ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

歌舞伎NARUTO、観てきました!(今ごろだけど、感想をちょっとだけ)


歌舞伎NARUTO、観てきました!

この夏、「歌舞伎NARUTO観てきました!(8月23日、新橋演舞場にて)

 歌舞伎ならではの豪華絢爛なNARUTO世界を楽しんでまいりました。  本水を使ったラストの終末の谷の場面や、蝦蟇・蛇・蛞蝓の大掛かりな三竦み、そして死神が登場する屍鬼封尽の場面など・・    冒頭の「語り」の部分からゾクゾクするほど引き込まれました。

  坂東巳之助演じるナルトは、元気で明るくて まさにナルトなんだけど、それでいて「しっかり前を見据えてブレないキリッとした目」が、さらにナルトらしかった ・・ そして中村隼人演じるサスケは、これまた「斜めに流す視線」が美しくてね・・ その視線は鋭いようで どこか「甘さと優しさ」を感じるところが、またサスケらしかったりもする(刀を使う動きはさすが)。  それに、中村梅丸のサクラちゃんが、とにかくすごく可愛いい!  市川猿之助のマダラの圧倒的な存在感や、絵からそのまま出てきたような市川猿弥自来也とか・・

そして何より一番驚いたのは、「1巻から72巻までのストーリーだった」ということでした。 あの長~~~~い話を、一部分だけではなく、最初から最後までですよ、これには驚いた・・

  当然ながら、そこには「超大胆なストーリーカット」があったり「容赦ない登場人物絞り」があったりするわけです。  物語前半のストーリーは大幅に削られていたし、終盤の戦争の話も出てこない。同期達や我愛羅も出てこないし、終盤の敵は「うちはマダラ」一人に絞られ、ペインやオビト、カグヤは出てこない。

 これだけバッサリ容赦なくカットされているんだけど、不思議と「大味なあらすじ感」はほとんど感じなかったのです(これは人によって感じ方は違うと思うし、原作を知らない人がどう感じたかも分からないんだけど)。
なんでだろう、あれだけたくさんあるストーリー柱を取り払っても、成り立っているというのは・・・ 「残すべき柱」がうまく選ばれているってことなんだろうか。

  で、残された(というか選ばれた)柱を見ると、シンプルに「ナルトとサスケ」に絞られているんですね。  二人が歩んだ別々の道と、大切な出会いという柱に絞り込んでいる感じがする。
   たとえばナルトの場合は、自来也綱手との出会いや、両親の愛情を知るエピソードはしっかり登場する。  サスケは、一族のことや大蛇丸やイタチとのエピソード・・これらはかなり原作に忠実に、しっかりと登場しているのです。 

 もちろん「歌舞伎映え」するような場面(木ノ葉崩しや三竦み、大蛇とサスケの闘いやイタチとサスケの闘いなどの戦闘シーン)中心に選ばれたってのも あるんだろうけれど、それでも二人それぞれの成長過程がよく伝わるストーリー構成になっていた・・

  そして、省いた部分を繋げるために、多少「歌舞伎オリジナルストーリー」に変更されてる部分もあるけれど、それでもNARUTOらしさや登場人物の個性は あまり曲げられていない(ように感じた)。 登場人物を大幅削減した分、登場しない人物たちの「重要なセリフ」は他の人物に言わせるなどして、うまく「残すもの」を選んでる感もあった。

  それと、私はナルトと長門、ナルトとオビトの「心をぶつけ合う闘い」の長いやりとりが好きだから、それらが飛ばされて「終盤の敵はマダラだけ」ってのは どうなのよとも思ったけど、実際に観てみたら不思議と違和感を感じなかった・・

なんでだろう、結局はナルト達は「様々なカタチをしたマダラ」と闘ったって事だから・・なのかな、なんて考えてみたり・・

で、歌舞伎を観終わったあとに、今さらのように「マダラとは何だったのか」と考えた。  マダラとは・・そして「無限月読」とは何だったのかと。


 綱手は、マダラについて「その名が“力“なんだ」と言ってましたっけ。 そして「マダラという存在がこの世に生きているのではないか?欺瞞に満ちた存在でもそう思わせておけば世界は恐怖する」とも。。

「マダラ」といっても、あの伝説の忍「うちはマダラ」個人を指すだけじゃあないと思うんですよね。  マダラとは「この世界に存在する漠然とした恐怖」であり、その漠然とした恐怖とは「これまで封印してきた忍世界の闇」のことだったんじゃないかな。

それまでの忍世界ってのは、柱間のような「光」だけを選んで、マダラのような「闇」は見えないところに封印して隠そうとしてきたんですよね。 一部の忍達が犠牲となって、闇を背負ってきたりして・・  これって、闇を捨てて光だけの世界を造ろうとした「無限月読」と大差ないような気がする・・

ナルト達が闘ったのは《マダラと無限月読》・・つまり「自分たちの中にある闇」と、「自分達がこれまで造ってきた幻のような世界」だったんだと思います。
そう考えれば、終盤の敵を「マダラ」一本に絞った歌舞伎NARUTOも、たしかにそれでも良いのだと思えた・・

私は、どーも細かい部分だけを取り出して雑考する傾向があるんだけど、歌舞伎NARUTOの「大胆にして大局的な捉え方」に あらためてNARUTO世界の奥深さ、懐の深さを教えてもらった気がします。


新作歌舞伎の「古典と現代」が不思議と見事に融合した舞台は、NARUTOの「新旧が混在し 様々な個性が絡み合い共存する 独特な風景や世界観」にホントぴったりだった・・ NARUTOの、また新しい魅力を知った 実にしあわせで贅沢なひと時でした。。

(歌舞伎の脚本は、G2さんによる)

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観劇のおたのしみ?劇場のナルト弁当。



☆2019年6月には、京都四條
南座でも!






(ナルト好きブログ! 2018/09/21)