝。



(余談ですが・・)

☆性質変化としての「陰陽」の話題が出てきたのも、35巻のこの修行中でした。 だけど「“陰”と“陽”の性質変化についてはまた今度」と言って、説明はず~っと「お預け」状態のままだった・・・

☆だから気になっちゃって「陰陽システムとは何か、その仕組みは何か」等、あれこれ考えてた事もありました。 だけど、本当に大切なのは術の仕組みとかじゃなくて《その言葉の意味》だった・・(と分かったのは後になってから)。

☆《何であれ一つとして一つで完璧なんてものは無いのかもしれない だからこそ補うモノが引き寄せられるように生まれ・・側で対を成して初めて少しでも良い方向へ近づけるのだと思う・・ イザナギイザナミの術のように》 
(61巻、イタチの言葉)

☆大切なのは「陰と陽」のように、違う2つが寄り添って補い合い1つになるということだった。

☆影分身修業中、夜空を眺めてサスケとの繋がりを信じたナルトは、起き上がって修行を再開します。 そして、場面は夜から朝へと切り替わるのですが・・「右のコマには三日月、左のコマには太陽」が並んで描かれているんですね。

イメージ 2

(35巻319話から模写)


そして、物語もいよいよクライマックスとなった70巻、六道仙人から力を貰ったナルトとサスケ・・「右のページにはサスケの三日月(陰)の印、左のページにはナルトの太陽(陽)の印」が描かれます。

イメージ 3

672話より。 「319話の画」と対になっているかのよう・・・


☆あの影分身修行の時に、「陰と陽」の話がちらっとだけ出たのは・・《ナルトとサスケも陽と陰、今はまったく違う道を歩く二人だけど・・いずれは引き寄せ合うように1つに戻って補い合う時が来る》という予言、伏線として・・だったんですね。





(ナルト好きブログ! 2017/05/22)